既存の ArcGIS Enterprise 配置を高可用性構成にするため、各コンポーネントの可用性を改善し、privatePortalURL および ArcGIS Server URL を可用性が高い形に更新します。
既存の ArcGIS Enterprise 配置を高可用性構成にする手順の概要を以下に示します。
- ポータルおよび ArcGIS Server サイトのユーザー全員に、ある短い期間、システムを停止する必要がある旨通知します。
- 誰も接続していないこと、コンテンツを作成しようとしていないことを確認した上で、「ポータル コンテンツ ディレクトリの変更」の手順に従い、Portal for ArcGIS コンテンツ ディレクトリを、既存の場所から、共有ネットワーク上の場所にコピーします。
- 「ステップ 3: 2 台目のポータル コンピューターのインストールと構成」の手順に従い、コンピューターをポータルに追加します。
- ポータルが Web 層認証を採用している場合は、「ステップ 4: ArcGIS Web Adaptor のインストールと構成」の手順を実行します。
- 「ステップ 5: ロード バランサーの構成」の手順に従い、ポータルで使う可用性の高い URL を作成します。
- ポータルが Web 層認証を採用しているならば、「ステップ 6: 2 つ目の ArcGIS Web Adaptor のインストールと構成」の手順に従い、Web サーバー層の可用性を改善します。
- ロード バランサーの内側に Web Adaptor の 2 つのインスタンスがある場合、「ステップ 7: IIS での Web 層認証の構成」の手順を実行します。
- privatePortalURL プロパティに可用性の高い URL を設定します。
注意:
このプロパティにより、ホスティング サーバーを含むフェデレーション サーバーは、参加しているポータルと通信できます。 フェデレーション サーバーは、Web 層のチャレンジに対して認証できないので、この URL は未認証のアクセスを提供する必要があります。 次の例では、ポート 7443 を使用しますが、ロード バランサーがリッスンできるポートを使用するよう privatePortalURL を構成できます。
- Web ブラウザーを開き、組織のデフォルトの管理者ロールのメンバーとして、Portal Administrator Directory にサイン インします。
Portal Administrator Directory の URL 形式は https://portal.domain.com:7443/arcgis/portaladmin です。
- [System] > [Properties] > [Update Properties] の順にクリックします。
- [Update System Properties] ダイアログ ボックスで、次の JSON を挿入し、ユーザー独自のロード バランサーの URL に置き換えます。
{ "privatePortalURL": "https://lbprivate.domain.com:7443/arcgis" }
注意:
この URL には、X-Forwarded-Host ヘッダーを設定しないでください。
- [Update Properties] をクリックして、変更内容を適用します。
- Web ブラウザーを開き、組織のデフォルトの管理者ロールのメンバーとして、Portal Administrator Directory にサイン インします。
- フェデレートした ArcGIS Server サイトすべて (ホスティング サーバーを含む) について、新しい privatePortalURL を認識するよう設定します。 この手順を、フェデレートした各サーバー (ホスティング サーバーを含む) について繰り返します。
- ArcGIS Server Administrator Directory に、プライマリ サイト管理者としてサイン インします。または、Portal for ArcGIS の管理者トークンを生成し、これを指定してサイン インします。
ArcGIS Server Administrator Directory の URL の形式は https://server.domain.com:6443/arcgis/admin です。
- [Security] > [Config] > [Update] の順にクリックします。
- [Update Secuirity Configuration] ダイアログ ボックスで、次のリストの privatePortalURL 値を、ロード バランサーの URL に変更します。
次の例では、privatePortalURL を https://lbprivate.domain.com:7443/arcgis と設定しています。
{ "portalUrl": "https://loadbalancer.domain.com/arcgis", "privatePortalUrl": "https://lbprivate.domain.com:7443/arcgis", "portalSecretKey": "< secret key >", "portalMode": "ARCGIS_PORTAL_FEDERATION", "serverId": "<ArcGIS Server site ID >", "serverUrl": "https://loadbalancer.domain.com/server" }
- [Update] をクリックして、このフェデレーション サーバー サイトに変更内容を適用します。
- ArcGIS Server Administrator Directory に、プライマリ サイト管理者としてサイン インします。または、Portal for ArcGIS の管理者トークンを生成し、これを指定してサイン インします。
- ポータルのホスティング サーバーを高可用性にするには、「複数コンピューターの ArcGIS Server サイトの構成」の手順に従います。
ポータルにほかにも ArcGIS Server サイトがフェデレートされており、これも高可用性構成にしたいのであれば、各サイトについて同じ手順を繰り返してください。
- ホスティング サーバーに対して可用性の高い URL を使うよう、ポータルを更新します。
- Portal Administrator Directory に、デフォルトの管理者ロールのメンバーとしてサイン インし、ホスティング サーバー情報を更新します。
- Portal Administrator Directory のホーム ページから、[フェデレーション] > [サーバー] を開き、ポータルのホスティング サーバーのサーバー ID をクリックします。
- [更新] をクリックし、ポータルのホスティング サーバーの可用性の高い URL を [管理 URL] フィールドに入力するか、貼り付けます。
- [サーバーの更新] をクリックして、変更した内容を保存します。
- 他のフェデレーション サーバーも高可用性構成にしたい場合は、該当するサイトに対して可用性の高い URL を使うよう、ポータルを更新します。 更新時に、適切なフェデレート済み ArcGIS Server サイトのサーバー ID をクリックします。
- ArcGIS Data Store を高可用性構成にするため、ポータルのホスティング サーバーに登録したデータ ストアのタイプごとにコンピューターを追加します。
ArcGIS Enterprise 配置のコンポーネントすべてが高可用性構成になったら、ユーザー全員に、作業を再開してよい旨通知してください。