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ArcGIS Server のサイレント インストール

次の手順は、1 台のコンピューターに ArcGIS Server をサイレント インストールするプロセスを説明しています。 ArcGIS Server のサイレント インストールを実行する場合、インストール プロセス中に X ディスプレイやユーザーの操作は不要です。 ArcGIS Server を複数のコンピューターにインストールする場合は、「ArcGIS Server の複数のコンピューターへのインストール」の手順に従ってください。

メモ:

10.8.1 へのアップグレードですか? 詳細については、「アップグレードに関するよくあるご質問」をご参照ください。

ArcGIS Server をインストールするための準備

ArcGIS Server のインストール プロセスを開始する前に、次の手順を実行します。

  1. ArcGIS Server のインストール先とするコンピューターの認証ファイルを取得します。
  2. サイトがシステム要件を満たしていることを確認します。
  3. ユーザーが ArcGIS Server インストール ディレクトリに対するすべての権限を持っていることを確認します。ArcGIS Server のインストールに使用したユーザー アカウントが、ソフトウェアの実行に使用するアカウントになります。グループ ユーザーとその他すべてのユーザーは、少なくとも ArcGIS Server インストール ディレクトリの実行アクセス権限を持っている必要があります。root アカウントを使用した ArcGIS Server のインストールはサポートされていません。詳細については、「ArcGIS Server アカウント」をご参照ください。
  4. ArcGIS Server tar ファイルを圧縮解除したディレクトリに移動するか、または、ArcGIS Serverメディアを適切なドライブに挿入し、[セットアップ] を選択して、セットアップ プログラムを起動します。
メモ:

共有ネットワーク ディレクトリ (NFS マウントされたフォルダー) には、ArcGIS Server をインストールできません。ディレクトリは、ターゲット システムのローカルに配置されている必要があります。

ArcGIS Server をサインレント インストールする方法

次の手順は、コマンドラインから ArcGIS Server をサイレント インストールする方法について説明しています。 セットアップ ユーザー インターフェイスから ArcGIS Server をインストールする手順については、「1 台のコンピューター上での ArcGIS Server のインストール」をご参照ください。

ヒント:

選択するインストール モードによって、デフォルトのアンインストール モードが決定されます。 たとえば、コマンド ラインからサイレント インストールすると、アンインストール時のデフォルトのモードはコマンド ラインからのサイレント アンインストールに設定されます。

  1. インストールを開始する前に、<installation media root or untar directory>/Documentation/EULA.pdf にある使用許諾契約書を読んで、条件に同意する必要があります。
  2. セットアップをサイレント実行し、認証ファイル (.ecp) またはプロビジョニング ファイル (.prvc) を使用して認証します。 下記のサンプル構文をご参照ください。

    .<installation media root or untar directory>/Setup -m silent -l yes -a <fullpath to .ecp or .prvc file>

    使用法: セットアップ [オプション]

    オプション説明

    -m; --mode MODE

    オプション。 デフォルトで GUI に設定されます。

    MODE は silent、console、または GUI のいずれかです。

    -l; --license-agreement CHOICE

    サイレント モードに必要です。 CHOICE は Yes または No です。Yes は、Esri マスター契約 (E204、E300) を読み、同意したことを意味します。 https://www.esri.com/legal/licensing-translations にアクセスして契約書をお読みください。

    -a; --authorization-file FULL_PATH_TO_AUTHORIZATION_FILE または FULL_PATH_TO_PROVISIONING_FILE

    オプション。 このオプションを使用しない場合は、インストール後にソフトウェアを認証する必要があります。

    FULL_PATH_TO_AUTHORIZATION_FILE は Esri により提供された認証ファイル (.ecp) への絶対パス (フル パス) です。

    FULL_PATH_TO_PROVISIONING_FILE は Esri により提供されたプロビジョニング ファイル (.prvc) への絶対パス (フル パス) です。

    -d; --directory DIRECTORY

    オプション。 デフォルトでは、ArcGIS Server は $HOME ディレクトリにインストールされます。 DIRECTORY には、別のインストール ディレクトリを指定します。

    パス /arcgis/server/ はインストール ディレクトリに追加されます。

    インストール ディレクトリ名は小文字でなければなりません。 インストールに付属のサンプルやデータのデータ パスは小文字でなければなりません。

    -v; --verbose

    インストーラーは冗長モードで実行されます。

    -h; --help

    コマンド ライン ヘルプを表示して、終了します。

    -e; --examples

    これらのオプションの使用例を表示し、終了します。

    メモ:

    ArcGIS Server をインストールした後、認証ツールをサイレントで起動することもできます。 使用可能なパラメーターの詳細なリストについては、下記のように help パラメーターを使用して認証スクリプトを実行します (デフォルトのインストール場所に基づいています)。

    ${HOME}/arcgis/server/tools/authorizeSoftware --help

    認証ツールの詳細については、以下の「ArcGIS Server のサイレント認証」をご参照ください。

  3. インストールが完了したら、インストール ステータス メッセージが表示されます。 インストールが正常に終了したら、Mozilla Firefox またはサポートされている Web ブラウザーから https://<server name>:6443/arcgis/manager を参照することで ArcGIS Server Manager にアクセスすることができます。 詳細については、ArcGIS Server ヘルプをご参照ください。

    10.6 では、ArcGIS Server がインストールされたら、createsite コマンド ライン ユーティリティを使用して、新しい ArcGIS Server サイトを作成することもできます。

  4. オペレーティング システムから起動するように ArcGIS Server を構成します
  5. 運用のためのサイトを準備している場合は、ArcGIS Web Adaptor をインストールしてください。ArcGIS Web Adaptor は、組織の Web サーバーと ArcGIS Server サイト間のリンクを提供します。これにより、受信したリクエストに対して使用するポート、アドレス、認証設定を選択できます。また、外部のユーザーによる Server Manager と Administrator Directory へのアクセスを防ぎます。詳細については、「ArcGIS Web Adaptor について」をご参照ください。
  6. サービスの公開作業の大半は ArcGIS Desktop で行われます。マップ、グローブ、ジオデータベースなどの作成もここで行います。ArcGIS Desktop から直接サービスを公開するには、ArcCatalog、または ArcMap のカタログ ウィンドウを使用して、サーバーへの接続を定義します。接続を定義すると、接続情報がコンピューターに保存され、サービスを公開するときにいつでも参照できるようになります。管理者権限で接続を確立すると、ArcGIS Desktop からいくつかのサーバー管理機能も実行できるようになります。手順については、「ArcGIS Desktop から ArcGIS Server への接続」をご参照ください。
  7. ArcGIS Server が、サービスで参照するすべてのデータにアクセスできることを確認します。詳細については、「データを ArcGIS Server でアクセス可能にする」をご参照ください。
  8. サーバーへの接続が確立されたら、GIS リソースをサービスとして公開する作業に取りかかることができます。サービスを追加するには、「サービスを公開する方法」の手順に従います。
  9. GIS サーバーにサービスを追加した後は、そのサービスを多くの種類のアプリケーションで利用することができます。これには、ArcGIS Web API および Native SDK で作成したアプリケーションや、テンプレートおよびアプリケーション ビルダーが含まれます。あるいは、ArcGIS Explorer、ArcMap、または ArcGlobe などのデスクトップ ベースのアプリケーションでサービスを表示することができます。iPhone、Android デバイス、および Windows Phone のようなモバイル デバイスでも GIS サービスを使用できます。初めて利用する場合は、「Web GIS アプリケーションの作成について」をご参照ください。

ArcGIS Server のサイレント認証

ArcGIS Server をインストールした後、認証ツールをサイレントで起動することもできます。 使用可能なパラメーターの詳細なリストについては、下記のように help パラメーターを使用して認証スクリプトを実行します (デフォルトのインストール場所に基づいています)。

${HOME}/arcgis/server/tools/authorizeSoftware --help

[使用法:] authorizeSoftware [オプション]

オプション説明

none

ソフトウェア認証ウィザードの GUI を実行します。

-s

認証ステータスを表示します。

-f FULL_PATH_TO_ECP_AUTHORIZATION_FILE

.ecp 認証ファイルを使用して認証します。

FULL_PATH_TO_ECP_AUTHORIZATION_FILE は Esri により提供された認証ファイル (.ecp) への絶対パス (フル パス) です。

-f FULL_PATH_TO_PROVISIONING_FILE -e EMAIL_ADDRESS

プロビジョニング ファイルを使用して認証します。 電子メール アドレスが必要です。

FULL_PATH_TO_PROVISIONING_FILE は Esri により提供されたプロビジョニング ファイル (.prvc) への絶対パス (フル パス) です。

プロビジョニング ファイルを使用して認証するには、EMAIL_ADDRESS が必要です。

-f FULL_PATH_TO_PROVISIONING_FILE -e EMAIL_ADDRESS -o AUTHORIZATION_FILE_OUTPUT

Esri の Web サイトにアップロードするか電子メールで送信する認証ファイルを生成します。 完了したら、取得した .ecp 認証ファイルを使用してこのツールをもう一度実行し、この製品の認証プロセスを完了します。

