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オフラインでの配置の構成

インターネット接続を使用できない環境や、インターネット接続が組織により禁止されている環境で ArcGIS Enterprise を構成する場合は、次のような問題が発生する可能性があります。

  • HTTPS を使用して ArcGIS Enterprise ポータル Web サイトおよび ArcGIS Portal Directory にアクセスする場合、アプリケーションを Internet Explorer に読み込むのに、ある程度 (最大 1 分) 時間がかかります。
  • Web マップの印刷またはプレビューが失敗します。
  • Web マップでの住所の検索が失敗します。
  • 面積の計算やジオメトリの描画を正しく実行できません。
  • ポータル Web サイトで Web マップ アイテムの範囲を指定できません。
  • Map Viewer に OGC WMS サービスを追加するときに、ベースマップが表示されません。
  • ソーシャル メディアへの共有を有効にしているときに、これらのリンクを開くと 404 エラーが表示されます。

これらの問題を解決するには、特定の HTTPS 設定を構成し、ポータルをローカル リソースに再ポイントする必要があります。作業を開始するには、次のセクションをご参照ください。

HTTPS 設定の構成

オフライン環境で ArcGIS Enterprise ポータルを設定する場合は、必ずポータルがユーザーの証明機関の証明書を信頼するようにする必要があります。詳細については、「証明機関の証明書を信頼するようにポータルを構成する」をご参照ください。

さらに、HTTPS を使用する際に Internet Explorer がインターネットに接続しないように、IE の動作を変更する必要もあります。

HTTPS を使用しているときに Internet Explorer がインターネットに接続できないようにする

デフォルトでは、ブラウザーで HTTPS URL にアクセスした場合、Internet Explorer はインターネットに接続しようとします。インターネットにアクセスできない環境では、ブラウザーは、一定時間 (通常は 1 分間) インターネットに接続しようとします。たとえば、ブラウザーは 1 分後にタイムアウトし、正常に URL に接続します。この挙動は、タイムアウト値に達するまでブラウザーがハングアップしているように見えるため、よく接続不良と勘違いされます。

ブラウザーのこの挙動を防ぎ、ポータル Web サイトと ArcGIS Portal Directory にすぐにアクセスできるようにするには、Internet Explorer がインストールされている各コンピューターのタイムアウト値を小さくします。これを行うには、次の手順に従います。

  1. [開始] > [実行] の順にクリックします。
  2. [開く] ダイアログ ボックスに「mmc」と入力して、[OK] をクリックします。
  3. [ファイル] > [スナップインの追加と削除] の順にクリックします。
  4. [スナップインの追加と削除] ダイアログ ボックスで、[グループ ポリシー オブジェクト エディター] スナップインを選択し、[追加] をクリックします。
  5. [グループ ポリシー オブジェクトの選択] ダイアログ ボックスで [完了] をクリックします。
  6. [スナップインの追加と削除] ダイアログ ボックスで、[OK] をクリックします。
  7. [コンソール ルート] で、[ローカル コンピューター ポリシー] > [コンピューターの構成] > [Windows 設定] > [セキュリティ設定] の順に展開し、[パブリック キー ポリシー] を選択します。
  8. [オブジェクト タイプ] で、[証明書のパスの整合チェック設定] をダブルクリックします。
  9. [ネットワーク検索] タブをクリックし、[これらのポリシー設定を定義] を有効にします。
  10. [デフォルトの検索タイムアウト設定] の値を 1 秒に変更します。
  11. [OK] をクリックします。
  12. [コンソール ルート][ローカル コンピューター ポリシー] > [コンピューターの構成] > [管理テンプレート] > [システム] > [インターネット通信管理] の順に展開し、[インターネット通信設定] を選択します。
  13. [ルート証明書の自動更新をオフにする] をダブルクリックして、[有効] を選択します。
  14. [OK] をクリックしてコンソールを閉じます。

ローカル リソースへのポータルのポイント

ローカル リソースへのポイントが必要なアイテムには、ArcGIS Enterprise ポータルのユーティリティ サービスと Web サイト固有のプロパティが含まれます。ユーティリティ サービスの設定は、ポータルを使用して構成します。Web サイトには、変更する必要のある独自の構成ファイルが存在します。

外部コンテンツの無効化

Esri コンテンツはインターネットに外部アクセスしなければならないことがあるので、ArcGIS Online のリソースに対する要求を避けるためには、コンテンツを無効にしなければなりません。コンテンツの無効化は、グループを選択しておこないます。

  • 「esri_[lang]」が所有するすべてのベースマップ
  • 「esri_nav」が所有するすべてのコンテンツ
  • 「esri」が所有するすべてのコンテンツ

