Windows インストーラーのコマンド ライン パラメーターを使用してセットアップを実行すると、Portal for ArcGIS をユーザー インターフェイスを使用せずにインストールすることができます。
注意:
11.2 にアップグレードする場合の詳細については、「Portal for ArcGIS のアップグレードについて」をご参照ください。
Portal for ArcGIS をインストールするための準備
- インストール環境が最小システム要件を満たしていることを確認します。
- 管理者権限を持つユーザーとしてコンピューターにサイン インします。
- 「Portal for ArcGIS で使用されるポート」の説明に従って、ポートを開放します。
- サーバー上の重要でないアプリケーションをすべて終了します。
- 以下で説明するインストール コマンドを実行します。
Portal for ArcGIS のサイレント インストール
以下は、Portal for ArcGIS をサイレント インストールするときに使用する Windows Installer のコマンド ライン パラメーターです。 これらのコマンドを使用して、Portal for ArcGIS のインストール場所やポータルのコンテンツ ディレクトリを指定します。
ACCEPTEULA=yes
このプロパティは、サイレント インストール時にエンド ユーザー使用許諾契約書 (EULA) に同意するために必要です。 EULA に同意してソフトウェアをインストールするには、yes を指定します。 no を指定するか、このプロパティを省略すると、インストールが失敗します。 PDF バージョンの EULA はダウンロードに含まれています。 EULA.pdf ファイルは \Documentation フォルダー内にあります。
INSTALLDIR=<installation location>
このプロパティを使用することで、Portal for ArcGIS のインストール先をコマンド ラインで指定できます。 このプロパティを設定しないと、C:\Program Files\ArcGIS\Portal のデフォルトのインストール先が使用されます。
CONTENTDIR=<installation location content>
このプロパティで、ポータルのコンテンツ ディレクトリを指定できます。 指定する場所は、ローカル ディレクトリである必要があります。共有ネットワーク ディレクトリを選択することはできません。 これは、Portal for ArcGIS サービスが、デフォルトでは Windows 固有のローカル システム アカウントで実行されるように構成されているためです。 ローカル システム アカウントは、ネットワーク ロケーションにアクセスできません。 詳細については、「Portal for ArcGIS アカウント」をご参照ください。 このプロパティを設定しないと、C:\arcgisportal のデフォルトのインストール先が使用されます。
インストール先の例を以下に示します。
<path to the Portal for ArcGIS setup download>\setup.exe /qb ACCEPTEULA=yes INSTALLDIR=C:\myportal CONTENTDIR=C:\arcgisportal
コマンド ライン パラメーターを使用した Portal for ArcGIS アカウントの構成
Portal for ArcGIS のサイレント インストールを実行する場合は、Portal for ArcGIS アカウントを構成する必要があります。 運用システムの場合は、ドメインまたは Active Directory に既存のアカウントを指定したうえで、組織のセキュリティ ポリシーに従うことを推奨します。 サイレント インストール中にコマンド ライン パラメーターで Portal for ArcGIS アカウントを構成しなかった場合は、アカウントがローカル システム アカウントに設定されます。 これは、主に Portal for ArcGIS のインストール時間が短縮されるためです。
Portal for ArcGIS アカウントの構成には、次のコマンド ライン パラメーターを使用します。
Portal for ArcGIS アカウントの認証情報を直接渡す
注意:
サイレント (/qb) インストール中に Portal for ArcGIS アカウントを定義しなかった場合や認証情報が無効な場合は、インストール中に Portal for ArcGIS セットアップに警告メッセージが表示されます。 このメッセージは、[OK] をクリックすると閉じることができます。 この場合、Portal for ArcGIS アカウントはローカル システム アカウントに設定されます。
USER_NAME=<オペレーティング システム アカウント>
このアカウントは、ドメイン アカウントでもローカル アカウントでもかまいません。 ドメイン アカウントを使用する場合は、既存のアカウントから選択する必要があります。 ローカル アカウントを使用するときに既存のローカル アカウントがない場合は、自動的に作成されます。 無効なアカウントである場合は、アカウントまたはパスワードが無効であることを示すメッセージがインストール中に表示されます。
MSA=TRUE
このパラメーターは Managed Service アカウントでのみ使用してください。 ドメイン上に、Managed Service アカウントが事前に存在する必要があります。 パスワードを含むローカル アカウントまたはドメイン アカウントでこのパラメーターを使用しないでください。 Managed Service アカウントは、PASSWORD パラメーターを使用しません。
