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ArcGIS Data Store のアップグレード

ArcGIS Data Store は、ArcGIS Enterprise 配置のホスティング サーバーとして設定された GIS Server サイトに登録されます。 このシステムのすべてのコンポーネントを同じバージョンにアップグレードする必要があります。

ArcGIS Data Store のアップグレードの準備

ArcGIS Data Store をアップグレードする前に、次の情報をよく確認して、必要な処理を完了させてください。

  • アップグレード前に、My Esri から認証ファイルを取得します。 10.9 にアップグレードするには、新しい Portal for ArcGIS および ArcGIS Server のライセンス ファイルが必要です。
  • ArcGIS Data Store バージョン 10.3.1 以前から 10.9 に直接アップグレードする操作はサポートされていません。 ArcGIS Data Store 10.3.1 以前をアップグレードするには、まず中間バージョン (10.4 ~ 10.8.1) にアップグレードします。 次に、そのバージョンを 10.9 にアップグレードします。
  • データ ストアのバックアップを作成し、バックアップ ファイルをリモートの安全な場所に保存します。 バックアップの作成方法は、アップグレード元の ArcGIS Data Store のバージョンとアップグレードするデータ ストアのタイプによって異なります。
    • 10.5.1 以降のリリースからアップグレードする場合は、backupdatastore ユーティリティを使用して各データ ストアの完全バックアップを作成します。 アップグレードで何か問題が発生し、前のインストールに戻る必要がある場合に、古いバージョンの ArcGIS Data Store ソフトウェアを再インストールし、これらのバックアップ ファイルと restoredatastore ユーティリティを使用して、データを復旧することができます。
    • 10.5 以前のリリースのタイル キャッシュ データ ストアまたはリレーショナル データ ストアからアップグレードする場合は、exportmanageddb ユーティリティを使用して、これらのデータ ストアのバックアップ コピーを作成します。 アップグレードで何か問題が発生し、前のインストールに戻る必要がある場合に、古いバージョンの ArcGIS Data Store ソフトウェアを再インストールし、importmanagedb ユーティリティを使用してエクスポート ファイルをインポートすることができます。
    • 10.4 または 10.4.1 のビッグ データ ストアからアップグレードする場合は、ビッグ データ ストアの各コンピューターのコンテンツ ディレクトリのバックアップ コピーを作成します。 アップグレードで何か問題が発生し、前のインストールに戻る必要がある場合に、古いバージョンの ArcGIS Data Store ソフトウェアを再インストールし、各コンピューターのコンテンツ ディレクトリをディレクトリのバックアップ コピーに置き換えることができます。
  • リレーショナル データ ストアまたはタイル キャッシュ データ ストアをアップグレードする前に、各コンピューター上で ArcGIS Data Store のディレクトリのサイズを確認します。 コンピューターに ArcGIS Data Store のディレクトリのサイズの 2 倍に対応できる十分な空き容量があることを確認します。
  • 最新の ArcGIS Data StorePortal for ArcGISArcGIS Server、および ArcGIS Web Adaptor ソフトウェア インストール ファイルを My Esri からダウンロードします。
  • 10.9 のセットアップを実行すると、ArcGIS Data Store は自動的に 10.9 にアップグレードされます。 これまでにリリースされた各バージョンを順に入手しインストールする必要はありません。 前のバージョンの ArcGIS Data Store をアンインストールしないでください。
  • ArcGIS Enterprise ポータルが正常に機能するには、ホスティング サーバーと同じバージョンである必要があります。 ArcGIS Web Adaptor インスタンスを再インストールして ArcGIS Server と同じバージョンにする必要もあります。
  • 10.4 からアップグレードし、ストリームされた観測データをフェデレーション ArcGIS GeoEvent Server サイトから時空間ビッグ データ ストアにアーカイブする場合は、10.4 の ArcGIS GeoEvent ServerArcGIS 10.4 GeoEvent Extension Patch 1 を適用する必要があります。 パッチの適用後、ArcGIS Enterprise 配置のコンポーネントのアップグレードに取りかかる前に、データを修復する手順に従います
  • フェデレーション ArcGIS GeoEvent Server サイトを使用している場合は、ArcGIS Server をアップグレードする前に、すべてのコンピューターで ArcGIS GeoEvent Server サービスを停止します。
  • 10.3 または 10.3.1 からアップグレードする場合は、ArcGIS Data Store コンテンツ ディレクトリに対するフル コントロール権限を ArcGIS Data Store アカウントに付与する必要があります。 10.4 以降からアップグレードする場合、権限はすでに設定されています。
  • プライマリ/スタンバイ モードで動作するタイル キャッシュ データ ストアがある場合は、アップグレード前にスタンバイ コンピューターがデフォルトのバックアップ場所にアクセスできるかを確認してください。 アクセス権限がないと、アップグレード後にタイル キャッシュ データ ストアのデフォルトのバックアップ場所が存在しなくなるため、デフォルトのバックアップ場所の構成が必要となります。
  • 複数のコンピューターを含むタイル キャッシュ データ ストアがある場合は、ファイアウォールのポート 29079 ~ 29090 およびポート 4369 を開く必要もあります。
  • ArcGIS Data Store をアップグレードする前に、次のセクションを読んで、アップグレードの必要がある ArcGIS Enterprise コンポーネントをアップグレードします。