外部コンテンツを無効にする手順:

  1. 組織の管理者として ArcGIS Portal Directory にサイン インします。URL の形式は https://webadaptorhost.domain.com/webadaptorname/portaladmin です。
  2. [システム][コンテンツ][構成][更新] をクリックします。
  3. [False] オプションを選択して [更新] をクリックします。

外部コンテンツを無効にすると、ベースマップをベースマップ ギャラリーに表示する際に、カスタム グループを指定しなければならなくなります。

ベースマップ

ArcGIS Enterprise ポータルには、事前に構成された ArcGIS Online のベースマップのコレクションが付属しています。これらのベースマップは、インターネット非接続環境での使用がサポートされていません。その代わりに、ユーザー独自のカスタム ベースマップを作成し、ベースマップ ギャラリーでこれらのベースマップを提供するようポータルを構成します。詳細については、「ベースマップのカスタマイズ」をご参照ください。

ArcGIS Living Atlas of the World コンテンツ

ArcGIS Living Atlas of the World は、ArcGIS Online で利用できるすぐに使える地理コンテンツを集めたものです。インターネット非接続の環境では ArcGIS Enterprise ポータルから無効にすることができます。しかし、隔離された環境でも Living Atlas 境界レイヤーのコンテンツは使えます。My Esri からファイルをダウンロードし、ポータルにフィーチャ レイヤーとして公開すればよいのです。

ユーティリティ サービス

ローカル サービスをポイントするようにユーティリティ サービスを更新する方法については、「ユーティリティ サービスの構成」の手順をご参照ください。必要な変更点の概要を次に示します。

  • 印刷サービス - ポータルのMap Viewer[印刷] をクリックすると、印刷サービスを使用してマップをプレビューおよび印刷できます。デフォルトでは、ArcGIS Online のサービスが使用されます。オフライン環境では、ArcGIS Server サイトの印刷サービスを使用するようにポータルを構成する必要があります。それ以外の場合は、Web マップを印刷およびプレビューできません。ArcGIS Server サイトの事前に構成された印刷サービスか、サーバーでホストされているカスタム印刷サービスのいずれかを指定できます。

    ポータルのホスティング サーバーを指定すると、ホスティング サーバーの印刷サービスが自動的にポータルに構成されます。印刷サービスを開始して共有し、そのサービスをポータルで使用するだけです。ただし、以前に印刷サービスをポータルに構成している場合、ホスティング サーバーの指定時にその URL は更新されません。サービスを起動して、サービスを共有し、ユーティリティ サービスとしてサービスを構成する必要があります。

  • ジオコード サービス - Portal for ArcGIS は、ArcGIS Online でホストされている World ジオコード サービスを使用するように事前に構成されており、住所や場所名を検索およびマッピングできます。非接続環境では、独自の ArcGIS Server ジオコード サービスを設定して、住所を検索する必要があります。

  • ジオメトリ サービス - バッファー処理や面積の計算などの空間解析を行うために必要な計算を実行します。Portal for ArcGIS は、デフォルトでは ArcGIS Online ジオメトリ サービスを使用します。非接続環境では、独自の ArcGIS Server ジオメトリ サービスを設定する必要があります。ArcGIS Server サイトの事前に構成されたジオメトリ サービスか、サーバーでホストされているカスタム ジオメトリ サービスのいずれかを指定できます。

  • ルート サービス - ルート サービスでは、2 つ以上の場所間のルート案内を検索できます。ポータルのルート ユーティリティ サービスが、Web マップで利用できる [ルート案内] 機能に使用されます。デフォルトでは、ポータルにはルート サービスが構成されていません。インターネット非接続環境で Map Viewer からルート案内を取得するには、独自の ArcGIS Server ルート サービスを公開する必要があります。

Web サイトのプロパティ

  • configurePortalAGOEnv: true, - 構成されたユーティリティ サービスに使用するプロキシを決定するために使用されます。ネットワーク非接続環境では、このプロパティを false に設定します。

  • extentService: "<ローカル マップ サービスの URL>" - extent サービスは、ポータル Web サイトの [範囲の設定] ダイアログ ボックスで、Web マップ アイテムの範囲を更新または設定するために使用されます。デフォルトでは、ArcGIS Online の範囲サービスが使用されます。非接続環境では、GIS Server のマップ サービスを使用するようにポータルを構成する必要があります。サービスは、WKID (Well-Known ID) が 4326 の WGS84 地理座標系を使用する必要があります。