PASSWORD=<アカウントのパスワード>
[USER_NAME] パラメーターに指定したアカウントのパスワードです。 無効なパスワードである場合は、アカウントまたはパスワードが無効であることを示すメッセージがインストール中に表示されます。
例を以下に示します。
注意:
コマンド ライン パラメーターでは、大文字と小文字が区別されます。 コマンド ラインでのインストールが正常に機能しない場合は、大文字と小文字の使い方が例に示されたプロパティと同じになっていることを確認してください。
ドメイン アカウントの使用
<path to the Portal for ArcGIS setup download>\setup.exe /qb ACCEPTEULA=yes USER_NAME=mydomain\mydomainaccount PASSWORD=my.password
新しいまたは既存のローカル アカウントの使用
<path to the Portal for ArcGIS setup download>\setup.exe /qb ACCEPTEULA=yes USER_NAME=myaccount PASSWORD=my.password
Managed Service アカウントの使用
<path to the Portal for ArcGIS setup download>\setup.exe /qb ACCEPTEULA=yes MSA=TRUE USER_NAME=mydomain\mymsa
ポータル構成ファイルを使用して Portal for ArcGIS アカウントの認証情報をインポート
ポータル構成ファイルを使用して Portal for ArcGIS アカウントの認証情報をインポートする場合は、次の 2 つのコマンド ライン パラメーターを両方とも指定する必要があります。
ACCOUNT=UseConfigFile
上記に示されたとおりに ACCOUNT コマンド ライン パラメーターを使用します。 このプロパティで有効な値と見なされるのは、これだけです。
CONFIGPATH=<ポータル構成ファイルの絶対パスと名前>
このプロパティを ACCOUNT=UseConfigFile と組み合わせて使用すると、Portal for ArcGIS アカウントの構成に使用するポータル構成ファイルを指定できます。 ポータル構成ファイルは、Portal for ArcGIS のインストール (以前のインストールまたは別のコンピューターからのインストール) 時にエクスポートすることで作成されます。
例を以下に示します。
<path to the Portal for ArcGIS setup download>\setup.exe /qb ACCEPTEULA=yes ACCOUNT=UseConfigFile CONFIGPATH=\\networkmachine\portalconfigs\standardaccount.xml
注意:
コマンド ライン パラメーターでは、大文字と小文字が区別されます。 コマンド ラインでのインストールが正常に機能しない場合は、大文字と小文字の使い方が例に示されたプロパティと同じになっていることを確認してください。
ポータル構成ファイルに Portal for ArcGIS アカウントの認証情報をエクスポート
注意:
ポータル構成ファイルをネットワーク共有に出力する場合、Portal for ArcGIS がインストールされているコンピューター上のローカル システム アカウントは、そのネットワーク共有への書き込み権限を持っている必要があります。 たとえば、Quick というコンピューターに Portal for ArcGIS をインストールしている場合、Quick のローカル システム アカウントは、ネットワーク共有への書き込み権限を持っている必要があります。 権限が設定されていないと、ポータル構成ファイルが正常にエクスポートされない場合があります。 ネットワーク共有に対する権限を正しく設定する方法がわからない場合は、システム管理者に問い合わせるか、ポータル構成ファイルをローカルにエクスポートしてネットワーク共有にコピーします。
ポータル構成ファイルに Portal for ArcGIS アカウントの認証情報をエクスポートする場合は、次の 2 つのコマンド ライン パラメーターを両方とも指定する必要があります。
EXPORTCONFIG=Yes
このプロパティは、USER_NAME コマンド ライン パラメーターと PASSWORD コマンド ライン パラメーターで入力したアカウント情報を出力する場合に使用します。 このアカウント情報は、ポータル構成ファイルとして、暗号化された XML ファイルに保存されます。 デフォルトでは、このプロパティは「No」に設定されています。
CONFIGPATH=<ポータル構成ファイルの絶対パスと名前>
このプロパティを EXPORTCONFIG=Yes と一緒に使用すると、ポータル構成ファイルの名前と保存先を定義できます。 ファイル名の拡張子は .xml でなければなりません。また、すでに存在するフォルダーを指定する必要があります。 ファイルの拡張子が .xml になっておらず、指定したディレクトリが存在しない場合は、ポータル構成ファイルを作成できないことがあります。
例を以下に示します。
<path to the Portal for ArcGIS setup download>\setup.exe /qb ACCEPTEULA=yes EXPORTCONFIG=Yes CONFIGPATH=\\networkmachine\portalconfigs\standardaccount.xml
注意:
コマンド ライン パラメーターでは、大文字と小文字が区別されます。 コマンド ラインでのインストールが正常に機能しない場合は、大文字と小文字の使い方が例に示されたプロパティと同じになっていることを確認してください。
createportal コマンド ライン ユーティリティを使用したポータルの作成
Portal for ArcGIS をインストールしたら、createportal コマンド ライン ユーティリティを使用してポータルを作成することができます。 createportal ユーティリティは、次の方法で使用できます。
- コマンド プロンプトから管理者として createportal ユーティリティを実行し、氏名、ユーザー名、パスワード、電子メール アドレス、秘密の質問と答え、コンテンツ ディレクトリ パラメーターを指定します。
- 指定したパラメーターを含む createportal.properties ファイルを指定します。
createportal コマンド ライン ユーティリティを使用するには、次のように createportal.bat スクリプトに -h または -help を付加して実行します。
<Portal for ArcGIS Installation Directory>\tools\createportal\createportal.bat -help
ユーティリティでの使用例: createportal.bat [-fn <arg>] [-ln <arg>] [-u <arg>] [-p <arg>] [-e <arg>] [-qi <arg>] [-qa <arg>] [-d <arg>] [-lf <arg>] [-ut <arg>]
ファイルでの使用例: createportal.bat [-f <FILE>]
注意:
createportal.properties ファイル内のパスを参照するときは、C:\\arcgisportal や \\\\<Absolute path to>\\<portal arcgisportal> のように、バックスラッシュをエスケープする必要があります。
オプション | 説明 |
---|---|
-fn; --firstname | ポータルの構成に使用する初期管理者アカウントのファースト ネーム (名)。 複数語を入力する場合は引用符で囲みます。 |
-ln; --lastname | ポータルの構成に使用する初期管理者アカウントのラスト ネーム (姓)。 複数語を入力する場合は引用符で囲みます。 |
-u; --username | ポータルの構成に使用する初期管理者アカウントのユーザー名。 ユーザー名に使用できるのは、0 ~ 9 までの数字、a ~ z および A ~ Z までの ASCII 文字、ドット文字 (.) です。 |
-p; --password | ポータルの構成に使用する初期管理者アカウントのパスワード。 パスワードに使用できるのは、0 ~ 9 までの数字、a ~ z および A ~ Z までの ASCII 文字、ドット文字 (.) です。 |
-e; --email | ポータルの構成に使用する初期管理者アカウントの電子メール アドレス。 |
-qi; --question | パスワードを忘れたときに使用する秘密の質問のインデックス。 個別にインデックス番号が付けられた次のような質問が使用できます。
|
-qa; --answer | パラメーター -qi に選択した秘密の質問の答え。 複数語を入力する場合は引用符で囲みます。 |
-d; --contentDirectory | ポータルでホストされるデータの保存に使用するコンテンツ ディレクトリの絶対パスと名前。 デフォルトでは、ポータル コンテンツ ディレクトリは次の場所にローカルに作成されます。 C:\arcgisportal または \\<Absolute path to>\<Content Directory> |
-lf; --licenseFile | ポータル ライセンス ファイルのパス。 |
-ut; --userTypeId | 初期管理者としてのユーザー タイプの ID。 このパラメーターはオプションです。 組織で -ut パラメーターとして使用できる互換性のあるユーザー タイプのリストを生成するには、listadministratorusertypes ユーティリティを実行します。 ユーザー タイプ ID が指定されておらず、ポータル ライセンス ファイルに互換性のあるユーザー タイプが 1 つ含まれている場合は、そのユーザー タイプが割り当てられます。 ライセンス ファイルに互換性のあるユーザー タイプが複数含まれている場合、一時的なユーザー タイプが割り当てられます。初期管理者は、サイン イン後にユーザー タイプを選択する必要があります。 |
-f; --file | createportal ユーティリティのプロパティ ファイル。 デフォルトでは、createportal.properties ファイルは次の場所にあります。 <Portal for ArcGIS Installation Directory>/tools/createportal |
-h; --help | コマンド ライン ヘルプを表示して、終了します。 |
次に、createportal.properties ファイルの例を示します。#
# Portal for ArcGIS site creation properties
#
# First name for initial administrator account
PORTAL_ADMIN_FIRSTNAME =
# Last name for initial administrator account
PORTAL_ADMIN_LASTNAME =
