Amazon Web Services (AWS) 上の ArcGIS Data Store ビッグ データ ストアをアップグレードするには、手動のアップグレード手順を実行するか、10.8 または 10.8.1 の Esri Amazon Web Services CloudFormation テンプレートを使用してデプロイメントを作成した場合は Chef スクリプトを使用してアップグレードできます。
アップグレードする前に
使用するアップグレード方法にかかわらず、配置をアップグレードする前に次の情報を確認します。
- データ ストアのバックアップを作成します。 ArcGIS Data Store とともにインストールされる upgradedatastore ユーティリティを使用できます。 手順については、「データ ストアのバックアップの管理」をご参照ください。
- アップグレードする前に、新しいバージョンの ArcGIS Enterprise Amazon Machine Images (AMI) の AWS Marketplace の利用条件に同意します。
- ビッグ データ ストアをアップグレードする前に、そのビッグ データ ストアを登録した ArcGIS GIS Server サイト (ホスティング サーバー) をアップグレードする必要があります。 ビッグ データ ストアが単一コンピューターの ArcGIS Enterprise デプロイメントまたは 2 台のコンピューターを使用する高可用性 ArcGIS Enterprise デプロイメントに登録されている場合、ビッグ データ ストアをアップグレードする前に、その基礎デプロイメントをアップグレードする必要があります。
- データ ストアをアップグレードする前に、ビッグ データ ストアの Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) インスタンスを AWS 自動スケーリング グループ (そのグループに含まれている場合) から削除する必要があります。 アップグレード後にデータ ストアのインスタンスを自動スケーリング グループに戻すことはできません。 このため、必要に応じてデータ ストアに手動でインスタンスを追加、または削除する必要があり、Esri から提供された Amazon Web Services CloudFormation テンプレートを使用して作成されたラムダ関数でこれらのインスタンスを停止および開始することはできません。
手動アップグレード手順によるアップグレード
AWS 上のビッグ データ ストアの手動アップグレード手順は、オンプレミスのアップグレードとほぼ同じです。 AWS での相違点は、ビッグ データ ストアの Amazon Elastic Compute Cloud インスタンスが AWS 自動スケーリング グループにデプロイされている場合、アップグレード前に自動スケーリング グループから削除する必要があることです。
ArcGIS Data Store をアップグレードする前に、以下の手順に従って、すべてのビッグ データ ストアの EC2 インスタンスを自動スケーリング グループから削除します。
- AWS Management Console にサイン インして、ビッグ データ ストア スタックに関連付けられている自動スケーリング グループを見つけます。
自動スケーリング グループには、CloudFormation スタックの名前が含まれています。 また、グループのインスタンス管理を開き、ビッグ データ ストアに参加しているグループの EC2 インスタンスを確認することもできます。
- スタックの自動スケーリング グループで、最小容量と最大容量のプロパティを 0 に変更します。
- すべての EC2 インスタンスを自動スケーリング グループから削除します。
- 自動スケーリング グループの要求容量プロパティを 0 に変更します。
すべての EC2 インスタンスを削除したら、データ ストアのアップグレード後に誰かがインスタンスを再度追加することを防ぐため、自動スケーリング グループを削除します。
その後で、ビッグ データ ストアのアップグレードに進むことができます。 アップグレードの前提条件と手順については、「ArcGIS Data Store インストール ガイド」をご参照ください。
Chef スクリプトによるアップグレード
デプロイメントのアップグレード手順は、Microsoft Windows と Ubuntu で異なります。 デプロイメントに使用しているオペレーティング システムに応じた手順に従ってください。
Windows 上のビッグ データ ストアのアップグレード
アップグレード スクリプトを実行する前に、EC2 インスタンスを AWS 自動スケーリング グループから削除します。 次に、Chef クライアントをすべての EC2 インスタンスにダウンロードし、スクリプトを実行して ArcGIS Data Store をインストールします。 最後に、EC2 インスタンスの 1 つでアップグレード スクリプトを実行します。
自動スケーリング グループ設定の調整
これらの手順に従い、すべての EC2 インスタンスを自動スケーリング グループから削除します。