  • gcsBasemapService: "<ローカル マップ サービスの URL>" - GCS ベースマップ サービスは、Web メルカトル座標系をサポートしない OGC WMS サービスのベースマップとして使用されます。デフォルトでは、ArcGIS Online の GCS ベースマップ サービスが使用されます。非接続環境では、GIS Server のマップ サービスを使用するようにポータルを構成する必要があります。サービスは、WKID (Well-Known ID) が 4326 の WGS84 地理座標系を使用する必要があります。

  • portalAGOConfigEnabled: true, - 組織の設定ページにおける [ArcGIS Online] タブの表示を制御します。ネットワーク非接続環境では、このプロパティを false に設定します。Living Atlas コンテンツへのアクセスを無効化するには、ポータルで「Living Atlas コンテンツへのアクセスの無効化」の手順を実行してから、このプロパティを false に設定します。

  • portalLivingAtlasConfigEnabled: true, - portalAGOConfigEnabled プロパティとともに、このプロパティは組織の設定ページの [ArcGIS Online] タブ内の [Living Atlas コンテンツの構成] セクションの表示を制御します。オフライン環境のポータルで「Living Atlas コンテンツへのアクセスの無効化」の手順を実行してから、このプロパティを false に設定します。

  • searchArcGISOnlineEnabled: false - このプロパティでは、Map Viewerで、ArcGIS Online のレイヤーを検索するオプションを無効にすることができます。デフォルト値は true です。これを無効にすると、ArcGIS Online のレイヤーを検索するオプションが、Map Viewerの [レイヤーの検索] ダイアログに表示されなくなります。

  • showSocialMediaLinks: false - Facebook および Twitter のリンクをアイテム詳細ダイアログ ボックスに表示するかどうかを示します。デフォルトは false で、リンクは表示されません。インストール後に、このプロパティを true に設定している場合は、非接続環境でリンクを無効にする必要があります。

これらのプロパティを含むファイルは、<Portal for ArcGIS installation directory>\customizations\<version number>\webapps\arcgis#home\js\esri\arcgisonline\config.js にあります。変更する前に、このファイルのバックアップ コピーを作成することをお勧めします。

ヒント:

ファイルのプロパティを変更したら、編集内容を適用するためにポータルを再起動し、ブラウザーのキャッシュ (cookie など) を消去して、ポータル Web サイトの変更を確認する必要があります。詳細については、「高度なポータル オプションの設定」をご参照ください。

これらのプロパティに対する変更はアップグレードで維持されません。config.js ファイルへの変更は、アップグレード後に再適用する必要があります。

ArcGIS API for JavaScript

Portal for ArcGIS 10.6 のインストールには、ArcGIS API for JavaScript バージョン 3.22 および 4.5 が含まれ、Portal for ArcGIS 10.6.1 のインストールには、ArcGIS API for JavaScript バージョン 3.24 および 4.7 が含まれます。ポータルおよび Web アプリケーション テンプレートは、インストールされた API を自動的に参照します。バージョン 3.22 および 3.24 の API は https://<webadaptor host>.<domain>.com/<webadaptor name>/jsapi/jsapi で使用できます。バージョン 4.5 および 4.7 の API は https://<webadaptor host>.<domain>.com/<webadaptor name>/jsapi/jsapi4 で使用できます。

ユーザーは、独自のバージョンの ArcGIS API for JavaScript をダウンロードおよびホストして Web AppBuilder for ArcGIS開発者向けエディションで使用したり、最新の API 機能を利用したりできます。

また、ローカルにホストされた API を使用して、Services Directory の ArcGIS Server サービスをプレビューすることもできます。詳細については、「ポータルへの ArcGIS Server Services Directory の接続」をご参照ください。

Web アプリケーション テンプレート

Portal for ArcGIS には、さまざまな Web アプリ テンプレートが含まれています。ユーザーは、それらをポータルで公開するか、Web サーバー上にダウンロードしてホストできます。詳細については、Portal for ArcGIS ヘルプの「構成可能なアプリケーション テンプレート」をご参照ください。

デフォルトでは、ユーザーがポータルに公開する Web アプリケーション テンプレートは、ローカルでホストされている ArcGIS API for JavaScript を使用するように自動的に構成されます。ユーザーが Web アプリケーション テンプレートをダウンロードして、Web サーバーでホストされるアプリケーションの作成に使用する場合は、テンプレートにバンドルされている readme ファイルの手順に従う必要があります。

Operations Dashboard for ArcGIS

Operations Dashboard for ArcGIS は、組織サイト内のイベントやシステムを監視するための共通の操作写真を提供するアプリケーションです。Operations Dashboard ポータルで ArcGIS Enterprise を配置し、オペレーション ビューを構築できます。このビューには、リアルタイム地理データを表示して追跡するためのマップ、リスト、チャート、およびその他のツールが含まれています。