ArcGIS Pro アプリケーションは ArcGIS Desktop の一部であり、デスクトップで空間データを作成および操作できます。2D 環境と 3D 環境の両方で、データを視覚化、解析、コンパイル、および共有するためのツールが用意されています。
ArcGIS Pro のライセンスには、次のオプションがあります。
- Portal for ArcGIS メンバーへの指定ユーザー ライセンスのプロビジョニング。
- ArcGIS Online 組織のメンバーへの指定ユーザー ライセンスプロビジョニング。
- ライセンス マネージャー サーバーを使用した同時使用ライセンスの実装。
- 単独使用ライセンスの使用。
これらの方法のいずれかを使用して、ArcGIS Pro のインストールがライセンスされた後、ArcGIS Pro から他のポータルに接続できることに注意してください。
このトピックでは、最初のライセンス オプション「Portal for ArcGIS のメンバーへの指定ユーザー ライセンスのプロビジョニング」について説明します。
ArcGIS Pro ライセンスをポータル メンバーにプロビジョニングするポータル組織の管理者として、次の操作を行う必要があります。
- ArcGIS Pro ライセンス ファイルを、My Esriを通して購入、ダウンロードしてください。
- 組織の ArcGIS License Server Administrator を使用して ArcGIS Pro ライセンスを構成します。
- ポータル Web サイトからポータル組織のメンバーに ArcGIS Pro ライセンスをプロビジョニングします。
ポータル組織を通じてライセンスできるのは、ArcGIS Pro だけです。その他の ArcGIS Desktop アプリケーション (ArcMap および ArcCatalog) は、ローカルの ArcGIS Administrator アプリケーションを使用してレベルやエクステンションを設定します。
組織の ArcGIS Pro ライセンスの構成
ArcGIS Pro ライセンスを構成するには、次の手順に従います。ライセンスを管理するために指定するポータルは、ライセンス ポータルと呼ばれます。組織のメンバーのライセンス情報を取得する上で ArcGIS Pro が接続するため、このポータルは重要です。組織に複数のポータルがある場合は、指定するポータルがライセンス管理に使用するポータルであることを確認してください。ArcGIS License Server Administrator を使用できるポータルは 1 つだけです。複数のライセンス ポータルを構成することはできません。必要な場合は、ArcGIS License Server Administrator バックアップ を使用してポータルを構成することもできます。
- まだ構成していない場合は、ArcGIS License Manager のシステム要件を確認した上で、このソフトウェアをインストールします。セットアップ ファイルは、My Esri からダウンロードできます。
次の表に、Portal for ArcGIS で ArcGIS Pro の指定ユーザー ライセンスを有効にするための ArcGIS License Manager のサポート対象バージョンを示します。
Portal for ArcGIS のバージョン
10.6.x
10.5.1
10.5
10.4.1
ArcGIS Pro バージョン
2.1
License Manager 2018.0
サポート対象外
サポート対象外
サポート対象外
2.0
License Manager 2018.0
License Manager 10.5.1、10.6、および 2018.0
License Manager 10.5.1、10.6、および 2018.0
サポート対象外
1.4
License Manager 2018.0
License Manager 10.5.1、10.6、および 2018.0
License Manager 10.5、10.5.1、10.6、および 2018.0
License Manager 10.4.1
- インストールの後、ArcGIS License Server Administrator を開いて [コンピューター ID] をクリックします。
- [コンピューター ID] ダイアログ ボックスに表示される MAC アドレス (たとえば、a9163f363709) をコピーして保存します (後で、この情報を My Esri に入力する必要があります)。ダイアログ ボックスに MAC アドレスが 2 つ表示される場合は、いずれか 1 つだけをコピーします。
- My Esri にログインして、[組織] > [ライセンス] > [プロビジョニング ファイルの作成] の順にクリックします。
- [製品タイプ] リストから [ArcGIS Pro (ポータルでの使用)] を選択します。
[バージョン]、[ライセンス タイプ]、[プロビジョン]、および [ファイル タイプ] オプションが、自動的に入力されます。
- [適用] をクリックします。
- ポータルに割り当てる各プロダクトとエクステンション ライセンス数を選択します。[次へ] をクリックします。
- 組織の連絡先と住所の情報を入力します。
ヒント:
[マイ プロフィール] からユーザーのフィールドに入力] および [マイ プロフィール] から組織のフィールドに入力] をクリックして、自分のアカウントに関連する情報を自動的に入力します。
- ArcGIS License Server Administrator からコピーした MAC アドレス (たとえば、a9163f363709) を [Mac ID] フィールドに貼り付けます。
- ライセンス ファイルの配送オプションを指定します。[ファイル メモ] フィールドで、リクエストに説明またはメモを追加できます。
- [ファイルの確認] をクリックして、プロビジョニング情報が正しいことを確認します。
- [ファイルの作成] をクリックします。
指定した配送オプションに応じて、ファイルをすぐにダウンロードできるようになるか、電子メールの添付ファイルとして指定のアドレスに送信されます。
- ファイル (*.lic) を、ArcGIS License Server Administrator をホストするコンピューターがアクセスできるディレクトリに保存します。
- ArcGIS License Server Administrator を開き、ライセンス サービスを起動します (実行されていない場合)。[認証] タブをクリックします。
- [バージョン] ドロップダウン ダイアログ ボックスで [指定ユーザー] を選択し、[今すぐ認証] をクリックします。
- [認証ファイルを Esri から取得済みで、認証プロセスを完了できる] を選択して、ライセンス (*.lic) ファイルを参照します。[開く] をクリックします。
- [次へ] をクリックします。指定ユーザー ライセンスが適用されたことを通知するダイアログ ボックスが表示されます。[OK] をクリックします。ライセンスを再読み込みしていることを通知するダイアログ ボックスが、数秒表示される場合があります。
- [利用可能ライセンス] タブをクリックし、ドロップダウン ダイアログ ボックスで [指定ユーザー] を選択します。適切な認証が表示されることを確認します。表示される合計数は、実際の指定ユーザーの数の 3 倍になります。これは、指定ユーザーごとに ArcGIS Pro の同時セッションを 3 つ開くことができるためです。
- ポータル構成ファイルを生成して、ArcGIS License Server Administrator で使用可能な ArcGIS Pro ライセンス (および、それぞれの数) をポータルに通知します。これを行うには、[認証] タブをクリックし、[生成] をクリックして、ポータル構成ファイル (*.json) を Portal for ArcGIS から参照可能な場所に保存します。
指定した場所にファイルが作成されたことを通知するダイアログ ボックスが表示されます。
- [OK] をクリックして、ArcGIS License Server Administrator を閉じます。
- Web ブラウザーを開き、組織のデフォルト管理者ロールのメンバーとして ArcGIS Enterprise ポータルにサイン インします。
サイン インするポータルが、組織のライセンス ポータルになります。
- [組織] > [ライセンスの管理] > [インポート] の順にクリックします。
- ArcGIS License Server Administrator から生成したポータル構成ファイル (.json) を参照して選択します。
- [Import] をクリックして、ArcGIS Pro ライセンスのポータルを構成します。
組織の ArcGIS Pro ライセンスが構成されました。
ArcGIS Pro での Portal for ArcGIS ライセンスのプロビジョニング
組織の ArcGIS Pro ライセンスを構成したら、ArcGIS Pro ライセンスを自分またはメンバーに割り当てます。手順の詳細については、「ArcGIS Pro ライセンスの管理」をご参照ください。ライセンスをそれぞれプロビジョニングした後、次の手順に従って ArcGIS Pro をライセンス ポータルに接続します。
ライセンス:
ArcGIS Pro のライセンスは、メンバーシップ レベル 2 のポータル メンバーだけにプロビジョニングできます。
ArcGIS Pro のオフライン使用に対する管理を強化する必要がある組織は、組織に含まれるすべての ArcGIS Pro ライセンスをオフラインで利用できないようにすることができます。組織でこれを実施するには、管理者、またはライセンス付与権限のあるメンバーが、[ArcGIS Pro] タブの上部にある [ArcGIS Pro のオフライン使用を無効化] チェックボックスをオンにする必要があります。このボックスがオンになった時点ですでにオフラインで作業をしていた ArcGIS Pro ユーザーは、チェック インし直すことができますが、これ以降に ArcGIS Pro ライセンスをオフラインで利用しようとすると、エラーが生成されます。
ArcGIS Pro でのライセンス ポータルへの接続
ArcGIS Pro をライセンス ポータルに接続します。ライセンス ポータルは、ポータルの各メンバー アカウントのソフトウェア認証を制御します。組織に複数のポータルがある場合は、指定するポータルがライセンス管理用に構成されたポータルであることを確認してください。