アップグレードの順序

ArcGIS Data Store は常に ArcGIS Enterprise 配置の一部として使用されるので、ArcGIS Data Store をアップグレードする前に、配置の特定のコンポーネントをアップグレードする必要があります。 コンポーネントのアップグレードは次の順序で行います。

  1. Portal for ArcGIS をアップグレードします。
  2. ArcGIS Web Adaptor をアップグレードします (ポータル用)
  3. ポータルのホスティング サーバーとして機能する ArcGIS Server サイトをアップグレードします。 ArcGIS Data Store をアップグレードする前に、ホスティング サーバーをアップグレードする必要があります。
  4. ArcGIS Web Adaptor をアップグレードします (ArcGIS Server 用)
  5. ArcGIS Data Store をアップグレードします。
  6. 配置にこれらが含まれる場合、追加の ArcGIS Server サイトをアップグレードします。 アップグレード対象は、ArcGIS GeoEvent Server サイトArcGIS GeoAnalytics Server サイトArcGIS Notebook Server サイト ArcGIS Mission Server サイトです。

可用性の高いデータ ストア

ArcGIS Data Store 10.7 以降は、可用性の高いデータ ストア内の各コンピューターをアップグレードするときに順序は重要でなくなりました。 ただし、まずソフトウェアをすべてのコンピューターにインストールしてから、すべてのコンピューターからアップグレードする必要があります。

高可用性のリレーショナル データ ストアまたはタイル キャッシュ (10.7.1 以前) のデータ ストアをアップグレードする場合、プライマリおよびスタンバイ コンピューターに新しいバージョンの ArcGIS Data Store をインストールしてから、プライマリまたはスタンバイ コンピューターでデータ ストアの構成ウィザードまたは configuredatastore ユーティリティを実行することで、両方のコンピューターを構成できます。 これにより、両方のコンピューターを構成できます。

注意:

高可用性の 10.8 のタイル キャッシュ データ ストアを 10.9 にアップグレードすると、データ ストアはクラスター モードのまま維持されます。

高可用性の 10.8.1 または高可用性の 10.7.1 以前のタイル キャッシュ データ ストアを ArcGIS Data Store 10.9 にアップグレードすると、プライマリ/スタンバイ モードのまま維持されます。

