次の手順は、1 台のコンピューターに ArcGIS Server をサイレント インストールするプロセスを説明しています。ArcGIS Server のサイレント アンインストールを実行する場合、インストール プロセス中に X ディスプレイやユーザーの操作は不要です。ArcGIS Server を複数のコンピューターにインストールする場合は、「ArcGIS Server の複数のコンピューターへのインストール」の手順に従ってください。
注意:
10.5.1 へのアップグレードですか? 詳細については、「アップグレードに関するよくあるご質問」をご参照ください。
ArcGIS Server のインストールの準備
- ArcGIS Server をインストールしているコンピューターの認証ファイルを取得します。
- サイトがシステム要件を満たしていることを確認します。
- ユーザーが ArcGIS Server インストール ディレクトリに対するすべての権限を持っていることを確認します。ArcGIS Server のインストールに使用したユーザー アカウントが、ソフトウェアの実行に使用するアカウントになります。グループ ユーザーとその他すべてのユーザーは、少なくとも ArcGIS Server インストール ディレクトリの実行アクセス権限を持っている必要があります。root アカウントを使用した ArcGIS Server のインストールはサポートされていません。詳細については、「ArcGIS Server アカウント」をご参照ください。
- ArcGIS Server tar ファイルを圧縮解除したディレクトリに移動するか、ArcGIS Server メディアを適切なドライブに挿入し、[セットアップ] を選択して、セットアップ プログラムを起動します。
注意:
共有ネットワーク ディレクトリ (NFS マウントされたフォルダー) には、ArcGIS Server をインストールできません。ディレクトリは、ターゲット システムのローカルに配置されている必要があります。
ArcGIS Server をサインレント インストールする方法
次の手順は、コマンドラインから ArcGIS Server をサイレント インストールする方法について説明しています。セットアップ ユーザー インターフェイスから ArcGIS Server をインストールする手順については、「1 台のコンピューター上での ArcGIS Server のインストール」をご参照ください。
ヒント:
選択するインストール モードによって、デフォルトのアンインストール モードが決定されます。たとえば、コマンドラインからサイレント インストールすると、アンインストール時のデフォルトのモードはコマンドラインからのサイレント アンインストールに設定されます。
- インストールを開始する前に、<CD_ROOT or untar directory>/Documentation/EULA.pdf にある使用許諾契約書を読んで、条件に同意する必要があります。
- セットアップをサイレントに実行し、認証 (*.ecp) ファイルまたはプロビジョニング (*.prvc) ファイルを使用して認証します。下記のサンプル構文をご参照ください。
<CD_ROOT or untar directory>/Setup -m silent -l yes -a <fullpath to .ecp or .prvc file>
使用法: セットアップ [オプション]
オプション 説明 -m; --mode MODE
オプション。デフォルトで GUI に設定されます。
MODE は silent、console、または gui のいずれかです。
-l; --license-agreement CHOICE
サイレント モードに必要です。CHOICE は Yes または No です。Yes は、Esri マスター契約 (E204、E300) を読み、同意したことを意味します。http://www.esri.com/legal/licensing-translations にアクセスして契約書をお読みください。
-a; --authorization-file FULL_PATH_TO_AUTHORIZATION_FILE または FULL_PATH_TO_PROVISIONING_FILE
オプション。このオプションを使用しない場合は、インストール後にソフトウェアを認証する必要があります。
FULL_PATH_TO_AUTHORIZATION_FILE は Esri により提供された認証 (*.ecp) ファイルへの絶対パス (フル パス) です。
FULL_PATH_TO_PROVISIONING_FILE は Esri により提供されたプロビジョニング (*.prvc) ファイルへの絶対パス (フル パス) です。
-d; --directory DIRECTORY
オプション。デフォルトでは、ArcGIS Server は $HOME ディレクトリにインストールされます。DIRECTORY には、別のインストール ディレクトリを指定します。
パス /arcgis/server/ はインストール ディレクトリに追加されます。
インストール ディレクトリ名は小文字でなければなりません。インストールに付属のサンプルやデータのデータ パスは小文字でなければなりません。
-v; --verbose
インストーラーは冗長モードで実行されます。
-h; --help
コマンド ライン ヘルプを表示して、終了します。
-e; --examples
これらのオプションの使用例を表示し、終了します。
注意:
ArcGIS Server をインストールした後、認証ツールをサイレントで起動することもできます。使用可能なパラメーターの詳細なリストについては、下記のように help パラメーターを使用して認証スクリプトを実行します (デフォルトのインストール場所に基づいています)。
${HOME}/arcgis/server/tools/authorizeSoftware --help
