SQL Server の既存のエンタープライズ ジオデータベースを、ある ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンスから別のインスタンスに移行するには、データベース ファイルおよびトランザクション ログを 1 つの SQL Server Express インスタンスからデタッチし、移行先の ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンスに移行してから、それらのファイルおよびログを新しい SQL Server Express インスタンスにアタッチします。
注意:
このワークフローは、Amazon Relational Database Services for SQL Server には適用されません。
このデータ移行方法を使用する場合
新しい ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンスを作成した場合や、既存のインスタンス (移行元インスタンス) から新しいインスタンス (移行先インスタンス) にジオデータベースを移行する場合に、この方法を使用します。
SQL Server Express インスタンスにカスタム ログインが追加されていない限り、SQL Server Express の個々のジオデータベースを ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services のインスタンス間で移行することは比較的簡単な作業です。
デフォルト ジオデータベースを移行することを予定している場合は、対応するジオデータベースを移行先インスタンスから削除する必要があります。インスタンス上のデータベース名は一意でなければならず、ジオデータベースの名前は変更できません。移行先インスタンス上のジオデータベースにデータが格納されている場合は、上記の方法を使用してジオデータベースを移行することはできません。
Web サービスの停止
データベースをデタッチする場合は、そのデータベースへのアクティブな接続が存在していてはなりません。このため、データベースを既存のインスタンスからデタッチする前に、データベース内のデータを使用しているサービスを停止する必要があります。
- 既存の ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンスに ArcGIS Server Manager を起動します。
- [サービス] ページで、デタッチするデータベースに接続されているサービスを選択して [停止] をクリックします。
データベースのデタッチ
データベースのデタッチには SQL Server Express Management Studio を使用します。
- 既存の SITEHOST インスタンスへのリモート デスクトップ接続を作成します。
リモート デスクトップ接続を行うには、セキュリティ グループで RDP ポートを開く必要があります。このルールは、データを移行した後にセキュリティ グループから削除できます。
- SQL Server Express Management Studio を起動します。
- オペレーティング システム認証を使用して、SQL Server Express インスタンスにログインします。
- [Database] フォルダーを展開します。
- データベースを右クリックして、[タスク] をポイントしてから [デタッチ] をクリックします。
- 必要なオプションを選択して [OK] をクリックします。
新しいインスタンスの起動
データベースの移行先となる ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンスがまだ作成されていない場合は、ここで作成します。新しいサイトを作成するには、CloudFormation テンプレートを使用するか、「Amazon Web Services での ArcGIS Server サイトの構築」の手順に従います。
既存のデータベースの削除
移行先の ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンスに移行するジオデータベースが、既存のジオデータベースのうちのいずれかと同じ名前である場合は、その既存のジオデータベースを削除してから、移行したジオデータベースをアタッチする必要があります。
注意:
移行先インスタンス上のジオデータベースに、現在必要なデータが含まれている場合は、この手順を実行することはできません。移行先インスタンスに、データが含まれている同じ名前のジオデータベースがすでに存在する場合、ジオデータベースの名前は変更できないため、インスタンス間でのデータの移行に別の方法を使用する必要があります。
SQL Server Express Management Studio で、新しい ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンス上のデータベースを削除します。
- リモート デスクトップとオペレーティング システムの管理者ログインを使って、移行先の ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンスにログインします。
リモート デスクトップ接続を作成するには、新しいセキュリティ グループの RDP ポートを開く必要があります。このルールは、データを移行した後にセキュリティ グループから削除できます。
- 移行先のインスタンスで SQL Server Express Management Studio を起動します。
- オペレーティング システム認証を使用して、SQL Server Express インスタンスにログインします。
- [Database] フォルダーを展開します。
- アタッチするデータベースと同じ名前を持つデータベースを右クリックして [削除] をクリックします。
- [オブジェクトの削除] ダイアログ ボックスで [OK] をクリックしてデータベースを削除します。
データベースおよびトランザクション ログ ファイルの移行
移行元インスタンスからデタッチしたデータベース (*.mdf) およびログ ファイル (*.ldf) を移行先インスタンスに移行する必要があります。ファイルを ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンスに移動する方法については、「Amazon Web Services へのデータの転送方法」をご参照ください。ファイルは、移行先インスタンスの C ドライブではなく、必ずデータ ボリューム上に格納してください。
新規インスタンスへのデータベースおよびトランザクション ログ ファイルのアタッチ
新しい SQL Server Express インスタンスへのファイルのアタッチには、SQL Server Express Management Studio を使用します。
- Management Studio を閉じた場合は、再起動して移行先インスタンスにログインします。
- [Database] フォルダーを右クリックして [アタッチ] をクリックします。
- [データベースのアタッチ] ダイアログ ボックスで [追加] をクリックします。
- 移行先の ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンスにあるデータベースの場所を参照します。
- *.mdf ファイルを選択して [OK] をクリックします。
- [OK] をクリックして、データベースをアタッチします。
データベースがリスト内に表示されない場合は、[Database] フォルダーを更新します。
データベースへのユーザーの追加 (必要な場合)
ジオデータベースを別の ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンスから移行した場合、そのデータベースには、ArcGIS で必要なユーザーがすでに含まれています。それら以外のログインおよびユーザーを移行元のインスタンスおよびデータベースに追加し、それらのユーザーがデータを所有している場合は、同じログインを新しい SQL Server Express インスタンスに追加する必要があります。