タイル キャッシュ (クラスター) データ ストアまたはビッグ データ ストアに複数のコンピューターがある場合、すべてのコンピューターに新しいバージョンの ArcGIS Data Store をインストールします。 次に、管理者ログインを使用してコンピューターの 1 つにサイン インし、データ ストアの構成ウィザードまたは configuredatastore ユーティリティを実行することで、ビッグ データ ストアのすべてのコンピューターを構成します。 これにより、タイル キャッシュ データ ストアまたはビッグ データ ストアのすべてのコンピューターが構成されます。

注意:

ビッグ データ ストア内のすべてのコンピューターのアップグレードを終了するまで、ホスト時空間フィーチャ レイヤーを誰も作成しないように注意してください。 ArcGIS Server Manager から GeoAnalytics Tools システム サービスを停止して、アップグレード中に誰も GeoAnalytics Tools を実行しないようにすることができます。 ArcGIS Tracker によって使用される位置のトラッキング サービスも停止します。

ArcGIS Data Store のアップグレード

インストール ファイルとバックアップ ファイルを取得し、ホスティング サーバーをアップグレードしたら、データ ストアのタイプ別のアップグレード手順を実行します。 同一の ArcGIS Server サイトに登録されているすべてのデータ ストアで、同じリリースの ArcGIS Data Store が実行される必要があります。 ArcGIS Data Store をアップグレードする際には、次の点に留意してください。

  • 必ず、データ ストアを構成する前に、データ ストア内のすべてのコンピューターに ArcGIS Data Store をインストールしてください。
  • 新しいバージョンをインストールする前に、ArcGIS Data Store をアンインストールしないでください。
  • リレーショナル データ ストアまたはタイル キャッシュ データ ストアにプライマリおよびスタンバイ コンピューターがある場合、プライマリおよびスタンバイ コンピューターに新しいバージョンの ArcGIS Data Store をインストールしてから、いずれかのコンピューターでデータ ストアを再構成します。
  • ArcGIS Server サイトで複数のタイル キャッシュ データ ストアまたは時空間ビッグ データ ストアが構成されている場合は、それぞれのデータ ストア コンピューターに個別に新しいバージョンの ArcGIS Data Store をインストールします。
  • ArcGIS Server ライセンスに有効期限がある場合、ArcGIS Server ライセンスをアップグレードして更新し、リレーショナル データ ストアをアップグレードした後、リレーショナル ArcGIS Data Store のライセンスを更新してください。

ヒント:

ArcGIS Data Store 10.5 リリースより前のバージョンでは、データ ストアの構成時にリレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアの両方が作成されていました。 ただし、組織内の誰もポータルにホスト シーン レイヤーを公開しておらず、10.3.x または 10.4.x からアップグレードする場合、タイル キャッシュ データ ストアは構成されないため、アップグレードする必要はありません。

Setup.exe プログラムの実行による対話型ウィザード方式の操作を利用してアップグレードすることも、コマンド プロンプトまたはスクリプトで Setup.exe および configuredatastore ユーティリティを実行して、ArcGIS Data Store をサイレント アップグレードすることもできます。 どちらの方法を使用しても、Setup.exe インストール ファイルによって、既存の ArcGIS Data Store のインストールが検出されてアップグレードされます。

注意:

ArcGIS Data Store をアップグレードすると、ArcGIS Data Store サービスが再起動します。

対話型ウィザード方式の操作を利用したアップグレード

ArcGIS Data Store のアップグレードの準備」で説明されている手順を完了し、ArcGIS Data Store の前にアップグレードする必要がある ArcGIS Enterprise コンポーネントのアップグレードが完了した後、次の手順に従って、対話型のウィザードを使用してデータ ストアをアップグレードします。 そうではなく、コマンドを使用してアップグレードする場合には、次のセクションに進みます。

