組織で ArcGIS Server の小規模な配置が要求される場合は、1 台のコンピューターだけに配置することができます。このような配置は、開発やテストの目的にも役立ちます。
ArcGIS Server を 1 台のコンピューターで実行するには、次の手順に従います。
- ArcGIS Server をインストールします。
- ArcGIS Server Manager にログインしてサイトを作成します。
- ArcGIS Web Adaptor をインストールして設定します。
- ArcGIS Desktop で GIS サーバーに接続します。
- データ ディレクトリに対する権限を割り当てます。
- サービスを公開します。
- サービスを使用します。
ArcGIS Server のインストール
システム要件に記載されている必要なコンポーネントをインストールしたら、ArcGIS Server ソフトウェアのインストールを開始することができます。1 台のコンピューターによる配置で最も一般的なのは、すべてのコンポーネントをインストールする構成です。
ArcGIS Server インストール ガイドには、ソフトウェアのインストール プロセスに関する詳細情報が含まれています。また、ArcGIS Server のシステム要件および前提条件のリストも含まれています。
ArcGIS Server Manager へのサイン インとサイトの作成
ArcGIS Server Manager は、ArcGIS Server を管理するために使用できる Web アプリケーションです。ArcGIS Server Manager に初めてログインしたときに、ArcGIS Server サイトの作成プロセスを手順に従って完了できるようになっています。詳細については、「ArcGIS Server Manager へのログイン」および「新しいサイトの作成」をご参照ください。
ArcGIS Web Adaptor のインストールと設定
運用のためのサイトを準備している場合は、ArcGIS Web Adaptor をインストールします。ArcGIS Web Adaptor は、組織の Web サーバー と ArcGIS Server サイト間のリンクを提供します。これにより、受信したリクエストに対して使用するポート、アドレス、認証設定を選択できます。また、外部のユーザーによる ArcGIS Server Manager と Administrator Directory へのアクセスを防ぎます。詳細については、「ArcGIS Web Adaptor について」をご参照ください。
サーバーと ArcGIS Enterprise の統合
スタンドアロン ソフトウェアとして配置することもできますが、ArcGIS Server と ArcGIS Enterprise ポータルを統合することで、組織サイトで効率的かつ強力なワークフローを実現できます。ポータルで ArcGIS Server を活用するには、3 つの方法があります。
- 1 つ以上の ArcGIS Server サイトをポータルと統合して、セキュリティおよび共有モデルを統合することができます。
- ポータルのホスティング サーバーとして機能するフェデレーション ArcGIS Server サイトを割り当てることで、ユーザーは Web サービスとして、データおよびマップを幅広い利用者に公開することができます。
- ポータルの統合有無にかかわらず (ユーザー独自のサーバーであっても)、ArcGIS Server サイトの個々のサービスをポータルに登録できます。
ArcGIS Desktop でのサーバーへの接続
サービスの公開作業の大半は ArcGIS Desktop または ArcGIS Pro で行われます。ここでは、マップ、ツール、その他のコンテンツの作成も行われます。
「ArcGIS Desktop から ArcGIS Server への接続 」では、デスクトップ GIS と ArcGIS Server 間の 3 つのタイプの接続、つまり、ユーザー接続、公開者接続、および管理者接続について説明します。ArcGIS Desktop と ArcGIS Pro では、各接続タイプの作成のための特性と手順が異なります。
ArcMap と ArcGIS Pro の両方で、ArcGIS Server サイトへのユーザー接続を作成できます。ユーザー接続では、デスクトップ アプリケーション内部からサーバー サイトのコンテンツを閲覧して、マップに追加できます。他の 2 つの接続とは異なり、ユーザー接続では、サーバーへの公開や管理上の変更は許可されません。
ArcMap からサービスを直接公開するために、サーバーへの公開者接続を定義できます。接続を定義すると、接続情報がコンピューターに保存され、サービスを公開するときにいつでも参照できるようになります。管理者接続を作成している場合は、ArcMap からいくつかのサーバー管理機能を実行することもできます。
