Portal for ArcGIS 11.4 セットアップは、Portal for ArcGIS の既存のインストールを検出してアップグレードするように設計されています。
アップグレードの準備
アップグレードを実行する前に、次の情報をよく確認してください。
アップグレードの概念
アップグレードする際には、次の点に留意してください。
- Portal for ArcGIS11.4 のシステム要件を読み、使用しているハードウェアが現在の要件を満たしていることを確認してください。
- サポートと機能の変更点については、「ArcGIS Enterprise 11.4 ポータルの新機能」をご参照ください。
- アップグレードが完了するまでの時間は、ポータルに含まれるコンテンツの量、登録されているアカウントの数、配置するコンポーネントとカスタマイズの数によって異なります。
- 基本的な ArcGIS Enterprise コンポーネントのバージョンは、すべて同じである必要があります。
- ArcGIS Enterprise と同時に ArcGIS Pro をアップグレードする必要はありません。
- ポータルとフェデレートした ArcGIS Server サイトが複数のコンピューターで構成されている場合は、GIS サーバーを連続してアップグレードしてください。
- 現在ポータルが読み取り専用モードである場合、アップグレードを実行する前にモードをオフにします。
- 現在の Web Adaptor を更新できない場合、同じコンピューターに旧バージョンと ArcGIS Web Adaptor (IIS) 11.4 をインストールできます。 たとえば、バージョン 10.5 の ArcGIS Web Adaptor (IIS) を残したまま、同じ Web サーバーに 11.4 をインストールできます。 アップグレードの際は、同じ Web Adaptor のコンテキストを維持する必要があります。 これを行うには、現在ポータルで構成されている Web Adaptor をアンインストールしてから、以前使用していたのと同じ名前で 11.4 の Web Adaptor をインストールします。 同じコンテキストを持つ 2 つの Web Adaptor を同一コンピューターにインストールすることはできません。
注意:
Portal for ArcGIS のセットアップでは、Windows サービスを実行するアカウントが要求されます。 10.4 以降のバージョンからアップグレードする際、Windows サービスを実行しているアカウントに、これらの場所へのフル アクセスが付与されている場合は、共有ネットワーク ディレクトリ上の既存のコンテンツをアップグレードできます。
パスワードが適用されないローカル システム アカウントで Windows サービスを現在実行している場合は、アップグレードを行う前に、パスワードが適用されるローカル アカウントに変更しておく必要があります。
ライセンス
ライセンスの際には、次の点に留意してください。
- 11.4 にアップグレードする場合は、My Esri から新しいポータル ライセンス ファイルを取得して、ソフトウェアを再認証する必要があります。
注意:
アップグレード時に入力するこのライセンス ファイルは、ポータルのユーザーとアプリにライセンスを割り当てるために使用されます。 新しいライセンス ファイルが現在のユーザーおよびアプリ構成に適していることを確認します。
- ポータルをアップグレードする前に、組織のメンバーがすべてのオフラインの ArcGIS Pro ライセンスをチェック インしていることを確認します。 ライセンス アクティビティを確認すると、オフライン使用するよう ArcGIS Pro ライセンスをチェック アウトしたメンバーを確認できます。 オフライン ライセンスをチェック インする方法については、「オフライン ライセンスのチェックイン」をご参照ください。
- 11.4 以降、Editor、GIS Professional Standard、GIS Professional Advanced ユーザー タイプ名は、それぞれ Contributor、Professional、Professional Plus に変更されました。 新しい Portal for ArcGIS ライセンス ファイルをインポートする際に、この更新が行われます。
- アップグレード後、メンバーのユーザー タイプを使用できない場合は、別のユーザー タイプを割り当てる必要があります。 11.4 で使用可能なユーザー タイプのリストについては、「ユーザー タイプ」をご参照ください。
- アップグレード後、一部のユーザー タイプに、以前はアドオン ライセンスでのみ使用可能であった追加のアプリが含まれる場合があります。 メンバーの割り当て済みのユーザー タイプにアプリが含まれる場合、メンバーにそのアプリのアドオン ライセンスを割り当てる必要はありません。アプリと、それらが含まれるユーザー タイプの詳細については、「アプリのライセンス付与の概要」をご参照ください。
- アップグレードした後、メンバーに割り当てられた 1 つ以上のアドオン ライセンスがユーザー タイプに含まれている場合、組織ページの [概要] タブに、いずれかのメンバーにライセンスが 2 回割り当てられていることを示すメッセージが表示されます。 該当するすべてのメンバーから重複するアドオン ライセンスを割り当て解除し、ライセンスを解放できます。