  1. ArcGIS GeoEvent Server でビッグ データ ストアを使用している場合、ArcGIS GeoEvent Server Manager にサイン インし、データのアーカイブに使用されるフィーチャ サービスを停止します。
  2. また、アップグレード中に、ユーザーがホスト フィーチャ レイヤーを編集できないようにするには、ArcGIS Server Manager からホスティング サーバー (GIS Server サイト) に接続し、すべてのホスト フィーチャ サービスを停止します。 同様に、フェデレーション ArcGIS GeoAnalytics Server サイトがある場合、ArcGIS Server Manager からサイトに接続し、すべてのホスト フィーチャ サービスを停止します。
  3. データ ストア コンピューターごとに ArcGIS Data Store インストールをアップグレードします。

    インストールを更新するには、同じホスティング サーバーに構成されているデータ ストアに属しているコンピューターごとに ArcGIS Data Store Setup.exe を実行します。

    注意:

    既存の ArcGIS Data Store インストールをアンインストールしないでください。

  4. インストール中に、使用許諾契約書の内容に合意します。合意しない場合は、終了してください。

    使用許諾契約書に同意すると、ArcGIS Data Store セットアップ プログラムによって、インストールされる機能が表示されます。

  5. 既存のインストールが使用するアカウントは、ArcGIS Data Store 入力ボックスに事前入力されています。 アカウントのパスワードを入力します。 通常、これは、ソフトウェアのインストール時に定義したパスワードです。 ソフトウェアをインストールした後に、パスワードを変更した場合、アカウントを変更したときに指定したパスワードを入力する必要があります。 パスワードが正常に確認されない場合、パスワードが無効であることを示すエラー メッセージが表示されます。 アカウントのパスワードが不明な場合は、システム管理者に問い合わせてください。

    注意:

    以前のバージョンの ArcGIS Data Store では、ArcGIS Data Store サービスを作成するのにローカル システム アカウントが使用されていました。 バージョン 10.4 以降では、ローカル ユーザーまたはドメイン ユーザー アカウントを指定して、ArcGIS Data Store サービスを起動します。 ArcGIS Data Store 10.3 または 10.3.1 からのアップグレードの場合は、ArcGIS Data Store コンテンツ ディレクトリ (デフォルトの場所は C:\arcgisdatastore) に対するこのアカウントのフル コントロール権限を手動で指定する必要があります。

  6. 注意:

    インストール プログラムが完了すると、デフォルトのブラウザーでデータ ストア構成ウィザードが自動的に開きます。 すべてのデータ ストア コンピューターに同じバージョンの ArcGIS Data Store をインストールするまで、構成操作を進めないでください。

  7. すべてのデータ ストア コンピューターで ArcGIS Data Store インストールを更新したら、サポートされている Web ブラウザーを起動し、クッキーとともにブラウザー キャッシュを消去します。
  8. データ ストア構成ウィザードを実行して、各タイプのデータ ストアを構成してアップグレードを完了します。

    [データ ストア構成ウィザード] の URL の形式は、https://datastoremachine.domain.com:2443/arcgis/datastore です。

    データ ストア構成ウィザードの実行回数は、構成によって異なります。

    • リレーショナル データ ストアおよびタイル キャッシュ (プライマリ/スタンバイ モード) データ ストアでは、データ ストア構成ウィザードからプライマリまたはスタンバイ コンピューターに接続します。 ウィザードの手順を実行すると、両方のコンピューター上のデータ ストアがアップグレードされます。
    • リレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアが同じコンピューター上で実行されている場合、データ ストア構成ウィザードを 1 回実行すると、両方のデータ ストアがアップグレードされます。
    • 時空間ビッグ データ ストアでは、データ ストア構成ウィザードからビッグ データ ストア コンピューターのいずれかに接続します。 ウィザードの手順を実行すると、ビッグ データ ストアのすべてのコンピューターがアップグレードされます。

