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ArcGIS Server のアップグレード

ArcGIS 11.4 (Linux)  | |  ヘルプのアーカイブ

ArcGIS Server 11.4 セットアップ パッケージでは、お使いのシステムに現在インストールされている 10.7 以降のバージョンをアップグレードできます。 手順は次のとおりです。

注意:

アップグレード プロセスにより、すべての ArcGIS Server サービスは再起動されます。 アップグレード中は ArcGIS Server サイトをオフラインにすることを検討してください。

ArcGIS GeoAnalytics Server の廃止

ArcGIS GeoAnalytics ServerArcGIS Enterprise 11.4 以降廃止されます。 さらに、11.4 での ArcGIS GeoAnalytics Server の廃止に伴い、ビッグ データ ファイル共有を登録できなくなります。 GeoAnalytics Server が 11.3 で唯一のサーバー ロールの場合は、GeoAnalytics Server のフェデレーションを解除するか、11.4 で別のロールを構成できます。 サーバーに 11.3 のロールが複数ある場合は、11.4GeoAnalytics Server 以外のロールに引き続き使用できます。 GeoAnalytics Server のフェデレーションを解除しない場合は、アップグレードする前に GeoAnalytics Server ロールを削除する必要があります。

Portal for ArcGIS をアップグレードする前に、GeoAnalytics Server にその他のロールがなく、GeoAnalytics Server を別のサーバー ロールとして再ライセンスする予定がない場合は、すべてのビッグ データ ファイル共有アイテムを削除し、ポータルから GeoAnalytics Server のフェデレーションを解除する必要があります。 これが完了したら、そのコンピューターから ArcGIS Server をアンインストールできます。

GeoAnalytics Server を別のサーバー ロールとして再ライセンスするか、他の既存のロールに引き続き使用する場合は、アップグレード前またはアップグレード後にビッグ データ ファイル共有を削除できます。

ArcMap ランタイム サービスを ArcGIS Pro ランタイムに移行する

ArcGIS Enterprise 11.0 以降、ArcGIS Server では ArcMap サービス ランタイムのサポートがなくなります。 ArcMap のサービス (ArcMap とともにインストールされた ArcPy のバージョンを使用して公開されたサービスを含む) を ArcGIS Server サイトに公開することはできません。

ArcGIS Server を 10.9.1 以前から 11.4 にアップグレードすると、既存の Web レイヤーで次の動作が発生します。

  • ArcMap サービス ランタイムを使用する次の既存のマップ サービス、イメージ サービス、およびジオデータ サービスが、アップグレード プロセスの一部として ArcGIS Pro サービス ラインタイムに移行されます。 サービス移行後も、サービスの構成は変わりません。
    • マップ サービス (KML が有効化/無効化されているもの)
    • フィーチャ サービス (フィーチャ アクセスが有効になったマップ サービス)
    • イメージ サービス
    • WMS サービス (WMS が有効になったマップ サービス)
    • WCS サービス (WCS が有効になったマップ サービス)
    • WFS サービス (WFS が有効になったマップ サービス)
    • ネットワーク解析サービス (ネットワーク解析が有効になったマップ サービス)
    • ジオデータ サービス
  • 移行されたマップ サービス、イメージ サービス、ジオデータ サービスのいずれかに ArcGIS Pro ランタイムでサポートされていないデータが含まれている場合、そのレイヤーはアップグレード後にサービスから削除されます。
  • ArcMap サービス ランタイムを使用するジオコード サービスとジオプロセシング サービスは、移行または再公開されるまで機能しません。

サービスの移行の詳細については、「サービスと ArcGIS Pro サービス ランタイム」をご参照ください。

10.8 以降からの ArcGIS Server のアップグレード

ArcGIS Server 11.4 セットアップ パッケージは、対象システムで ArcGIS Server の既存のインストールを検出してアップグレードします。 これまでにリリースされた各バージョンを順に取得してインストールしたり、ArcGIS Server の以前のバージョンをアンインストールしたりする必要はありません。

10.7.1 以前からの ArcGIS Server のアップグレード

バージョン 10.7.1 以前から ArcGIS Server 11.4 に直接アップグレードする操作はサポートされていません。

バージョン 10.7.x 以前から ArcGIS Server 11.4 にアップグレードするには、まず中間バージョン (10.8.x ~ 11.3) にアップグレードします。 次に、そのバージョンを ArcGIS Server 11.4 にアップグレードします。 こうすることで、サイトの構成ストアとサーバー ディレクトリが維持されます。