- AWS Management Console にサイン インして、ビッグ データ ストア スタックに関連付けられている自動スケーリング グループを見つけます。
自動スケーリング グループには、CloudFormation スタックの名前が含まれています。 また、グループのインスタンス管理を開き、ビッグ データ ストアに参加しているグループの EC2 インスタンスを確認することもできます。
- スタックの自動スケーリング グループで、最小容量と最大容量のプロパティを 0 に変更します。
- すべての EC2 インスタンスを自動スケーリング グループから削除します。
- 自動スケーリング グループの要求容量プロパティを 0 に変更します。
すべての EC2 インスタンスを削除したら、データ ストアのアップグレード後に誰かがインスタンスを再度追加することを防ぐため、自動スケーリング グループを削除します。
Chef クライアントと ArcGIS Data Store を、1 つを除くすべての EC2 インスタンスにダウンロードします
ビッグ データ ストアの EC2 インスタンスのうち、1 つを除くすべてにログインし、Chef クライアントをインストールして、ArcGIS Data Store の最新バージョンをインストールします。
- ビッグ データ ストアの最初の EC2 インスタンスへのリモート デスクトップ接続を作成します。
- Chef または Cinc クライアント 15 をダウンロードしてインストールします。 古いバージョンの Chef がインストールされている場合、バージョン 15 に更新します。
- ArcGIS Data Store 10.9 インストール ファイル ( ArcGIS_DataStore_Windows_109_177788.exe) を My Esri の自分のアカウントからダウンロードし、EC2 インスタンスのフォルダーにアップロードします。
- ArcGIS Cookbook バージョン 3.7.0 (arcgis-3.7.0-cookbooks.zip) を EC2 インスタンスにダウンロードし、ファイルを展開して、内容を C:\chef フォルダーに置きます。
- 次のフォルダーを削除します。
- C:\chef\nodes
- C:\Users\Administrator\.chef\local-mode-cache
- 元の C:\chef\node.json ファイルのコピーを作成し、名前を upgr-bds-node-step2.json に変更します。
- テキスト エディターで upgr-bds-node-step2.json ファイルを開き、次のパラメーターを変更します:
- ArcGIS のバージョンを 10.9 に設定します。
"arcgis" : { "version": "10.9",
- ArcGIS アーカイブ リポジトリを、EC2 インスタンスでソフトウェア ファイルを置いたフォルダーに設定します。
"arcgis" : { "repository": { "archives": "<drive>\\<folder>"
- private_url パラメーターの名前を url に変更します。
"arcgis" : { "server": { "url":
- 実行リストを、次の要素を使用するように変更します。
"recipe[arcgis-enterprise::install_datastore]"
- ArcGIS のバージョンを 10.9 に設定します。
- upgr-bds-node-step2.json ファイルを保存して閉じます。
- 管理者としてコマンド ライン ウィンドウを開き、ディレクトリを C:\chef に変更して、次のコマンドを実行します: chef-client -z -j c:\chef\upgr-bds-node-step2.json
- ビッグ データ ストアに 2 つより多い EC2 インスタンスが存在する場合、次の EC2 インスタンスへのリモート デスクトップ接続を作成し、手順 2 から 9 までを繰り返します。 アップグレードするインスタンスが残り 1 つだけになったら、次のセクションに進みます。
Chef クライアントと ArcGIS Data Store を残りの EC2 にダウンロードし、アップグレード スクリプトを実行します
次に、Chef クライアントと、ArcGIS Data Store の最新バージョンを、最後のビッグ データ ストア インスタンスにインストールして、そのインスタンスからアップグレードを実行します。
- アップグレードされていないビッグ データ ストアの残りの EC2 インスタンスへのリモート デスクトップ接続を作成します。
- Chef または Cinc クライアント 15 をダウンロードしてインストールします。 古いバージョンの Chef がインストールされている場合、バージョン 15 に更新します。
- ArcGIS Data Store 10.9 インストール ファイル ( ArcGIS_DataStore_Windows_109_177788.exe) を My Esri の自分のアカウントからダウンロードし、EC2 インスタンスのフォルダーにアップロードします。