  9. データ ストア構成ウィザードの手順を以下に示します。
  10. データ ストア構成ウィザードで、ホスティング サーバーの URL と、ホスティング サーバーの ArcGIS Server 管理者のユーザー名とパスワードを指定し、[次へ] をクリックします。
  11. ArcGIS Data Store は、各コンピューターをチェックして、このホスティング サーバーに登録されている各データ ストアが次の前提条件を満たしているかどうかを確認します。
    • このホスティング サーバーに関連付けられているデータ ストアのすべてのコンピューターに、同じバージョンの ArcGIS Data Store がインストールされていること。
    • このホスティング サーバーに関連付けられているデータ ストアのすべてのコンピューターにアクセス可能であること。
    • ホスティング サーバーにアクセス可能であること。

    いずれかの前提条件が満たされない場合は、各データ ストア タイプのステータスの [前提条件のチェック] ページに表示されます。 この場合、アップグレードの手順を進める前に、問題を修正する必要があります。

  12. すべての前提条件が満たされたら、[前提条件のチェック] ページにアップグレードされる各データ ストアが表示されます。 [次へ] をクリックして、ホスティング サーバーでこれらのデータ ストアを再構成し、アップグレードを完了します。
  13. 構成が完了すると、[アップグレード ステータス] ページが表示されます。
    • アップグレードが正常に完了した各データ ストアの [ステータス] フィールドに、[成功] と表示されます。 高可用性のリレーショナル データ ストアまたはタイル キャッシュ (プライマリ/スタンバイ モード) データ ストアでは、両方のコンピューターのステータスが表示されます。 すべてのデータ ストア コンピューターが正常にアップグレードされたら、[次へ] をクリックして、[構成の状態] ページに進みます。 この時点で、データ ストア構成ウィザードを閉じることができます。
    • いずれかのアップグレードが成功しなかった場合、そのデータ ストアまたはコンピューターのステータスに [失敗] と表示され、問題解決に役立つメッセージが表示されます。 問題を修正し、データ ストア構成ウィザードをもう一度実行して、先ほど失敗したコンピューターをアップグレードします。
  14. 時空間ビッグ データ ストアがある場合、そのビッグ データ ストアのステータスが healthy と表示されることを確認します。

    データ ストアのステータスを確認するには、ホスティング サーバーの ArcGIS Server Administrator Directory にサイン インし、validate REST コマンドを実行します。

  15. ArcGIS GeoEvent ServerArcGIS GeoAnalytics Server サイトがポータルにフェデレートされている場合、これらのサイトをアップグレードしてください。 正常にアップグレードした後、フィーチャ サービスが実行され機能していることを確認します。

コマンドを使用したサイレント アップグレード

セットアップ プログラムを実行するのではなく、コマンド プロンプトまたはバッチ スクリプトで Setup.exe ファイルを実行して ArcGIS Data Store を更新できます。 「ArcGIS Data Store のアップグレードの準備」で説明されている手順を完了し、ArcGIS Data Store の前にアップグレードする必要がある ArcGIS Enterprise コンポーネントのアップグレードが完了した後、データ ストア内のすべてのコンピューター上でセットアップ ファイルを実行してアップグレードします。

  1. ArcGIS GeoEvent Server でビッグ データ ストアを使用している場合、ArcGIS GeoEvent Server Manager にサイン インし、データのアーカイブに使用されるフィーチャ サービスを停止します。
  2. また、アップグレード中に、ユーザーがホスト フィーチャ レイヤーを編集できないようにするには、ArcGIS Server Manager からホスティング サーバー (GIS Server サイト) に接続し、すべてのホスト フィーチャ サービスを停止します。 同様に、フェデレーション ArcGIS GeoAnalytics Server サイトがある場合、ArcGIS Server Manager からサイトに接続し、すべてのホスト フィーチャ サービスを停止します。
  3. データ ストア コンピューターごとに ArcGIS Data Store インストールをアップグレードします。

    データ ストアのそれぞれのコンピューターに対して、コマンド プロンプトまたはスクリプトで Setup.exe ファイルを実行します。 たとえば、2 台のコンピューターを持つ高可用性のリレーショナル データ ストアと 3 台のコンピューターを持つ高可用性のビッグ データ ストアがある場合、5 台すべてのコンピューターで Setup.exe ファイルを実行してから、構成手順に進んでください。

