ArcGIS Data Store は、ArcGIS Enterprise プラットフォーム全体のうちの一部を構成しています。
ArcGIS Enterprise デプロイメントに含めることのできる ArcGIS Data Store タイプには、次のような種類があります: リレーショナル データ ストア、ビッグ データ ストア、グラフ ストア、オブジェクト ストア。
11.4 にアップグレードしたデプロイメントには、タイル キャッシュ データ ストアも含まれる場合があります。
次の表は、タイプ別のデータ ストアがどのタイプのサービスで使用されるかを示したものです。 各タイプのデータ ストアを必要とする機能の詳細については、「ArcGIS Data Store が必要なアプリと機能」をご参照ください。
レイヤー/サービスのタイプ | 使用されるデータ ストアのタイプ | データ ストアの内容 |
---|---|---|
ホスト 3D Tiles レイヤー | オブジェクト ストア | 3D キャッシュ |
ホスト フィーチャ レイヤー (フィーチャ サービス) | リレーショナル データ ストア、オブジェクト ストア | リレーショナル データ ストア - ベクター ジオメトリおよび属性、および添付ファイル (使用される場合) オブジェクト ストア - 指定したサブレイヤーに対して作成されたクエリからのキャッシュされたデータ |
ホスト時空間フィーチャ レイヤー (フィーチャ サービス) | ビッグ データ ストア | 時空間のドキュメント |
ホスト フィーチャ レイヤー (シーン サービス) | オブジェクト ストア、タイル キャッシュ データ ストア* | シーン キャッシュ |
ナレッジ グラフ (ナレッジ グラフ サービス) | グラフ ストア | ナレッジ グラフ |
ビデオ サービス | オブジェクト ストア | ビデオ BLOB および関連付けられているビデオ サービスのメタデータ ファイル |
* 11.4 以降、既存のホスト シーン レイヤーのキャッシュは、オブジェクト ストアに移行するまでタイル キャッシュ データ ストアに残ります。 新しいすべてのホスト シーン レイヤーのキャッシュは、オブジェクト ストアに格納されます。
最高のパフォーマンスを実現するには、これらのデータ ストアは異なるコンピューターで実行する必要があります。同じコンピューター上で実行した場合、メモリ リソースおよびディスク容量の競合が発生します。
ArcGIS Server、Portal for ArcGIS、および ArcGIS Data Store はすべて連携して動作するため、ArcGIS Data Store を構成して使用するには、次の条件を満たす必要があります。
- ホスティング サーバーとして使用される少なくとも 1 つの GIS Server サイトが HTTPS 経由で通信できる。
- Enterprise ポータルにホスティング サーバーとフェデレーション サーバーを追加できる。
GIS Server サイトのインストールと構成
ポータルのホスティング サーバーとして使用する GIS Server サイトは、データ ストアを作成する前にインストールおよび構成する必要があります。 ArcGIS Server のインストール ガイドにある指示に従い、GIS Server サイトのインストールと構成を行います。
メモリなどのリソースの競合が生じないように、データ ストアを ArcGIS Server サイトとは異なるコンピューター上で実行することをおすすめします。 これはビッグ データ ストアとグラフ ストアの場合に特に重要です。 ビッグ データ ストアは、ArcGIS Server などのソフトウェアや他のデータ ストアとは別の専用のコンピューター上にインストールする必要があります。
ArcGIS Data Store、Portal for ArcGIS、ArcGIS Server はすべて、デフォルトで HTTPS 上で通信します。 これらのコンポーネントのいずれかの HTTP プロトコルの設定を変更する場合には、変更後もすべてが相互に通信できるようにしてください。 つまり、1 つのコンポーネントを HTTP 上のみで通信するように変更し、その他は HTTPS 上のみで通信する設定のままにしておくようなことがないようにしてください。
ホスティング サーバーに使用する GIS Server サイトが存在していれば、必要なデータ ストアを作成できます。 システムの使用を開始する前に、Portal for ArcGIS をインストールおよび構成し、ホスティング サーバーを登録する必要があります。
Portal for ArcGIS のインストールと構成
ポータルをまだ設定していない場合は、設定してください。 手順については、「組織の管理」をご参照ください。
前のセクションで述べたように、特にビッグ データ ストア、グラフ ストア、オブジェクト ストアの場合、データ ストアとは別のコンピューターに Portal for ArcGIS をインストールすることをおすすめします。
ポータル組織が存在していれば、組織の管理者はサーバーをフェデレートして、ホスティング サーバーを指定できます。 詳細な手順については、「ホスティング サーバーの構成」をご参照ください。
グラフ ストアを利用するには、ポータルがフェデレートされた ArcGIS Knowledge Server サイトを含む必要があります。 詳細な手順については、「ArcGIS Server サイトとポータルのフェデレーション」をご参照ください。
組織のメンバーがArcGIS Data Store のタイプ別のデータに依存する機能を使用するには、ポータル管理者が必要な権限を含むロールをメンバーに割り当てる必要があります。 ポータルの権限とロールの割り当ての詳細については、「ユーザー タイプ、ロール、権限」および「メンバー ロールの構成」をご参照ください。