次のセクションでは、ArcGIS Data Store に関係する用語を定義します。 ArcGIS Data Store は ArcGIS Enterprise の配置の一部であるため、ArcGIS Enterprise の全コンテキストのデータ ストアを明確にするために、ここにはその他の用語も含まれています。
ArcGIS Data Store
ArcGIS Data Store は、ポータルのホスト フィーチャ レイヤー、ホスト シーン レイヤー、および時空間フィーチャ レイヤー用のデータ ストアを構成できるソフトウェア コンポーネントです。
データ ストアは、データを格納する場所を表す一般的な用語なので注意してください。 ArcGIS Data Store を使用すると、データ ストア タイプのサブセットを構成できます。 ArcGIS Data Store で構成するデータ ストアは、常に ArcGIS Enterprise の配置の一部として使用され、ArcGIS によって管理され、ポータルのホスティング サーバーに登録されます。
ArcGIS Data Store アカウント
Microsoft Windows コンピューターで、ArcGIS Data Store アカウントは、ArcGIS Data Store サービスが動作するときに使用されるログインです。 このアカウントは ArcGIS Data Store をインストールするときに指定します。
Linux コンピューターで、ArcGIS Data Store アカウントは、ArcGIS Data Store をインストールしたコンピューターにサイン インするために使用したアカウントです。
詳細については、「ArcGIS Data Store アカウント」をご参照ください。
ArcGIS Data Store の構成ストア
ArcGIS Data Store の構成ストアは、登録されている ArcGIS GIS Server サイト、データ ストア内の他のコンピューター、およびデータ ストアのプロパティに関する情報を保持します。
各タイプの ArcGIS Data Store は独自の構成ストアを持ち、そこで固有の情報を保持します。 たとえば、ArcGIS Enterprise の配置にリレーショナル データ ストア、タイル キャッシュ データ ストア、ビッグ データ ストアがある場合、この配置には ArcGIS Data Store の構成ストアが 3 つ存在します。
ArcGIS Data Store コンテンツ ディレクトリ
これは、ArcGIS Data Store を実行するために必要なファイルを格納するために指定するディレクトリです。 このディレクトリは、ArcGIS Data Store のインストールに対してローカルである必要があります。
初期状態では、このディレクトリにはリレーショナル データ ストアのバックアップ ファイルが格納されます。ただし、リレーショナル データ ストアを作成したら、このディレクトリの代わりに、共有ネットワーク ロケーションにバックアップ ファイルを作成するように構成する必要があります。
ArcGIS Enterprise
ArcGIS Enterprise は、Web GIS を作成できる製品ラインです。 これには、ArcGIS Server、Portal for ArcGIS、ArcGIS Data Store、ArcGIS Web Adaptor が含まれます。
詳細については、「ArcGIS Enterprise とは」をご参照ください。
ArcGIS GeoAnalytics Server
ArcGIS Server サイトは、特定の役割を果たすためにライセンスが付与されています。 ArcGIS GeoAnalytics Server は、分散コンピューティングを使用してビッグ データ解析を実行できるフェデレーション サーバーです。
Map Viewer Classic (旧名称 Map Viewer) または ArcGIS Pro で使用される GeoAnalytics Tools のデータ出力に ArcGIS Data Store のビッグ データ ストアを利用する必要があります。 これらのツールは、ArcGIS GeoAnalytics Server がフェデレートされている場合、Map Viewer Classic で使用することができます。
詳細については、「ArcGIS GeoAnalytics Server とは」をご参照ください。
ArcGIS GeoEvent Server
ArcGIS Server サイトは、特定の役割を果たすためにライセンスが付与されています。 ArcGIS GeoEvent Server は、リアルタイム データをストリーミングできるスタンドアロンまたはフェデレーション サーバー サイトです。
ArcGIS Data Store によって、フェデレートされた ArcGIS GeoEvent Server は、ストリーム サービスのデータをポータルのホスティング サーバー上で実行されるフィーチャ レイヤーとしてアーカイブすることができます。 アーカイブされたデータは、ビッグ データ ストアに格納されます。 履歴管理フィーチャ レイヤーをポータルから削除しても、フィーチャ サービスと、ビッグ データ ストアに格納されているデータは削除されません。
