Web ベースの編集では、広範なユーザー層がデータに追加や修正の操作を実行できます。これらのユーザー層としては、たとえばフィールドスタッフ、社内の他の部署のアナリストが挙げられます。また、特に専門的な知識のない方でもデータを見事な仕上がりに加工できます。これは、ユーザーにわかりやすい編集インターフェイスが提供されているためです。
このチュートリアルでは、データベースへのデータの読み込み、データに対する権限の付与、ArcGIS Server へのデータベースの登録、マップ ドキュメントの作成、およびフィーチャ サービスの公開を行い、ArcGIS Online のマップ ビューアーを通じてフィーチャ サービスを利用してデータを編集します。
チュートリアルを始める前に
フィーチャ サービスをデータベースから公開する場合は、空間データを格納できるデータベースがあることが前提となります。データベースがない場合は、データベース管理ソフトウェアをインストールして、データベースを作成する必要があります。場合によっては、空間タイプをインストールして、データベースに空間データを格納できるようにする必要があります。フィーチャ サービスは、次のデータベース管理システムのいずれかから公開できます。
- ALTIBASE HDB
- Dameng
- IBM DB2 (DB2 Spatial Extender が必要)
- IBM Informix (Informix Spatial Data Blade が必要)
- Oracle (ST_Geometry タイプをインストールするか、Oracle の SDO_Geometry タイプを使用)
- PostgreSQL (ST_Geometry タイプのインストールまたは PostGIS)
- SAP HANA
- Teradata
このチュートリアルを完了するには、2 人のユーザーが必要です。一方のユーザーには、データベースにテーブルおよびフィーチャクラスを作成する権限を付与し (データ所有者)、もう一方のユーザーには、最初はデータベースへの接続権限のみを与えます (データ編集者)。データ編集者には、データを編集してフィーチャ サービスとして公開する権限を後で付与します。
データベース管理者であれば、データベース管理システムのツールを使用して両方のユーザーを作成し、必要な権限を付与することができます。または、[データベース ユーザーの作成 (Create Database User)] ジオプロセシング ツールを使用して、データ所有者ユーザーを作成することもできます。ただし、データ編集者ユーザーについては、データベース管理システムのツールを使用して作成する必要があります。データベース管理者でない場合は、このチュートリアルで使用するデータ所有者とデータ編集者の作成を、データベース管理者に依頼します。
ArcGIS Server をインストールした直後の場合は、このチュートリアルを始める前に次のトピックを読むことをお勧めします。
- ArcGIS Server サイトを構成する方法については、ヘルプの「インストール後の作業」をご参照ください。
- フィーチャ サービスの使用経験がない場合は、「フィーチャ サービスとは」をご参照ください。
- データを ArcGIS Server で公開するには、データを登録する必要があります。データの登録方法は、フィーチャ サービスがソース データベース内のデータにアクセスするか、またはデータのコピーにアクセスするかで異なります。このチュートリアルの目的では、フィーチャ サービスはデータベース内のデータにアクセスします。ただし、このアクセス方法の意味やその他の利用可能な方法についても理解しておいてください。状況に応じて最適な方法を決定するには、「データを ArcGIS Server でアクセス可能にする」および「サーバーのサービス データへのアクセス方法の決定」をご参照ください。
データの準備
このチュートリアルでは、ArcGIS を使用してフィーチャクラスをデータベースにコピーする手順も説明しています。ArcGIS を使用してコピーされたデータは、次の条件を満たしています。これは、フィーチャ サービスとしてデータを公開するのに必須です。
- フィーチャ サービスに公開して編集するフィーチャクラスには、データベースが NULL でない一意の値を自動的に入力する整数フィールドが含まれている必要があります。このフィールドは、ObjectID フィールドとして使用されます。
ヒント:
ArcGIS を使用してデータをデータベースに追加すると、適切な ObjectID フィールドが自動的にテーブルに追加されます。DB2、Oracle、PostgreSQL、または ALTIBASE に格納されている既存のフィーチャクラスを公開する場合は、[増加 ID フィールドの追加 (Add Incrementing ID Field)] ツールを使用して、データベースが値を入力する NULL でない整数フィールドをテーブルに追加することができます。
- ArcGIS は、フィーチャクラスに対して空間列、空間参照、およびジオメトリ タイプ (ポイント、ライン、またはポリゴン) を 1 つずつしか認識しません。フィーチャクラスに複数の空間列が含まれている場合、ArcGIS はテーブルを左から右に読み取ったときに最初に見つかった空間列を使用します。フィーチャクラスに空間参照、ジオメトリ、または次元の異なる複数のレコードが含まれている場合、ArcGIS はフィーチャクラスの最初のレコードの値を読み取って使用します。その値に対応していないレコードは使用されません。
- フィーチャ サービスに公開されるすべてのフィーチャクラスには、空間参照が必要です。空間参照が不明なフィーチャクラスは公開できません。
- ArcGIS は、特定のデータ タイプを認識します。ArcGIS でサポートされていないデータ タイプを含むフィーチャクラスは、ArcGIS クライアントで表示することも、フィーチャ サービスを通してアクセスすることもできません。ArcGIS で操作できるデータ タイプのリストについては、「ArcGIS でサポートされている DBMS のデータ タイプ」をご参照ください。
これらすべての要件を満たすフィーチャクラスを ArcGIS で作成するには、次のセクションを完了します。
データベースへのフィーチャクラスの追加
データ所有者 (データベースにテーブルを作成するための十分な権限を持つユーザー) としてデータベースに接続し、ArcGIS Server と一緒にインストールされたファイル ジオデータベースからフィーチャクラスをコピーします。
ArcGIS Server のサンプル データへの接続
ArcGIS Server と一緒にファイル ジオデータベース (tree_maintenance.gdb) がインストールされています。ArcMap からそのジオデータベースに接続します。
ArcGIS Server を Linux コンピューターにインストールしている場合は、tree_maintenance.gdb を ArcMap のディレクトリにコピーするか FTP で転送します。ArcGIS Server Linux コンピューター上のデータのデフォルトの場所は <home directory of installing user>/arcgis/server/help/samples/data です。
- ArcCatalog またはArcMap を開始して、[カタログ] ウィンドウを開きます。
- [フォルダーに接続] をクリックします。
- ArcGIS Server (Windows) をインストールしたディレクトリ内のサンプル データ フォルダー、または ArcGIS Server (Linux) のインストールからコピーしたサンプル データ フォルダーを選択します。
デフォルトでは、Windows のデータは C:\Program Files\ArcGIS\Server\help\samples\data にインストールされます。
- [OK] をクリックして、フォルダーをカタログ ツリーの [フォルダー接続] に追加します。
データ所有者としてデータベースに接続する
データをデータベースにコピーできるように、データ所有者ユーザーとしてデータベースに接続します。
- [カタログ] ウィンドウのカタログ ツリーで、[データベース接続] ノードを展開します。
- [データベース接続の追加] をダブルクリックし、データ所有者ユーザーとしてデータベースに接続します。
データベースへの接続方法については、「ArcMap でのデータベース接続」をご参照ください。
- データ所有者の接続として識別できるように、接続ファイルに名前を付けます。
たとえば、新しい接続を右クリックして [名前変更] をポイントし、「dataowner@mydatabase.sde」と入力します。
データベースへのデータのコピー
tree_maintenance ファイル ジオデータベースから trees、villages、および streets フィーチャクラスをコピーして、データベースに貼り付けます。
- サンプル データ フォルダーを開きます。
- tree_maintenance ジオデータベースをダブルクリックして接続します。
- Shift キーを押しながら、tree_maintenance ジオデータベースの streets、trees、および villages フィーチャクラスを選択します。
