Portal for ArcGIS のサイレント インストール プロセスの手順は以下のとおりです。
注意:
11.1 にアップグレードする場合は、「ArcGIS Enterprise ポータルのアップグレード」をご参照ください。
Portal for ArcGIS をインストールするための準備
- インストール環境が最小システム要件を満たしていることを確認します。
- 管理者権限を持つユーザーとしてコンピューターにログインします。 root ユーザーは、Portal for ArcGIS をインストールできません。
- 「Portal for ArcGIS で使用されるポート」の説明に従って、ポートを開放します。
- サーバー上の重要でないアプリケーションをすべて終了します。
- Portal for ArcGIS セットアップをダウンロードしたフォルダーを参照します。または、Portal for ArcGIS メディアを適切なドライブに挿入して、セットアップ プログラムを自動起動します。
これで、Portal for ArcGIS をインストールする準備が整いました。
Linux での Portal for ArcGIS のサイレント インストール
- <CD_ROOT or untar directory>/Documentation/EULA.pdf にある使用許諾契約書を読んで、条件に同意する必要があります。
- プロンプトが表示されたら、セットアップをサイレントで実行します。下記のサンプル構文をご参照ください。
<CD_ROOT or untar directory>/Setup -m silent -l yes
使用法: セットアップ [オプション]
オプション 説明 -m; --mode MODE
オプション。デフォルトで GUI に設定されます。
MODE は、silent、console、gui のいずれかです。
-l; --license-agreement CHOICE
サイレント モードに必要です。CHOICE は Yes または No です。
Yes は、Esri マスター契約 (E204、E300) を読み、同意したことを意味します。http://www.esri.com/legal/licensing-translations にアクセスして契約書をお読みください。
-d; --directory DIRECTORY
オプション。デフォルトでは、Portal for ArcGIS は、ユーザーの $HOME ディレクトリにインストールされます。DIRECTORY には、別のインストール ディレクトリを指定します。
パス /arcgis/portal はインストール ディレクトリに追加されます。
セットアップを以前のインストール ディレクトリに指定した場合、そのディレクトリのコンテンツが新しいインストールで自動的に使用されます。バージョン 10.2 より前のインストールのコンテンツはサポートされていません。
-v; --verbose
インストーラーは冗長モードで実行されます。
-h; --help
コマンド ライン ヘルプを表示して、終了します。
-e; --examples
これらのオプションの使用例を表示し、終了します。
注意:
Portal for ArcGIS をインストールしたら、createportal コマンド ライン ユーティリティを使用してポータルを作成することもできます。
createportal コマンド ライン ユーティリティを使用したポータルの作成
createportal ユーティリティは、次の方法で使用できます。
- コマンド プロンプトから管理者として createportal ユーティリティを実行し、氏名、ユーザー名、パスワード、電子メール、秘密の質問と答え、コンテンツ ディレクトリ パラメーターを指定します。
- 指定したパラメーターを含む createportal.properties ファイルを指定します。
createportal コマンド ライン ユーティリティを使用するには、次のように createportal.sh スクリプトに -h または -help を付加して実行します。
<Portal for ArcGIS Installation Directory>/tools/createportal/createportal.sh -help
ユーティリティでの使用例: createportal.sh [-fn <arg>] [-ln <arg>] [-u <arg>] [-p <arg>] [-e <arg>] [-qi <arg>] [-qa <arg>] [-d <arg>] [ -lf <arg>] [ -ut <arg>]
ファイルでの使用例: createportal.sh [-f <FILE>]
注意:
createportal.properties ファイル内のパスを参照するときは、C:\\arcgisportal や \\\\<Absolute path to>\\<portal arcgisportal> のように、バックスラッシュをエスケープする必要があります。
オプション | 説明 |
---|---|
-fn; --firstname | ポータルの構成に使用する初期管理者アカウントのファースト ネーム (名)。 複数語を入力する場合は引用符で囲みます。 |
-ln; --lastname | ポータルの構成に使用する初期管理者アカウントのラスト ネーム (姓)。 複数語を入力する場合は引用符で囲みます。 |
-u; --username | ポータルの構成に使用する初期管理者アカウントのユーザー名。 ユーザー名に使用できるのは、0 ~ 9 までの数字、a ~ z および A ~ Z までの ASCII 文字、ドット文字 (.) です。 |
-p; --password | ポータルの構成に使用する初期管理者アカウントのパスワード。 パスワードに使用できるのは、0 ~ 9 までの数字、a ~ z および A ~ Z までの ASCII 文字、ドット文字 (.) です。 |
-e; --email | ポータルの構成に使用する初期管理者アカウントの電子メール アドレス。 |