- 11.4 以降、ArcGIS License Manager がなくても、ArcGIS Pro、ArcGIS Pro エクステンション、ArcGIS Drone2Map、および ArcGIS AllSource の指定ユーザー ライセンスを有効化できるようになりました。
バージョンの詳細
次のバージョンの詳細に留意してください。
- バージョン 10.7 または 10.7.1 から Portal for ArcGIS 11.4 に直接アップグレードする操作はサポートされていません。 Portal for ArcGIS 10.7 または 10.7.1 をアップグレードするには、まず中間バージョン (10.8.x ~ 11.3) にアップグレードしてから、そのバージョンを 11.4 にアップグレードします。 中間バージョンのアップグレードに関するドキュメントを読み、開始する Portal for ArcGIS のバージョンで直接アップグレードする操作がサポートされていることを確認します。
- バージョン 10.6.1 以前から Portal for ArcGIS 11.4 に直接アップグレードする操作はサポートされていません。 Portal for ArcGIS 10.6.1 以前をアップグレードするには、まず中間バージョン (10.8.x ~ 10.9.x) にアップグレードしてから、そのバージョンを 11.4 にアップグレードします。 中間バージョンのアップグレードに関するドキュメントを読み、開始する Portal for ArcGIS のバージョンで直接アップグレードする操作がサポートされていることを確認します。
- バージョンが 10.8.x 以降である場合は、Portal for ArcGIS 11.4 セットアップを実行すると、ポータルが 11.4 に自動的にアップグレードされます。 これまでにリリースされた各バージョンを順に取得してインストールしたり、Portal for ArcGIS の以前のバージョンをアンインストールしたりする必要はありません。
- 11.4 より前のバージョンの ArcGIS Enterprise からアップグレードされた組織サイトでは、従来のホーム ページ設定を引き続き使用できます。 ただし、アップグレード プロセスの一部として、ホーム ページは、アイテム ギャラリー、リンク、カスタムの色とフォントを利用できる最新のモバイル対応ホーム ページに自動的に更新されます。 以前のホーム ページを参照用に表示して、最新のホーム ページをカスタマイズできます。
- Portal for ArcGIS を 10.7.1 よりも前のバージョンから中間バージョン (10.8.x ~ 10.9.x) にアップグレードする場合、自動アカウント作成機能は無効になります。 新しいユーザーが自身の組み込みアカウントを作成できるようにするには、新しいメンバーのデフォルトのユーザー タイプとロールを設定して、自動アカウント作成機能を有効にする必要があります。 今後の更新で、これらの設定が維持される予定です。
- Map Viewer Beta がインストールされている 10.8.1 または 10.9 の配置から Portal for ArcGIS 11.4 にアップグレードする場合、アップグレード中に Map Viewer Beta が自動的にアンインストールされます。 新しい Map Viewer (旧名称 Map Viewer Beta) は、Map Viewer Classic と共に 11.4 に含まれています。
- 10.8.1 から、組織にメール設定が構成されている場合に自動通知メールを送信するため、管理者の問い合わせ先が使用されます。 管理者の問い合わせ先が設定されていない場合、組織で最も古い管理者アカウントまたは初期管理者アカウントに通知用電子メールが送信されます。
- 10.8 から 10.8.1 以降にアップグレードし、情報バナーを構成している場合、高度なサイト設定からバナーを有効化して、ArcGIS Enterprise Sites を使用して作成されたサイトに情報バナーを表示する必要があります。 10.8 からのアップグレードとこの設定の有効化を完了したら、設定が将来のアップグレードに備えて保持されます。
コンテンツ
コンテンツを操作する場合、次の点に留意してください。
- フェデレートされていない ArcGIS Server サイトのアイテムをポータルに登録している場合は、ポータルでサイトのサービスを使用するために、この ArcGIS Server サイトを 11.4 にアップグレードする必要はありません。 以前のバージョンの ArcGIS Server から提供されているサービスは、Portal for ArcGIS 11.4 でも使用できます。
- カスタム ベースマップまたは構成可能なアプリのグループを作成し、Esri ベースマップまたは ArcGIS Configurable Apps をこのグループと共有した場合は、アップグレード後にこれらのアイテムをグループと再度共有する必要があります。