一度に複数のフィーチャクラスを選択する場合は、フィーチャクラスを [コンテンツ] タブ (ArcCatalog) または [コンテンツ] ウィンドウ (ArcMap) でクリックする必要があります。
- ハイライトされたフィーチャクラスを右クリックし、[コピー] をクリックします。
- データベース接続を右クリックして、[貼り付け] をクリックします。
streets、trees、および villages フィーチャクラスがデータベースにコピーされます。
データに関する権限の付与
公開するデータにアクセスする予定のユーザーには、データを編集するための十分な権限を付与する必要があります。たとえば、公開するフィーチャクラスで新しいフィーチャの挿入および既存のフィーチャの更新を実行できるようにする場合は、データに対する選択、挿入、および更新の権限を、接続するユーザーに付与する必要があります。既存のレコードの更新のみを実行できるようにする場合は、データに対する選択および更新の権限を、接続ユーザーに付与します。
データをテスト サイトに公開する場合、またはこのチュートリアルを学習の目的のみで完了する場合は、データ所有者としてデータを公開できます。ただし、実際に稼働しているサイトにデータを公開する場合は、データのアクセスに使用する接続に対して最低限の権限のみを付与するようにしてください。
データベース認証ユーザーを使用する場合は、データに関する権限をデータベース ユーザーに付与します。Windows 認証を使用してデータベースに接続する場合は、権限を ArcGIS Server アカウントに付与する必要があります。
次の手順では、フィーチャ サービスに含めるフィーチャクラスに対して選択、挿入、および更新の権限を付与します。独自のデータを使用する場合は、同じ基本手順に従ってデータに対する権限を付与してください。
- カタログ ツリーで、データベース接続の下に表示されている trees フィーチャクラスを右クリックし、[管理] をポイントして [権限] をクリックします。
[権限] ダイアログ ボックスが開きます。
- データ編集者のデータベース ユーザーまたは ArcGIS Server アカウントがリストに表示されている場合は、trees フィーチャクラスに対する選択、挿入、および更新の権限を付与するチェックボックスをオンにします。
- データ編集者のデータベース ユーザーまたは ArcGIS Server アカウントがリストに表示されていない場合は、次の手順を実行します。
- [追加] をクリックして、[ユーザー/ロール] ダイアログ ボックスを開きます。
- システム テーブルを表示してデータベース内のすべてのユーザーとロールを一覧表示する権限がデータベースにある場合は、追加するデータベース ユーザーまたはロールを、リストの横にあるチェックボックスをオンにして選択できます。それ以外の場合は、権限を付与するデータベース ユーザー、データベース ロール、オペレーティング システムのログイン、または Windows グループの名前を入力します。
- [OK] をクリックして、[ユーザー/ロール] ダイアログ ボックスを閉じます。
[選択] ボックスは、すでにオンになっています。
- [挿入] および [更新] のボックスをオンにして [OK] をクリックし、権限を付与してダイアログ ボックスを閉じます。
- villages および streets フィーチャクラスについて、これらの手順を繰り返します。
フィーチャ サービスと Web 編集を使用できるマップ ドキュメントの作成
公開するデータを準備し、ArcGIS Server がデータにアクセスできるように権限を付与したら、Web 編集で使用するフィーチャ サービスをサポートするためにマップ ドキュメントを作成できます。
データ編集者としてデータベースに接続する
データベース認証を使用している場合は、データ編集者ユーザーとしてデータベースに接続します。データ所有者として接続した際と同じ手順に従って、データベースに接続します。ただし、今回はデータ編集者として接続します。[ユーザー名とパスワードを保存する] チェックボックスをオンにして、ユーザー名とパスワードを接続に保存します。
オペレーティング システム認証を使用している場合は、データに対して少なくとも選択の権限を持つログインを使用して接続します。フィーチャ サービスは、マップの作成および公開に使用しているログインではなく、データを編集する権限を付与した ArcGIS Server アカウントとしてデータにアクセスします。
