ArcGIS Pro ライセンスの管理
このトピックの内容
ArcGIS Pro を使用可能な組織の管理者は、Portal for ArcGIS を使用して、ArcGIS Pro を実行できるメンバーや、メンバーが使用できるソフトウェア ライセンスを指定します。メンバーのライセンスは、個別に管理したり、割り当てを一括して更新したりできます。
ArcGIS Pro アプリケーションは ArcGIS for Desktop の一部です。Basic、Standard、および Advanced の 3 つのレベルがあり、各レベルで追加機能を提供します。組織を通じてライセンスを付与するのは、ArcGIS Pro だけです。その他の ArcGIS for Desktop アプリケーション (ArcMap、ArcCatalog、ArcGlobe、および ArcScene) は、ローカルの ArcGIS Administrator アプリケーションを使用してレベルやエクステンションを設定します。
1 人のメンバーに対して 1 つのライセンス レベルを割り当てます。また、エクステンション製品の利用を有効化することもできます。メンバーがエクステンションを使用するには、そのエクステンション製品を使用するためのレベルとライセンスの両方が必要です。
ライセンスを割り当てたメンバーが ArcGIS Pro を起動してサイン インすると、指定したレベルとエクステンションでアプリケーションが実行されます。ただし、特定のメンバーに対してライセンスを指定していない場合、そのメンバーがサイン インしても ArcGIS Pro は起動しません。メンバーが ArcGIS Pro で作業している最中にライセンスを完全に取り消した場合、ソフトウェアが認証されていないため自動的に終了処理を開始することを伝える通知が、ArcGIS Pro によって表示されます。猶予期間が経過すると、そのメンバーは、保存していない作業内容を保存するように求められ、ArcGIS Pro を使用できなくなります。
ArcGIS Pro 内で、メンバーはライセンスをチェック アウトして、非接続環境で使用するように ArcGIS Pro を認証できます。ライセンスがチェック アウトされている場合は、メンバーの名前の横に赤いボックスが表示されます。ライセンスがチェック アウトされている間、そのライセンスは変更または削除できません。複数のメンバーを選択したときに、ArcGIS Pro を非接続環境で実行しているメンバーが 1 人でもいると、選択したメンバーのいずれに対してもライセンスを構成できません。
チェック アウトしたライセンスを使用しているデバイスが損失または破損した場合、ユーザーは新しいライセンスをチェック アウトしたり、ArcGIS Pro を非接続環境で使用したりできなくなります。この場合は ArcGIS Portal Directory を使用して、チェック アウトされているライセンスを解放する必要があります。これにより未処理のライセンスが解放され、ユーザーは新しいライセンスをチェック アウトしたり、ArcGIS Pro を非接続環境で使用したりできるようになります。
接続環境では、ArcGIS Pro セッションをリモートで終了できます。たとえば、あるメンバーがサイン インして、ArcGIS Pro を同時に 3 台のコンピューター (最大許容値) で実行して稼働状態にした後、外出先からも ArcGIS Pro を使用する必要が生じたとします。メンバーはセッションを終了することで、サイン インして ArcGIS Pro を起動できるようになります。また、ArcGIS Pro が予期せず終了した場合に、セッションを終了して、ライセンスをすぐに解放することもできます。
ライセンスの詳細の表示
- 組織の管理者としてサイン インしていることと、組織が ArcGIS Pro を利用可能であることを確認します。
- サイトの上部にある [組織] をクリックして、[ライセンスの管理] をクリックします。
ページを開くと、ライセンスの詳細、メンバー テーブル、およびライセンスを構成するためのツールが表示されます。メンバーを検索したり、ライセンスをフィルタリングしたりできます。
ページには、認証する製品、ArcGIS Pro のすべてのレベルの合計数、およびメンバーに割り当て可能な ArcGIS Pro レベルとエクステンション ライセンスの数が表示されます (組織で使用可能なエクステンションをすべて確認するには、スクロールが必要な場合があります)。また、どのメンバーにどのライセンスが構成されているか、メンバーが最後に ArcGIS Pro を使用した日時、およびライセンスがチェック アウトされているかどうかも確認できます。これは、メンバーのライセンスを割り当てたり取り消したりするページと同じです。
1 人のメンバーのライセンスの構成
組織の 1 人のメンバーをクリックすると、一度に1 人のメンバーだけを対象にライセンスを変更することができます。
- 組織の管理者としてサイン インしていることと、組織が ArcGIS Pro を利用可能であることを確認します。
- サイトの上部にある [組織] をクリックして、[ライセンスの管理] をクリックします。
- 組織のメンバーのリストで、管理するライセンスを持つメンバーを検索します。
- ユーザーのリストを名前、ロール、グループなどの属性でフィルタリングするには、[次で検索] をクリックして、条件を入力します。
- 管理するメンバーの行で、[ライセンス対象] 列のハイパーリンクをクリックします。行内のその他の場所をクリックすると、そのメンバーを [選択されたメンバー] のリストに追加して、複数のライセンスを一括管理できます。
メンバーにライセンスがまだ割り当てられていない場合は、リンクが [ライセンスの構成] という表示になります。それ以外の場合、リンクには ArcGIS Pro のレベルとエクステンションの数が表示されます。
- メンバーのライセンスを構成します。