-qi; --question | パスワードを忘れたときに使用する秘密の質問のインデックス。個別にインデックス番号が付けられた次のような質問が使用できます。
|
-qa; --answer | パラメーター -qi に選択した秘密の質問の答え。 複数語を入力する場合は引用符で囲みます。 |
-d; --contentDirectory | ポータルでホストされるデータの保存に使用するコンテンツ ディレクトリの絶対パスと名前。 デフォルトでは、ポータル コンテンツ ディレクトリは次の場所にローカルに作成されます。 <Portal for ArcGIS Installation Directory>/usr/arcgisportal |
-f; --file | createportal ユーティリティのプロパティ ファイル。 デフォルトでは、createportal.properties ファイルは次の場所にあります。 <Portal for ArcGIS Installation Directory>\tools\createportal |
-lf; --licenseFile | これはポータル ライセンス ファイルのパスです。 |
-ut; --userTypeID | これは初期管理者としてのユーザー タイプの ID です。 このパラメーターはオプションです。組織で -ut パラメーターとして使用できる互換性のあるユーザー タイプのリストを生成するには、listadministratorusertypes ユーティリティを実行します。ユーザー タイプ ID が指定されておらず、互換性のあるユーザー タイプがポータル ライセンス ファイルに 1 つ含まれている場合は、そのユーザー タイプが割り当てられます。互換性のあるユーザー タイプがライセンス ファイルに複数含まれている場合は、テンポラリ ユーザー タイプが割り当てられるので、初期管理者は、ログイン後にユーザー タイプを選択する必要があります。 |
-h; --help | コマンド ライン ヘルプを表示して、終了します。 |
次に、createportal.properties ファイルの例を示します。#
#
# Portal for ArcGIS site creation properties
#
# First name for initial administrator account
PORTAL_ADMIN_FIRSTNAME =
# Last name for initial administrator account
PORTAL_ADMIN_LASTNAME =
# User name for initial administrator account
# Can only have the numbers 0-9, the ASCII letters a-z, A-Z and the dot character (.)
PORTAL_ADMIN_USERNAME =
# Password for primary site administrator.
# Can only have the numbers 0-9, the ASCII letters a-z, A-Z and the dot character (.)
PORTAL_ADMIN_PASSWORD =
# Initially, leave PORTAL_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTED set to false.
# When you run the tool the first time, the password will be
# encrypted and PORTAL_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTED will change to true
PORTAL_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTED = false
# E-mail address for initial administrator account
# e.g username@domain.com
PORTAL_ADMIN_EMAIL =
#This is the index of the secret question to retrieve a forgotten password.
#The list of questions with their respective index numbers is as follows:
#1, What city were you born in ?"
#2, What was your high school mascot?"
#3, What is your mother's maiden name?"
#4, What was the make of your first car?"
#5, What high school did you go to?"
#6, What is the last name of your best friend?"
#7, What is the middle name of your youngest sibling?"
#8, What is the name of the street on which you grew up?"
#9, What is the name of your favorite fictional character?"
#10, What is the name of your favorite pet?"
#11, What is the name of your favorite restaurant?"
#12, What is the title of your favorite book?"
#13, What is your dream job?"
#14, Where did you go on your first date?");
