ユーザーが Insights へアクセスできるようにするには、ArcGIS Enterprise の基本配置をセットアップする必要があります。これには、Portal for ArcGIS とホスティング サーバーとしてフェデレートする ArcGIS Server サイトが含まれます。
加えて、Insights for ArcGIS もインストールする必要があります。手順については、「Insights for ArcGIS のインストール」をご参照ください。
ArcGIS Enterprise の基本配置の要件
ArcGIS Enterprise の基本配置を構成する下記のすべてのコンポーネントが必要です。ワークグループの配置もサポートされています。基本配置を構成するチュートリアルについては、「チュートリアル: ArcGIS Enterprise の基本配置の設定」をご参照ください。
- ArcGIS Server (ArcGIS GIS Server Standard または ArcGIS GIS Server Advanced のライセンスが付与されたもの)
- Portal for ArcGIS
- ArcGIS Web Adaptor (1 つはポータル用、もう 1 つはサーバー用)
- ArcGIS Data Store (リレーショナル データ ストアとして構成される)
備考:
ArcGIS Web Adaptor の ArcGIS Server が管理アクセスを有効にするように構成されていない場合、CA 署名証明書を使用してデータベース接続を作成できるように ArcGIS Server を構成する必要があります。
組織によっては、ArcGIS Data Store に CA が署名した SSL 証明書が必要な場合があります。詳細については、「ArcGIS Data Store の SSL 証明書の置換」をご参照ください。
ArcGIS Server は、ArcGIS GIS Server Standard または ArcGIS GIS Server Advanced としてライセンス付与する必要があります。ArcGIS Server のライセンス ロールの詳細については、ArcGIS Enterprise 管理者ガイドまたは Portal for ArcGIS ヘルプの「ArcGIS Server ライセンス」をご参照ください。
配置を構築した後、必要なポータル設定を行う必要もあります (以下を参照)。
ポータル設定の要件
ArcGIS Enterprise の基本配置の設定が終了したら、Insights にアクセスして使用するために必要なロール、権限、およびユーザー タイプが組織のユーザーに付与されていることを確認します。
ユーザーは、次を必要とします。
- データの追加、可視化の作成、空間解析の使用のための公開者もしくは管理者ロール、またはそれと同等のカスタム ロール
- 次のいずれかのユーザー タイプまたはユーザー アカウント:
- Insights Analyst、Creator、または GIS Professional ユーザー タイプ (ArcGIS Enterprise 10.7)。
- レベル 2 のユーザー アカウント (ArcGIS Enterprise 10.6.1 以前)。
- アカウントに適用された Insights ライセンス。Insights Analyst ユーザー タイプには、Insights ライセンスが含まれています。
詳細については、「ライセンス」をご参照ください。
次に、その他の設定を行って、ジオコーディングやルート検索などの重要なサービスと機能を有効にします (以下を参照)。
Insights for ArcGIS の機能に必要な設定
これらの設定は必須ではありませんが、これによって ポータル メンバーが、 データ ウェアハウス、 ジオコード データに接続したり、それぞれの地域に適したマップ (および範囲) などを使用できるようになります。
リレーショナル データ ストア タイプの登録
データベース接続をサポートして、ユーザーがビジネス データベースからデータセットを追加できるようにするには、ポータルのホスティング サーバー サイトで使用するためのリレーショナル データ ストア タイプが登録されている必要があります。Insights でデータベースを操作できるようにするには、次の手順を実行してください。
- 必須ベンダー ファイルを ArcGIS Server にアップロードします。PostgreSQL の JDBC ドライバーは ArcGIS Data Store に含まれているため、PostgreSQL にこの手順は必要ありません。PostgreSQL のリレーショナル データ ストア タイプを登録している場合は、手順 2 に進みます。
- 登録するデータベース タイプに必須のベンダー ファイルを取得します (「サポートされているデータベース」で、必須ベンダー ファイルの一覧をご確認ください)。
- 1 つのデータベース タイプに必須のベンダー ファイルを ZIP ファイル (*.zip) にパッケージ化します。
備考:
アップロード用に JDBC ドライバーを圧縮する場合、*.jar ファイルは ZIP アーカイブのルートに配置してください。*.zip ファイルにフォルダーを配置しないでください。
- 管理者アカウントを使用して、ArcGIS Server Administrator Directory (http://server:port/arcgis/admin) にサインインします。
- [uploads] に移動します。
- [Choose File] をクリックします。
- 登録するデータベースに必須のベンダー ファイルを含む ZIP ファイルを参照します。
- 該当する ZIP ファイルを選択して [Open] をクリックします。
- 必要に応じて、アップロードするファイルに説明を加えます。
- [Upload] をクリックします。
- アップロードしたファイルの Item ID を書き留めておきます。
- [Home] に戻ります。
- データ ストア タイプを ArcGIS Server に登録します。
- ArcGIS Server Administrator Directory の [data] に移動します。
- relationalDatastoreTypes に移動します。
- [Register] に移動します。