# User name for initial administrator account
# Can only have the numbers 0-9, the ASCII letters a-z, A-Z and the dot character (.)
PORTAL_ADMIN_USERNAME =
# Password for primary site administrator.
# Can only have the numbers 0-9, the ASCII letters a-z, A-Z and the dot character (.)
PORTAL_ADMIN_PASSWORD =
# Initially, leave PORTAL_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTED set to false.
# When you run the tool the first time, the password will be
# encrypted and PORTAL_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTED will change to true
PORTAL_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTED = false
# E-mail address for initial administrator account
# e.g username@domain.com
PORTAL_ADMIN_EMAIL =
#This is the index of the secret question to retrieve a forgotten password.
#The list of questions with their respective index numbers is as follows:
#1, What city were you born in ?"
#2, What was your high school mascot?"
#3, What is your mother's maiden name?"
#4, What was the make of your first car?"
#5, What high school did you go to?"
#6, What is the last name of your best friend?"
#7, What is the middle name of your youngest sibling?"
#8, What is the name of the street on which you grew up?"
#9, What is the name of your favorite fictional character?"
#10, What is the name of your favorite pet?"
#11, What is the name of your favorite restaurant?"
#12, What is the title of your favorite book?"
#13, What is your dream job?"
#14, Where did you go on your first date?");
PORTAL_ADMIN_SECURITY_QUESTION_INDEX =
# Answer to the secret question
# e.g \"My Answer\"
PORTAL_ADMIN_SECURITY_QUESTION_ANSWER =
# Portal content directory where portal will store default and user-generated content.
# By default, the portal content directory will be created locally.
# e.g. C:\\arcgisportal, or \\\\<Absolute path to>\\<portal arcgisportal>
PORTAL_CONTENT_DIRECTORY =
# The path to the portal license file
PORTAL_LICENSE_FILE =
# The ID of the user type for the Initial Administrator
PORTAL_USER_TYPE_ID =
ツールが終了する前にポータルが正常に作成されたというメッセージを受信します。
listadministratorusertypes コマンド ライン ユーティリティを使用した、互換性のあるユーザー タイプの確認
組織でライセンスされているユーザー タイプ ID のうち、管理者ロールと互換性のある ID のリストを確認するには、listadministratorusertypes コマンド ライン ユーティリティを実行します。 これは、createportal ツールで -ut パラメーターの入力のリストになります。 ポータル ライセンス ファイルを入力として使用して、次に示すように -lf を付加してツールを実行します。
<Portal for ArcGIS Installation Directory>\tools\createportal\listadministratorusertypes.bat
ユーティリティでの使用例: listadministratorusertypes.bat [-lf <arg>] または listadministratorusertypes.bat [--listadministratorusertypes <arg>]