「AWS へのデータの転送方法」で説明したように、ソース GIS データの大半はオンプレミスに格納されているジオデータベースやファイル内に留まり、ユーザーはこのデータからサービスを公開します。ただし、一部のケースでは、Amazon Web Services (AWS) のジオデータベースにデータを移動する必要があります。このためには、次のセクションで説明する方法を使用できます。
複製
オンプレミスのジオデータベースから、ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services 配置のジオデータベースにデータを複製できます。
10.6 以前のリリースで、ArcGIS Server Cloud Builder on Amazon Web Services または Esri の CloudFormation テンプレートを使用して ArcGIS Server サイトを作成すると、配置に geodata という名前のジオデータベースが作成されます。geodata ジオデータベースを複製されたデータベースとして登録し、これを基にジオデータ サービスを作成します。続いて、ローカル データの複製を作成して、ジオデータ サービスに複製できます。編集を行ったときには、ジオデータ サービスを通して変更を geodata ジオデータベースと同期できます。詳細については、「ジオデータ サービスと接続環境でのレプリカの使用」をご参照ください。
10.6 より後で複製するには、ジオデータベースとサービスを手動で構成する必要があります。詳細については、ArcGIS Server ヘルプの「ジオデータ サービスの構成に関する提案」をご参照ください。
公開
同様に、Cloud Builder 10.6 または Esri 10.6 CloudFormation テンプレートを使用して ArcGIS Server サイトを作成する場合、ジオデータベースは ArcGIS Server サイトの管理されたデータベースとして作成 (egdb) および登録されます。フィーチャまたは WFS-T サービスを公開すると、データのコピーが管理されたデータベースに移動します。フィーチャまたは WFS-T サービスを削除すると、対応するデータが管理されたデータベースから削除されます。
ArcGIS Enterprise の配置には ArcGIS Data Store が含まれます。ArcGIS Data Store によって構成されたリレーショナル データ ストアは、ArcGIS Server サイトの管理されたデータベースとして機能します。フィーチャ サービスを ArcGIS Server サイトに公開するか、ホスト フィーチャ レイヤーを配置の Portal for ArcGIS コンポーネントに公開すると、データがリレーショナル データ ストアにコピーされます。
Esri 提供の CloudFormation テンプレートを使用して ArcGIS Enterprise を配置すると、タイル キャッシュ データ ストアも作成されます。これにより、ホスト シーン レイヤーをポータルに公開できるようになり、データがタイル キャッシュ データ ストアにコピーされます。
さらに、マップおよびフィーチャ サービスを公開するときに、データを ArcGIS Server サイトにコピーするように選択することもできます。
クラウドに移動したデータの読み込み
必要に応じて、AWS の配置内の egdb または geodata ジオデータベース、または AWS にユーザー自身が作成したジオデータベースに、データを物理的に移動することもできます。
最初に、データを Amazon Web Services に移動する必要があります。ソース データを AWS に移動した後、ArcGIS Desktop がインストールされているインスタンスにログインし、AWS のソース データとジオデータベースに接続して、データをジオデータベースに読み込みます。
ArcGIS Desktop クライアントでは、次の操作を行うことができます。
- Amazon Web Services に転送したソース ファイル (ファイル ジオデータベースなど) からデータをコピーして、AWS のエンタープライズ ジオデータベースにそのデータを貼り付けます。詳細については、ArcMap ヘルプの「ジオデータベースへのフィーチャ データセット、フィーチャクラス、テーブルのコピー」をご参照ください。
- 空のフィーチャクラスまたはテーブルを作成し、シンプル データ ローダーまたはオブジェクト ローダー ウィザードを使用してデータを追加します。2 つのウィザードの詳細については、ArcMap ヘルプの「既存のフィーチャクラスとテーブルへのデータの読み込みについて」をご参照ください。
- 空のフィーチャクラスまたはテーブルを作成し、アマゾン ウェブ サービスにアップロードしたソース XML レコード セット ドキュメントを使用して、データをフィーチャクラスまたはテーブルに読み込みます。
- ジオプロセシング ツールを使用して、Amazon Web Services に移動したソース シェープファイル、カバレッジ、フィーチャクラス、テーブル、ラスター、または XML ワークスペース ドキュメントをインポートします。詳細については、「データのインポートの概要」をご参照ください。
- 別の ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンスから移動したワークグループ ジオデータベースをアタッチします。
バックアップ ファイルを介して、または SQL Server の場合はデータベース ファイルそのものを介して、データベースを転送することもできます。AWS の ArcGIS Server (エンタープライズ) サイトに含まれる PostgreSQL または SQL Server データベース管理システムを格納した AWS インスタンスにファイルを移動し、SQL クライアントを介してそのデータベース管理システムに接続して、PostgreSQL の既存のジオデータベースから PostgreSQL データベース クラスターにダンプ ファイルを復元するか、別の SQL Server インスタンスからデタッチした AWS 上の SQL Server にデータベースをアタッチする必要があります。
Amazon Web Services インスタンスにファイルやその他のソース データを転送する方法については、「Amazon へのデータの転送方法」をご参照ください。