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AWS 上の高可用性 ArcGIS Enterprise デプロイメントのアップグレード

アップグレード方法は、Amazon Web Services (AWS)ArcGIS Enterprise デプロイメントを作成した方法と時期に応じて異なります。

  • AWS 上の ArcGIS Enterprise デプロイメントは、手動アップグレード手順でアップグレードできます。 10.8 より前のバージョンでサイトを作成した場合は、必ず手動手順でアップグレードする必要があります。
  • ArcGIS Enterprise デプロイメントの作成に ArcGIS Enterprise 10.8 または 10.8.1 Esri Amazon Web Services CloudFormation テンプレート (arcgis-enterprise-ha.template.json) を使用している場合は、Chef スクリプトを使用してアップグレードできます。
  • ArcGIS Enterprise デプロイメントの作成に高可用性の ArcGIS Enterprise 10.9、10.9.1、11.0、11.1、11.2、11.3、または 11.4 Esri CloudFormation テンプレート (arcgis-enterprise-ha.template.json) を使用している場合は、11.5 CloudFormation テンプレートを使用してアップグレードできます。
  • 複数の 10.9、10.9.1、11.0、11.1、11.2、11.3、または 11.4 CloudFormation テンプレートを使用して各 ArcGIS Enterprise コンポーネントを別々のコンピューターに作成している場合、各コンポーネントは、複数の 11.5 CloudFormation テンプレートを使用してアップグレードできます。
  • ArcGIS Enterprise デプロイメントの作成に 10.9、10.9.1、11.0、11.1、11.2、11.3、または 11.4 ArcGIS Enterprise Cloud Builder for Amazon Web Services を使用している場合は、11.5 ArcGIS Enterprise Cloud Builder for AWS を使用してアップグレードできます。

アップグレードする前に

使用するアップグレード方法にかかわらず、デプロイメントをアップグレードする前に次の情報を確認します。

  • 現在のソフトウェア バージョンに必要な ArcGIS ライセンスを取得します。 これらのライセンスは My Esri からダウンロードできます。
  • デプロイメントのバックアップを作成して、アップグレード手順に問題があった場合に復元できるようにします。

    Portal for ArcGIS に付属している webgisdr ユーティリティーを使用して、ArcGIS Enterprise デプロイメント内のほとんどのコンポーネントのバックアップを作成できます。 ただし、ビッグ データ ストアおよびグラフ ストアはこのバックアップの対象外です。 デプロイメントに時空間ビッグ データ ストアまたはグラフ ストアが含まれている場合は、ArcGIS Data Store backupdatastore ユーティリティーを使用して、それぞれのバックアップを個別に作成します。

  • タイル キャッシュ データ ストアが非推奨になりました。これはタイル キャッシュ データ ストアがサポートされる最後のリリースです。 アップグレード後も既存のホスト シーン レイヤーは引き続き機能しますが、アップグレード後にオブジェクト ストアを追加するまでは、新しいホスト シーン レイヤーを公開することはできません。 デプロイメントをアップグレードし、オブジェクト ストアを追加した後に、オブジェクト ストアに既存のホスト シーン レイヤー キャッシュを移行する必要があります。

手動アップグレード手順によるアップグレード

複数台のコンピューターによる Amazon Web Services 上の ArcGIS Enterprise デプロイメントを手動でアップグレードする手順は、オンプレミスでのソフトウェアの更新とほぼ同じです。 ソフトウェア アップデートを My Esri から Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) インスタンス上にダウンロードして、既存のデプロイメントに更新を直接適用します。 各コンピューター上にあるすべての ArcGIS Enterprise コンポーネントは、同じバージョンのソフトウェアを実行している必要があります。

注意:

ArcGIS Enterprise 10.7.1 以前のコンポーネントを直接 11.5 にアップグレードすることはできません。 最初に中間バージョンにアップグレードしてから 11.5 にアップグレードする必要があります。 11.5 へのアップグレード手順を実行する前に、中間バージョンへのアップグレード手順を実行してください。

コンポーネントの更新の準備

コンポーネントの更新の準備として、次の手順を完了します:

  1. Portal for ArcGISArcGIS Web AdaptorArcGIS ServerArcGIS Data Store の新しいバージョンを My Esri からダウンロードします。 また、Esri から新しいライセンスも取得します。
  2. 必要なポートがすべて開いているか利用可能になっていることを確認してください。

