[属性の集計] ツールは、類似のフィールド値を集計し、集計テーブルを作成します。生成されるレイヤーには、集計されたフィーチャの個数に加え、その他に指定された統計情報も表示されます。
ワークフロー図
解析での使用 GeoAnalytics Tools
GeoAnalytics Tools を使用した解析は、複数の ArcGIS GeoAnalytics Server コンピューターやコアにまたがる分散型処理を使用して実施されます。GeoAnalytics Tools と ArcGIS Enterprise の標準的なフィーチャ解析ツールは、異なるパラメーターと機能を持ちます。これらの相違点については、「フィーチャ解析ツールの相違点」をご参照ください。
例
トルネードとハリケーンは、米国で発生する嵐の中でも特に激しい嵐です。トルネードとハリケーンが及ぼした物的および金銭的損害を把握し、その影響の違いを比較しようと思っています。そこで、1 つのデータセットにまとめた米国全土のトルネードとハリケーンのデータにアクセスします。すべての情報を集計し、すべてのハリケーンおよびトルネードの集計値を確認します。台風の種類ごとにデータを集計し、それぞれの統計情報をまとめます。
使用上の注意
[属性の集計] は空間ツールではなく表形式の解析ツールです。
最も基本的な集約では、集計されたフィーチャの個数が計算されます。個数、合計、最小、最大、範囲、平均、標準偏差、分散の統計情報は数値フィールドでも計算でき、個数とすべての統計情報は文字列フィールドでも計算することができます。統計情報は、各グループで個別に計算されます。
1 つ以上のフィールドを指定して集計するか、すべてのフィーチャを集計できます。フィールドで集計する場合、統計情報は、属性値の一意の組み合わせごとに計算されます。
[属性の集計] では、時間ステップを使用して解析することもできます。各時間ステップは、時間ステップ外のフィーチャとは切り離して解析されます。時間ステップを使用するには、入力データを時間対応にし、任意の時点を時間で表す必要があります。時間ステップを適用すると、出力フィーチャは START_DATETIME および END_DATETIME フィールドで表した時間間隔になります。
処理空間参照と入力データの空間参照は、結果に影響しません。
[現在のマップ範囲を使用] がオンの場合、現在のマップ範囲に表示されるフィーチャだけが解析されます。オフの場合、入力レイヤーのすべての入力フィーチャが、現在のマップ範囲内になくても解析されます。
制限事項
表形式のレイヤーか、ジオメトリを持つレイヤー (ポイント、ライン、エリア) を入力として使用できます。
このツールを空間データに適用すると、表形式の結果を得ることができます。[フィーチャの結合] を使用し、空間データに結果を結合することができます。
[属性の集計] の仕組み
方程式
分散は以下の方程式で算出されます。
標準偏差は、分散の平方根として算出されます。
演算
入力レイヤーは、一致するフィールド値を持つグループに集計されます。結果は表形式なので、マップ上で視覚化することはできません。
次のテーブルでは、類似したフィールド値を使用して集計されたレイヤーの統計計算を示します。レイヤーの数値統計情報 ([個数]、[合計]、[最小]、[最大]、[範囲]、[平均]、[標準偏差]、および [分散]) の計算には、[VO2] フィールドを使用しています。レイヤーの文字列統計情報 ([個数] と [すべて]) の計算には、[Rating] フィールドを使用しています。
上記のテーブルは [Designation] フィールドで集計されており、レイヤーの数値統計情報 ([個数]、[合計]、[最小]、[最大]、[範囲]、[平均]、[標準偏差]、[分散]) の計算には、[VO2] フィールドを使用しています。レイヤーの文字列統計情報 ([個数] と [すべて]) の計算には、[Rating] フィールドを使用しています。これにより、異なる [Designation] 値を表す、2 つのフィーチャを持つテーブルが生成されます。
次のテーブルでは、[Designation] フィールドと [Age Group] フィールドを使用してレイヤーを集計したときの、最初のいくつかのフィールドを示します。統計は、前の例と同じ方法で計算されます。
計数統計 (文字列フィールドと数値フィールド) は、非 NULL の値を数えます。次の値の数は 5 です: [0, 1, 10, 5, null, 6] = 5。このセットの値の数は 3 です: [Primary, Primary, Secondary, null] = 3。
ArcGIS API for Python の例
[属性の集計] ツールは ArcGIS API for Python で使用できます。
この例では、類似した暴風雨を集計して物的損害の額を求めます。
# Import the required ArcGIS API for Python modules
import arcgis
from arcgis.gis import GIS
from arcgis.geoanalytics import summarize_data
# Connect to your ArcGIS Enterprise portal and confirm that GeoAnalytics is supported
portal = GIS("https://myportal.domain.com/portal", "gis_publisher", "my_password", verify_cert=False)
if not portal.geoanalytics.is_supported():
print("Quitting, GeoAnalytics is not supported")
exit(1)
# Find the big data file share dataset you'll use for analysis
search_result = portal.content.search("", "Big Data File Share")
# Look through the search results for a big data file share with the matching name
bdfs_search = next(x for x in search_result if x.title == "bigDataFileShares_NaturalDisaters")
# Look through the big data file share for Storms
storms = next(x for x in bdfs_search.layers if x.properties.name == "StormData")
# Set the tool environments
arcgis.env.verbose = True
arcgis.env.defaultAggregations = True
summaryStatistics = [{"statisticType" : "Sum", "onStatisticField" : "PropertyDamage"}]
summarized_result = summarize_data.summarize_attributes(input_layer = storms,
fields = "Storm_type",
summary_fields = summaryStatistics,
output_name = "summarized_storms")
# Visualize the tool results if you are running Python in a Jupyter Notebook
processed_map = portal.map('USA')
processed_map.add_layer(summarized_result)
processed_map
類似のツール
類似の値を持つフィーチャを集計するには、[属性の集計] を使用します。その他のツールは、類似した少し異なる問題を解決するのに効果的です。
Map Viewer解析ツール
異なる空間関係を使用してポイント、ライン、エリアを集計している場合は、GeoAnalytics Tools の [フィーチャの結合] を使用します。
ArcGIS Desktop 解析ツール
GeoAnalytics Tools の [属性の集計] は ArcGIS Pro でも利用できます。
[属性の集計] は、[統計情報のサマリー] ツールの機能を実行します。