- マップやアプリで ArcGIS Living Atlas of the World コンテンツを使用している場合は、アップグレードする前に、使用するアイテムが開発終了サポート期間または非推奨ステータスになっていないことを確認してください。 リリースごとに一部の ArcGIS Living Atlas コンテンツは廃止され、使用できなくなります。 これらのアイテムのいずれかを使用している場合、アップグレードするとアイテムが機能しなくなります。 本リリースで廃止された ArcGIS Living Atlas コンテンツのリストについては、「ArcGIS Living Atlas コンテンツのライフ サイクルと更新」をご参照ください。
アプリ
アプリを操作する場合、次の点に留意してください。
- ArcGIS Configurable Apps テンプレートに基づいてアプリケーションを公開した場合は、そのアプリ テンプレートが廃止されているかどうかを確認してください。 ポータルを 11.0 にアップグレードすると、廃止された構成可能アプリ テンプレートは正常に動作しなくなります。 ArcGIS Instant Apps、ArcGIS StoryMaps、ArcGIS Experience Builder、ArcGIS Web AppBuilder、ArcGIS Dashboards を使用してこれらのアプリを再作成する必要があります。 ポータルが数リリース前のものである場合、各リリースで廃止されたテンプレートを「Portal の新機能」トピックで確認する必要があるので注意してください。 たとえば、Portal for ArcGIS 10.7 からアップグレードする場合、10.7 から現在のリリースまでのすべてのリリースで廃止されたテンプレートのリストを確認します。
- Esri アプリがポータルで構成されている場合は、アップグレード後に 11.4 ポータルと互換性があるバージョンであることを確認します。
- ArcGIS Insights を構成済みである場合は、ArcGIS Enterprise をアップグレードする前にアンインストールする必要はありません。 ArcGIS Enterprise と ArcGIS Insights の両方をアップグレードする場合、ArcGIS Insights をアップグレードする前に、まず ArcGIS Enterprise のアップグレード (アップグレード後の手順を含む) を実行することをおすすめします。
- ポータルで ArcGIS Navigator モバイル マップ パッケージを構成済みの場合は、ポータルを 11.4 にアップグレードした後で、それらを再構成する必要があります。
可用性の高いポータル
可用性の高いポータルを構成している場合、アップグレードを完了するには特定の手順に従う必要があります。 これらの手順の概要については、「可用性の高いポータルの構成」をご参照ください。
注意:
10.6 以降では、可用性の高い配置のコンピューター間の通信に、ポート 5701、7005、7099、7654、7120、および 7220 が使用されます。 これらのポート上でのローカル通信がファイアウォールによって許可されていて、これらのポートが別のアプリケーションによって現在使用されていないことを、確認する必要があります。
コンテンツのバックアップ
アップグレードする前に、ポータルのホスティング サーバーを使用して構成された各タイプの ArcGIS Data Store の完全バックアップを作成します。
config.js ファイルでプロパティを変更して高度なポータル オプションを構成した場合は、ファイルのバックアップも作成する必要があります。 11.0 にアップグレード後に、このバックアップ ファイルを参照として使用して、ArcGIS Portal Directory (Sharing API) を通じてポータルの動作をカスタマイズできます。
レガシー:
これまでは、ポータルにインポートした証明書を含む証明書キーストア (portal.ks) をバックアップする必要がありました。 これは 10.4.1 から必要なくなり、ポータル キーストアはアップグレード中に自動的に移行されるようになりました。
- 以前のバージョンのポータルを大幅にカスタマイズしている場合、別のコンピューターに 11.4 をインストールして、ポータルのアップグレードのプロトタイプを作成することをおすすめします。
- ArcGIS Dashboards または ArcGIS Web AppBuilder のエクステンションもバックアップする必要があります。 これらのクライアント用に配置されたエクステンションはいずれも、アップグレード時に維持されません。 アップグレードが完了したら、ユーザーがエクステンションを再配置する必要があります。
- 一方で、コンテンツ、サービス、サイト情報、およびセキュリティ設定は、アップグレード時にすべて自動的にバックアップされ、保存されます。 ポータル Web サイトで編集した一般設定 (Web サイトへの組織サイトのロゴや名前の追加など) も、アップグレード時に維持されます。 アップグレードの前にこれらの情報を手動でバックアップする必要はありません。