    各コンポーネントのポート リストおよびポート図をご参照ください。

  3. タイル キャッシュ データストアのバックアップ用に構成された共有ディレクトリーが存在することを確認します。 ディレクトリーが存在しない場合は、アップグレードする前にディレクトリーを構成します。

    現時点で AWS では、ファイル共有のみがサポートされています。

  4. 誰も ArcGIS Enterprise ポータルまたは ArcGIS Server サイトに接続していないことを確認します。
    注意:

    Portal for ArcGISArcGIS Server、または ArcGIS Data Store サービスを停止してはいけません。 これらのサービスを停止すると、webgisdr ユーティリティーがデプロイメントのバックアップを作成できなくなります。

  5. Portal for ArcGIS とともにインストールされている webgisdr ユーティリティーを使用して、デプロイメントの完全バックアップを作成します。

    アップグレード プロセス中に問題が起きた場合に、このバックアップ ファイルを使用して以前のソフトウェア バージョンを再配置できます。

    注意:

    アップグレードするバージョンによっては、webgisdr ユーティリティーに一部の ArcGIS Data Store タイプが含まれない場合があります。 webgisdr ユーティリティーが作成したバックアップに含まれていないデータ ストア タイプがデプロイメントに含まれている場合は、ArcGIS Data Store backupdatastoreユーティリティーを使用してそのデータ ストア タイプのバックアップを作成します。

Portal for ArcGIS のアップグレード

最初に、Portal for ArcGIS をアップグレードします。

  1. AWS 上の Portal for ArcGIS コンピューターへのリモート デスクトップ接続 (Microsoft Windows) または SSH (Linux) 接続を作成します。 高可用性ポータルの場合は、AWS 上のいずれかの Portal for ArcGIS コンピューターに接続します。 arcgis ユーザーとして接続します。

    AWS 上の Windows で初めて Portal for ArcGIS をアップグレードする場合は、arcgis ユーザーのパスワードを変更します。 この変更はデプロイメント内のすべてのコンピューターについて行う必要があり、パスワードはすべてのコンピューターで同じである必要があります。

    AWS Management Console を使用して ArcGIS Enterprise をデプロイした場合、Portal for ArcGIS のアップグレード手順でコンテンツ ディレクトリーの一時的ストレージ用に S3 バケットが作成されるため、このコンピューターが自分の AWS アカウントに Amazon Simple Storage Service (S3) バケットを作成できることを確認します。 Esri が提供する CloudFormation テンプレートを使用してデプロイを行った場合、これはテンプレートによってすでに構成されています。

  2. 必要なポートが利用可能になっていることを確認してください。
  3. 新しい Portal for ArcGIS および ArcGIS Web Adaptor インストールと、新しい Portal for ArcGIS ライセンス ファイル (該当する場合) を、このコンピューターに配置します。
  4. デプロイメントに 1 台の Portal for ArcGIS コンピューターのみが含まれている場合は、次の手順に従って Portal for ArcGIS をアップグレードしてポータル コンピューターとその Web アダプターを更新し、必要に応じて新しいライセンス ファイルで Portal for ArcGIS を認証します。
  5. 高可用性ポータルの場合は、2 台目の Portal for ArcGIS コンピューターで手順 1 と 2 を繰り返します。 次に、次の手順に従って高可用性ポータルをアップグレードしてソフトウェアを更新し、必要に応じて新しいライセンス ファイルで各コンピューター上の Portal for ArcGIS を認証します。

ArcGIS Server のアップグレード

ポータルのホスティング サーバー、およびポータルとフェデレートした追加の ArcGIS Server サイトをアップグレードします。

ポータルのホスティング サーバーをアップグレードする場合は、ArcGIS GIS Server のライセンスを指定してください。 フェデレーション サーバーをアップグレードするときに指定するライセンスは、ArcGIS Server がデプロイメントで果たしているロールによって異なります。

注意:

ArcGIS Data Store をアップグレードする前に、ArcGIS Server をアップグレードする必要があります。

  1. arcgis ユーザーとして、ポータルのホスティング サーバーの ArcGIS Server SITEHOST コンピューターにリモート デスクトップ接続 (Windows) または SSH (Linux) 接続を作成します。
  2. 新しい ArcGIS Server および ArcGIS Web Adaptor インストールと、新しい ArcGIS GIS Server ライセンス ファイルを、このコンピューターに置きます。
  3. ArcGIS Server サイトに 1 台のコンピューターのみが含まれている場合、「ArcGIS Server のアップグレード」の手順に従って、単一コンピューターのサイトをアップグレードします。
  4. ArcGIS Server サイトに複数のコンピューターが含まれている場合、各コンピューターで手順 1 と 2 を繰り返します。 次に、「ArcGIS Server のアップグレード」の手順に従って、複数台のコンピューターのサイトをアップグレードします。
  5. 追加の ArcGIS Server サイトをポータルと手動でフェデレートした場合、それらのコンピューターに接続し、それらのサイトのソフトウェアおよびライセンスもアップグレードします。

ArcGIS Data Store のアップグレード

ポータルのホスティング サーバーを使用して構成された複数のタイプのデータ ストアが存在する場合、それらの各データ ストアをアップグレードします。

  1. arcgis ユーザーとして、ArcGIS Data Store がインストールされている各コンピューターへのリモート デスクトップ接続 (Windows) または SSH (Linux) 接続を作成します。
  2. ArcGIS Data Store のインストール ファイルを各コンピューターに置きます。
  3. EC2 インスタンスのオペレーティング システムに基づいてアップグレードするには、次の手順を実行します。

アップグレードされたデプロイメントをテストします。

アップグレードされた ArcGIS Enterprise のデプロイメントをテストし、すべてのサービスが実行されてアクセス可能になっており、通常のワークフローが引き続き機能することを確認します。

テストが正常に完了したら、アップグレード前に作成したバックアップは、アップグレード後のコンピューターの復元には使用できないため削除できます。

ヒント:

このバージョンのデプロイメントのベース バックアップを確保するために、webgisdr ユーティリティーを使用して、正常にアップグレードされたデプロイメントの完全バックアップを作成します。

Chef スクリプトによるアップグレード

ArcGIS Enterprise デプロイメントの作成に高可用性のArcGIS Enterprise 10.8 または 10.8.1 Esri Amazon Web Services CloudFormation テンプレート (arcgis-enterprise-ha.template.json) を使用している場合は、Chef スクリプトを使用してアップグレードできます。

デプロイメントのアップグレード手順は、Microsoft WindowsUbuntu で異なります。 デプロイメントに使用しているオペレーティング システムに応じた手順に従ってください。

Windows 上の高可用性 ArcGIS Enterprise デプロイメントのアップグレード

2 つの EC2 インスタンス (プライマリーとスタンバイ) 上の ArcGIS Enterprise をアップグレードするには、以下の手順で Chef を使用してください。

スタンバイ インスタンスのアップグレード

スタンバイ インスタンスのコンポーネントを先にアップグレードします。

  1. スタンバイ EC2 インスタンスへのリモート デスクトップ接続を作成します。
  2. サポートされている Chef または Cinc クライアントをダウンロードしてインストールします。

    サポートされているバージョンについては、「ArcGIS Cookbook の互換性マトリックス」をご参照ください。

  3. 11.5 インストール ファイルを My Esri の自分のアカウントからダウンロードし、EC2 インスタンスのフォルダーにアップロードします。

    • ArcGIS_Web_Adaptor_for_Microsoft_IIS_115_195371.exe
    • Portal_for_ArcGIS_Windows_115_195367.exe
    • Portal_for_ArcGIS_Windows_115_195367.exe.001
    • ArcGIS_Server_Windows_115_195344.exe
    • ArcGIS_Server_Windows_115_195344.exe.001
    • ArcGIS_DataStore_Windows_115_195370.exe
    • Portal_for_ArcGIS_Web_Styles_Windows_115_195369.exe

  4. Portal for ArcGIS 11.5 認証ファイル (.json) および ArcGIS GIS Server 用にライセンスされた ArcGIS Server 認証 (.epc または .prvc) を入手し、EC2 インスタンスに置きます。
  5. ArcGIS Cookbook バージョン 5.2.0 (arcgis-5.2.0-cookbooks.zip) を EC2 インスタンスにダウンロードし、ファイルを展開して、内容を C:\chef フォルダーに置きます。
  6. 次のフォルダーを削除します。

