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ArcGIS Enterprise バックアップの作成

ArcGIS Enterprise 組織のコンポーネントをバックアップ ファイルにエクスポートして、後でハードウェアの故障やデータの損失が発生した場合に組織の復旧に使用できます。 このファイルには、ポータルのアイテムと設定、ホストされている Web レイヤー、フェデレーション/ホスティング サーバー設定、および ArcGIS Data Store の使用時は、ホスト フィーチャ レイヤー データとホスト シーン レイヤー キャッシュが格納されます。

バックアップ ファイルのサイズと作成にかかる時間は、ポータル内にあるアイテムの数、存在するホスト Web レイヤーの数とタイプ、存在するフェデレーション サーバーの数、およびホスティング サーバーとフェデレーション サーバーに属する ArcGIS Server コンピューターの数によって異なります。

ArcGIS Enterprise のバックアップを作成するには、エクスポート操作とプロパティ ファイルを指定した WebGISDR (Web GIS Disaster Recovery) ツールを使用します。 このツールは、Portal for ArcGIS ツール ディレクトリにあります。 ツールを使用するときは、次の条件を満たしていることを確認してください。

  • 各コンポーネントのバックアップは、各コンポーネントのコンピューター上にある一時ディレクトリにデプロイされた後、指定した共有ディレクトリに移されます。 そのため、各コンポーネントのバックアップを含むことができるように、次のディレクトリを十分に大きくします。
    • Portal for ArcGIS のバックアップは <Portal_content_directory>\temp に配置されます。 この場所のサイズは、arcgisportal ディレクトリの現在のサイズの約 100 パーセントにする必要があります。
    • ArcGIS Server のバックアップは、サービス アカウントのローカル TEMP ディレクトリ (デフォルトでは、C:\Users\<user>\AppData\Local\Temp) に配置されます。 この場所のサイズは、arcgisserver ディレクトリの現在のサイズの約 166 パーセントにする必要があります。
    • ArcGIS Data Store のバックアップは <ArcGIS_Data_Store_directory>\temp に配置されます。 この場所のサイズは、arcgisdatastore ディレクトリの現在のサイズの約 62 パーセントにする必要があります。
  • 指定した共有ディレクトリには、各サイトからエクスポートされたすべてのファイルを格納するのに十分な容量が必要です。 上記で決定した各コンポーネントのサイズの合計にすることをお勧めします。 時間の経過に伴いファイル サイズは大きくなるので、これらのバックアップ ファイルのサイズを継続的に監視して、必要に応じてストレージ サイズを調整する必要があります。
  • ArcGIS ServerPortal for ArcGIS、および ArcGIS Data Store サービスの実行に使用するドメイン アカウントは、バックアップ ファイル用に指定する共有ディレクトリに対する書き込み権限を備えている必要があります。
  • 増分バックアップを作成する場合、ArcGIS Enterprise の配置内にある ArcGIS Data Store リレーショナル データ ストアは、特定時点への復元を有効にする必要があります (BACKUP_RESTORE_MODE = incremental)。

注意:

ポータル コンテンツがファイル システムに格納されている場合、リアルタイムでウイルス対策スキャンを実行すると、バックアップのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。 ポータル コンテンツ ディレクトリと、バックアップの SHARED_LOCATION および BACKUP_LOCATION ディレクトリをウイルス対策スキャンの対象から除外することを検討してください。

バックアップの作成

ArcGIS Enterprise 組織のバックアップを作成する前に、「バックアップと復元のベスト プラクティス」をご参照ください。 その後、次の手順に従って、バックアップを作成します。

  1. テンプレートの properties ファイルのコピーを作成します。 コピーは、テンプレートと同じディレクトリまたは新しいディレクトリに保存できます。

    テンプレート プロパティ ファイルである webgisdr.properties はデフォルトで C:\Program Files\ArcGIS\Portal\tools\webgisdr にインストールされます。

  2. プロパティ ファイルのコピーを開き、サイトに固有の情報を含むようにそのファイルを編集します。 詳細については、「WebGISDR ツールのプロパティ ファイル」をご参照ください。
  3. プロパティ ファイルを保存します。

    このファイルを指定して WebGISDR ツールを実行すると、ファイル内で PORTAL_ADMIN_PASSWORD の値が暗号化され、PORTAL_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTEDtrue に設定されます。

  4. Portal for ArcGIS コンピューター上でコマンド ウィンドウを開き、WebGISDR ツールの格納場所にディレクトリを変更し、エクスポート オプションを指定して WebGISDR ツールを実行します。 詳細については、「ランタイムの引数」セクションをご参照ください。

    バックアップ ファイルは、プロパティ ファイルの SHARED_LOCATION に指定された場所に作成されます。 ファイル名は <timestamp>.webgissite です。

    注意:

    ツールが実行中に停止するような場合は、コマンド プロンプトが QuickEdit モードでないことを確認してください。 詳細については、「よくある問題と解決策」をご参照ください。

  5. ArcGIS Enterprise 組織にマップ サービスまたはホスト タイル レイヤーのキャッシュが含まれている場合、キャッシュ タイルが格納されているすべてのディレクトリ (たとえば、C:\arcgisserver\directories\ または <ArcGIS Server installation directory>/arcgis/server/usr/directories の下の arcgiscache ディレクトリ全体) のバックアップ コピーを手動で作成します。

    これらのディレクトリには、マップ キャッシュ タイルおよびタイル スキーマ ファイル conf.xml が含まれます。 キャッシュ ディレクトリには、構築済みのタイルに関する情報を含む、ファイル ジオデータベースの status.gdb も格納できます。

このバックアップ ファイルを使用して、ArcGIS Enterprise を復元できます。

注意:

重大なデータ損失を防ぎ、ダウンタイムを削減するため、定期的にバックアップを作成することをお勧めします。 バックアップのスケジュール設定の詳細については、「バックアップおよび復元操作の自動化」をご参照ください。


このトピックの内容
  1. バックアップの作成