このトピックでは、CA (認証機関) で署名された証明書を使用して、ArcGIS Server で HTTPS を構成する方法を説明します。CA 署名証明書を使用して HTTPS を構成する手順は、以下のとおりです。
新しい自己署名証明書の作成
- https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/admin で ArcGIS Server Administrator Directory にログインします。
- [machines] > [<コンピューター名>] > [sslcertificates] の順に移動します。
- [generate] をクリックします。
- このページのパラメーターに値を指定します。
オプション 説明 エイリアス
証明書を簡単に識別できる一意の名前。
Key Algorithm
RSA (デフォルト) または DSA を使用します。
Key Size
証明書の作成に使用する暗号鍵を生成する際のサイズ (ビット単位) を指定します。鍵のサイズが大きいほど、暗号が破られにくくなりますが、暗号の解読にかかる時間も長くなります。DSA の場合、鍵のサイズは 512 ~ 1,024 で指定します。RSA の場合は、鍵のサイズを 2,048 以上にすることをお勧めします。
Signature Algorithm
デフォルト (SHA256withRSA) を使用します。組織に固有のセキュリティ制限がある場合は、 SHA384withRSA、SHA512withRSA、SHA1withRSA、SHA1withDSA のいずれかのアルゴリズムを DSA で使用できます。
Common Name
このフィールドはオプションであり、古い Web ブラウザーやソフトウェアとの下位互換性のために使用されます。サーバー名の完全修飾ドメイン名を共通名として使用することをお勧めします。
サーバーに https://www.gisserver.com:6443/arcgis/ の URL を使用してインターネット経由でアクセスできる場合は、www.gisserver.com を共通名として使用します。
サーバーに https://gisserver.domain.com:6443/arcgis の URL を使用して LAN (ローカル エリア ネットワーク) のみでアクセスできる場合は、gisserver.domain.com を共通名として使用します。
Organizational Unit
組織単位の名前 (たとえば、GIS 部門)。
組織
組織の名前 (たとえば、Esri)。
City or Locality
都市または地域の名前 (たとえば、Redlands)。
州
都道府県のフル ネーム (たとえば、California)。
Country Code
国の短縮コード (たとえば、US)。
Validity
この証明書が有効な日数 (たとえば、365)。
Subject Alternative Name
SAN (Subject Alternative Name) は、アクセス対象の Web サイトによって提示された SSL 証明書がその Web サイト用に発行されたものであることを検証するために使用されます。
このパラメーターが空のままである場合は、ローカル コンピューターの完全修飾ドメイン名がデフォルト値として使用されます。SAN フィールドには、複数の値を指定できます。ただし、必ず Web サイトの完全修飾ドメイン名を含めなければなりません。SAN パラメーター値はスペースを含むことができません。
たとえば、サーバーが主に URL https://www.esri.com を使用してアクセスされる場合、SAN パラメーターを DNS:www.esri.com に設定する必要があります。サーバーが URL https://www.esri.com を使用してパブリックなインターネット上でアクセスされ、URL https://gisserver.esri.com を使用して組織の LAN (ローカル エリア ネットワーク) 内でアクセスされる場合、SAN パラメーターを DNS:www.esri.com,DNS:gisserver.esri.com に設定する必要があります。
SAN パラメーター内でワイルドカード (*.esri.com) を使用することは、サポートされていますが、お勧めしません。同じ証明書が複数の Web サイトまたはサブドメインで使用された場合、次の例に示すように、各 Web サイトまたはサブドメインのリストを SAN パラメーターに入力します。
例: DNS:www.esri.com,DNS:esri.com,DNS:www.esri.ch,DNS:www.esri.rw,DNS:www.esri.de,DNS:maps.esri.com,DNS:support.esri.com,DNS:pro.arcgis.com。
- [Generate] をクリックして、証明書を生成します。
CA に対する証明書への署名の要求
作成した証明書を Web ブラウザーが信頼できる証明書として受け入れるようにするには、Verisign や Thawte などのよく知られた認証機関で証明書の確認と副署を受ける必要があります。
レガシー:
10.5.1 以前のバージョンでは、init_user_param.sh スクリプトの CA_ROOT_CERTIFICATE_DIR 変数を使用して、CA 署名ルート証明書を OS の証明書ストアにインポートしました。10.6 では、この手順は不要になっています。
- 前のセクションで作成した自己署名証明書を開き、[generateCSR] をクリックします。コンテンツをファイルにコピーします。通常、ファイルの拡張子は「*.csr」です。
- 選択した CA に CSR を送信します。DER (Distinguished Encoding Rules) または Base64 エンコード証明書を取得できます。CA が、証明書を適用する Web サーバーのタイプを要求した場合、[その他/不明] または [Java アプリケーション サーバー] を指定します。アイデンティティが確認された後、CA から *.crt または *.cer ファイルが返送されます。
