ほとんどの場合、コンピューターを ArcGIS Server サイトに追加するには、ArcGIS Server Manager または ArcMap を使用します。ただし、次に示す特別な状況下では、ArcGIS Server サイトのいずれかのコンピューターの URL を介してそのサイトに接続せずにコンピューターを当該サイトに追加する必要がある場合があります。
- ArcGIS Server サイトのコンピューターがネットワーク リクエストによる過負荷状態にある場合は、サイトの URL を使用して ArcGIS Server コンピューターの追加を試みても成功しません。リクエストが、ネットワーク リクエストの既存のキューに追加されるためです。
- 一度に多数のコンピューターを既存の ArcGIS Server サイトに追加する場合、URL を使用して追加すると、またもやリクエストがサイトに届くまでにキューに入れられるため、処理が遅くなることがあります。このような場合は、結果として、キューがクリアされるまでにリクエストがタイムアウトになるため、コンピューターの一部が追加されなくなります。
たとえば、ある会社が、ArcGIS Server がインストール済みの多数の仮想コンピューターを作成して、それらのコンピューターを起動時に既存の ArcGIS Server サイトに参加させることを求めているとします。
このような高度なケースでは、join-site ユーティリティを使用して、URL ではなく既存サイトの構成ストアの場所を指定することで、コンピューターを ArcGIS Server サイトに追加します。
join-site ユーティリティは、ArcGIS Server インストール ディレクトリの下の /tools/JoinSite にインストールされています。 既存のサイトに追加する ArcGIS Server コンピューターから join-site ユーティリティを実行します。
- 既存サイトの構成ストア ディレクトリに対する読み取り/書き込みアクセス権を、サイトに参加させるコンピューター上で ArcGIS Server の実行に使用されるアカウントに付与します。
- connection.json という名前の JSON (JavaScript Object Notation) ファイルを作成します。
- 次に示す行をファイルに追加して、<path to the configuration store> を既存の ArcGIS Server サイトの構成ストアの場所と置き換えます。
{"type": "FILESYSTEM", "connectionString": "<path to the configuration store>"}
単一クラスターが構成され、ArcGIS Server サイト用の独自のクラスターが作成されていない場合は、default オプションを使用して -c を指定します。ArcGIS Server サイトに複数のクラスターがあるか、カスタム クラスターが構成されている場合は、このコンピューターの参加先となるクラスターの名前を指定します。
この例で言うと、既存サイトの構成ストアへのパスは /net/myserver/share/config-store です。
{"type": "FILESYSTEM", "connectionString": "/net/myserver/arcgis/server/usr/config-store"}
- connection.json ファイルを保存して閉じます。
- connection.json ファイルは、サイトに参加するコンピューター上か、サイトに参加するコンピューターからアクセス可能な共有ディレクトリに配置します。
- コマンド プロンプトを開き、join-site を実行します。構文は次のとおりです。
./join-site.sh -f <The file path to the configuration store JSON file> -c <The name of the ArcGIS Server cluster>
この例で言うと、構成ストア JSON ファイル (*connection.json) へのパスは /usr/serverfiles で、サイトは単一クラスターです。
./join-site.sh -f "/usr/serverfiles/connection.json" -c default