FULL_PATH_TO_PROVISIONING_FILE は Esri により提供されたプロビジョニング ファイル (.prvc) への絶対パス (フル パス) です。

プロビジョニング ファイルを使用して認証するには、EMAIL_ADDRESS が必要です。

AUTHORIZATION_FILE_OUTPUT は生成される出力ファイルです。このファイルを Esri カスタマー サービスの Web サイト (https://service.esri.com/drm) に送信するか、電子メールで authorize@esri.com に送信する必要があります。

詳細については、「表示セットのない (ヘッドレス) オフラインのネットワーク環境における認証」をご参照ください。

-h;

コマンド ライン ヘルプを表示して、終了します。

表示セットのない (ヘッドレス) オフラインのネットワーク環境における認証

プロビジョニング ファイル (.prvc) を使用すると、表示セットのない (ヘッドレス) オフラインのネットワーク環境でも ArcGIS Server をインストールして認証できます。 これは、2 つのステップで完了します。

  1. ArcGIS Server のインストールが完了したら、プロンプトから以下に示した認証コマンドを実行します。

    <ArcGIS Server installation directory>/tools/authorizeSoftware -f <full path to the .prvc file>  -e <email address> -o <full path to authorization file output>

    認証情報ファイルの出力が作成されたら、次のいずれかを実行します。

    • Esri カスタマー サービスの Web サイト (https://service.esri.com/drm) を参照します。 画面上の指示に従って、認証情報ファイルをアップロードしてから、.ecp 認証ファイルをダウンロードします。
    • 認証情報ファイルを電子メールで authorize@esri.com に送信します。Esri から .ecp 認証ファイルが返信されます。
  2. 上記のいずれかの方法を使用して .ecp 認証ファイルを取得したら、authorizeSoftware スクリプトをもう一度実行してファイルを処理し、サーバーの認証プロセスを完了します。

    <ArcGIS Server installation directory>/tools/authorizeSoftware -f <full path to the .ecp file>

createsite コマンド ライン ユーティリティを使用した ArcGIS Server サイトの作成

10.6 以降では、ArcGIS Server がインストールされたら、createsite コマンド ライン ユーティリティを使用して、新しい ArcGIS Server サイトを作成できます。 createsite ユーティリティの使用に関して利用可能な 2 つのオプションは、次のとおりです。

  • コマンド プロンプトから管理者として createsite ユーティリティを実行し、ユーザー名、パスワード、構成ストア、およびディレクトリ パラメーターを指定します。
  • 指定したパラメーターを含む createsite.properties ファイルを指定します。

createsite コマンド ライン ユーティリティを使用するには、以下のように createsite.sh スクリプトに -h または -help を付けて実行します。

<ArcGIS Server Installation Directory>/tools/createsite/createsite.sh -help

ユーティリティでの使用例: createsite.sh [-u <arg>] [-p <arg>] [-d <arg>] [-c <arg>]

ファイルを使用した使用例: createsite.sh [-f <FILE>]

オプション説明

-u; --username

プライマリ サイト管理者のユーザー名。

ユーザー名に次の文字を含めることはできません: \/:*?|<>"

-p; --password

プライマリ サイト管理者のパスワード。

パスワードに次の文字を含めることはできません: \/:*?|<>"

-d; --directory

ルート サーバー ディレクトリ。

デフォルトでは、サーバー ディレクトリはこの場所にローカルに作成されます。

<ArcGIS Server Installation Directory/usr/directories>

-c; --configstore

ArcGIS Server サイトの構成ストア。

デフォルトでは、構成ストアはこの場所にローカルに作成されます。

<ArcGIS Server Installation Directory/usr/config-store>

-f; --file

createsite ユーティリティのプロパティ ファイル。

デフォルトでは、createsite.properties ファイルは次の場所にあります。

<ArcGIS Server Installation Directory>/tools/createsite

-h; --help

コマンド ライン ヘルプを表示して、終了します。

次に、createsite.properties ファイルの例を示します。

#
# Configuration properties for Server site creation
#
# User name for primary site administrator.
# Cannot contain these characters: \/:*?<>"
SERVER_ADMIN_USERNAME = 

# Password for primary site administrator.
# Cannot contain these characters: \/:*?<>"
SERVER_ADMIN_PASSWORD = 

# Initially, leave SERVER_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTED set to false.
# When you run the tool the first time, the password will be
# encrypted and SERVER_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTED will change to true.
SERVER_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTED = false

