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サーバー ログの操作

サーバー ログの監視は、エラーを特定し、問題のトラブルシューティングを行って、サイトに関する問題に対処する際に役立ちます。サーバー ログの表示、検索、構成、および削除を行うには、ArcGIS Server Manager を使用します。ArcGIS Server Manager は、読み取りおよび操作が可能なテーブルにログ メッセージを集約します。

このヘルプ トピックのセクションでは、サーバー ログについて説明し、問題に対処する際のサーバー ログの操作方法を示します。

イベントのキャプチャ、クエリ検索、および表示方法

サイトでイベントが発生すると、そのイベントがログにキャプチャされ、記録されます。イベントに関連するメッセージを表示するには、ログをクエリ検索する必要があります。サイトで現在のメッセージをクエリ検索して表示するには、次の手順に従います。

  1. ArcGIS Server Manager を開いて、管理者としてログインします。この手順の詳細については、「ArcGIS Server Manager へのログイン」をご参照ください。
  2. [ログ] > [ログの表示] の順にクリックし、現在のログを確認します。一部のメッセージが、追加情報とともに返されます。

すべてのイベントでは、ログ レベル、イベントの発生時間、イベントをログに記録したソース コンポーネント、イベントが発生したコンピューター、ログ コード、イベントに関連付けられたユーザーなどの情報が記録されます。これらすべての情報は、ポータルのトラブルシューティングを効果的に行うために役立ちます。これらの情報の詳細については、「ログについて」をご参照ください。

インストール時およびインストール後のログの動作

ArcGIS Server のインストールまたはアップグレード時、サーバーのログ レベルは [冗長] に設定されます。これは、インストールまたはアップグレード プロセス中にメッセージが非常に詳細にログに記録されるという意味です。

このプロセス中に障害が発生し、トラブルシューティングのためにログを調べる必要がある場合は、まず、ArcGIS Server Manager にアクセスできるかどうか確認します。アクセスできる場合は、ログをクエリ検索してメッセージを確認します。アクセスできない場合は、ハードディスク上のログ メッセージを確認します。ハードディスク上のログにアクセスするには、ログ ディレクトリを参照して、最新のログ ファイル (たとえば、C:\arcgisserver\logs\<machine name>\server\server-20150101.095803-8596-0.0.log) を開きます。 必要な場合は、この情報を Esri Support と共有できます。

インストールまたはアップグレード プロセスの完了後、サーバーのログ レベルはデフォルトで [警告] に設定されます。これは、重要度が中~大の問題のみがログに記録されるという意味です。サーバーのユーザーから問題が報告された場合は、その特定の問題についてより詳細なメッセージをキャプチャするようログ レベルを変更する必要があります。ログのレベルを変更する方法の詳細については、「ArcGIS Server Manager でのサーバー ログ設定の指定」をご参照ください。

問題があると疑われる場合

サーバーに問題があると疑われる場合、またはユーザーが問題を報告してきた場合は、イベントを再現し、ログでイベントをキャプチャし、ログをクエリ検索して、イベントに関する情報を入手する必要があります。次に、ログの情報を使用して、イベントで発生した問題を解決します。

問題が疑われる、または報告された場合は、ログによるイベントのキャプチャに次の意思決定ツリーを役立ててください。

  • 問題を再現してみます:
    • 問題を再現できる場合は、ログをクエリ検索してメッセージを確認し、問題に関する情報を取得します:
      1. 情報が存在しない場合は、ログのレベルを上げます。 問題をもう一度再現し、ログをクエリ検索してメッセージを確認します。
      2. ログ メッセージ内に情報が存在する場合は、その情報を調べて問題の解決に役立てます。
    • 問題を再現できない場合は、問題が再び起こった場合に備えて、その問題を引き起こした状況を記録しておきます。
ヒント:

ホストされたサービスの公開に関連する問題の場合は、さらに Portal for ArcGIS ログを調べることをお勧めします。このポータル ログには、公開に関する問題のトラブルシューティングに役立つ追加情報が示されていることがあります。

ログについて

すべてのイベントでは、ログ レベル、イベントの発生時間、イベントが発生したコンピューターなどの具体的な情報が記録されます。これらすべての情報は、サーバーのトラブルシューティングを効果的に行うために役立ちます。

デフォルトでは、[レベル][時間][メッセージ][ソース] のプロパティのみがログ メッセージ ウィンドウに表示されます。プロパティを表示に追加または削除するには、[列] を選択します。

ヒント:

イベント ログ表示で列の見出しをドラッグ アンド ドロップすることにより、列の順序を変更できます。各列の見出しをクリックして、昇順または降順で並べ替えます。

次のセクションでは、これらの情報について詳しく説明します。

レベル

ログに記録されるイベントは、迅速な対処を必要とする問題を示す [重大] から、サーバーの通常の使用を通じて生成される詳細な情報メッセージである [冗長] まで、その詳細のレベルが異なります。