    • C:\chef\nodes
    • C:\Users\Administrator\.chef\local-mode-cache

  7. 元の C:\chef\node.json ファイルのコピーを作成し、名前を upgrade_base_enterprise_ha_windows_standby_step1.json に変更します。
  8. テキスト エディターで upgrade_base_enterprise_ha_windows_standby_step1.json ファイルを開き、次のパラメーターを変更します:

    • arcgis のバージョンを 11.5 に設定します。
      "arcgis" : {
          "version": "11.5",
    • arcgis アーカイブ リポジトリーを、EC2 インスタンスでソフトウェア ファイルを置いたフォルダーに設定します。
      "arcgis" : {
          "repository": {
      	  "archives": "<drive>\\<folder>"
    • サーバー認証を、ArcGIS Server 11.5 の認証ファイルの場所に設定します。
      "server" : {
          "authorization_file" : "<drive>:\\<folder_path>\\My_New_Server.prvc"
    • ポータル認証を、Portal for ArcGIS 11.5 の認証ファイルの場所に設定します。
      "portal" : {
          "authorization_file" : "<drive>:\\<folder_path>\\my_new_portal.json",
    • 実行リストを、次の要素を使用するように変更します:
      "recipe[arcgis-enterprise::install_portal]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::webstyles]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::install_portal_wa]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::server]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::server_wa]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::install_datastore]"

  9. upgrade_base_enterprise_ha_windows_standby_step1.json ファイルを保存して閉じます。
  10. 管理者としてコマンド ライン ウィンドウを開き、ディレクトリーを C:\chef に変更して、次のコマンドを実行します: chef-client -z -j c:\chef\upgrade_base_enterprise_ha_windows_standby_step1.json

スクリプトが実行され、スタンバイ インスタンスのコンポーネントがアップグレードされます。

スタンバイのアップグレードが正しく完了したら、プライマリー インスタンスのアップグレードに進むことができます。

プライマリー インスタンスのアップグレード

スタンバイの Chef-Run が完了したら、プライマリー インスタンスをアップグレードします。

  1. プライマリー EC2 インスタンスへのリモート デスクトップ接続を作成します。
  2. サポートされている Chef または Cinc クライアントをダウンロードしてインストールします。

    サポートされているバージョンについては、「ArcGIS Cookbook の互換性マトリックス」をご参照ください。

  3. 11.5 インストール ファイルを My Esri の自分のアカウントからダウンロードし、EC2 インスタンスのフォルダーにアップロードします。

    • ArcGIS_Web_Adaptor_for_Microsoft_IIS_115_195371.exe
    • Portal_for_ArcGIS_Windows_115_195367.exe
    • Portal_for_ArcGIS_Windows_115_195367.exe.001
    • ArcGIS_Server_Windows_115_195344.exe
    • ArcGIS_Server_Windows_115_195344.exe.001
    • ArcGIS_DataStore_Windows_115_195370.exe
    • Portal_for_ArcGIS_Web_Styles_Windows_115_195369.exe

  4. Portal for ArcGIS 11.5 認証ファイル (.json) および ArcGIS GIS Server 用にライセンスされた ArcGIS Server 認証 (.epc または .prvc) を入手し、EC2 インスタンスに置きます。
  5. ArcGIS Cookbook バージョン 5.2.0 (arcgis-5.2.0-cookbooks.zip) を EC2 インスタンスにダウンロードし、ファイルを展開して、内容を C:\chef フォルダーに置きます。
  6. 次のフォルダーを削除します。

    • C:\chef\nodes
    • C:\Users\Administrator\.chef\local-mode-cache

  7. 元の C:\chef\node.json ファイルのコピーを作成し、名前を upgrade_base_enterprise_ha_windows_primary_step2.json に変更します。
  8. テキスト エディターで upgrade_base_enterprise_ha_windows_primary_step2.json ファイルを開き、次のパラメーターを変更します:

    • arcgis のバージョンを 11.5 に設定します。
      "arcgis" : {
          "version": "11.5",
    • arcgis アーカイブ リポジトリーを、EC2 インスタンスでソフトウェア ファイルを置いたフォルダーに設定します。
      "arcgis" : {
          "repository": {
      	  "archives": "<drive>\\<folder>"
    • サーバー認証を、ArcGIS Server 11.5 の認証ファイルの場所に設定します。
      "server" : {
          "authorization_file" : "<drive>:\\<folder_path>\\My_New_Server.prvc"
    • ポータル認証を、Portal for ArcGIS 11.5 の認証ファイルの場所に設定します。
      "portal" : {
          "authorization_file" : "<drive>:\\<folder_path>\\my_new_portal.json",
    • 実行リストを、次の要素を使用するように変更します:
      "recipe[arcgis-enterprise::install_portal]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::webstyles]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::portal]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::portal_wa]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::server]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::server_wa]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::datastore]"

  9. upgrade_base_enterprise_ha_windows_primary_step2.json ファイルを保存して閉じます。
  10. 管理者としてコマンド ライン ウィンドウを開き、ディレクトリーを C:\chef に変更して、次のコマンドを実行します: chef-client -z -j c:\chef\upgrade_base_enterprise_ha_windows_primary_step2.json

スクリプトが実行され、プライマリー インスタンスのコンポーネントがアップグレードされます。

プライマリーのアップグレードが正しく完了したら、スタンバイ インスタンスの Web Adaptor の構成に進むことができます。

スタンバイの Web Adaptor のアップグレード

プライマリーの Chef-Run が完了したら、スタンバイ インスタンスに再度サイン インし、ポータルの Web Adaptor をアップグレードします。

  1. スタンバイ EC2 インスタンスへのリモート デスクトップ接続を作成し、サイン インします。
  2. upgrade_base_enterprise_ha_windows_standby_step1.json ファイルのコピーを作成し、名前を upgrade_base_enterprise_ha_windows_standby_step3.json に変更します。
  3. テキスト エディターで upgrade_base_enterprise_ha_windows_standby_step3.json を開き、portal_wa 要素のみを使用するよう実行リストを変更します。

    "run_list" : [
        "recipe[arcgis-enterprise::portal_wa]"
      ]

  4. 管理者としてコマンド ライン ウィンドウを開き、ディレクトリーを C:\chef に変更して、次のコマンドを実行します: chef-client -z -j c:\chef\upgrade_base_enterprise_ha_windows_standby_step3.json

スクリプトにより、ポータル用の ArcGIS Web Adaptor が構成されます。

Ubuntu 上の高可用性 ArcGIS Enterprise デプロイメントのアップグレード

2 つの EC2 インスタンス (プライマリーとスタンバイ) 上の ArcGIS Enterprise をアップグレードするには、以下の手順で Chef を使用してください。

スタンバイ インスタンスのアップグレード

スタンバイ EC2 インスタンスのコンポーネントを先にアップグレードします。

  1. Ubuntu ユーザーとして、スタンバイ EC2 インスタンスへの SSH 接続を確立します。
  2. 次のいずれかのコマンドを使用して、サポートされている Chef または Cinc クライアントをダウンロードしてインストールします。

    サポートされているバージョンについては、「ArcGIS Cookbook の互換性マトリックス」をご参照ください。 以下の記述のバージョン番号を、インストールするクライアント バージョン (例: 18.4.2) に置き換えます。

    • Chef クライアント: sudo curl -L https://omnitruck.chef.io/install.sh | sudo bash -s -- -v <version_number>
    • Cinc クライアント: sudo curl -L https://omnitruck.cinc.sh/install.sh | sudo bash -s -- -v <version_number>
  3. 11.5 インストール ファイルを My Esri の自分のアカウントからダウンロードし、EC2 インスタンスのフォルダーにアップロードします。

    • ArcGIS_Web_Adaptor_Java_Linux_115_195462.tar.gz
    • Portal_for_ArcGIS_Linux_115_195451.tar.gz
    • ArcGIS_Server_Linux_115_195440.tar.gz
    • ArcGIS_DataStore_Linux_115_195461.tar.gz
    • Portal_for_ArcGIS_Web_Styles_Linux_115_195200.tar.gz