検索しやすいように、接続ファイルの名前を dataeditor@mydatabase に変更します。この接続ファイルは、データベースをサーバーに登録する際に必要になります。
サーバーへのデータベースの登録
ArcGIS Server で公開するには、GIS サーバーへの公開者接続を作成して、データベースを登録する必要があります。このチュートリアルでは、公開者のデータベースがサーバー データベースと同じになるように、データベースを登録します。つまり、公開されたフィーチャ サービスは、直接ソース データベース内のデータにアクセスします。
- まず、サーバーに接続してデータを公開します。「ArcMap での ArcGIS Server への公開者接続の作成」の手順に従って、このタイプの接続を作成します。
- サーバーに接続したら、データベースを登録できます。GIS サーバー接続を右クリックして、[サーバー プロパティ] をクリックします。
- [データ ストア] タブで、[登録済みのデータベース] の横にある [追加] ボタンをクリックします。
[データベースの登録] ダイアログ ボックスが開きます。
- 登録済みデータベースの一意の名前を入力します。
- [インポート] をクリックし、前のセクションで作成したデータベース接続ファイル (データベースへの編集者の接続) を参照して選択します。
- [公開者のデータベース接続と同じ] の横にあるチェックボックスがオンであることを確認します。
- [OK] をクリックして [データベースの登録] ダイアログ ボックスを閉じます。
- [OK] をクリックして [ArcGIS Server プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
ヒント:
各データベースの登録については、次のトピックをご参照ください。
マップへのデータの追加とプロパティの設定
[カタログ] ウィンドウで、公開するフィーチャクラスを編集者のデータベース接続からマップにドラッグできます。ArcMap は、ObjectID フィールドや空間参照などの必要なプロパティを確認します。これらのプロパティを確認できない場合は、必要な情報を指定するよう指示されます。
データベース テーブルを ArcMap に追加するときに、テーブルにアクセスするためのクエリ レイヤーが定義されます。クエリ レイヤーを変更して、ArcMap に表示するデータを定義することができます。クエリ レイヤーの定義を変更する方法については、「クエリ レイヤーの変更」をご参照ください。
注意:
クエリ定義ではテーブルを結合できません。フィーチャ サービスを公開する場合、クエリ レイヤーには 1 つのテーブルのデータだけを含めることができます。
マップの構成が完了したら、マップ ドキュメントを保存します。
- ArcMap をまだ起動していない場合は、ここで起動します。
- [カタログ] ウィンドウで、データ編集者の接続をダブルクリックしてデータベースに接続します。
- データベース接続からフィーチャクラスを一度に 1 つずつ選択し、マップにドラッグします。
チュートリアル データを使用している場合は、villages、trees、および streets フィーチャクラスを選択します。
ArcMap はデータの空間範囲を計算し、フィーチャをマップ上に表示します。
- レイヤーが正しい順序で描画されることを確認します。チュートリアル データの場合は、trees、streets、villages の順になります。レイヤーの順序が正しくない場合は、[描画順にリスト] をクリックし、[コンテンツ] ウィンドウでレイヤーを正しい順序にドラッグします。
データをマップに追加したら、フィールド プロパティ、シンボル、およびレイヤーの説明を設定できます。また、HTML ポップアップ ウィンドウを構成することもできます。マップ プロパティの設定については、「フィーチャ サービスの作成」をご参照ください。
trees レイヤーのプロパティの設定
trees レイヤーの一般的なプロパティを設定します。
- ArcMap の [コンテンツ] ウィンドウで trees レイヤーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスが開きます。
- [一般] タブで、[レイヤー名] を「公共の場所にある樹木」に変更します。
- [説明] に「公園管理局によって管理されている、公共の場所にある樹木の一覧。」と入力します。
- trees レイヤーを描画する最小の縮尺を設定します。
- [縮尺範囲] で、[縮尺に応じて表示を制御] をクリックします。
- 最小縮尺を [1:500,000] に設定します。