ログ レベルには次のタイプがあります。

ログ レベル説明メッセージの例

重大

迅速な対処を必要とする重大な問題。このレベルには、重大メッセージのみが含まれます。

リクエストを処理できません。サービス Planning/counties/FeatureServer が見つかりません。

警告

対処を必要とするがそれほど深刻ではない問題。このレベルには重大メッセージも含まれます。

ログインできませんでした。無効なユーザー名またはパスワードが指定されています。

情報

サービスの作成および開始に関するメッセージなど、サーバーの一般的な管理メッセージ。このレベルには重大メッセージと警告メッセージも含まれます。

フォルダー Planning が正常に作成されました。

詳細

受信した操作リクエストの名前など、サーバーの使用による一般的なメッセージ。このレベルには重大メッセージ、警告メッセージ、情報メッセージが含まれます。

C:\arcgisserver\directories\arcgisjobs 内の有効期限切れのアイテムを確認しています。

冗長

マップ サービス内の各レイヤーの描画に成功したこと、レイヤーの描画速度、レイヤーのソース データにサーバーがアクセスするためにかかった時間を示すなど、サーバーが操作をどのように実行しているかを詳細に示すメッセージ。このレベルには重大メッセージ、警告メッセージ、情報メッセージ、詳細メッセージが含まれます。

レイヤー描画の開始: counties

デバッグ

トラブルシューティング時にサーバーの状態を適切に確認したい開発者やサポート技術者向けに設計された、非常に詳細なメッセージ。このレベルを運用環境で使用しないことをお勧めします。パフォーマンスの低下を招くおそれがあります。問題のトラブルシューティングを行うのでなければ、代わりに [警告] レベルを使用してください。

サーバー ディレクトリをクリーンナップしています。

オフ

ログをオフにします。イベントはサーバーによってログに記録されません。

なし

時間

ログに記録されたイベントが発生した時刻。イベントは時系列で整理され、一番最近のイベントが最初に表示されます。[時間] 列の見出しをクリックして、昇順または降順で並べ替えます。

ログのクエリ検索時に表示する目的の時間間隔を指定できます。

ソース

ログに記録されたイベントのソースは、サービスまたはサーバー自体です。サービスに関連付けられているイベントの場合は、名前とサービスの種類がソース プロパティとして表示されます。サーバーに関連付けられているイベントの場合は、メッセージをログに記録したフレームワーク コンポーネントの名前がソース プロパティとして表示されます。

たとえば次のようになります。

  • SampleWorldCities マップ サービスに関係のあるイベントは、SampleWorldCities.MapServer と表示されます。
  • サイトでサーバー クラスターが正常に作成された後、メッセージをログに記録したコンポーネントとして Admin が表示されます。

必要に応じて、ログのクエリ検索時に表示する目的のソースを指定できます。

コンピューター

サイトに属している各 GIS サーバー コンピューターでは、そのコンピューターに特有の独自のログ セットが管理されます。また、ArcGIS Data Store をサイトに登録した場合、各 ArcGIS Data Store コンピューターは、そのコンピューターに固有のメッセージをログに記録します。

たとえば、構成ストアの場所の更新に失敗したというエラーが GIS サーバーによってログに記録される場合があります。コンピューター プロパティは、特定のコンピューターで記録された統計情報に適用されるメッセージにのみ含まれます。

ログのクエリ検索時に表示する目的のコンピューターを指定できます。

コード

メッセージに関連付けられたログ コード。「ログ コードの概要」で説明したように、コードはいくつかの範囲に分類されます。

経過時間

記録されたイベントが完了するのにかかった時間 (ミリ秒)。たとえば、Web マップ イメージのエクスポート イベントには、Web マップ イメージのエクスポートにかかった時間を示す経過時間が含まれます。

ユーザー名

ログ メッセージを生じたリクエストを出したユーザーの名前。このプロパティは、セキュリティが有効になっている場合に個々のユーザーの行動を追跡するときに役立ちます。

プロセス

イベントをログに記録したコンピューターのプロセス ID

スレッド

メッセージを生成したサーバー プロセス スレッド

メソッド名

ログ メッセージを生じたサービスに対するメソッド呼び出し

検索結果を絞り込むためのログ フィルターの使用

イベントを絞り込み、関連するメッセージをより多く表示するために、ログ レベル、ログ時間、ソース コンポーネント、コンピューターに基づくクエリ検索を実行できます。これらのフィルターを任意の数だけ組み合わせてクエリの一部にすることができます。これらのフィルターには、ArcGIS Server Manager の [ログの表示] ページでアクセスできます。