- ライセンスを割り当てるには、ArcGIS Pro のレベルとエクステンションを選択して、[割り当て] をクリックします。
- 既存のライセンスの割り当てを更新するには、ArcGIS Pro のレベルとエクステンションを選択して、[更新] をクリックします。
- すべてのライセンスを削除するには、[すべて取り消し] をクリックします。
- メンバーが最後に ArcGIS Pro を操作した日付を確認するには、メンバーの名前の [最後に使用したタイムスタンプ] 列を確認します。また、名前の横に表示される緑色のボックスは、メンバーが最近 ArcGIS Pro を使用したことを示します。
- メンバーのアクティブなセッションを終了してライセンスを解放するには、メンバーの名前の [最後に使用したタイムスタンプ] 列をクリックし、[中止] をクリックします。アクティブなセッションを確認し、終了するセッションを選択します。メンバーが ArcGIS Pro からワークステーションにエイリアス名を設定している場合は、終了するセッションを決定する際に役立ちます。ArcGIS Pro 内で、メンバーがセッションの終了に関する通知を受け取り、アプリケーションのシャット ダウンが開始されます。メンバーは、ArcGIS Pro の同時セッションを最大で 3 つ実行できます。
注意:
[すべて取り消し] をクリックすると、ArcGIS Pro のすべてのライセンスが削除されるので注意してください。エクステンションへのアクセスを削除するなど、既存のライセンスの割り当てだけを変更したい場合は、変更を加えて [更新] をクリックします。
複数メンバーのライセンスの構成
複数のメンバーのライセンスを一度に変更できます。更新内容は、[選択されたメンバー] リスト内のすべてのメンバーに適用されます。
- 組織の管理者としてサイン インしていることと、組織が ArcGIS Pro を利用可能であることを確認します。
- サイトの上部にある [組織] をクリックして、[ライセンスの管理] をクリックします。
- メンバーを [選択されたメンバー] リストに追加します。
- メンバーをリストに追加するには、そのメンバーの行をクリックします。
- 組織のすべてのメンバーをリストに追加するには、[メンバー] リストの上にある [すべて選択] をクリックします。
- メンバーのリストを名前、ロール、グループなどの属性でフィルタリングするには、[次で検索] をクリックして、条件を入力します。リストに追加する各メンバーをクリックするか、[すべて選択] をクリックして、条件を満たすすべてのメンバーをクリックします。たとえば、あるグループ内のすべてのメンバーのライセンスを更新するには、[次で検索] をクリックして、ドロップダウン リストからグループ名をクリックし、[すべて選択] をクリックします。
- リストからメンバーを削除するには、メンバー テーブルの横にある [選択されたメンバー] リストでメンバーの名前をクリックします。
- [構成] をクリックすると、[選択されたメンバー] リスト内にあるすべてのメンバーのライセンスが更新されます。
- ライセンスを割り当てるには、ArcGIS Pro のレベルとエクステンションを選択して、[割り当て] をクリックします。
- 既存のライセンスの割り当てを更新するには、ArcGIS Pro のレベルとエクステンションを選択して、[更新] をクリックします。
- すべてのライセンスを削除するには、[すべて取り消し] をクリックします。
- [選択されたメンバー] リストは、[メンバー] をフィルタリングしてライセンスを構成しても維持されます。[選択されたメンバー] リスト内の行をクリックすると、メンバーを個別に削除できます。また、[消去] をクリックすると、そのリストが完全に空になります。
注意:
[すべて取り消し] をクリックすると、ArcGIS Pro のすべてのライセンスが削除されるので注意してください。エクステンションへのアクセスを削除するなど、既存のライセンスの割り当てだけを変更したい場合は、変更を加えて [更新] をクリックします。
チェック アウトされたライセンスの解放
ユーザーが非接続環境で使用するためにライセンスをチェック アウトし、そのライセンスを使用するデバイスが損失または破損した場合は、ArcGIS Portal Directory を使用してライセンスを解放する必要があります。これにより未処理のライセンスが解放され、ユーザーは新しいライセンスをチェック アウトしたり、ArcGIS Pro を非接続環境で使用したりできるようになります。
- Web ブラウザーを開き、ArcGIS Portal Directory に組織の管理者としてサイン インします。URL の形式は、https://portal.domain.com:7443/arcgis/portaladmin です。
- [System] > [Licenses] > [Release License] の順にクリックします。
- ライセンスをチェック アウトしたユーザーの名前を入力します (たとえば、jcho)。
- [Release License] をクリックします。
ライセンスを管理する際の注意事項
- この機能を使用できるのは、ArcGIS Pro のライセンスが提供されている組織の管理者だけです。カスタム管理者ロールに、[メンバーのライセンスの管理] 権限を含める必要があります。
- 組織サイトでは、利用可能なライセンス数を超過して、利用可能数がマイナスになる可能性があります。これは、後で保守契約を変更した場合やトライアル ライセンスを使用している場合など、メンバーにライセンスを割り当てた後に、使用権のあるライセンス数が減少した場合に発生します。組織サイトのライセンスの有効期限が切れたら、組織サイトのメンバーに有効なライセンスのみが割り当てられるように、期限が切れたライセンスを取り消す必要があります。ライセンスの割り当てが修正されるまで、組織のユーザーは ArcGIS Pro にサイン インして認証することができません。