10.6.1 以前を ArcGIS Server 11.4 にアップグレードするには、まず中間バージョン (10.7.x ~ 10.9.1) にアップグレードします。 次に、そのバージョンを ArcGIS Server 11.4 にアップグレードします。 こうすることで、サイトの構成ストアとサーバー ディレクトリが維持されます。

注意:

中間バージョンのアップグレードに関するドキュメントを読み、開始する ArcGIS Server のバージョンで直接アップグレードする操作がサポートされていることを確認します。

バージョン 10.0 以前のサイトは、既存のコンテンツやディレクトリを維持できません。 ソフトウェアをアンインストールして、ArcGIS Server 11.4 を新しいサイトとしてインストールする必要があります。

ArcGIS Server のアップグレードの準備

アップグレードを実行する前に、次の情報をよく確認してください。 「ArcGIS Server のアップグレードに関するよくあるご質問」の完全リストをご参照ください。

  • 以前のバージョンから 11.4 にアップグレードする場合、11.4 の新しい認証ファイルを使用してソフトウェアを再認証する必要があります。 My Esri で新しい認証ファイルにアクセスできます。
  • ArcGIS Enterprise ポータルが正常に機能するには、ホスティング サーバーと同じバージョンである必要があります。 ArcGIS Web Adaptor インスタンスを再インストールして ArcGIS Server と同じバージョンにする必要もあります。
  • 配置をアップグレードする際に、ポータルとフェデレートしているサーバーのフェデレーションを解除しないでください。 解除すると、ポータルの配置に悪影響が出て、ユーザーによるポータルの ArcGIS Server サービスへのアクセス、共有、使用ができなくなります。
  • ArcGIS Server サイトをアップグレードする場合、アップグレードされたサイトのコンテンツを保存するために、/tmp ディレクトリ内で適切なスペースが使用可能になるようにします。 <install dir>/usr/config-store および <install dir>/usr/directories フォルダー コンテンツの両方のサイズを十分なスペースに指定します。

  • ArcGIS Enterprise ポータルのバージョンは、フェデレートされているホスティング サーバー、GeoEvent Server、ラスター解析サーバーのバージョンと一致する必要があります。 他のフェデレーション サーバーのサポートされているバージョンについては、「ArcGIS Server とポータルのフェデレーション」をご参照ください。

    11.4 以降、ArcGIS GeoAnalytics Server サイトはアップグレードされません。 Portal for ArcGIS をアップグレードすると、ArcGIS GeoAnalytics Server サイトは組織内の GeoAnalytics Server ロールから削除されますが、サイトは引き続きフェデレートされます。 サイトを他の目的 (フェデレーション GIS Server として機能させる、など) でライセンスすることもできます。また、サイトが不要になった場合は、フェデレーションを解除して削除することもできます。

  • アップグレードする前に ArcGIS Server サイトのバックアップを作成すると、前のバージョンにロールバックする必要が生じた場合にこのバックアップを使用できます。 アップグレードする前に ArcGIS Server サイトをバックアップする手順については、「ArcGIS Server のサイト構成のバックアップと復元」をご参照ください。
  • サイトが読み取り専用モードの場合、サイト モードは、アップグレード時に編集可能に設定されます。 サイトのすべてのコンピューターが正常にアップグレードされた後も、サイトは編集可能モードのままになります。 アップグレードが完了したら、再び読み取り専用モードに切り替えることができます。
  • アップグレードの前に、ArcGIS Server の配置へのアクセスに使用されているすべての Web ブラウザーのキャッシュをクリアします。
  • ArcGIS Server サイトをアップグレードする前に、サイトで使用するデータベースが、アップグレード後の ArcGIS Server バージョンでサポートされていることを確認します。 詳細については、下記の関連する「ArcGIS リレーショナル データベース管理システムの要件」トピックをご参照ください。 [他のバージョン] ドロップダウン リストを使用して、アップグレードする ArcGIS のバージョンを選択します。
  • アップグレードの前に、必要なポートが、通信できるように開いていることを確認します。

ArcGIS Enterprise のアップグレードの順序

ArcGIS Enterprise の配置でコンポーネントをアップグレードする場合に推奨される順序は次のとおりです。

  1. Portal for ArcGIS をアップグレードします。
  2. ArcGIS Web Adaptor をアップグレードします (Portal for ArcGIS 用)。
  3. ポータルのホスティング サーバーとして機能する ArcGIS Server サイトをアップグレードします。
  4. ArcGIS Web Adaptor をアップグレードします (ArcGIS Server 用)。
  5. ArcGIS Data Store をアップグレードします。
  6. ArcGIS Enterprise 配置にこれらが含まれる場合は、フェデレーション サーバーをアップグレードします。