- ArcGIS Cookbook バージョン 3.7.0 (arcgis-3.7.0-cookbooks.zip) を EC2 インスタンスにダウンロードし、ファイルを展開して、内容を C:\chef フォルダーに置きます。
- 次のフォルダーを削除します。
- C:\chef\nodes
- C:\Users\Administrator\.chef\local-mode-cache
- 元の C:\chef\node.json ファイルのコピーを作成し、名前を upgr-bds-node-step3.json に変更します。
- テキスト エディターで upgr-bds-node-step3.json ファイルを開き、次のパラメーターを変更します:
- ArcGIS のバージョンを 10.9 に設定します。
"arcgis" : { "version": "10.9",
- ArcGIS アーカイブ リポジトリを、EC2 インスタンスでソフトウェア ファイルを置いたフォルダーに設定します。
"arcgis" : { "repository": { "archives": "<drive>\\<folder>"
- private_url パラメーターの名前を url に変更します。
"arcgis" : { "server": { "url":
- 実行リストを、次の要素を使用するように変更します:
"recipe[arcgis-enterprise::datastore]"
- ArcGIS のバージョンを 10.9 に設定します。
- upgr-bds-node-step3.json ファイルを保存して閉じます。
- 管理者としてコマンド ライン ウィンドウを開き、ディレクトリを C:\chef に変更して、次のコマンドを実行します: chef-client -z -j c:\chef\upgr-bds-node-step3.json
ビッグ データ ストアがアップグレードされます。
Ubuntu 上のビッグ データ ストアのアップグレード
アップグレード スクリプトを実行する前に、EC2 インスタンスを AWS 自動スケーリング グループから削除します。 次に、Chef クライアントをすべての EC2 インスタンスにダウンロードし、スクリプトを実行して ArcGIS Data Store をインストールします。 最後に、EC2 インスタンスの 1 つでアップグレード スクリプトを実行します。
自動スケーリング グループ設定の調整
これらの手順に従い、すべての EC2 インスタンスを自動スケーリング グループから削除します。
- AWS Management Console にサイン インして、ビッグ データ ストア スタックに関連付けられている自動スケーリング グループを見つけます。
自動スケーリング グループには、CloudFormation スタックの名前が含まれています。 また、グループのインスタンス管理を開き、ビッグ データ ストアに参加しているグループの EC2 インスタンスを確認することもできます。
- スタックの自動スケーリング グループで、最小容量と最大容量のプロパティを 0 に変更します。
- すべての EC2 インスタンスを自動スケーリング グループから削除します。
- 自動スケーリング グループの要求容量プロパティを 0 に変更します。
すべての EC2 インスタンスを削除したら、データ ストアのアップグレード後に誰かがインスタンスを再度追加することを防ぐため、自動スケーリング グループを削除します。
Chef クライアントと ArcGIS Data Store を、1 つを除くすべての EC2 インスタンスにダウンロードします
ビッグ データ ストアの EC2 インスタンスのうち、1 つを除くすべてにログインし、Chef クライアントをインストールして、ArcGIS Data Store の最新バージョンをインストールします。
- Ubuntu ユーザーとして、ビッグ データ ストアの最初の EC2 インスタンスに SSH で接続します。
- 次のいずれかのコマンドを使用して、Chef または Cinc クライアント 15 をダウンロードしてインストールします。 古いバージョンの Chef がインストールされている場合、バージョン 15 に更新します。
- Chef クライアント: sudo curl -L https://omnitruck.chef.io/install.sh | sudo bash -s -- -v 15.14.0
- Cinc クライアント: sudo curl -L https://omnitruck.cinc.sh/install.sh | sudo bash -s -- -v 15.14.0
- ArcGIS Data Store 10.9 インストール ファイル ( ArcGIS_DataStore_Linux_109_177887.tar.gz) を My Esri の自分のアカウントからダウンロードし、EC2 インスタンスのフォルダーにアップロードします。
- ArcGIS Cookbook バージョン 3.7.0 (arcgis-3.7.0-cookbooks.tar.gz) を EC2 インスタンスにダウンロードし、tar または zip ファイルを展開して、内容を /var/chef ディレクトリに置きます。
- /var/chef/nodes ディレクトリを削除します。