- 最大縮尺は [<なし>] のままにします。
- [適用] をクリックして、ここまでに行ったプロパティの変更を設定します。
フィールドのエイリアスを設定します。
- [フィールド] タブをクリックします。
- フィールドに次のようにエイリアスを割り当てます。
- フィールド リストから [tree_planted] を選択し、[エイリアス] フィールドに「植栽日」と入力します。
- フィールド リストから [eg_decid] を選択し、エイリアスに「常緑樹または落葉樹」と入力します。
- フィールド リストから [last_trimmed] を選択し、エイリアスに「剪定日」と入力します。
- [適用] をクリックして、フィールド エイリアスを設定します。
次に、trees レイヤーのシンボルを変更します。
- [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [シンボル] タブをクリックします。
- [カテゴリ] をクリックします。
デフォルトで、[個別値] カテゴリが選択されています。
- [値フィールド] ドロップダウン リストで [常緑樹または落葉樹] を選択します。
- [すべての値を追加] をクリックします。
d および e の値が、デフォルトのシンボルと色でリストに追加されます。
- 落葉樹 (d) のシンボルを変更します。
- d のデフォルト シンボルをダブルクリックして、[シンボル選択] ダイアログ ボックスを開きます。
- [参照スタイル] をクリックし、[Civic] の横にあるチェックボックスをオンにします。
- [OK] をクリックして、[シンボル選択] に Civic のシンボルを追加します。
- [Tree 3] シンボルを選択します。
下にスクロールして、シンボルを検索する必要があります。
- [OK] をクリックして、変更を適用します。
- 常緑樹 (e) のシンボルを変更します。
- e のデフォルト シンボルをダブルクリックして、[シンボル選択] ダイアログ ボックスを開きます。
- [Tree 2] シンボルを選択します。
- [OK] をクリックして、シンボルの変更を適用します。
- [OK] をクリックしてシンボルの変更をすべて適用し、[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
villages レイヤーのプロパティの設定
villages レイヤーの一般的なプロパティを設定します。
- ArcMap の [コンテンツ] ウィンドウで villages レイヤーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスが開きます。
- [一般] タブで、[レイヤー名] を「村」に変更します。
- [説明] に「Osokopf の村の境界。」と入力します。
- villages レイヤーを描画する最小縮尺を設定します。
- [縮尺範囲] で、[縮尺に応じて表示を制御] をクリックします。
- 最小縮尺を [1:10,000,000] に設定します。
- 最大縮尺は [<なし>] のままにします。
- [適用] をクリックして、ここまでに行ったプロパティの変更を設定します。
フィールドのエイリアスを設定します。
- [フィールド] タブをクリックします。
- フィールドに次のようにエイリアスを割り当てます。
- フィールドのリストから [village_name] を選択し、エイリアスに「名前」と入力します。
- フィールドのリストから [population] を選択し、「人口 (2010) 」と入力します。
- [適用] をクリックします。
villages レイヤーのシンボル表示に使用する色を変更します。
- [シンボル] タブをクリックします。
- [カテゴリ] をクリックします。
デフォルトで、[個別値] が選択されています。
- [値フィールド] ドロップダウン リストで [名前] を選択します。
- [すべての値を追加] をクリックします。
- 村ごとに異なる色を選択します。
- シンボルの変更がすべて完了したら、[OK] をクリックしてすべての変更内容を適用し、[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
streets レイヤーのプロパティの設定
参照データでは、独立したマップ サービスを公開することをお勧めします。このチュートリアルでは、streets レイヤーは参照データとしてしか使用されませんが、必要な手順を減らすためにフィーチャ サービスの一部にします。
