Portal for ArcGIS のインストール手順は次のとおりです。 操作を開始する前に、組織の URL を確認しておくことが重要です。
注意:
11.0 にアップグレードする場合は、「ArcGIS Enterprise ポータルのアップグレード」をご参照ください。
Portal for ArcGIS をインストールするための準備
- インストール環境が最小システム要件を満たしていることを確認します。
- 管理者権限を持つユーザーとしてコンピューターにログインします。 root ユーザーは、Portal for ArcGIS をインストールできません。
- 「Portal for ArcGIS で使用されるポート」の説明に従って、ポートを開放します。
- サーバー上の重要でないアプリケーションをすべて終了します。
- Portal for ArcGIS セットアップをダウンロードしたフォルダーを参照します。または、Portal for ArcGIS メディアを適切なドライブに挿入して、セットアップ プログラムを自動起動します。
これで、Portal for ArcGIS をインストールする準備が整いました。
Portal for ArcGIS のインストール
- Portal for ArcGIS のダウンロード フォルダーまたはセットアップ メディアから、セットアップ プログラムを実行します。 セットアップ プログラムは、Portal for ArcGIS を正しくセットアップして使用するために満たす必要がある前提条件を確認してから開始されます。 使用しているシステムが前提条件のいずれかを満たさない場合、ダイアログ ボックスの指示に従って、すべての問題を修正します。 詳細については、「診断ツールを使用したポータル診断のチェック」をご参照ください。
- すべての前提条件が満たされている場合は、[はじめに] ダイアログ ボックスが表示されます。 [次へ] をクリックして続行します。
- [マスター契約書] ダイアログ ボックスで、マスター契約書を読みます。 条件に同意する場合は、[マスター契約書に同意する] ボタンをクリックし、[次へ] をクリックして操作を続行します。同意しない場合は、[キャンセル] をクリックしてセットアップを終了します。
- [インストール フォルダーの選択] ダイアログ ボックスで、インストール先の場所を指定します。 インストーラーが以前のポータルのディレクトリを指している場合、そのディレクトリのコンテンツが自動的に新規インストールで使用されます。 バージョン 10.2 より前のインストールのコンテンツはサポートされていません。 [次へ] をクリックして続行します。
- サマリー情報を確認し、[インストール] をクリックしてインストールを開始します。
- インストール プロセスが完了したら、[終了] をクリックしてインストーラーを終了します。
注意:
Portal for ArcGIS のインストールが完了すると、オペレーティング システムのデフォルトの Web ブラウザーが開き、Portal for ArcGIS の初期構成と認証が実行されます。
- Scene Viewer の完全な 3D シンボル セットを使用する場合は、Portal for ArcGIS Web Styles もインストールする必要があります。 詳細については、「Scene Viewer の要件」をご参照ください。
ポストインストール構成
Portal for ArcGISをオペレーティング システムで起動する場合は、以下のお使いのオペレーティング システムに固有の手順に従います。
systemd をサポートするオペレーティング システム
プロセスをブートストラップして管理するための systemd の使用をユーザーのオペレーティング システムがサポートしている場合 (Red Hat Enterprise Linux (RHEL) Server 7.x を使用している場合など)、次の手順に従って、オペレーティング システムから起動するように Portal for ArcGIS を構成します。
- コマンド シェルで、root ユーザーに切り替えます。
- <Portal for ArcGIS installation directory>/framework/etc/arcgisportal.service ユニット ファイルを /etc/systemd/system. にコピーします。ファイルがコピーされたら、/etc/systemd/system/arcgisportal.service のファイルの権限が 600 に設定されていることを確認します。
注意:
このファイルは、Portal for ArcGIS 11.0 とともにインストールされます。
- 引き続き root ユーザーとして、次のコマンドを実行し、/etc/systemd/system/multi-user.target.wants にリンクを自動的に作成します。
# systemctl enable arcgisportal.service
- systemd サービスが適切に構成されたことを確認するために、サービスを再起動してステータスを確認します。
# systemctl stop arcgisportal.service # systemctl start arcgisportal.service # systemctl status arcgisportal.service
- root ユーザー セッションを終了します。
- オペレーティング システムを再起動し、Portal for ArcGIS が正しく起動することを確認します。
注意:
SUSE Linux Enterprise Server (SLES) 12 SP2 以降に含まれる systemd のバージョン (v228 以降) では、作成するスレッドの最大数が 512 に設定されています。 SLES 12 のユーザーは、システムの使用負荷が高ければ、この制限を有効化して引き上げる必要がある場合があります。 この制限を有効化して引き上げるには、root ユーザーが arcgisportal.service ユニット ファイルを /etc/systemd/system フォルダーに配置する前に、# TasksMax=512 の行のコメントを解除して編集します。SysV をサポートするオペレーティング システム
プロセスをブートストラップして管理するための SysV の使用をオペレーティング システムがサポートしている場合、次の手順に従って、オペレーティング システムで起動する Portal for ArcGIS を構成します。
- コマンド シェルで、root ユーザーに切り替えます。