- 元の /etc/chef/node.json ファイルのコピーを作成し、名前を upgr-bds-node-step2.json に変更します。
- テキスト エディターで upgr-bds-node-step2.json ファイルを開き、次のパラメーターを変更します:
- ArcGIS のバージョンを 10.9 に設定します。
"arcgis" : { "version": "10.9",
- ArcGIS アーカイブ リポジトリを、EC2 インスタンスでソフトウェア ファイルを置いたフォルダーに設定します。
"arcgis" : { "repository": { "archives": "<drive>\\<folder>"
- private_url パラメーターの名前を url に変更します。
"arcgis" : { "server": { "url":
- 実行リストを、次の要素を使用するように変更します:
"recipe[arcgis-enterprise::install_datastore]" "recipe[arcgis-enterprise::start_datastore]"
- ArcGIS のバージョンを 10.9 に設定します。
- upgr-bds-node-step2.json ファイルを保存して閉じます。
- Ubuntu ユーザーとして、ディレクトリを /var/chef に変更し、次のコマンドを実行します: sudo chef-client -z -j /etc/chef/upgr-bds-node-step2.json
- ビッグ データ ストアに 2 つより多い EC2 インスタンスが存在する場合、Ubuntu ユーザーとして次の EC2 インスタンスに SSH で接続し、手順 2 から 9 までを繰り返します。 アップグレードするインスタンスが残り 1 つだけになったら、次のセクションに進みます。
Chef クライアントを残りの EC2 にダウンロードし、アップグレード スクリプトを実行します
次に、Chef クライアントと、ArcGIS Data Store の最新バージョンを、最後のビッグ データ ストア インスタンスにインストールして、そのインスタンスからアップグレードを実行します。
- Ubuntu ユーザーとして、ビッグ データ ストアの最後の EC2 インスタンスに SSH で接続します。
- 次のいずれかのコマンドを使用して、Chef または Cinc クライアント 15 をダウンロードしてインストールします。 古いバージョンの Chef がインストールされている場合、バージョン 15 に更新します。
- Chef クライアント: sudo curl -L https://omnitruck.chef.io/install.sh | sudo bash -s -- -v 15.14.0
- Cinc クライアント: sudo curl -L https://omnitruck.cinc.sh/install.sh | sudo bash -s -- -v 15.14.0
- ArcGIS Data Store 10.9 インストール ファイル ( ArcGIS_DataStore_Linux_109_177887.tar.gz) を My Esri の自分のアカウントからダウンロードし、EC2 インスタンスのフォルダーにアップロードします。
- ArcGIS Cookbook バージョン 3.7.0 (arcgis-3.7.0-cookbooks.tar.gz) を EC2 インスタンスにダウンロードし、tar または zip ファイルを展開して、内容を /var/chef ディレクトリに置きます。
- /var/chef/nodes ディレクトリを削除します。
- 元の /etc/chef/node.json ファイルのコピーを作成し、名前を upgr-bds-node-step3.json に変更します。
- テキスト エディターで upgr-bds-node-step3.json ファイルを開き、次のパラメーターを変更します:
- ArcGIS のバージョンを 10.9 に設定します。
"arcgis" : { "version": "10.9",
- ArcGIS アーカイブ リポジトリを、EC2 インスタンスでソフトウェア ファイルを置いたフォルダーに設定します。
"arcgis" : { "repository": { "archives": "<drive>\\<folder>"
- private_url パラメーターの名前を url に変更します。
"arcgis" : { "server": { "url":
- 実行リストを、次の要素を使用するように変更します:
"recipe[arcgis-enterprise::datastore]"
- ArcGIS のバージョンを 10.9 に設定します。
- upgr-bds-node-step3.json ファイルを保存して閉じます。
- Ubuntu ユーザーとして、ディレクトリを /var/chef に変更し、次のコマンドを実行します: sudo chef-client -z -j /etc/chef\upgr-bds-node-step3.json
ビッグ データ ストアがアップグレードされます。