ArcGIS Pro で作業を行っているときであれば、ArcGIS Enterprise ポータルに接続して、Web マップ、Web レイヤー、およびその他の GIS コンテンツを共有できます。共有プロセスは、1 つまたは複数のサービスをフェデレートされた ArcGIS Server サイトに公開します。これにより、ポータル内のコンテンツが強力なものになります。サーバーがポータルとフェデレートされていれば、サーバーとの直接接続を確立する必要はありません。10.6 以降のバージョンで、スタンドアロンの ArcGIS Server サイトを所有する場合、ArcGIS Pro から公開者接続を作成して、サービスを公開できます。
データ ディレクトリへの権限の割り当て
サービスが参照するすべてのデータを ArcGIS Server が読み取る必要があります。データは、インストール時に指定した ArcGIS Server アカウントを使用して読み込まれます。
公開するアイテムは、ArcGIS Server アカウントがアクセスを許可されているサーバーにコピーされます。通常これらのアイテムは他のデータ ソースを参照します。たとえば、マップは多くの場合、そのレイヤーを構成する複数のフィーチャクラスとラスター データセットを参照します。こうした他のデータをすべて自動的にサーバーにコピーしたくない場合は、データを読み取る権限を明示的に ArcGIS Server アカウントに付与し、その場所を ArcGIS Server に登録します (下の「データの登録」参照)。
- そのデータに対して読み取り以上の権限を ArcGIS Server アカウントに割り当てます。
- そのフォルダーに対して読み取り以上の権限を ArcGIS Server アカウントに割り当てます。このフォルダーに至るまでのすべてのディレクトリに対して権限を割り当てます。上の例では、次のフォルダーに権限を割り当てます。
- /opt
- /opt/gisdir
- /opt/gisdir/server_output
データにエンタープライズ ジオデータベースを通じてアクセスする場合は、ユーザー名とパスワードがデータベース コネクションに保存されていることを確認してください。ArcGIS Server サービスを通じてエンタープライズ ジオデータベースにアクセスする方法については、「データを ArcGIS Server でアクセス可能にする」をご参照ください。このトピックでは、データが格納されているコンピューターに ArcGIS Server コンポーネントがインストールされていない場合についても説明します。
データの登録
ArcGIS Server サイトを設定するたびに、データの場所をサーバーに登録してください。データ登録により、GIS サーバーがアクセス可能であることがサーバー管理者によって確認されている場所のリストがサーバーに提供されます。また、データを登録すると、複数のコンピューターにわたって公開するときに、GIS サーバーでデータ パスを調整できるようになります。登録されていない場所からデータを参照するサービスを公開すると、公開を実行している間にデータがサーバーにコピーされます。詳細については、「ArcGIS Server へのデータ登録について」をご参照ください。
サービスの公開
サーバーへの接続が確立されたら、GIS リソースをサービスとして公開する作業に取りかかることができます。サービスを追加するには、「サービスを公開する方法」の手順に従います。
ほとんどのタイプのサービスは ArcGIS Desktop で開始されます。サービスのための基礎となる GIS リソースはここで作成します。これには、マップ、ロケーター、ツールボックス、モザイク データセットなどが含まれます。ArcGIS Desktop で使用できるツールバーやその他のユーザー インターフェイス コンポーネントは、これらのリソースをサーバーに公開するときに役立ちます。
サービスの使用
GIS サーバーにサービスを追加した後は、そのサービスを多くの種類のアプリケーションで利用することができます。これには、ArcGIS Online、ArcGIS Enterprise ポータル、および ArcGIS API for JavaScript で作成したアプリケーションが含まれます。また、ArcGIS Desktop (ArcMap、ArcGIS Pro、ArcCatalog、および ArcGlobe) でサービスを表示することもできます。iPhone、Android ベースのデバイス、および Windows Phone のようなモバイル デバイスでも GIS サービスを使用できます。