- <Portal for ArcGIS installation directory>/framework/etc/arcgisportal シェル スクリプトを、サポートされている Linux ディストリビューションに応じて、次のうちの該当する場所にコピーします。
- RHEL Server: /etc/rc.d/init.d/
- SLES: /etc/init.d/
- 適切な init.d フォルダーにディレクトリを変更し、arcgisportal スクリプトを確認して、root ユーザーが少なくとも読み取りおよび実行権限を持っていることを確認します。
- 次のようにスクリプトを編集します。
portalhome 変数を Portal for ArcGIS のインストール ディレクトリに更新します (例: /home/username/arcgis/portal)。
RHEL Server の場合のみ、以下のように # Description: Portal for ArcGIS Service のすぐ前に追加します。
# chkconfig:35 99 01
編集を arcgisportal スクリプトに保存します。
- 引き続きルート ユーザーとして、次のコマンドを実行し、適切な実行レベルを使用して /etc/rc*.d にリンクを自動的に作成します。
- RHEL:
$ chkconfig --add arcgisportal $ chkconfig arcgisportal on
- SUSE:
$ insserv arcgisportal $ chkconfig arcgisportal on
- RHEL:
- root ユーザー セッションを終了します。
- オペレーティング システムを再起動し、Portal for ArcGIS が正しく起動することを確認します。
インストール中にエラーが発生した場合
インストール中にエラーが発生した場合は、ログを確認してトラブルシューティングに役立てることができます。 最初に ArcGIS Portal Directory にアクセスできるかどうかを判断します。 アクセスできる場合は、ログを検索してメッセージを確認します。 アクセスできない場合は、ハードディスク上のログ メッセージを確認します。 ハードディスク上のログにアクセスするには、ログのディレクトリを選択し、最新のログ ファイルを開きます (たとえば、<Portal for ArcGIS installation directory>/arcgisportal/logs/<machine name>/portal/portal-20150101.095803-8596-0.0.log)。 必要な場合は、この情報を Esri テクニカル サポートと共有できます。
ポータル コンピューターに複数のネットワーク インターフェイス コントローラー カードが搭載されている場合
ArcGIS Enterprise は、複数のネットワーク インターフェイス コントローラー (NIC) カードまたはドメイン名システム (DNS) サーバーの複数のエントリ (レコードとも呼ばれる) が含まれているコンピューター上に配置できます。 この条件を満たすコンピューターに Portal for ArcGIS をインストールした場合、ポータルがネットワーク通信に使用する IP アドレスまたはホスト名を識別できます。 これを実行するには、既存のファイルを編集し、新しいファイルをポータルのインストール ディレクトリ (デフォルトでは /home/User/arcgis/portal) に追加します。
注意:
これらの手順は、最初の管理アカウントとポータル サイトを作成する前に、インストール後ただちに実行します。
- Portal for ArcGIS がインストールされているコンピューターにログインします。 <Portal installation directory>/framework/etc フォルダーを参照して選択します。 このフォルダー内に「hostname.properties」という名前の新しいファイルを作成し、適切な権限を付与します。
- ファイルの最初の行にテキスト「hostname=interface.domain.com」を追加し、対象のインターフェイスの完全修飾ドメイン名を指定します。 たとえば、2 枚の NIC カード (1 および 2) を搭載したコンピューター、または 2 つの DNS エントリを含むコンピューターがあるような場合、これらのインターフェイスのドメイン名は P1.mycompany.com および P2.mycompany.com に解決されます。Portal for ArcGIS で 2 枚目のインターフェイスをネットワーク通信に使用するには、テキスト「hostname=P2.mycompany.com」を hostname.properties ファイルに追加します。
注意:
ホスト名が複数のインターフェイスで同一であるような場合も、ArcGIS Server でネットワーク通信に使用するインターフェイスの IP アドレスを指定する必要があります。 構文は hostname=<IP address> です。
- hostname.properties ファイルを保存して閉じます。
- <Portal installation directory>/framework/runtime/ds/framework/etc フォルダーを参照し、hostidentifier.properties ファイルを検索します。
- テキスト エディターでファイルを開きます。 hostidentifier プロパティからコメント記号 # を削除して、ポータルがネットワーク通信に使用する NIC カードまたは DNS エントリの IP アドレスにそのプロパティを設定します。 たとえば、IP アドレスに 12.34.56.189 を指定するには、次のような行になります。
hostidentifier=12.34.56.189
- hostidentifier.properties ファイルを保存して閉じます。
- コマンド ライン スクリプト stopportal.sh および startportal.sh を使用して、ポータルを再起動します。
注意:
ポータルを新しいバージョンにアップグレードすると、アップグレードによって、この hostidentifier.properties ファイルはデフォルトのコンテンツにリセットされます。 アップグレード後は、適切な IP アドレスを追加し直す必要があります。
必要に応じて、手順に従って複数の NIC カードを搭載したコンピューターのその他の ArcGIS Enterprise ソフトウェア コンポーネントを以下のように構成します。