ログ フィルター

イベントは、迅速な対処を必要とする問題を示す [重大] から、サーバーの通常の使用を通じて生成される詳細な情報メッセージである [冗長] まで、その詳細のレベルが異なります。[ログ フィルター] ドロップダウン リストから目的のレベルを選択します。各レベルのサマリー詳細については、上記の「レベル」セクションをご参照ください。

期間

サーバーによってログに記録されるイベントは時系列で整理され、一番最近のイベントが最初に表示されます。特定の時間枠のフィルターを適用するには、[期間] ドロップダウン リストから希望する範囲を指定します。

時間範囲説明

過去 15 分

過去 15 分以内にログに記録されたイベントを表示します。

過去 1 時間

過去 1 時間以内にログに記録されたイベントを表示します。

過去 6 時間

過去 6 時間以内にログに記録されたイベントを表示します。

過去 24 時間

過去 1 日以内にログに記録されたイベントを表示します。

過去 1 週間

過去 1 週間以内、またはサイトでディスク上にログを残すように指定した時間範囲内のイベントを表示します。

開始以降

前回サーバーを起動してからログに記録されたイベントを表示します。または、サイトでディスク上にログを残すように指定した時間範囲内のイベントを表示します。

すべて

ArcGIS サーバーをインストールしてからログに記録されたすべてのイベント、またはサイトでディスク上にログを残すように指定した時間範囲内のすべてのイベントを表示します。

[時間] 列の見出しをクリックして、メッセージを昇順または降順で並べ替えます。

検索では、ArcGIS Server サイトでログをディスク上に残すように指定したタイム フレーム内にあるログのみが返されることに注意してください。デフォルトは 90 日です。たとえば、サイトでログが 5 日間維持されるように構成した場合、[期間] フィルターから [先週] を選択すると、過去 5 日以内のログのみが返されます。

ヒント:

[設定] をクリックすると、サーバーがログをハードディスク上に維持する期間を指定できます。詳細については、「ArcGIS Server Manager でのサーバー ログ設定の指定」をご参照ください。

ソース

ログに記録されたイベントのソースは、サービスまたはサーバー自体です。サービスに関連付けられているイベントの場合は、名前とサービスの種類がソース プロパティとして表示されます。サーバーに関連付けられているイベントの場合は、メッセージをログに記録したフレームワーク コンポーネントの名前がソース プロパティとして表示されます。

デフォルトでは、すべてのソースがクエリ検索の対象になります (ドロップダウン リストの [All] オプション)。特定のサービスまたはサーバーのフレームワーク コンポーネントを検索するには、サービスまたはコンポーネントの名前を [ソース] フィルターから選択します。ログに記録されたイベントに表示されるソースの説明については、以下の表をご参照ください。

注意:

以下で説明している AdminServerRest、および Soap ソースは、[ソース] フィルターの [サーバー フレームワーク] レベルの下に表示されます。これらのソースを検索するには、[ソース] ドロップダウン フィルターから [サーバー フレームワーク] を選択します。

ソース説明

管理

メッセージが管理 API によってログに記録されたことを示します。管理 API とは、サーバーを管理できるサーバー層です。たとえば、サイトの作成、コンピューターおよびサービスの追加、クラスターの構成などが可能です。

サーバー

サービスのインスタンス作成にかかわるサーバー フレームワークの一部によってメッセージがログに記録されたことを示します。

REST

メッセージがサーバーの REST ハンドラーによってログに記録されたことを示します。Rest コンポーネントは、全レベルのメッセージをログに記録します。

Soap

メッセージがサーバーの SOAP ハンドラーによってログに記録されたことを示します。Soap コンポーネントは、全レベルのメッセージをログに記録します。

ArcGIS Data Store

メッセージが ArcGIS Data Store によってログに記録されたことを示します。メッセージは、ArcGIS Data Store を ArcGIS Server に登録した場合にのみ表示されます。