    注意:

    既存の ArcGIS Data Store インストールをアンインストールしないでください。

    Setup.exe を使用してサイレント アップグレードするときは、ArcGIS Data Store アカウントを指定する必要があります。 通常、これは、ソフトウェアのインストール時に定義したアカウントです。 インストールした後にアカウントを変更した場合は、ArcGIS Data Store アカウントを変更したときに指定したユーザー名とパスワードを入力する必要があります。

    以前のバージョンの ArcGIS Data Store では、ArcGIS Data Store サービスを作成するのにローカル システム アカウントが使用されていました。 バージョン 10.4 以降では、ローカル ユーザーまたはドメイン ユーザー アカウントを指定して、ArcGIS Data Store サービスを起動します。 ArcGIS Data Store 10.3 または 10.3.1 からのアップグレードの場合は、ArcGIS Data Store コンテンツ ディレクトリ (デフォルトの場所は C:\arcgisdatastore) に対するこのアカウントのフル コントロール権限を手動で指定する必要があります。

    ArcGIS Data Store アカウントを指定しなかった場合や、現在のインストールで使用されているアカウントと一致しなかった場合、認証情報を確認できなかったことを示すメッセージが表示されます。 その結果として、インストールが終了します。

    次の例では、ソフトウェアで使用されているアカウントは myaccount です。

    <path to ArcGIS Data Store setup download folder>\Setup.exe /qb USER_NAME=myaccount PASSWORD=mypassword

    たとえば、「mydomain\myaccount」などのドメイン アカウントとパスワード「4myI.s0nly」を使用してコマンドを実行する場合は、次のように入力します。

    \\machinename\mydownloadfolder\Setup.exe /qb USER_NAME=mydomain\myaccount PASSWORD=4myI.s0nly

    注意:

    コマンド ライン パラメーターでは、大文字と小文字が区別されます。 アップグレードが正常に機能しない場合は、大文字と小文字の使い方が、例に示されたプロパティと同じになっていることを確認してください。

  4. データ ストアのすべてのコンピューターに新しいバージョンの ArcGIS Data Store をインストールしたら、それぞれのタイプのデータ ストアを再構成して、アップグレードを完了します。
  5. configuredatastore コマンド ユーティリティを使用し、アップグレード前に使用していたのと同じ GIS Server サイトでデータ ストアを再構成します。 コマンド プロンプトは、ArcGIS Data Store がインストールされているコンピューター上で管理者として実行する必要があります。

    configuredatastore ユーティリティの実行場所と実行回数は、構成によって異なります。

    • リレーショナル データ ストアおよびタイル キャッシュ (プライマリ/スタンバイ モード) データ ストアでは、Windows 管理者としてプライマリまたはスタンバイ コンピューターにサイン インし、configuredatastore ユーティリティを実行します。 これにより、プライマリ コンピューターとセカンダリ コンピューターの両方のデータ ストアがアップグレードされます。
    • リレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアが同じコンピューター上にある場合、configuredatastore ユーティリティを実行すると、両方のデータ ストアがアップグレードされます。
    • タイル キャッシュ (クラスター) データ ストアおよび時空間ビッグ データ ストアでは、ArcGIS Data Store をインストールしたユーザーとしていずれかのコンピューターにサイン インし、configuredatastore ユーティリティを実行します。 これにより、クラスターされたタイル キャッシュ データ ストアまたは時空間ビッグ データ ストアのすべてのコンピューターがアップグレードされます。

    この例では、リレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアの両方が実行されているプライマリ コンピューターで、configuredatastore ユーティリティが実行されます。 両方のデータ ストアが GIS Server サイト https://myserver.network.com:6443/arcgis に構成されています。

    configuredatastore https://myserver.network.com:6443/arcgis serveradmin MyAdminPassword C:\arcgisdatastore --stores relational,tilecache