    ほどんどのフェデレーション サーバーは、ベースの ArcGIS Enterprise 配置のバージョンに一致する必要があります。 フェデレーション サーバーのサポートされているバージョンに関する詳細は、「ArcGIS Server サイトとポータルのフェデレーション」をご参照ください。

    アップグレードが必要なフェデレーション サーバーのタイプのアップグレード情報をご参照ください。

複数コンピューターのサイトのアップグレード

複数コンピューターの ArcGIS Server サイトを使用している場合は、サイトの各コンピューターをバージョン 11.4 にアップグレードする必要があります。 各 ArcGIS Server コンピューターを連続してアップグレードすることをおすすめします。つまり、最初のコンピューターのアップグレードが終了するまで待機してから、次のコンピューターのアップグレードに進みます。 サイト内の各 ArcGIS Server コンピューターのバージョン番号を同じにし、同じバージョンのライセンスを各サーバーに適用する必要があります。

コンピューターに ArcGIS Web Adaptor を構成している場合、対応する ArcGIS Server コンピューターのアップグレードが完了したら各 ArcGIS Web Adaptor インスタンスをアップグレードします。

ArcGIS Server (Linux 版) のアップグレード

  1. コマンド プロンプトから、前のバージョンをインストールした際に使用したユーザーとして ArcGIS Server 11.4 のセットアップ スクリプトを起動します (例: <CD ROOT or untar directory>/Setup)。

    このスクリプトを起動する前に、ArcGIS Server を停止する必要はありません。 セットアップ オプションとサンプル構文については、「ArcGIS Server のサイレント インストール」の手順をご参照ください。

    ヒント:

    ArcGIS Server 11.4 セットアップ メディアからセットアップ スクリプトを起動するには、セットアップ スクリプトをクリックして、[ターミナルで実行] ボタンをクリックします。

  2. セットアップがインストール先のコンピューターで既存の旧バージョンの ArcGIS Server を検出すると、続行するかアップグレードを終了するかを確認するプロンプトが表示されます。 例を以下に示します。

    =========================================================================
    ArcGIS Server 11.4 (Linux)
    =========================================================================
    
    Your ArcGIS Server <Previous Version> is installed at:
    
    /home/ags/arcgis/server
    
    Confirm Settings
    =========================================================================
    Product to upgrade:             ArcGIS Server <Previous Version> (Linux)
    Location to upgrade:            /home/ags/arcgis/server
    
    Your ArcGIS Server <Previous Version> will be stopped when performing the upgrade and 
    ArcGIS Server 11.4 will be started after the upgrade completes.
    
      'y' to continue with these settings
      'q' to exit without upgrading this product
    
    Enter choice [y,q] (y):

    確認が表示されないようにするには、/Setup の代わりに /Setup -l yes -m silent を実行します。

  3. y」と入力して Enter を押すと、検出された設定を適用してアップデートを続行します。
    注意:

    ArcGIS Server11.4 にアップグレードされるまでしばらくお待ちください。 これには、数分かかる場合があります。

  4. インストールが完了したら、authorizeSoftware ツールを使用して、新しいライセンス ファイルで ArcGIS Server を再認証する必要があります。 My Esri で新しい認証ファイルにアクセスできます。 ソフトウェアは後で認証できますが、アップグレード プロセスの次の手順に進む前に、このワークフローを完了する必要があります。

    注意:

    ArcGIS Server を複数のライセンス ロールとして認証する場合、コンピューターに適用するライセンス ロールごとに 1 度、authorizeSoftware ツールを実行する必要があります。

    ArcGIS Server ライセンスに有効期限がある場合、ArcGIS Server ライセンスをアップグレードして更新した後、エンタープライズ ジオデータベースのライセンスを更新することを検討してください。

  5. 認証されたら、ArcGIS Server Manager を開いて [サーバーのアップグレードの継続] をクリックして、最初のコンピューターでアップグレードを完了します。

    この手順を完了するには、アップグレードを実行しているローカル コンピューター上で ArcGIS Server Manager を使用する必要があります。また、アップグレードは一度に 1 台のコンピューターで実行する必要があります。 localhost を使用できない場合は、ポート 6443 にあるサーバー コンピューターの完全修飾ドメイン名 (https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/manager) を使用して ArcGIS Server Manager にアクセスできます。 ArcGIS Web Adaptor またはロード バランサーで [サーバーのアップグレードの継続] を使用することはできません。

    upgradeserver コマンド ライン ユーティリティを使用して、アップグレードとアップグレード後の操作をサイレントに完了することもできます。 コマンド ラインで、<Server install directory>/tools/upgradeserver フォルダーを参照して、upgradeserver.sh -s を実行します。 ヘルプが必要な場合は、-h または --help を使用してコマンドを実行します。