<サービス名>.FeatureServer

ソースはフィーチャ サービスです。

<サービス名>.GeocodeServer

ソースはジオコード サービスです。

<サービス名>.GeoDataServer

ソースはジオデータ サービスです。

<サービス名>.GeometryServer

ソースはジオメトリ サービスです。

Geometry.GeometryServer

ソースは ArcGIS Server によってインストールされた構成済みのジオメトリ サービスです。

<サービス名>.GPServer

ソースはジオプロセシング サービスです。

CachingTools.GPServer

ソースは、ArcGIS Server でインストールされた事前設定済みのキャッシュ ツールで構成されています。

PrintingTools.GPServer

ソースは ArcGIS Server によってインストールされた事前設定済みの PrintingTools サービスです。

PublishingTools.GPServer

ソースは、ArcGIS Server でインストールされた事前設定済みの公開ツールで構成されています。

<サービス名>.ImageServer

ソースはイメージ サービスです。

<サービス名>.JPIPServer

ソースは JPIP サービスです。

<サービス名>.KmlServer

ソースは KML サービスです。

<サービス名>.MapServer

ソースはマップ サービスです。

<サービス名>.NAServer

ソースはネットワーク解析サービスです。

<サービス名>.WCSServer

ソースは Web カバレッジ サービスです。

<サービス名>.WFSServer

ソースは Web フィーチャ サービスです。

<サービス名>.WMServer

ソースは Workflow Manager サービスです。

<サービス名>.WMSServer

ソースは Web マップ サービスです。

<サービス名>.WMTSServer

ソースは Web マップ タイル サービスです。

<サービス名>.WPSServer

ソースは Web プロセシング サービスです。

<servicename>.SceneServer

ソースはシーン サービスです。

<サービス名>.SchematicsServer

ソースはスケマティック サービスです。

<サービス名>.SearchServer

ソースはサーチ サービスです。

SampleWorldCities.MapServer

ソースは、ArcGIS Server でインストールされた事前構成済みの SampleWorldCities マップ サービスです。

Search.SearchServer

ソースは ArcGIS Server によってインストールされた事前設定済みのサーチ サービスです。

Search_indexer.GPServer

ソースは事前設定済みのサーチ サービスの accompanying _indexer ジオプロセシング サービスです。

<サーチサービス名>_indexer.GPServer

ソースはサーチ サービスの accompanying _indexer ジオプロセシング サービスです。

コンピューター

サイトに属している各 GIS サーバー コンピューターでは、そのコンピューターに特有の独自のログ セットが管理されます。また、ArcGIS Data Store をサイトに登録した場合、各 ArcGIS Data Store コンピューターは、そのコンピューターに固有のメッセージをログに記録します。

デフォルトでは、すべてのコンピューターがクエリ検索の対象になります (ドロップダウン リストの [すべて] オプション)。特定のコンピューターによってログに記録されたイベントを検索するには、[コンピューター] フィルターから希望するコンピューターを選択します。

サーバー ログの検索

[ログの表示] モジュールで検索を実行すると、ログ メッセージ ウィンドウに、検索に一致する最近のメッセージ 1,000 件が表示されます。これらのメッセージの期間は、ログ メッセージ ウィンドウの最下部に表示されます。

検索で 1,000 件を超えるメッセージが返された場合、ログ メッセージ ウィンドウの最下部にある [以前の] ボタンをクリックして次の一連のレコードに移動します。同様に、[新しい] ボタンをクリックして時間的に先に移動します。

レコードを検索する際、ログ メッセージ ウィンドウは自動的に更新されないため、検索が実行された後にログに記録された新しいメッセージは検索結果に反映されません。検索の最新の結果を取得するには、[ログの表示] モジュールの [検索] をクリックします。

印刷に適した形式でのログの表示

検索の実行後、[印刷用の表示] リンクをクリックすると、印刷に適した形式でログが表示されます。この操作により、ログを HTML で表示する新しいブラウザー ウィンドウ (またはタブ) が開きます。この表示を使用してログを印刷したり、HTML をディスクに保存したり、ドキュメントやスプレッドシートにログをコピーして貼り付けたりすることができます。この方法で、自分のログ メッセージを組織の他のユーザーや、必要に応じて Esri のテクニカル サポートと共有できます。

印刷用の表示では、最後に実行した検索と、ログ メッセージの現在の表示、および指定したログ プロパティしか表示されません。イベント ログ表示で列をソートするか、並べ替えた場合でも、HTML 表示は最初に検索が実行された元の列の状態に戻ります。必要な場合は、ログをスプレッドシートにコピーして貼り付けてから、アプリケーションのツールを使って列をソートするか、並べ替えてください。

ログの削除

[ログの削除] をクリックすると、サイトに参加している各 GIS サーバーからすべてのログ メッセージが削除されます。[ログの削除] をクリックした後、すべてのログが削除されることを確認するダイアログ ボックスが表示されます。

サーバーの問題の原因となっている特定のシナリオのデバッグを実行しているときは、ログを削除することにより問題が明確になることがあります。たとえば、マップ サービスの特定のレイヤーの描画パフォーマンスを判定しようとしている場合は、ログを削除し、リクエストをマップに送信し、次にログ メッセージ ウィンドウを更新してリクエスト イベントを表示すると、判定に役立つ場合があります。これにより、その他のイベントのログがクリアされ、マップ サービスのデバッグに集中できます。