- アップグレード中に作成される自動バックアップに十分に対応できる空き容量があるかどうかを確認するには、ポータルの content、index、db、および temp ディレクトリに割り当てられた空き容量を調べます。 ディスクの空き領域が、この量の少なくとも 2.5 倍であることを確認します。 不足している場合は、ディスク上に 2.5 倍以上の領域を割り当てます。 ポータルのアップグレードでは、ポータルのコンテンツ、サイト情報、およびセキュリティ情報を正常にバックアップしてアップグレードするために、この空き領域が必要です。 これらのディレクトリのデフォルトの場所は C:\arcgisportal です。
- arcgisportal コンテンツ ディレクトリ フォルダーをバックアップしておくこともおすすめします。 アップグレードで問題が発生し、以前にインストールしたバージョンに戻す必要がある場合、このフォルダーを適用して、ポータルのコンテンツを復元できます。
ArcGIS Enterprise のアップグレードの順序
ArcGIS Enterprise の配置でコンポーネントをアップグレードする場合に推奨される順序は次のとおりです。
- Portal for ArcGIS をアップグレードします。
- IIS または Java (Windows) 向けの ArcGIS Web Adaptor (Portal for ArcGIS 用) をアップグレードします。
- ポータルのホスティング サーバーとして機能する ArcGIS Server サイトをアップグレードします。
- IIS または Java (Windows) 向けの ArcGIS Web Adaptor (ArcGIS Server 用) をアップグレードします。
- ArcGIS Data Store をアップグレードします。
- ArcGIS Enterprise 配置にこれらが含まれる場合は、フェデレーション サーバーをアップグレードします。
ほどんどのフェデレーション サーバーは、ベースの ArcGIS Enterprise 配置のバージョンに一致する必要があります。 フェデレーション サーバーのサポートされているバージョンについては、「ArcGIS Server とポータルのフェデレーション」をご参照ください。
アップグレードが必要なフェデレーション サーバーのタイプのアップグレード情報をご参照ください。
ポータルの配置のアップグレード
注意:
ポータルの配置、ポータルとフェデレートしているすべての ArcGIS Server サイト、ArcGIS Data Store、および ArcGIS Pro (ポータルを通じてライセンスされている場合) は、アップグレード中にオフラインになります。
注意:
ポータルをアップグレードする前に、各 Portal for ArcGIS コンピューターでポート 50432 が使用可能 (空きポート) であることを確認します。
- 次の情報をバックアップします。
ヒント:
以下の手順に従ってサイトをバックアップするか、webgisdr ユーティリティを使用して ArcGIS Enterprise の配置のバックアップを作成することができます。 これを実行するには、手順に従って ArcGIS Enterprise をエクスポートします。- ファイルのプロパティを変更して高度なポータル オプションを構成した場合は、config.js ファイル。 アップグレード後に、このバックアップ ファイルを参照として使用して、ArcGIS Portal Directory (Sharing API) を通じてポータルの動作をカスタマイズできます。 以前のバージョンのポータルを大幅にカスタマイズしている場合、別のコンピューターに 11.4 をインストールして、ポータルのアップグレードのプロトタイプを作成することをおすすめします。
- ArcGIS Data Store を通じて配置されたすべてのデータ ストア。 バックアップの実行の詳細については、「ArcGIS Data Store のアップグレード」をご参照ください。
- Dashboards または Web AppBuilder 用に配置したすべてのエクステンション。 これらは、アップグレード時に維持されないため、アップグレードの完了後に再配置する必要があります。
- ArcGIS Server サイトをバックアップしておけば、以前のバージョンにサイトを戻す必要がある場合に、サイトをインポートして復元できます。
- ポータルの content、index、db、および temp ディレクトリに割り当てられた空き容量を確認します。 ディスクの空き領域が、この量の少なくとも 2.5 倍であることを確認します。 不足している場合は、ディスク上に 2.5 倍以上の領域を割り当てます。
ポータルのアップグレードでは、ポータルのコンテンツ、サイト情報、およびセキュリティ情報を正常にバックアップしてアップグレードするために、この空き領域が必要です。 これらのディレクトリのデフォルトの場所は C:\arcgisportal です。 コンテンツ ディレクトリが別のコンピューターにある場合も、推奨事項は同じです。
注意:
アップグレードの完了時に、バックアップされた情報はディスクに保持されます。 たとえば、upgrade-backup というフォルダーが新規に作成され、バックアップ コンテンツを含むバージョン固有のフォルダーが格納されます。 この情報を別の場所に移動して、ディスク領域を節約することをおすすめします。