認証ツールの詳細については、以下の「 ArcGIS Serverのサイレント認証」をご参照ください。
- インストールが完了したら、インストール ステータス メッセージが表示されます。インストールが正常に終了したら、Firefox から ArcGIS Server Manager にアクセスするか、http://<server name>:6080/arcgis/manager を参照して、サポートされている任意の Web ブラウザーから ArcGIS Server Manager にアクセスすることができます。詳細については ArcGIS Server のヘルプをご参照ください。
- 運用のためのサイトを準備している場合は、ArcGIS Web Adaptor をインストールしてください。ArcGIS Web Adaptor は、エンタープライズ Web サーバーと ArcGIS Server サイト間のリンクを提供します。これにより、受信したリクエストに対して使用するポート、アドレス、認証設定を選択できます。また、外部のユーザーによる ArcGIS Server Manager と Administrator Directory へのアクセスを防ぎます。詳細については、「ArcGIS Web Adaptor について」をご参照ください。
- サービスの公開作業の大半は ArcGIS Desktop で行われます。マップ、グローブ、ジオデータベースなどの作成もここで行います。ArcGIS Desktop から直接サービスを公開するには、ArcCatalog を使用するか、ArcMap の [カタログ] ウィンドウを使用して、サーバーへの接続を定義します。接続を定義すると、接続情報がコンピューターに保存され、サービスを公開するときにいつでも参照できるようになります。管理者権限で接続を確立すると、ArcGIS Desktop からいくつかのサーバー管理機能も実行できるようになります。手順については、「ArcGIS Desktop での ArcGIS Server への管理者接続の作成」をご参照ください。
- ArcGIS Server が、サービスで参照するすべてのデータにアクセスできることを確認します。詳細については、「データを ArcGIS Server でアクセス可能にする」をご参照ください。
- サーバーへの接続が確立されたら、GIS リソースをサービスとして公開する作業に取りかかることができます。サービスを追加するには、「サービスを公開する方法」の手順に従います。
- GIS サーバーにサービスを追加した後は、そのサービスを多くの種類のアプリケーションで利用することができます。これには、ArcGIS Web API とネイティブ SDK またはテンプレートとアプリ ビルダーによって作成されるアプリケーションが含まれます。あるいは、ArcGIS Explorer、ArcMap、または ArcGlobe などのデスクトップ ベースのアプリケーションでサービスを表示することができます。iPhone、Android デバイス、および Windows Phone のようなモバイル デバイスでも GIS サービスを使用できます。初めて利用する場合は、「Web GIS アプリケーションの作成について」をご参照ください。
ArcGIS Server のサイレント認証
ArcGIS Server をインストールした後、認証ツールをサイレントで起動することもできます。使用可能なパラメーターの詳細なリストについては、下記のように help パラメーターを使用して認証スクリプトを実行します (デフォルトのインストール場所に基づいています)。${HOME}/arcgis/server/tools/authorizeSoftware --help
[使用法:] authorizeSoftware [オプション]
オプション | 説明 |
---|---|
なし | ソフトウェア認証ウィザードの GUI を実行します。 |
-s | 認証ステータスを表示します。 |
-f FULL_PATH_TO_ECP_AUTHORIZATION_FILE | *.ecp 認証ファイルを使用して認証します。 FULL_PATH_TO_ECP_AUTHORIZATION_FILE は Esri により提供された認証 (*.ecp) ファイルへの絶対パス (フル パス) です。 |
-f FULL_PATH_TO_PROVISIONING_FILE -e EMAIL_ADDRESS | プロビジョニング ファイルを使用して認証します。電子メール アドレスが必要です。 FULL_PATH_TO_PROVISIONING_FILE は Esri により提供されたプロビジョニング (*.prvc) ファイルへの絶対パス (フル パス) です。 プロビジョニング ファイルを使用して認証するには、EMAIL_ADDRESS が必要です。 |
-f FULL_PATH_TO_PROVISIONING_FILE -e EMAIL_ADDRESS -o AUTHORIZATION_FILE_OUTPUT | Esri の Web サイトにアップロードするか電子メールで送信する認証ファイルを生成します。完了したら、取得した *.ecp 認証ファイルを使用してこのツールをもう一度実行し、この製品の認証プロセスを完了します。 FULL_PATH_TO_PROVISIONING_FILE は Esri により提供されたプロビジョニング (*.prvc) ファイルへの絶対パス (フル パス) です。 プロビジョニング ファイルを使用して認証するには、EMAIL_ADDRESS が必要です。 AUTHORIZATION_FILE_OUTPUT は生成される出力ファイルです。このファイルを Esri カスタマー サービスの Web サイト (https://service.esri.com/drm) に送信するか、電子メールで authorize@esri.com に送信する必要があります。 詳細については、「表示セットのない (ヘッドレス) オフラインのネットワーク環境における認証」をご参照ください。 |