- ArcGIS Pro を起動します。ArcGIS Pro をすでに開いている場合は、サイン アウトしてプログラムを閉じた後、再起動します。ライセンス ポータルに接続できるのは、ArcGIS Pro を最初に起動するときのみです。
- [ArcGIS サイン イン] ダイアログ ボックスで、[ライセンス ポータルの構成] をクリックします。
- [Portal for ArcGIS にサイン イン] を選択して、ライセンス ポータルの URL を入力します。URL の形式は、https://webadaptorhost.domain.com/webadaptorname です。ArcGIS Pro には、ライセンスが認証されたライセンス ポータルと ArcGIS License Manager コンピューターへのアクセス権が必要です。
- [OK] をクリックします。
- 認証情報を入力して、[サイン イン] をクリックします。
ArcGIS Pro がライセンス ポータルに接続されました。ArcGIS Pro は、起動ごとにライセンス ポータルへの接続を行います。ライセンス ポータルは上の手順で変更できます。
ArcGIS Pro の操作中に、アプリケーションの隅に [サイン インしていません] という通知が表示される場合は、ファイルを参照および共有できるようにするために、コンテンツが含まれているポータルへのサイン インが必要となる場合があります。使用可能なポータルを表示するには、[プロジェクト] タブをクリックして [ポータル] を選択します。別のポータルに接続するには、そのポータルの URL を右クリックして [アクティブなポータルとして設定] を選択します。[ポータルの追加] をクリックして、別のポータルを追加することもできます。
ArcGIS License Server Administrator のバックアップの構成
必要に応じて、ライセンス ポータルの ArcGIS License Server Administrator のバックアップを構成できます。たとえば、プライマリの ArcGIS License Server Administrator がオフラインになると、ポータルは指定したバックアップ ライセンス サーバーにフェイルオーバーします。これにより、組織のダウンタイムを最小化できます。
- 「組織の ArcGIS Pro ライセンスの構成」セクションに記載された手順 1 ~ 18 を実行します。同じ ArcGIS Pro のプロビジョニング情報を指定していることを確認してください。
- Web ブラウザーを開き、組織のデフォルト管理者ロールのメンバーとして ArcGIS Portal Directory にサイン インします。URL の形式は、https://portal.domain.com:7443/arcgis/portaladmin です。
- [System] > [Licenses] > [Update License Manager] の順にクリックします。
- [License Manager Info] フィールドに、バックアップ ArcGIS License Server Administrator のホスト名を指定します (たとえば、backuplm.domain.com)。
{ "hostname": "primarylm.domain.com,backuplm.domain.com", "port": 27000 }
- [更新]をクリックします。
Portal for ArcGIS が自動的に再起動します。再起動が完了すると、ポータルは、指定したバックアップ ライセンス サーバーで構成されます。
レガシー:
以前のバージョンの Portal for ArcGIS では、ArcGIS License Server Administrator の構成に変更を適用するには、ポータルを手動で再起動する必要がありました。バージョン 10.3.1 からは、ポータルを手動で再起動する必要はなくなりました。
ライセンス ポータルの削除
Portal for ArcGIS を組織のライセンス ポータルとして使用する必要がなくなった場合は、ArcGIS Portal Directory を使用してライセンス情報を削除します。すべてのライセンス割り当てが取り消され、ユーザーは ArcGIS Pro を使用できなくなります。
- Web ブラウザーを開き、ポータル組織のデフォルト管理者ロールのメンバーとして ArcGIS Portal Directory にサイン インします。URL の形式は、https://portal.domain.com:7443/arcgis/portaladmin です。
- [System] > [Licenses] > [Remove All Entitlements] の順にクリックします。
- [Remove All Entitlements] をクリックします。
- Portal for ArcGIS サービスを再起動します。変更内容は、再起動が完了した後に適用されます。
ポータルは、プレミアム アプリのライセンス ポータルとして使用できなくなりました。ArcGIS Pro ライセンスの割り当ては、ディスク上に維持されます。したがって、このポータルを再度ライセンス ポータルとして構成することになった場合は、すべてのライセンス割り当てを Web サイトで使用できます。