- 他のレイヤーと同じ手順に従って、streets レイヤーの一般的なプロパティ、シンボル、およびフィールド エイリアスを設定します。
- [ラベル] タブをクリックします。
- [このレイヤーのラベルを表示] をオンにします。
- [ラベル フィールド] が st_name フィールドに設定されていることを確認します。
- ラベルの縮尺範囲を設定します。
- [その他のオプション] で、[縮尺範囲] をクリックします。
- [縮尺に応じて表示を制御] をクリックし、最小縮尺を [1:250,000] に設定します。
- [OK] をクリックして、[縮尺範囲] ダイアログ ボックスを閉じます。
- [適用] をクリックして、変更した内容を保存します。
デフォルトでは、すべてのフィーチャクラスで HTML ポップアップ ウィンドウが有効になっています。ここでは、streets レイヤーの編集は行わないため、HTML ポップアップ ウィンドウを無効にしてかまいません。
- [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [HTML ポップアップ] タブをクリックします。
- [ポップアップ ツールを使用してレイヤーのコンテンツを表示] チェックボックスをオフにします。
- [OK] をクリックして変更内容を適用し、[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
フィーチャ アクセスを有効にしたマップ サービスの公開
データとマップの準備が完了したら、フィーチャ アクセスを有効にしてマップ サービスを公開できます。
- ArcMap のメイン メニューで、[ファイル] > [共有] > [サービス] の順にクリックします。
- [サービスとして共有] ウィンドウで、[サービスを公開] を選択します。[次へ] をクリックします。
- [サービスを公開] ダイアログ ボックスで、チュートリアルの前の手順で設定した ArcGIS Server への公開者接続を選択します。
- デフォルトでは、マップ ドキュメントの名前がサービス名に使用されます。デフォルトを使用する代わりに、「TreeMaintenance」と入力します。
- デフォルトでは、ArcGIS Server のルート フォルダー (root) にサービスが公開されます。デフォルトの場所が選択された状態で、[続行] をクリックします。
[サービス エディター] ダイアログ ボックスが開きます。[サービス エディター] を使用して、フィーチャ サービスでユーザーが実行できる操作を選択し、サーバーがフィーチャ サービスを公開する方法を調整します。
- [ケーパビリティ] タブをクリックします。
- デフォルトでは、マッピングと KML が有効になっています。[フィーチャ アクセス] を選択します。このオプションを有効にすると、マップ サービスに関連するフィーチャ サービスが作成され、クライアントが Web 上でフィーチャを編集できるようになります。
- [サービス エディター] ダイアログ ボックスの左側のウィンドウで、[フィーチャ アクセス] をクリックして、サービスで使用する URL を確認します。
- [許可するオペレーション] で、[削除] をオフにします。
接続ユーザーには、フィーチャを削除する権限を付与しなかったことに注意してください。
- [サービス エディター] ダイアログ ボックスの左側のウィンドウで [アイテム説明] をクリックし、次のように入力します。
- [サマリー] に、「公共の場所にある樹木のリストを更新するためのサービス。」と入力します。
- [タグ] に、「樹木,管理,公園」と入力します。
- [説明] に、「樹木管理フィーチャ サービスは、公共の場所にある樹木リストの更新に使用できます。」と入力します。
- [分析] をクリックして、フィーチャを公開できることを確認します。
エラー メッセージが返された場合は、公開する前にエラーを修正する必要があります。警告または情報メッセージは修正しなくてもかまいません。これらのメッセージは、作成されるサービスのパフォーマンスおよび操作性を向上するために生成されるもので、サービスの機能に必須の内容ではありません。フィーチャ サービスを通してデータベースのデータを編集する際はデフォルト テンプレートだけを使用するため、警告 24041 は無視できます。
- [公開] をクリックします。
フィーチャ サービスが ArcGIS Server で公開されます。Web アプリケーションでフィーチャ サービスを利用して、編集を行えるようになりました。
Web アプリケーションでのフィーチャ サービスの利用