    この例では、configuredatastore ユーティリティは、GIS Server サイト https://gisserver.mynetwork.com:6443/arcgis に構成されているビッグ データ ストアのコンピューターの 1 つで実行されます。

    configuredatastore https://gisserver.mynetwork.com:6443/arcgis serveradmin MyAdminPassword C:\arcgisdatastore --stores spatiotemporal

    configuredatastore ユーティリティを実行すると、データ ストアのすべてのコンピューターで ArcGIS Data Store が再起動されます。

    アップグレードの前に、ArcGIS Data Store は、データ ストアのすべてのコンピューターに同じバージョンの ArcGIS Data Store がインストールされていて、すべてのコンピューターにアクセス可能であることを確認します。 いずれかのコンピューターが更新されていなかったり、アクセスできない状態であったりすると、ArcGIS Data Store はアップグレードの処理を進めることができません。 インストールまたはネットワークの問題を修正して、configuredatastore ユーティリティをもう一度実行します。

  6. 時空間ビッグ データ ストアがある場合、その時空間ビッグ データ ストアのステータスが healthy と表示されることを確認します。

    データ ストアのステータスを確認するには、ホスティング サーバーの ArcGIS Server Administrator Directory にサイン インし、validate REST コマンドを実行します。

  7. ArcGIS GeoEvent ServerArcGIS GeoAnalytics Server サイトがポータルにフェデレートされている場合、これらのサイトをアップグレードしてください。 正常にアップグレードした後、フィーチャ サービスが実行され機能していることを確認します。

ArcGIS Data Store をアップグレードした後の注意事項

アップグレード手順により、既存の 10.5 以前のリレーショナル データ ストアのバックアップ ファイルおよび 10.5 のビッグ データ ストアのバックアップ ファイルのすべてが、バックアップ ディレクトリの新しいサブディレクトリに移動されます。 ディレクトリ名には ArcGIS Data Store リリース番号が含まれています。 これらのファイルを誤って使用して、アップグレードされたリレーショナル データ ストアを復元しようとすることがないよう、ArcGIS Data Store はこれらのファイルを移動します (このような復元はサポートされていません)。

このため、ArcGIS Data Store のアップグレード後は、リレーショナルおよび時空間ビッグ データ ストアの完全バックアップを作成する必要があります。 これを行うと、スケジュールされた次のバックアップまでに何らかの問題が発生した場合に、ホスト フィーチャ レイヤーおよび時空間レイヤー データの完全バックアップを利用できるようになります。

アップグレードした後に、データ ストアがアクセス可能であることを確認する必要があります。 これは、ArcGIS Server Manager または ArcGIS Server Administrator Directory から確認できます。 また、ホスト フィーチャ レイヤーとホスト シーン レイヤーが引き続き正常に動作することも確認します。

データ ストアの整合チェック

ArcGIS Server Manager にサイン インして、GIS Server サイトが引き続きそれぞれのデータ ストアと通信できることを検証できます。

ArcGIS Server Manager からデータ ストアを検証するには、以下の手順を実行します。

  1. ArcGIS Server Manager にサイン インします。
  2. [サイト] > [データ ストア] の順に選択します。
  3. 整合チェックするデータ ストアの横にあるチェックボックスをオンにします。 (ArcGIS_Data_Store)。
  4. [整合チェック] をクリックします。

データ ストアが実行中で、GIS Server サイトがそのデータ ストアと通信できる場合は、[ステータス] 列に緑のチェックボックスが表示されます。

レイヤーが正常に動作することの確認

さらに、サービスが、アップグレード後も正常に動作していることも確認する必要があります。

  1. ArcGIS Server Manager にサイン インします。
  2. [サービス] > [ホスト] の順に選択します。
  3. すべてのサービスが実行されていることを確認します。