- Portal for ArcGIS のセットアップ プログラム (Setup.exe) を起動して、ようこそ画面と利用条件を確認します。 準備が整ったら、[次へ] をクリックします。
次のコマンド ライン パラメーターを使用して、Portal for ArcGIS をサイレントにアップグレードすることもできます。<path to Portal for ArcGIS setup download>\setup.exe /qb USER_NAME=admin PASSWORD=itsasecret ACCEPTEULA=yes
- 使用許諾契約書に目を通した上で内容に合意します。合意しない場合は、終了してください。
インストールされる機能が表示されます。
- [インストール] をクリックしてアップグレードを開始します。 インストール プロセスを中断しないでください。
- [完了] をクリックして、インストール ウィザードを終了します。
ポータル Web サイトがブラウザー ウィンドウに表示されます。
- ブラウザーのキャッシュを cookie を含めて消去します。
以前のバージョンの Web サイトのキャッシュに残っている情報により、アップグレードした Web サイトが正しく表示されず、サイン インできない場合があります。 アップグレードしたポータル Web サイトを表示するすべてのブラウザーで、キャッシュを (cookie を含めて) 消去することをおすすめします。
- [ライセンス ファイルのインポート] ページで、ポータル ライセンス ファイル (.json) を参照します。このファイルは My Esri から取得され、ポータルのユーザーとアプリのライセンス情報を含んでいます。 [ポータルのアップグレードの継続] をクリックします。
アップグレードが起動し、ポータルのコンテンツ、サイト情報、およびセキュリティ設定のバックアップが作成されます。 この手順は、完了するまでに数分かかります。
注意:
アップグレード時に入力するこのライセンス ファイルは、ポータルのユーザーとアプリにライセンスを割り当てるために使用されます。 新しいライセンス ファイルが現在のユーザーおよびアプリ構成に適していることを確認します。
同じリリース バージョン内でアップグレードする場合は、新しいライセンス ファイルをインポートするよう求められません。 アップグレードが完了した後に、新しいライセンス ファイルをいつでもインポートできます。
- ポータルで使用している ArcGIS Web Adaptor をホストしているコンピューターにサイン インし、ArcGIS Web Adaptor をアンインストールします。 手順の詳細については、IIS または Java (Windows) のアンインストールに関するトピックをご参照ください。 Web Adaptor をアンインストールする前に、その名前を必ずメモしてください。
- ポータルで使用する Web Adaptor をインストールします。 詳細な手順については、IIS または Java (Windows) のインストールに関するトピックをご参照ください。 以前のバージョンで使用した Web Adaptor の名前を使用してください。
- ポータルに ArcGIS Web Adaptor を構成します。 詳細な手順については、IIS または Java (Windows) の構成に関するトピックをご参照ください。
注意:
[システム プロパティ] で WebContextURL が設定されていない場合、ポータルへの再登録時に Web Adaptor へアクセスするには DNS エイリアスを使用する必要があります (存在する場合)。
- 組織サイトの管理者として ArcGIS Web Adaptor の URL を使用して、ポータル Web サイトにサイン インできることを確認します。
URL の形式は、https://webadaptorhost.domain.com/webadaptorname/home です。
注意:
- アップグレード後の手順が必要であることを示す通知を受信した場合は、メッセージ ダイアログ ボックスの [OK] をクリックし、必要なアップグレード後の手順を完了します。 これらの手順には、アップグレード、コンテンツのインデックスの再構築 (コンテンツが Amazon S3 バケットか Azure Blob Storage の場合、アップグレードのたびに手動でのインデックスの再構築が必要)、高可用性ポータルにおけるポータル コンピューター間の関連付けの更新などがあります。
- アップグレード後にポータルにサイン インしたときにライセンスに関する通知を受信した場合は、現在のライセンス構成に適合するライセンス ファイルをインポートしていないか、ユーザーにテンポラリ ユーザー タイプが割り当てられている可能性があります。 詳細については、「Portal for ArcGIS をアップグレードした後の注意事項」をご参照ください。
- ArcGIS Server サイトをポータルとフェデレートしている場合は、各 ArcGIS Server サイトを 11.4 にアップグレードします。 ArcGIS Server サイトを連続してアップグレードします。