このセクションでは、ArcGIS Online のマップ ビューアーを使用して、データベースに対して Web 経由でフィーチャを追加、更新、および編集します。マップ ビューアーは、ArcGIS Server Services Directory を経由して直接配置できます。マップ ビューアーを使用するために、構成やプログラミングの作業は必要ありません。
次の手順に従って作業を開始します。
- Web ブラウザーを開き、ArcGIS Server Services Directory に移動します。通常は http://gisserver.domain.com:6080/arcgis/rest/services にあります。Services Directory には、ArcGIS Server と一緒にインストールされたショートカットを開くことでもアクセスできます。
- サービス リストで [TreeMaintenance (Feature Server)] をクリックします。
- [TreeMaintenance (FeatureServer)] ページに、trees、streets、および villages フィーチャクラスと、フィーチャ サービスでサポートされているオペレーションが表示されます。これらのパラメーターが正しいことを確認します。
- ページ上部の [View In: ArcGIS Online map viewer] をクリックします。
新しいウィンドウ (またはタブ) が開き、マップ ビューアーが表示されます。
- マップ ビューアーの上部にある [編集] をクリックします。
[フィーチャの追加] ダイアログ ボックスが開きます。
- マップの各エリアを拡大表示し、既存のフィーチャの属性を編集します。属性を編集するには、次の手順を実行します。
- フィーチャをクリックします。
HTML ポップアップ ウィンドウが開きます。
- フィールドに新しい値を入力します。日付の場合は、カレンダーから日付を選択します。
- [閉じる] をクリックし、編集を適用して HTML ポップアップ ウィンドウを閉じます。
- フィーチャをクリックします。
- trees レイヤーにも、新しいフィーチャを追加します。これは、次の手順で行います。
- [フィーチャの追加] ウィンドウで、[d](落葉樹) または [e](常緑樹) のシンボルをクリックします。
- マップ上で樹木を配置する場所をクリックします。
- 追加した樹木を選択し、HTML ポップアップ ウィンドウを使用して属性を追加します。
- [閉じる] をクリックし、編集を適用して HTML ポップアップ ウィンドウを閉じます。
- フィーチャに対する編集がデータベースに反映されていることを確認します。
これを行うには、ArcMap ドキュメントに切り替えてマップ表示を更新します。Web マップに追加したフィーチャがマップに表示されます。属性に対する編集を確認するには、ArcMap で trees レイヤーの属性テーブルを開きます。
- 必要な場合は、ArcGIS Online にサイン インしてマップを保存できます。
参考トピック
以上で、ArcGIS Online のマップ ビューアーを使用してフィーチャ サービスを正常にテストしました。次に、他の ArcGIS クライアントでフィーチャ サービスを使用し、共有する方法を検討できます。たとえば、次のような場合です。
- Portal for ArcGIS もマップ ビューアーを備えています。自分が所属しているポータルの組織サイトとフィーチャ サービスを共有して、マップ ビューアーで他のメンバーがそのフィーチャ サービスを編集できるようにすることができます。
- ArcGIS Online および Portal for ArcGIS で、アプリケーション テンプレートを使用して、カスタマイズした Web マッピング アプリケーションを作成できます。これらのテンプレートを組織の Web サーバーに配置できます。
- ArcGIS API for JavaScript は、最も高度な Web マッピング機能とカスタム オプションを提供します。この API を使用してプログラミングを問題なく行うことができる場合は、このチュートリアルで作成したフィーチャ サービスと同じフィーチャ サービスを活用して、Web 上でユーザーの豊富な編集エクスペリエンスを提供できます。
Web ベースの編集では、外部ユーザーがデータへの追加または修正を行うことができます。上記の ArcGIS クライアントの 1 つまたはすべてを探索することにより、特定の目的、目標または組織の戦略に合わせて編集シナリオをカスタマイズできる追加のオプションを得ることができます。