Oracle データベース内のデータに (データベースがジオデータベースを含むかどうかにかかわりなく) アクセスする ArcGIS Server Web サービスを公開するには、ArcGIS Server サイトがデータベースに接続する必要があります。接続を構成するには、次の手順に従います。
- ArcGIS Server コンピューターと Oracle クライアント コンピューター上に ArcGIS Desktop クライアント ソフトウェアをインストールします。
- ArcGIS Server コンピューター上で変数を設定します。
- データベースに接続します。
- 権限を付与します。
- ArcGIS Server サイトに接続ファイルを登録します。
Oracle クライアント ソフトウェアのインストール
データベースに接続するすべての ArcGIS クライアント コンピューターに Oracle クライアント ソフトウェアをインストールする必要があります。Oracle クライアント ソフトウェアのインストールと構成の手順については、「ArcGIS から Oracle への接続」をご参照ください。ArcGIS クライアントが動作するコンピューター上にソフトウェアをインストールする権限がない場合は、IT 部門に Oracle クライアントをインストールして構成してもらう必要があります。
次の表を使用して、サイトに適した構成を判断してください。
インストールの組み合わせ | 使用する構成 |
---|---|
ArcGIS Server (単一コンピューターのサイト) および Oracle は同じサーバーにインストールされます。ArcGIS Desktop は別のコンピューターにインストールされます。 | すべての ArcMap コンピューターに 32 ビット Oracle クライアントをインストールし、PATH 変数を Oracle クライアント ホーム ディレクトリに設定します。 すべての ArcGIS Pro コンピューターに 64 ビット Oracle クライアントをインストールし、PATH 変数を Oracle クライアント ホーム ディレクトリに設定します。 接続するファイルは Oracle DBMS と共にインストールされているため、Oracle クライアントをサーバーにインストールする必要はありません。LD_LIBRARY_PATH (Linux サーバー) または PATH (Windows サーバー) システム変数が Oracle ホーム ディレクトリに設定されていることを確認してください。 Oracle クライアントに tnsname を設定する場合は、ArcGIS Server、ArcMap、ArcGIS Pro の各コンピューターで同じ名前を使用する必要があります。 |
ArcGIS Server は、DBMS とは別の 1 台以上のコンピューターにインストールされます。ArcGIS Desktop は、Oracle および ArcGIS Server のどちらとも異なるコンピューター上にインストールされます。 | すべての ArcMap コンピューターに 32 ビット Oracle クライアントをインストールし、PATH 変数を Oracle クライアント ホーム ディレクトリに設定します。 すべての ArcGIS Pro コンピューターに 64 ビット Oracle クライアントをインストールし、PATH 変数を Oracle クライアント ホーム ディレクトリに設定します。 すべての ArcGIS Server コンピューターに 64 ビット Oracle クライアントをインストールし、PATH (Windows) または LD_LIBRARY_PATH (Linux) システム変数が Oracle クライアント ホーム ディレクトリに設定されていることを確認します。 Oracle クライアントに tnsname を設定する場合は、ArcGIS Server、ArcMap、ArcGIS Pro の各コンピューターで同じ名前を使用する必要があります。 |
ArcGIS Server および ArcMap は同じサーバーにインストールされます。Oracle は別のサーバーにインストールされます。 | 64 ビットと 32 ビットの Oracle クライアントを両方とも、ArcGIS Server と ArcMap がインストールされているコンピューターにインストールする必要があります。 64 ビット Oracle クライアント ホーム ディレクトリが最初に表示されるように、PATH 変数を設定します。 ArcGIS Server サイトに別のサーバーが含まれる場合は、サイト内の各サーバーに 64 ビット Oracle クライアントをインストールし、PATH 変数を Oracle クライアント ホーム ディレクトリに設定します。 |
ArcGIS Server および ArcGIS Pro は同じサーバーにインストールされます。Oracle は別のサーバーにインストールされます。 | 64 ビット Oracle クライアントをすべての ArcGIS Server コンピューターにインストールします。ArcGIS Server と ArcGIS Pro はいずれも、このクライアントを使用します。 PATH システム変数を Oracle クライアント ホーム ディレクトリに設定します。 |
ArcGIS Server、ArcMap、および Oracle はすべて、1 台のコンピューターにインストールされます。 | ArcMap がデータベースに接続できるように、32 ビット Oracle クライアントをインストールします。 ArcGIS Server は、Oracle DBMS とともにインストールされた 64 ビット クライアント ファイルを使用して接続します。 64 ビット Oracle ホーム ディレクトリが PATH システム変数の中で最初に表示されることを確認してください。 ArcGIS Server サイトに別のサーバーが含まれる場合は、サイト内の各サーバーに 64 ビット Oracle クライアントをインストールし、PATH 変数を Oracle クライアント ホーム ディレクトリに設定します。 |
