ArcGIS Enterprise では、複数の方法で解析を実行できます。 解析の実行に使用するツールは、データのサイズ、データのタイプ、実行する解析によって異なります。 たとえば、国内の緊急避難所の場所について到達圏を計算する場合と、緊急通報に関する数百万ものレコードについて時間の経過に伴う変化を調べる場合を想定してみます。 これらのシナリオはいずれも、ArcGIS Enterprise を使用して解析できますが、実行する解析のタイプによって、使用するフィーチャ解析ツールセットが決定されます。
注意:
Map Viewer および Map Viewer Classic では、標準解析ツールを使用できます。Map Viewer Classic では、GeoAnalytics Tools を使用できます。
フィーチャ解析オプション
使用するフィーチャ解析ツールセットを決定する際にはいくつかの基準があります。 標準解析ツールは単一のコンピューター上で実行され、標準サイズのデータに最も適しています。 これらのツールは、幅広い疑問に答えることができます。
GeoAnalytics Tools は、大規模データセットに最も適しており、複数台のコンピューターで横断的に解析を実行します。 GeoAnalytics Tools は、時間と空間の両面で大規模データセットを集約および分析することを専門としています。
どちらのツールを使用するかを決定する最初の基準は、データのサイズです。 その他に、標準解析またはビッグ データ解析に使用可能なツール数の差と各ツールの機能の違いが挙げられます。 これらの相違点の要約を次に示します。
- GeoAnalytics Tools は、複数のコンピューターの機能を利用して、より大規模な解析を完了できます。
- 標準解析の方が、より多くのツールを使用できます。
- GeoAnalytics Tools では、空間に加えて、時間により大きな重点が置かれています。
- 標準解析と GeoAnalytics Tools では、類似するツールのパラメーターが異なる場合があります。 これらのツール レベルの相違点については、「フィーチャ解析ツールの相違点」で説明します。
標準ツールと GeoAnalytics Tools の相違点
標準解析と GeoAnalytics Tools では、多数のツールが類似しています。 次の表に、標準解析と GeoAnalytics Tools で使用可能なツールの概要をカテゴリ別に示します。 これらのツールの設定については、標準解析ツールの場合は「解析を実行するためのポータルの構成」、GeoAnalytics Tools の場合は「ArcGIS GeoAnalytics Server の設定」をご参照ください。
データの集計
ツール | 標準解析 | GeoAnalytics ツール |
---|---|---|
ポイントの集約 | ||
多変数グリッドの構築 | ||
データセットの記述 | ||
フィーチャの結合 | ||
トラックの再構築 | ||
属性の集計 | ||
近接範囲内での集計 | ||
エリア内での集計 | ||
中心と分散の集計 | 注意:中心と分散の集計は、Map Viewer Classic からは実行できません。 中心と分散の集計を使用するには、ArcGIS REST API または ArcGIS Pro から実行します。 |
位置の検索
ツール | 標準解析 | GeoAnalytics ツール |
---|---|---|
最適な施設の選択 | ||
可視領域の作成 | ||
集水域の作成 | ||
新しい位置の作成 | ||
インシデントの検出 | ||
重心の検索 | ||
滞在場所の検索 | ||
既存位置の検索 | ||
類似位置の検索 | ||
テーブルから場所をジオコーディング | ||
下流解析 |
データへの情報付加
ツール | 標準解析 | GeoAnalytics ツール |
---|---|---|
モーションの統計情報を計算 | ||
多変数グリッドから情報付加 | ||
レイヤーへの情報付加 |
パターンの解析
ツール | 標準解析 | GeoAnalytics ツール |
---|---|---|
密度の計算 | ||
ホット スポットの検索 | ||
外れ値の検索 | ||
ポイント クラスターの検索 | ||
フォレストベースの分類と回帰分析 (Forest-based Classification and Regression) | ||
一般化線形回帰分析 (Generalized Linear Regression) | ||
地理空間加重回帰分析 | ||
ポイントの内挿 | ||
時空間キューブの作成 (Create Space Time Cube) | 注意:時空間キューブの作成は、Map Viewer Classic では実行できません。 時空間キューブの作成を使用するには、ArcGIS REST API または ArcGIS Pro で実行してください。 |
近接性の使用
ツール | 標準解析 | GeoAnalytics ツール |
---|---|---|
バッファーの作成 | ||
到達圏の作成 | ||
最寄りの検索 | ||
ルートの計画 | ||
起点から終点の計測 | ||
近接性でグループ化 | 注意:近接性でグループ化は、Map Viewer Classic からは実行できません。 近接性でグループ化を使用するには、ArcGIS REST API または ArcGIS Pro からツールを実行します。 | |
トラッキングのスナップ | 注意:トラッキングのスナップは、Map Viewer Classic からは実行できません。 トラッキングのスナップを使用するには、ArcGIS REST API または ArcGIS Pro からツールを実行します。 | |
近接イベントのトレース |
データの管理
ツール | 標準解析 | GeoAnalytics ツール |
---|---|---|
空間オーバーレイ | ||
フィールド演算 | ||
レイヤーのクリップ | ||
データ ストアにコピー | ||
境界のディゾルブ | ||
データの抽出 | ||
テッセレーションの生成 | ||
レイヤーのマージ | ||
レイヤーのオーバーレイ |