-h; | コマンド ライン ヘルプを表示して、終了します。 |
表示セットのない (ヘッドレス) オフラインのネットワーク環境における認証
10.2.1 から、プロビジョニング (*.prvc) ファイルを使用して、表示セットのない (ヘッドレス) オフラインのネットワーク環境でも ArcGIS Server のインストールが認証できるようになりました。これは、2 つのステップで完了します。
- ArcGIS Server のインストールが完了したら、プロンプトから以下に示した認証コマンドを実行します。
<ArcGIS Server installation directory>/tools/authorizeSoftware -f <full path to the .prvc file> -e <email address> -o <full path to authorization file output>
認証情報ファイルの出力が作成されたら、次のいずれかを実行します。
- Esri カスタマー サービスの Web サイト (https://service.esri.com/drm) を参照します。画面上の指示に従って、認証情報ファイルをアップロードしてから、*.ecp 認証ファイルをダウンロードします。
- 認証情報ファイルを電子メールで authorize@esri.com に送信します。Esri から *.ecp 認証ファイルが返信されます。
- 上記のいずれかの方法を使用して *.ecp 認証ファイルを取得したら、authorizeSoftware スクリプトをもう一度実行してファイルを処理し、サーバーの認証プロセスを完了します。
<ArcGIS Server installation directory>/tools/authorizeSoftware -f <full path to the .ecp file>
ポストインストール構成
オペレーティング システムで ArcGIS Server を起動するには、お使いのオペレーティング システムに対応した手順に従います。
systemd をサポートするオペレーティング システム
オペレーティング システムが systemd を使用したプロセスのブートストラップと管理をサポートしている場合 (Red Hat 7.x を使用している場合など)、オペレーティング システムで起動する ArcGIS Server を構成するには、次の手順に従います。
- コマンド シェルの中で、root ユーザーに切り替えます。
- <ArcGIS Server インストール ディレクトリ>/framework/etc/scripts/arcgisserver.service ユニットファイルを /etc/systemd/system にコピーします。
このファイルは、ArcGIS 10.4.1 for Server と共にインストールされます。
- 引き続き root ユーザーとして、次のコマンドを実行し、/etc/systemd/system/multi-user.target.wants にリンクを自動的に作成します。
# systemctl enable arcgisserver.service
- systemd サービスが適切に構成されたことを確認するために、サービスを再起動してステータスを確認します。
# systemctl stop arcgisserver.service # systemctl start arcgisserver.service # systemctl status arcgisserver.service
- root ユーザー セッションを終了します。
- オペレーティング システムを再起動し、ArcGIS Server が正しく起動することを確認します。
SysV をサポートするオペレーティング システム
オペレーティング システムが SysV を使用したプロセスのブートストラップと管理をサポートしている場合、オペレーティング システムで起動する ArcGIS Server を構成するには、次の手順に従います。
- コマンド シェルの中で、root ユーザーに切り替えます。
- <ArcGIS Server インストール ディレクトリ>/framework/etc/scripts/arcgisserver シェル スクリプトを、以下に示す、サポートされる適切な Linux ディストリビューションベースの場所にコピーします。
- RHEL: /etc/rc.d/init.d/
- SUSE: /etc/init.d/
- 適切な init.d フォルダーにディレクトリを変更し、arcgisserver スクリプトを確認して、root ユーザーが少なくとも読み取りおよび実行権限を持っていることを確認します。
- 次のように、arcgisserver スクリプトを編集します。
agshome 変数を ArcGIS Server インストール ディレクトリ (たとえば、/home/username/arcgis/server) に更新します。
RHEL の場合のみ、以下のように [# Description: ArcGIS Server Service] のすぐ前に追加します。
# chkconfig:35 99 01
編集を arcgisserver スクリプトに保存します。
- 引き続き root ユーザーとして、次のコマンドを実行し、適切な実行レベルを使用して /etc/rc*.d にリンクを自動的に作成します。
- RHEL:
$ chkconfig --add arcgisserver $ chkconfig arcgisserver on
- SUSE:
$ insserv arcgisserver $ chkconfig arcgisserver on
- RHEL:
- root ユーザー セッションを終了します。
- オペレーティング システムを再起動し、ArcGIS Server が正しく起動することを確認します。