ArcGIS Server、ArcGIS Pro、および Oracle はすべて、1 台のコンピューターにインストールされます。 | ArcGIS Server と ArcGIS Pro は、Oracle DBMS とともにインストールされた 64 ビット クライアント ファイルを使用して接続します。 PATH 変数を Oracle クライアント ホーム ディレクトリに設定します。 ArcGIS Server サイトに別のサーバーが含まれる場合は、サイト内の各サーバーに 64 ビット Oracle クライアントをインストールし、PATH 変数を Oracle クライアント ホーム ディレクトリに設定します。 |
変数の設定
ArcGIS Server (Linux) から接続するときに Oracle クライアント ライブラリを参照するように、ArcGIS Server の init_user_param.sh スクリプトにいくつかの変数を設定する必要があります。設定すべき変数は、インストールする Oracle クライアントのタイプと、その構成方法によって変わります。
詳細については、「ArcGIS Server のデータベース接続の構成」をご参照ください。
Oracle への接続
Oracle データベースを ArcGIS Server サイトに登録するには、以下の情報が必要です。
- 接続する DBMS のタイプ (この場合は Oracle)
- 有効な Oracle 接続文字列
Oracle サーバーおよびクライアントが Easy Connect (簡易接続) を使用するように設定されている場合は、有効な簡易接続文字列を指定できます。この接続タイプの例は、「ArcGIS Pro でのデータベース接続」および「ArcMap でのデータベース接続」に示されています。または、Oracle tnsname を指定することができます。接続のタイプと構文の完全なリストについては、Oracle のドキュメントをご参照ください。
- 使用する認証の種類: データベースまたはオペレーティング システム
データベース認証を使用する場合は、有効なデータベース ユーザー名とパスワードを指定する必要があります。この情報は接続ファイルとともに保存します。
オペレーティング システム認証を使用する場合は、ArcGIS Server アカウントにドメイン アカウントを使用し、それを Oracle データベースに追加します。ArcGIS Server はこのアカウントを使用して、データベースに接続します。
権限の付与
データベースへの接続に使用するデータベース ユーザー、ロール、ArcGIS Server アカウント (オペレーティング システム認証を使用している場合) に対して、公開されるデータにアクセスするためのデータベースの権限を付与する必要があります。付与する権限とその前提となる条件は次のとおりです。
権限 | 理由 |
---|---|
CREATE SESSION | データベースへの接続に必要。 |
CREATE TABLE | 選択セットが存在すると、ログ ファイル テーブルがジオデータベースに作成されます。ArcGIS 10.7 では、この権限を付与しなくてもよいように、ログ ファイルの設定を変えることができます。10.7.1 以降では、ユーザーにこの権限がない場合、sde ユーザーのスキーマにログ ファイル テーブルが作成されます。詳細については、「Oracle のジオデータベースのログ ファイル テーブル オプション」をご参照ください。 |
公開されるデータセットに対する SELECT 権限 | 公開されるデータセットに対する SELECT 以上の権限をユーザーまたは ArcGIS アカウントに付与します。 |
編集可能なフィーチャ サービスに公開されるデータに対する INSERT、UPDATE、または DELETE 権限 | フィーチャ サービスを使用してデータを編集するには、データセットを編集できる十分な権限を付与する必要があります。 |
スタンドアロンまたはフェデレートされた ArcGIS Server サイトの管理データベースとしてジオデータベースを登録する場合、接続するアカウントは、ジオデータベースのデータを作成する権限を持っている必要があります。詳細については、「Oracle でのジオデータベースの権限」または「ArcGIS で Oracle データベースを使用するための権限」をご参照ください。
上記の最初の 2 つの権限はデータベース管理者が付与する必要があります。データがジオデータベース内にある場合、データの所有者はデータセットに対する必要な権限を付与する必要があります。データがデータベース内にある場合は、データの所有者が ArcGIS のデータセットに対する権限を付与するか、データベース管理者がデータベース ツールを使用して必要な権限を付与できます。
ArcGIS Server への登録
データベースは、ArcGIS Server Manager、ArcGIS Pro の [登録済みデータ ストアの管理] ウィンドウ、または ArcMap のカタログ ツリーから登録できます。10.7.1 以降では、データ ストア アイテムを ArcGIS Enterprise ポータルに追加することで、フェデレーション サーバーにデータベースを登録できます。この場合、ArcGIS Server サイトとポータルではいずれも 10.7.1 リリースが実行されている必要があります。
登録オプションの説明とデータベースの登録方法については、次のトピックをご参照ください。