ストリーミングされるデータのアーカイブに関する詳細については、GeoEvent Server ヘルプの「ビッグ データ ストア」をご参照ください。
ArcGIS GIS Server
(ArcGIS GIS Server は GIS Server とも呼ばれます)。
ArcGIS Server サイトは、特定の役割を果たすためにライセンスが付与されています。 ArcGIS GIS Server を使用すると、マップ サービス、フィーチャ サービス、ジオプロセシング サービス (ツール)、ジオコーディング サービス (ロケーター)、およびジオデータ サービスとして GIS リソースを利用できます。
ホスト Web レイヤーが必要なタイプのサービスを公開するには、ポータルのホスティング サーバーに ArcGIS GIS Server サイトとしてライセンスを付与する必要があります。
ArcGIS Image Server
ArcGIS Server サイトは、特定の役割を果たすためにライセンスが付与されています。 ArcGIS Image Server は、キャッシュ イメージ サービスやダイナミック イメージ サービスを提供できるスタンドアロンまたはフェデレーション サーバー サイトです。
ArcGIS Data Store では、ホスト イメージ レイヤーをポータルに公開する場合は、ArcGIS Data Store とともに使用する ArcGIS Enterprise の配置に、フェデレートされた ArcGIS Image Server が必要です。
ポータルのラスター解析サーバーや画像ホスティング サーバーなど、異なる役割を果たす複数の ArcGIS Image Server サイトをフェデレートさせることができます。
データ ストア
ArcGIS では、データ ストアは ArcGIS で使用されるデータを保存する場所を表します。
ArcGIS Server では、データ ストアは ArcGIS Server サイトに登録したファイル、データベース、ジオデータベース、またはクラウドの格納場所を表します。 これらの場所を ArcGIS Server サイトに登録すると、公開するサービスがデータにアクセスできるようになります。
ArcGIS Server に登録された、ユーザーによって維持されるデータ ストアは、データ ソースを参照します。データはそのデータ ストア内に保持され、他の場所にはコピーされません。 ArcGIS Server サイトにサービスを公開すると、サービスに使用されるデータは、この登録されたソース データから取得されます。
ArcGIS Data Store を使用して実装されたデータ ストアは、ArcGIS Server (特にホスティング サーバー) にも登録されますが、ArcGIS によって維持されます。 特定のホスト Web レイヤーを公開するときに、ArcGIS は、データをこれらのデータ ストアのうちの 1 つにコピーします。
ArcGIS Enterprise ポータル内の Web レイヤーは、ArcGIS Server サイト上で実行されるサービスなので注意してください。 サービスの公開時にデータがデータ ストアにコピーされる場合、ポータル内の結果の Web レイヤーは、ホスト Web レイヤーです。 詳細については、「サービスとポータル アイテム」をご参照ください。
フェデレーション サーバー
フェデレーション サーバーは、ユーザーのポータルに統合された ArcGIS Server サイトです。 フェデレーション サーバーは、その他の ArcGIS Enterprise 配置と認証を共有し、フェデレーション サーバーで公開するサービス用のアイテムをポータル内で自動的に作成できるようにします。
詳細については、「ArcGIS Server とのポータルの統合」をご参照ください。
GeoAnalytics Tools
GeoAnalytics Tools は、膨大な量のデータを対象とした、分散コンピューティングによるフィーチャ解析のために使います。 GeoAnalytics Tools を使うと、空間と時間の両面から、パターンを見つけ、データを集約できます。
GeoAnalytics Tools は Map Viewer Classic (旧名称 Map Viewer) 内で、ポータルに統合された GeoAnalytics Server 上のジオプロセシング サービスとして動作します。 GeoAnalytics Tools も同様に、ArcGIS Pro のジオプロセシング ツールとして使えます。
詳しくは、「フィーチャ解析機能の比較 - 標準機能と GeoAnalytics Tools」および「Map Viewer Classic における GeoAnalytics Tools の使い方」をご参照ください。
GIS Server
上の 「ArcGIS GIS Server エントリ」をご参照ください。
グラフ ストア
グラフ ストアは、ポータルの ArcGIS Knowledge Server が、ナレッジ グラフを構成するエンティティおよびリレーションシップを格納するために使用するデータベースです。 ArcGIS Knowledge Server サイト上で実行されるナレッジ グラフ サービスは、グラフ ストア内のデータにアクセスします。