PORTAL_ADMIN_SECURITY_QUESTION_INDEX =
# Answer to the secret question
# e.g \"My Answer\"
PORTAL_ADMIN_SECURITY_QUESTION_ANSWER =
# Portal content directory where portal will store default and user-generated content.
# By default, the portal content directory will be created locally,
# e.g./<Portal for ArcGIS installation directory>/usr/arcgisportal.
PORTAL_CONTENT_DIRECTORY =
# The path to the portal license file
PORTAL_LICENSE_FILE =
# The ID of the user type for the Initial Administrator
PORTAL_USER_TYPE_ID =
ツールが終了する前にポータルが正常に作成されたというメッセージを受信します。
listadministratorusertypes コマンド ライン ユーティリティを使用した、互換性のあるユーザー タイプの確認
組織でライセンスされているユーザー タイプ ID のうち、管理者ロールと互換性のある ID のリストを確認するには、listadministratorusertypes コマンド ライン ユーティリティを実行します。これにより、createportal ツールの -ut パラメーターに対する入力のリストが表示されます。ポータル ライセンス ファイルを入力として使用して、次に示すように -la を付加してツールを実行します。
<Portal for ArcGIS Installation Directory>/tools/createportal/listadministratorusertypes.sh
ユーティリティでの使用例: listadministratorusertypes.sh [-la <arg>] または listadministratorusertypes.sh [--listadministratorusertypes <arg>]
ポスト インストール構成
Portal for ArcGIS をオペレーティング システムで起動する場合は、次に示すお使いのオペレーティング システムに固有の手順に従います。
systemd をサポートするオペレーティング システム
プロセスの管理やブートストラップに対応した systemd をサポートしているオペレーティング システムの場合 (Red Hat 7.x を使用している場合など)、次の手順に従って、オペレーティング システムで起動する Portal for ArcGIS を構成します。
- コマンド シェルで、root ユーザーに切り替えます。
- <Portal for ArcGIS installation directory>/framework/etc/arcgisportal.service ユニット ファイルを /etc/systemd/system. にコピーします。ファイルがコピーされたら、/etc/systemd/system/arcgisportal.service のファイルの権限が 600 に設定されていることを確認します。
注意:
このファイルは、Portal for ArcGIS 11.1 とともにインストールされます。
- 引き続き root ユーザーとして、次のコマンドを実行し、/etc/systemd/system/multi-user.target.wants にリンクを自動的に作成します。
# systemctl enable arcgisportal.service
- systemd サービスが適切に構成されたことを確認するために、サービスを再起動してステータスを確認します。
# systemctl stop arcgisportal.service # systemctl start arcgisportal.service # systemctl status arcgisportal.service
注意:
1 つのサービスが非常に多くのスレッドを生成し、すべてのサーバー リソースを消費しないようにするために、SLES12 SP2 以降に含まれた systemd v228 以降では、作成されるスレッドの最大数が 512 に設定されています。SLES12 のユーザーは、システムの使用負荷が高ければ、この制限を有効化して引き上げる必要がある場合があります。この制限を有効化して引き上げるには、root ユーザーが arcgisportal.service ユニット ファイルを /etc/systemd/system フォルダーに配置する前に、そのファイルで次の行のコメントを解除して編集します。# TasksMax=512
- root ユーザー セッションを終了します。
- オペレーティング システムを再起動し、Portal for ArcGIS が正しく起動することを確認します。
SysV をサポートするオペレーティング システム
プロセスをブートストラップして管理するための SysV の使用をオペレーティング システムがサポートしている場合、次の手順に従って、オペレーティング システムで起動する Portal for ArcGIS を構成します。
- コマンド シェルで、root ユーザーに切り替えます。
- <Portal for ArcGIS installation directory>/framework/etc/arcgisportal シェル スクリプトを、サポートされている Linux ディストリビューションに応じて、次のうちの該当する場所にコピーします。
- RHEL: /etc/rc.d/init.d/
- SUSE: /etc/init.d/
- 適切な init.d フォルダーにディレクトリを変更し、arcgisportal スクリプトを確認して、ルート ユーザーが少なくとも読み取りおよび実行権限を持っていることを確認します。
- 次のようにスクリプトを編集します。
portalhome 変数を Portal for ArcGIS のインストール ディレクトリに更新します (例: /home/username/arcgis/portal)。
RHEL の場合のみ、次の行を # Description: Portal for ArcGIS Service の前に追加します。
# chkconfig:35 99 01
編集内容を arcgisportal スクリプトに保存します。
- 引き続きルート ユーザーとして、次のコマンドを実行し、適切な実行レベルを使用して /etc/rc*.d にリンクを自動的に作成します。
- RHEL:
$ chkconfig --add arcgisportal $ chkconfig arcgisportal on
- SUSE:
$ insserv arcgisportal $ chkconfig arcgisportal on
- RHEL:
- root ユーザー セッションを終了します。
- オペレーティング システムを再起動し、Portal for ArcGIS が正しく起動することを確認します。