アンインストールおよび再インストールする必要ありません。 各サイトの ArcGIS Server コンピューターごとに、セットアップを実行する必要があります。 詳細な手順については、「以前のバージョンの ArcGIS Server のアップグレード」をご参照ください。
ポータルとフェデレートしたサーバー サイトが複数ある場合は、先にポータルのホスティング サーバーをアップグレードし、続いて配置内の追加サーバー サイトをアップグレードします。
- サーバーのアップグレードが完了したら、ArcGIS REST Services Directory のローカル URL にアクセスできることを確認します。
ローカル URL の形式は、https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/rest/services です。
- サーバーで使用している ArcGIS Web Adaptor をホストしているコンピューターにサイン インし、ArcGIS Web Adaptor をアンインストールします。 手順の詳細については、IIS または Java (Windows) のアンインストールに関するトピックをご参照ください。 Web Adaptor をアンインストールする前に、その名前を必ずメモしてください。
- サーバーで使用する Web Adaptor をインストールします。 詳細な手順については、IIS または Java (Windows) のインストールに関するトピックをご参照ください。 以前のバージョンで使用した Web Adaptor の名前を使用してください。
- サーバーに ArcGIS Web Adaptor を構成します。 詳細な手順については、IIS または Java (Windows) の構成に関するトピックをご参照ください。 以前に Web Adaptor を介した ArcGIS Server への管理アクセスを有効化していた場合、再度有効化してください。
これは、ポータルと ArcGIS Server サイトをフェデレートする際、ArcGIS Web Adaptor の URL を管理 URL に使用していた場合に特に重要です。
- ArcGIS Web Adaptor の URL を使用して ArcGIS REST Services Directory にアクセスできることを確認します。
URL の形式は、https://webadaptorhost.domain.com/webadaptorname/rest/services です。
- ポータルのホスティング サーバーが ArcGIS Data Store を使用している場合は、データ ストアのバックアップを作成し、ArcGIS Data Store をアップグレードして、ArcGIS Server で動作するようにデータ ストアを再構成します。 具体的な手順については、「ArcGIS Data Store のアップグレード」をご参照ください。
- ArcGIS Pro または Drone2Map ライセンスを組織で構成している場合、必要に応じて、ArcGIS License Server Administrator をアップグレードします。
ArcGIS License Server Administrator をアップグレードしている間、ArcGIS Pro ライセンスを持つメンバーは ArcGIS Pro にアクセスできなくなります。 メンバーが現在 ArcGIS Pro にサイン インしている場合、プログラムは 24 時間使用できないことを示すメッセージが表示されます。 メンバーは、この期間内に作業を完了または保存できます。 ポータルにインポートしたその同じライセンス ファイル (.json) を ArcGIS License Server Administrator にインポートする必要があります。
- 以前に構成したカスタマイズをポータルに復元します。 ポータルのカスタマイズを 11.4 で復元するときに、以前のバージョンで変更したファイルを 11.4 のファイルに置き換えないようにしてください。
置き換えると、11.4 の配置に悪影響があります。 この場合、各ファイルを 11.4 で開き、以前のバージョンのカスタム動作を手動でもう一度追加する必要があります。
ヒント:
アップグレードされた ArcGIS Enterprise ポータルでのセキュリティのベスト プラクティスとして、portalScan.py スクリプトを使用してチェックすることをおすすめします。
- Scene Viewer の完全な 3D シンボル セットを使用する場合は、Web スタイル セットアップをインストールします。 詳細については、「Scene Viewer の要件」をご参照ください。
注意:
upgradeportal コマンド ライン ユーティリティを使用して、アップグレード操作とアップグレード後の操作をサイレント実行することができます。 コマンド ラインで、<Portal install directory>/tools/upgradeportal フォルダーに移動して、upgradeportal.bat -lf <path to portal json file> -s を実行します。 ヘルプが必要な場合は、-h または --help を使用してコマンドを実行します。 ArcGIS Portal Administrator API のアップグレード操作を使用して、Portal for ArcGIS をアップグレードすることもできます。 このアップグレード操作の詳細については、ArcGIS Portal Admin API ヘルプの「アップグレード」ドキュメントをご参照ください。アップグレード後の注意事項