# Root server directory. By default, the server directories will be created locally, 
# e.g./<ArcGIS Server installation directory>/usr/directories
SERVER_DIRECTORIES_PATH = 

# Configuration store for the ArcGIS Server site. By default, the configuration store will be created locally, 
# e.g./<ArcGIS Server installation directory>/usr/config-store
SERVER_CONFIGSTORE_PATH = 

ツールが終了する前に ArcGIS Server サイトが正常に作成されたというメッセージが表示されます。

ポストインストール構成

ArcGIS Server をオペレーティング システムで起動する場合は、お使いのオペレーティング システムに固有の手順に従います。

systemd をサポートするオペレーティング システム

プロセスをブートストラップして管理するための systemd の使用をユーザーのオペレーティング システムがサポートしている場合 (Red Hat Enterprise Linux (RHEL) Server 7.x を使用している場合など)、次の手順に従って、オペレーティング システムから起動するように ArcGIS Server を構成します。

  1. コマンド シェルの中で、root ユーザーに切り替えます。
  2. <ArcGIS Server installation directory>/framework/etc/scripts/arcgisserver.service unit file/etc/systemd/system. にコピーします。/etc/systemd/system/arcgisserver.service のファイルの権限を 700 から 600 に変更します。

    このファイルは、ArcGIS Server 10.8.1 とともにインストールされます。

  3. 引き続き root ユーザーとして、次のコマンドを実行し、/etc/systemd/system/multi-user.target.wants にリンクを自動的に作成します。
    # systemctl enable arcgisserver.service
  4. systemd サービスが適切に構成されたことを確認するために、サービスを再起動してステータスを確認します。
    # systemctl stop arcgisserver.service
    # systemctl start arcgisserver.service
    # systemctl status arcgisserver.service
  5. root ユーザー セッションを終了します。
  6. オペレーティング システムを再起動し、ArcGIS Server が正しく起動することを確認します。
メモ:

systemd v228 以降を含む Linux コンピューター上に ArcGIS Server をインストールする場合は、ArcGIS Server コンピューターの使用負荷が高いときの systemd 制限を有効にして、最大 512 スレッドに引き上げる必要があるかもしれません。 (たとえば、SUSE Linux Enterprise Server (SLES) 12 SP2 には systemd v228 が含まれています)。systemd を最大 512 スレッドに設定すると、1 つのサービスが過剰なスレッドを生成したり、すべてのサーバー リソースを消費したりするのを防ぐことができます。

この制限を有効化して引き上げるには、root ユーザーが arcgisserver.service ユニット ファイルを /etc/systemd/system ディレクトリに配置する前に、次の行のコメントを解除して編集します。

# TasksMax=512

SysV をサポートするオペレーティング システム

プロセスをブートストラップして管理するための SysV の使用をオペレーティング システムがサポートしている場合、次の手順に従って、オペレーティング システムで起動する ArcGIS Server を構成します。

  1. コマンド シェルの中で、root ユーザーに切り替えます。
  2. <ArcGIS Server installation directory>/framework/etc/scripts/arcgisserver シェル スクリプトを、サポートされている Linux ディストリビューションに応じて、次のうちの該当する場所にコピーします。
    • RHEL Server: /etc/rc.d/init.d/
    • SLES: /etc/init.d/
  3. 適切な init.d フォルダーにディレクトリを変更し、arcgisserver スクリプトを確認して、root ユーザーが少なくとも読み取りおよび実行権限を持っていることを確認します。
  4. 次のように arcgisserver スクリプトを編集します。
    1. agshome 変数を ArcGIS Server のインストール ディレクトリに更新します (例: /home/username/arcgis/server)。

    2. RHEL Server の場合のみ、以下のように # Description: ArcGIS Server Service のすぐ前に追加します。

      # chkconfig: 35 99 01

    3. 編集を arcgisserver スクリプトに保存します。

  5. 引き続きルート ユーザーとして、次のコマンドを実行し、適切な実行レベルを使用して /etc/rc*.d にリンクを自動的に作成します。
    • RHEL Server:
      $ chkconfig --add arcgisserver
      $ chkconfig arcgisserver on
    • SLES:
      $ insserv arcgisserver
      $ chkconfig arcgisserver on
  6. root ユーザー セッションを終了します。
  7. オペレーティング システムを再起動し、ArcGIS Server が正しく起動することを確認します。