- CA から受け取った署名済みの証明書をコンピューター上に保存します。そこには、ArcGIS Server Administrator Directory からアクセスできます。CA からは、署名済みの証明書に加え、ルート証明書も発行されます。CA ルート証明書をコンピューターに保存します。
- ArcGIS Server Administrator Directory にログインします: https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/admin。
- [machines] → [<コンピューター名>] → [sslcertificates] > [importRootOrIntermediate] の順にクリックして、CA から提供されたルート証明書をインポートします。CA からその他の中間証明書が発行されている場合は、それらの証明書もインポートします。
- [machines] > [<コンピューター名>] > [sslcertificates] の順に移動します。
- CA に送信した自己署名証明書の名前をクリックします。
- [importSignedCertificate] をクリックして、CA から受け取った署名済みの証明書を保存した場所を参照します。
- [送信] をクリックします。これにより、前のセクションで作成した自己署名証明書が CA 署名証明書に置き換えられます。
CA 署名証明書を使用するための ArcGIS Server の構成
- https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/admin で ArcGIS Server Administrator Directory にログインします。gisserver.domain.com を、ArcGIS Server がインストールされているコンピューターの完全修飾名に変更します。
- [machines] > [<コンピューター名>] の順に移動します。
- [edit] をクリックします。
- [Web server SSL Certificate] フィールドに、署名済み証明書の名前を入力します。指定する名前は、前のセクションで CA 署名証明書に置き換えられた自己署名証明書のエイリアスと一致する必要があります。
- [Save Edits] をクリックして、変更内容を適用します。ArcGIS Server サイトが自動的に再起動します。
- サイトが再起動したら、URL https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/admin にアクセスできることを確認します。この URL から応答がない場合、ArcGIS Server は指定された SSL 証明書を使用できなかったことになります。ArcGIS Server Administrator Directory (http://gisserver.domain.com:6080/arcgis/admin) にログインします。SSL 証明書をチェックし、新規または別個の証明書を使用するように ArcGIS Server を構成します。
- 現在のページの [Web server SSL Certificate] プロパティで、適切な証明書が HTTPS で使用されることを確認します。
配置された各 ArcGIS Server コンピューターを構成します。
ArcGIS Server を複数のコンピューターを使用して配置している場合は、サイトに参加している ArcGIS Server コンピューターごとに、CA 署名証明書を取得して構成する必要があります。すべての証明書がインポートされたら、ArcGIS Server サイト内の各コンピューターを再起動します。
サイトでの HTTPS の構成
- URL https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/admin にアクセスできることを確認します。この URL から応答がない場合、ArcGIS Server は指定された証明書を使用できなかったことになります。証明書をチェックし、新規または別個の証明書を使用するように ArcGIS Server を構成します。
- URL https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/admin にアクセスできる場合、[security] > [config] > [update] の順に移動します。
- [Protocol] パラメーターで [HTTPS Only] オプションを選択して、[Update] をクリックします。
注意:
ArcGIS Web Adaptor がサイトの通信プロトコルの変更を認識するまで、1 分かかります。
レガシー:
10.2.1 以前のバージョンでは、ArcGIS Server の通信プロトコルの更新後に、ArcGIS Web Adaptor を再構成する必要がありました。10.2.2 以降のバージョンでは、この作業は必要なくなりました。
HTTPS を使用したサイトへのアクセス
HTTPS の構成が完了すると、ArcGIS Server はポート 6443 で HTTPS リクエストを待機します。以下の URL を使用して、ArcGIS Server に安全にアクセスできます。
ArcGIS Server Manager | https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/manager |
ArcGIS Server Services Directory | https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/rest/services |
注意:
HTTPS が有効になっているときに ArcGIS Server の名前を変更しても、HTTPS を使用して ArcGIS Server へのアクセスを継続できます。ただし、新しい証明書を生成して、ArcGIS Server がこの証明書を使用するように構成する必要があります。