アップグレードを実行した後は、次の情報と、一般的な問題への解決策をよく確認してください。
アップグレードの後、ポータル Web サイトが正しく表示されなかったり、サイン インできないことがあります
ブラウザーのキャッシュを cookie を含めて消去します。 一般的に、これらのエラーの原因は、ブラウザーにキャッシュされた以前のバージョンの Web サイトの情報が残っていることです。 キャッシュを消去してもサイン インできない場合は、初期管理者アカウントまたはポータルの管理権限を持つアカウントを使用していることを確認してください。 [組織の概要] タブにあるカードが読み込まれない場合は、ポータル ライセンス ファイル (.json) をインポートします。 このライセンス ファイルは、URL https://portal.domain.com:7443/arcgis/portaladmin/license/importLicense を使用して Portal Administrator Directory からインポートできます。 これがポータルに適したライセンス ファイルであることを確認します。 新しいライセンス ファイルをインポートすると、ポータル内のすべてのユーザー タイプまたはアプリ ライセンスが新しいライセンス ファイルで上書きされます。
アップグレードの後、ポータルにアイテム、グループ、およびユーザーが表示されません
ソフトウェアをインストールして初期管理者アカウントを指定した後に、ポータルのインデックスの再構築が初期化されます。 初期状態ではインデックスの再構築が完了していないため、アイテム、グループ、およびユーザーの一部が表示されない場合があります。 ポータルのユーザー数およびコンテンツのボリュームによって、インデックスの再構築が完了するまでにかかる時間は異なります。 たとえば、Portal for ArcGIS を 8 コアのコンピューターで実行している小規模な組織 (数百のユーザーとコンテンツ アイテム) の場合は、インデックスの再構築に 15 分程度かかります。 一方、Portal for ArcGIS を 8 コアのコンピューターで実行している大規模な組織 (数万のユーザーとコンテンツ アイテム) の場合は、インデックスの再構築に 3 時間以上かかります。
インデックスの再構築の状態は、次の手順で確認できます。 [store] と [index] のカウントが同じであれば、インデックスの再構築とアップグレードは完了しています。
- Portal Administrator API を開き、初期管理者アカウントでサイン インします。
URL の形式は、https://portal.domain.com:7443/arcgis/portaladmin です。
- [System] > [Indexer] > [Index Status] の順にクリックします。
- ページを更新して、最新の状態を確認します。
11.4 にアップグレードすると、ポータルから ArcGIS Living Atlas コンテンツにアクセスできなくなります
アップグレード後にポータルから ArcGIS Living Atlas レイヤーにアクセスできない場合は、そのアイテムが今回のリリースで廃止された可能性があります。 「ArcGIS Living Atlas コンテンツのライフ サイクルと更新」で、廃止されたアイテムの最新のリストを確認してください。
アップグレード後に、登録者のコンテンツまたはプレミアム コンテンツのアイテムを開くことができない場合は、このコンテンツにアクセスするようにポータルを構成したときに使用した ArcGIS Online アカウントがまだ有効であることを確認します。 このアカウントが有効でない場合は、このアカウントと ArcGIS Living Atlas コンテンツを更新する追加の手順を完了します。
アップグレード後に、ソフトウェア認証エラーを伴って自動アカウント作成が失敗します
10.7 よりも前のバージョンから中間バージョン (10.7.x ~ 10.9.x) にアップグレードする場合、自動アカウント作成機能は無効になります。 アップグレードの完了後に、ArcGIS Portal Administrator Directory で、デフォルトのユーザー タイプとロールを新しいメンバーに割り当ててから、アカウントの自動作成を有効にする必要があります。 10.8 以降、新しいメンバーのデフォルトのユーザー タイプとロールは、ポータルの組織設定で設定するか、ArcGIS Portal Directory 内のポータル自体のリソースにある setUserDefaultSettings 操作を使用して設定することができます。
割り当てられたライセンスが利用可能なライセンスの数を超えています