    11.4 以降では、コマンド ライン ユーティリティを使用して、ArcGIS Server をアップグレードした後の操作のリアルタイムの状況に関する詳細情報を入手できます。 アップグレード プロセス中に、コマンド ライン ユーティリティを使用して、次の段階を確認できます。

    • アップグレードの初期化とライセンスの確認
    • サイト構成のアップグレード
    • システム ユーティリティ サービスのアップグレードと開始
    • ローカル コンピューターとサイトの同期
    • エクステンションとデータ プロバイダーの構成
    • SSL 証明書の生成と SSL の有効化
    • 最終チェックとクリーンナップ

    注意:

    [サーバーのアップグレードの継続] を使用するとエラーが返される場合は、続行する前にエラーに対処する必要があります。 たとえば、無効なライセンスに関するエラーが発生した場合、有効なライセンスを使用してソフトウェアを再認証する必要があります。 [サーバーのアップグレードの継続] をもう一度クリックして再試行します。

  6. アップグレードされた ArcGIS ServerArcGIS Image Server とともにラスター解析に使用する際に、これらのロールをこれまで使用したことがない場合は、次の手順に従って、アップグレードされた ArcGIS Server サイトをこれらの目的に使用します。
    1. ArcGIS Image Server のライセンス ロールを使用してサイトを認証したことを確認します。
    2. サイトとフェデレートされたポータルにサイン インします。 デフォルト管理者ロールのメンバーとしてサイン インします。 ポータル URL の形式は https://webadaptorhost.domain.com/<webadaptorname>/home です。
    3. [組織] > [設定] > [サーバー] の順にクリックします。
    4. [サーバー] ページで、[サーバー サイトの検証] をクリックして、ラスター解析サーバーとして使用するフェデレーション サーバーがポータルと通信できることを確認します。 有効な各フェデレーション サーバーの [ステータス] の横に緑色のチェックマークが表示されます。
    5. サーバーが有効であることを確認したら、サーバーに割り当てられている現在の [サーバー ロール] をクリックし、[ラスター解析サーバー] をオンにして、このサーバーをポータルのラスター解析サーバーとして構成します。
  7. 10.4.1 以前のバージョンからアップグレードする場合、ポータルのホスティング サーバーのコンピューターと、ArcGIS Image Server とともにラスター解析に使用されるフェデレーション サーバーのコンピューターで、ArcGIS Server サービスを再起動します。

複数コンピューターの ArcGIS Server サイトを使用している場合は、サイトの残りのコンピューターで上記の手順を繰り返します。

ArcGIS Web Adaptor をサイトと連携するように構成した場合は、11.4 ArcGIS Web Adaptor もインストールする必要があります。 使用するタイプの Web Adaptor の手順に従います。

注意:

ArcGIS Server サイトをポータルとフェデレートしていて、サイトで ArcGIS Web Adaptor を使用している場合は、Web Adaptor をホストしているコンピューターにサイン インして ArcGIS Web Adaptor をアンインストールします。 Web Adaptor の名前を記録します。再インストールする際に、同じ名前を使用する必要があるためです。

レガシー:

ArcGIS Server 10.1 から 10.3 に公開されたサービスで使用されるデータベース接続ファイルのパスワードまたはデータベース インスタンス名を変更するには、externalizeconnectionstrings ユーティリティを実行する必要があります。 サイトを ArcGIS Server 10.4 以降にアップグレードしても、サービスが ArcGIS Server 10.1.x、10.2.x、または 10.3.x のサイトに公開されている場合は、データベース接続で使用されるパスワードまたはデータベース インスタンスを更新する前に、サービスに対してこのユーティリティを実行する必要があります。 このユーティリティはサービスごとに 1 回だけ実行する必要があります。

サーバー オブジェクト エクステンション (SOE) またはサーバー オブジェクト インターセプター (SOI) を使用してサービスをカスタマイズした場合は、ArcGIS Server のアップグレード後にサービスを再起動してください。

セキュリティのベスト プラクティスを実現するためのスキャン

インストール後の ArcGIS Server サイトでのセキュリティのベスト プラクティスとして、serverScan.py スクリプトを使用してチェックすることをおすすめします。