これらのサービスは ArcGIS Knowledge Server サイト上で実行されますが、ホスト レイヤーに関するすべての通信がこのサイトを介して実行されるため、グラフ ストアをポータルのホスティング サーバーに登録します。
グラフ ストアの作成が必要になるケースの詳細については、「ArcGIS Data Store が必要なアプリと機能」をご参照ください。
ホスト Web レイヤー
ホスト Web レイヤーは、ポータルのホスティング サーバー上で対応するサービスが実行されるポータル内のアイテムです。 1 つの例外は、ホスト イメージ レイヤーです。このレイヤーは、ホスティング サーバーではなく、フェデレートされた ArcGIS Image Server で実行されます。
ヒント:
レイヤーの所有者または組織の管理者がポータルでレイヤー アイテムのページを開くと、[概要] タブのレイヤー タイプ ラベルに [(ホスト)] と追記されます。 ホスト レイヤーは、ArcGIS Pro で表示される場合、[カタログ] ウィンドウに表示されるときのように、ラベルが付けられます。
これらのサービスのほとんどで使用されるデータとホスト Web レイヤーで使用されるデータは、公開時に ArcGIS Data Store にコピーされます。 ホスト Web レイヤーには、このデータを保持するために特定のタイプのデータ ストアを作成する必要があります。 各種のホスト Web レイヤーに必要なデータ ストアのタイプを判断するには、「ArcGIS Data Store によるポータルおよび ArcGIS Server サイトの作成」の表をご参照ください。 ホスト イメージ レイヤーのデータは、ArcGIS Data Store を通じて作成されたデータ ストアではなく、登録済みのファイルまたはクラウド格納データ ストアにコピーされます。
ホスト Web レイヤーをポータルから削除すると、サービスは ArcGIS Server サイトから削除され、データはデータ ストアから削除されます。
ホスト Web レイヤーの詳細については、「サービスとポータル アイテム」および「ホスト レイヤー」をご参照ください。
ホスティング サーバー
ホスティング サーバーは、組織の管理者が ArcGIS Enterprise ポータルとフェデレートし、Web レイヤーをホストするサーバーとして設定した GIS Server サイトです。
詳細については、「ArcGIS Server とのポータルの統合」をご参照ください。
位置のトラッキング サービス
これは、フィーチャ サービスであり、モバイル ユーザーの位置を記録します。 位置のトラッキング サービスに使用されるデータは時空間ビッグ データ ストアに格納されます。
オブジェクト ストア
オブジェクト ストアは、ホスト フィーチャ レイヤーのキャッシュされたクエリ応答を保持します。 これには大量のディスク容量が必要となるため、他のデータ ストアとは別のコンピューター上に構成する必要があります。
オブジェクト ストアに複数のコンピューターが必要な場合は、configuredatastore ユーティリティを使用してそれを作成し、--mode 操作を cluster に設定します。 データ ストア構成ウィザードを使用してオブジェクト ストアを作成する場合、オブジェクト ストアにはコンピューターを 1 つしか設定できず、作成後にオブジェクト ストアのモードを変更することはできません。
描画パフォーマンスを向上させるには、ホスティング サーバーの ArcGIS Server サイト管理者が [定義の更新] REST 操作を使用して、ArcGIS Server Administrator Directory のフィーチャ サービス REST エンドポイントから、ホスト フィーチャ レイヤーの個々のレイヤーのクエリ応答キャッシュを有効化します。
リレーショナル データ ストア
リレーショナル データ ストアは、ポータルのホスティング サーバーが使用するデータベースであり、ホスト フィーチャ レイヤー のデータを格納します。 組織の管理者がポータルにホスティング サーバーを追加するには、ホスティング サーバーをリレーショナル データ ストアで構成する必要があります。
時空間ビッグ データ ストア
時空間ビッグ データ ストアは、拡張性に優れた分散ストレージ構造で、フルテキスト検索機能を備えています。 空間成分と時間成分を含んでいるデータを格納できます。 時空間ビッグ データ ストアが必要となるケースについては、「ArcGIS Data Store が必要なアプリと機能」をご参照ください。
タイル キャッシュ データ ストア
タイル キャッシュ データ ストアは、ホスト シーン レイヤーのキャッシュを格納する一連のデータベースです。 組織サイト内のホスト シーン レイヤーごとに 1 つのデータベースが作成されます。
タイル キャッシュ データ ストアには、プライマリ/スタンバイ (フェイル オーバー用のコンピューターを使用) またはクラスター (タイル キャッシュ データ ストアをスケーリングして複数のコンピューターを配置) の 2 つの配置モード オプションが用意されています。