「割り当てられたライセンスの数が利用可能なライセンスの数を超えています。 これらのライセンスが割り当てられたメンバーは、ポータルにアクセスできない場合があります。 詳細については、ライセンス タブでご確認ください。」という通知は、管理者がポータルにサイン インしたときに、ポータルのライセンスが超過して割り当てられている場合に表示されます。 ユーザー タイプまたはアドオン ライセンスが割り当てられたユーザーの数が利用可能なライセンスの数を超えています。
管理者は [ライセンス] タブに移動して、超過して割り当てられたライセンスを表示できます。 超過して割り当てられたライセンスには、利用可能な数よりも大きな割り当て数が示されます。 組織のニーズに応じて、ライセンスを再割り当てするか、ライセンスの正しい割り当てを含む新しいポータル ライセンス ファイルを取得できます。
メンバーにライセンスが 2 度割り当てられています
「一部のメンバーにライセンスが 2 度割り当てられています。 これらのメンバーはユーザー タイプとアドオン ライセンスを通じて同じライセンスにアクセスできます。」という通知は、メンバーに割り当てられた 1 つ以上のアドオン ライセンスが、ポータルをアップグレードした後にユーザー タイプに含まれている場合に表示されます。 管理者は、該当するすべてのメンバーから重複するアドオン ライセンスを割り当て解除できます。
最初の管理者アカウントの作成中にエラーが発生しました
初期管理者アカウントの作成中にこのエラーが発生した場合は、ポータルのログに記録されている情報が問題の解決に役立ちます。 一般的に、このエラーは、アカウントの作成時にネットワーク接続が一時的に失われた場合に発生します。 ログにアクセスするには、ログ ディレクトリを参照して、最新のログ ファイル (たとえば、C:\arcgisportal\logs\<machine name>\portal\portal-20141201.095803-8596-0.0.log) を開きます。 必要な場合は、この情報を Esri Support と共有できます。
以前の配置に戻す場合、以前のバージョンに戻す前にすべてのログ ファイルをコピーして、サポート インシデントのトラブルシューティングを容易にします。 (ログにアクセスするには、ログ ディレクトリ (例: C:\arcgisportal\logs\) を参照します。
アップグレード後にユーティリティ サービスを手動で更新します
OfflinePackaging、RasterUtilities、または GeocodingTools ユーティリティ サービスを使用している場合、アップグレード後にそれらを手動で更新する必要があります。
- アップグレードが完了したら、ユーティリティ サービスを所有するユーザーとして ArcGIS Server Manager にサイン インします。
- [サービス] タブの [サービスの管理] セクションで、[ユーティリティ] フォルダーをクリックします。
- [共有プロパティ] ボタン
をクリックします。
- 表示されたダイアログ ボックスで [保存] をクリックします。
ArcGIS Enterprise ポータルのサービスが更新されます。
- 管理者としてポータルにサイン インします。 [コンテンツ] タブで、更新したサービスを見つけます。 [共有] をクリックします。 必要に応じて共有設定を更新してから、[OK] をクリックします。
共有している各グループでサービスが更新されます。
- 該当するサービスごとに、これらの手順を繰り返します。
ArcGIS World Geocoding Service の構成
バージョン 10.2.x からアップグレードした場合、ポータル内のプロキシ アイテムを ArcGIS World Geocoding Service に合わせて再作成する必要があります。 その後、アイテムをポータルのジオコーダーとして構成します。 10.3.1 では、プロキシ アイテムを ArcGIS World Geocoding Service に更新する必要はありません。
アップグレード後、ArcGIS Enterprise ポータルにルート検索サービスを構成します
ネットワーク データセットを使用してルート検索サービスを公開することでルート検索サービスを構成する場合、最新の機能を使用できるよう、サーバーのアップグレード後にルート検索サービスを再構成することをおすすめします。 ジオプロセシング ベースのルート検索サービスの場合、新しいサービス パラメーターと新しいサービス機能は、サーバーのアップグレード後にルート検索サービスを再公開しなければ使用できません。
ネットワーク データセットを使用してルート サービスを再公開するには、次の手順を実行します。
- デフォルト管理者か、ポータルの設定を管理するための適切な権限を持つカスタム ロールとしてサイン インします。
- サイト上部にある [組織] をクリックし、[設定] をクリックします。
- ページの左側にある [ユーティリティ サービス] をクリックします。
- ページの右側にある [ルート案内とルート検索] をクリックします。
- [ルート検索サービスの更新] ボタンをクリックし、[公開するネットワーク データセット] を選択します。
- 「ルート検索サービスの構成」の手順を実行し、ネットワーク データセットを使用してルート検索サービスを構成します。
正常に実行されたら、ArcGIS Server Manager を使用し、以前に公開したルート検索サービスを含むフォルダーを削除します。