- [Uploaded item ID] ドロップダウン リストから該当の ZIP ファイルの Item ID を選択します。ZIP ファイルは手順 1 で作成されなかったため、PostgreSQL にこの手順は必要ありません。
- [Relational Datastore Type] ドロップダウン リストから対応するタイプを選択します。
- [Register Item] をクリックします。
- ArcGIS Server を再起動します。
- 手順 1 と手順 2 の後で必須のデータ ストア タイプをすべて登録したら、サイト上のコンピューターごとに ArcGIS Server を再起動する必要があります。このためには、Windows サービスを再起動するか、stopserver および startserver スクリプトを Linux で使用します。
- ユーザーのデータベース権限を確認します。
- データベース接続の作成とデータのクエリに必要なデータベース権限が Insights ユーザーに付与されていることを確認します。
ヒント:
Insights は、組織のポータルで設定されているデフォルトのベースマップの空間参照に合わせて空間データを表示します。これは、表示目的およびクエリ目的でのみ使用されます。基盤となるデータは変更されません。2 つの空間参照系で、基礎となる地理座標系が適合していない場合は、配置や精度の問題が発生する可能性があります。空間データの高速のパフォーマンスと高精度の表示を確実なものにするには、組織サイトで使用するデフォルトのベースマップと空間データで同じ空間参照を使用することを推奨します。ポータルのデフォルトのベースマップを変更するか、組織のベースマップに適合するように空間データを再投影することができます。
リレーショナル データ ストア タイプの編集
登録済みのリレーショナル データ ストア タイプを編集して、プロパティを更新します。編集作業の前に、JSON プロパティのバックアップ コピーを作成します。リレーショナル データ ストア タイプを編集するには、次の手順を実行します。
- ArcGIS Server に登録されてリレーショナル データ ストア タイプを編集します。
- 管理者アカウントを使用して、ArcGIS Server Administrator Directory (http://server:port/arcgis/admin) にサインインします。
- ArcGIS Server Administrator Directory の [data] に移動します。
- [relationalDatastoreTypes] に移動します。
- 編集が必要なリレーショナル データ ストア タイプをクリックします。
- ページの下部にスクロールして、[edit] をクリックします。
- プロパティを変更して [update] をクリックします。
- 変更を有効にするために、ArcGIS Server を再起動します。
登録済みのリレーショナル データ ストア タイプを編集したら、サイト上のコンピューターごとに ArcGIS Server を再起動する必要があります。このためには、Windows サービスを再起動するか、stopserver および startserver スクリプトを Linux で使用します。
詳細については、「リレーショナル データ ストア タイプの編集」をご参照ください。
ユーティリティ サービスの構成
ポータルの特定の機能 (ユーティリティ サービスに依存する解析の実行など) を利用するために必要なユーティリティ サービスを構成します。各ユーティリティ サービスと各サービスでサポートされている Insights の機能を次の表に示します。
オプション | 説明 |
---|---|
ユーザーが住所を指定して、位置情報をデータセットに追加できるようにします。ユーザーの手順については、「データの位置情報の有効化」をご参照ください。 | |
[バッファー/到達圏の作成] で、ディゾルブされた境界を使用可能にします。 | |
[最寄りの検索] を有効にします。 | |
ユーザーが [データの情報付加] を使用して、場所またはエリアに人口統計情報を追加できます。 | |
ユーザーが [バッファー/到達圏の作成] で、徒歩時間やトラック輸送距離などの交通手段を指定できるようにします。 |
備考:
- ArcGIS Online のユーティリティ サービスを使用するようにポータルを構成できます。詳細については、「ArcGIS Online ユーティリティ サービスの構成」をご参照ください。
- ネットワーク非接続環境で Insights を実行している場合、フェデレーション サーバーまたはホスティング サーバーからサービスを構成する必要があります。
境界レイヤーの構成
境界レイヤーを構成して、ユーザーが、マップおよび解析でサポートされている国々の境界情報を含むフィーチャ レイヤーを使用できるようにします。
境界レイヤーを構成する場合、ユーザーは、[ページに追加] ウィンドウの [境界] タブからそれらのレイヤーを追加できます。ユーザーは、境界レイヤーを使用してデータに場所を追加することもできます。手順については、次のトピックをご参照ください。
デフォルトの地域の指定
デフォルトの地域を指定して、デフォルト マップの範囲を制御し、[ページに追加] ウィンドウの [境界] タブでユーザーがデフォルト地域の境界レイヤーを利用できるようにします。
Living Atlas コンテンツの構成
ArcGIS Living Atlas of the World の登録者のコンテンツとプレミアム コンテンツを構成して、この ArcGIS Online コレクションをポータルで利用できるようにします。デフォルトでは、Living Atlas アカウントへのサイン インを必要としない ArcGIS Online コンテンツが用意されています。
バッチ ジオコーディング
組織のジオコーダーは、複数の住所での位置の有効化に使用されるバッチ ジオコーディングをサポートしている必要があります。構成可能なジオコーダーの詳細については、「ユーティリティ サービスの構成」をご参照ください。
Insights をサポートするためのポータル構成が終わると、ユーザーは URL (http://webadaptorhost.domain.com/<webadaptorname>/apps/insights 形式) でポータルにアクセスできるようになります。ヘルプ ドキュメントには、Insights の [ヘルプ] メニューからアクセスできます。