  4. Portal for ArcGIS 11.5 認証ファイル (.json) および ArcGIS GIS Server 用にライセンスされた ArcGIS Server 認証 (.epc または .prvc) を入手し、EC2 インスタンスに置きます。
  5. ArcGIS Cookbook バージョン 5.2.0 (arcgis-5.2.0-cookbooks.tar.gz) を EC2 インスタンスにダウンロードし、ファイルを展開して、内容を /var/chef ディレクトリーに置きます。
  6. /var/chef/nodes ディレクトリーを削除します。
  7. 元の /etc/chef/node.json ファイルのコピーを作成し、名前を upgrade_base_enterprise_ha_ubuntu_standby_step1.json に変更します。
  8. テキスト エディターで upgrade_base_enterprise_ha_ubuntu_standby_step1.json ファイルを開き、次のパラメーターを変更します:

    • arcgis のバージョンを 11.5 に設定します。
      "arcgis" : {
          "version": "11.5",
    • arcgis アーカイブ リポジトリーを、EC2 インスタンスでソフトウェア ファイルを置いたフォルダーに設定します。
      "arcgis" : {
          "repository": {
      	  "archives": "/<path and folder>"
    • サーバー認証を、ArcGIS Server 11.5 の認証ファイルの場所に設定します。
      "server" : {
          "authorization_file" : "/<path>/my_new_server.prvc"
    • ポータル認証を、Portal for ArcGIS 11.5 の認証ファイルの場所に設定します。
      "portal" : {
          "authorization_file" : "/<path>/my_new_portal.json",
    • 実行リストを、次の要素を使用するように変更します:
      "recipe[arcgis-enterprise::install_portal]",  
      "recipe[arcgis-enterprise::start_portal]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::webstyles]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::install_portal_wa]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::unregister_server_wa]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::server]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::server_wa]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::install_datastore]", 
      "recipe[arcgis-enterprise::start_datastore]"

  9. upgrade_base_enterprise_ha_ubuntu_standby_step1.json ファイルを保存して閉じます。
  10. Ubuntu ユーザーとして、ディレクトリーを /var/chef に変更し、次のコマンドを実行します: sudo chef-client -z -j /etc/chef/upgrade_base_enterprise_ha_ubuntu_standby_step1.json

スクリプトが実行され、スタンバイ インスタンスのコンポーネントがアップグレードされます。

スタンバイのアップグレードが正しく完了したら、プライマリー インスタンスのアップグレードに進むことができます。

プライマリー インスタンスのアップグレード

スタンバイの Chef-Run が完了したら、プライマリー インスタンスをアップグレードします。

  1. Ubuntu ユーザーとして、プライマリー EC2 インスタンスへの SSH 接続を確立します。
  2. 次のいずれかのコマンドを使用して、サポートされている Chef または Cinc クライアントをダウンロードしてインストールします。

    サポートされているバージョンについては、「ArcGIS Cookbook の互換性マトリックス」をご参照ください。 以下の記述のバージョン番号を、インストールするクライアント バージョン (例: 18.4.2) に置き換えます。

    • Chef クライアント: sudo curl -L https://omnitruck.chef.io/install.sh | sudo bash -s -- -v <version_number>
    • Cinc クライアント: sudo curl -L https://omnitruck.cinc.sh/install.sh | sudo bash -s -- -v <version_number>
  3. 11.5 インストール ファイルを My Esri の自分のアカウントからダウンロードし、EC2 インスタンスのフォルダーにアップロードします。

    • ArcGIS_Web_Adaptor_Java_Linux_115_195462.tar.gz
    • Portal_for_ArcGIS_Linux_115_195451.tar.gz
    • ArcGIS_Server_Linux_115_195440.tar.gz
    • ArcGIS_DataStore_Linux_115_195461.tar.gz
    • Portal_for_ArcGIS_Web_Styles_Linux_115_195200.tar.gz

  4. Portal for ArcGIS 11.5 認証ファイル (.json) および ArcGIS GIS Server 用にライセンスされた ArcGIS Server 認証 (.epc または .prvc) を入手し、EC2 インスタンスに置きます。
  5. ArcGIS Cookbook バージョン 5.2.0 (arcgis-5.2.0-cookbooks.tar.gz) を EC2 インスタンスにダウンロードし、ファイルを展開して、内容を /var/chef ディレクトリーに置きます。
  6. /var/chef/nodes ディレクトリーを削除します。
  7. 元の /etc/chef/node.json ファイルのコピーを作成し、名前を upgrade_base_enterprise_ha_ubuntu_primary_step2.json に変更します。
  8. テキスト エディターで upgrade_base_enterprise_ha_ubuntu_primary_step2.json ファイルを開き、次のパラメーターを変更します:

    • arcgis のバージョンを 11.5 に設定します。
      "arcgis" : {
          "version": "11.5",
    • arcgis アーカイブ リポジトリーを、EC2 インスタンスでソフトウェア ファイルを置いたフォルダーに設定します。
      "arcgis" : {
          "repository": {
      	  "archives": "/<path and folder>"
    • サーバー認証を、ArcGIS Server 11.5 の認証ファイルの場所に設定します。
      "server" : {
          "authorization_file" : "/<path>/my_new_server.prvc"
    • ポータル認証を、Portal for ArcGIS 11.5 の認証ファイルの場所に設定します。
      "portal" : {
          "authorization_file" : "/<path>/my_new_portal.json",
    • 実行リストを、次の要素を使用するように変更します:
      "recipe[arcgis-enterprise::install_portal]",
      	   "recipe[arcgis-enterprise::webstyles]",
      	   "recipe[arcgis-enterprise::portal]",
          "recipe[arcgis-enterprise::portal_wa]",
          "recipe[arcgis-enterprise::server]",
          "recipe[arcgis-enterprise::server_wa]",
          "recipe[arcgis-enterprise::datastore]"

  9. upgrade_base_enterprise_ha_ubuntu_primary_step2.json ファイルを保存して閉じます。
  10. Ubuntu ユーザーとして、ディレクトリーを /var/chef に変更し、次のコマンドを実行します: sudo chef-client -z -j /etc/chef/upgrade_base_enterprise_ha_ubuntu_primary_step2.json

スクリプトが実行され、プライマリー インスタンスのコンポーネントがアップグレードされます。

プライマリーのアップグレードが正しく完了したら、スタンバイ インスタンスの Web Adaptor の構成に進むことができます。

スタンバイの Web Adaptor のアップグレード

プライマリーの Chef-Run が完了したら、スタンバイ インスタンスに再度サイン インし、ポータルの Web Adaptor を構成します。

  1. Ubuntu ユーザーとして、スタンバイ EC2 インスタンスへの SSH 接続を確立します。
  2. /etc/chef/upgrade_base_enterprise_ha_ubuntu_standby_step1.json ファイルのコピーを作成し、名前を upgrade_base_enterprise_ha_ubuntu_standby_step3.json に変更します。
  3. テキスト エディターで upgrade_base_enterprise_ha_ubuntu_standby_step3.json を開き、portal_wa 要素のみを使用するよう実行リストを変更します。

    "run_list" : [
        "recipe[arcgis-enterprise::portal_wa]"
      ]

  4. Ubuntu ユーザーとして、ディレクトリーを /var/chef に変更し、次のコマンドを実行します: sudo chef-client -z -j /etc/chef/upgrade_base_enterprise_ha_ubuntu_standby_step3.json

スクリプトにより、ポータル用の ArcGIS Web Adaptor が構成されます。

CloudFormation テンプレートを使用したアップグレード

10.9、10.9.1、11.0、11.1、11.2、11.3、または 11.4 arcgis-enterprise-ha.template.json CloudFormation テンプレートを使用して可用性の高い ArcGIS Enterprise デプロイメントを作成している場合は、11.5 arcgis-enterprise-ha-upgrade.template.json ファイルを使用してアップグレードできます。 手順については、「CloudFormation を使用した高可用性 ArcGIS Enterprise コンポーネントのアップグレード」をご参照ください。

10.9、10.9.1、11.0、11.1、11.2、11.3、または 11.4 CloudFormation テンプレートを使用して、別々の EC2 インスタンスに構成された、分散された高可用性 ArcGIS Enterprise コンポーネントを作成している場合は、対応するテンプレートを使用してアップグレードします。 以下の表で、同等のデプロイメントおよびアップグレード テンプレートをリストし、アップグレード テンプレートを使用するための手順へのリンクを示します。

10.9、10.9.1、11.0、11.1、11.2、11.3、または 11.4 デプロイメント テンプレート11.5 アップグレード テンプレートCloudFormation アップグレード テンプレートの手順

arcgis-portal-ha.template.json

arcgis-portal-ha-upgrade.template.json

CloudFormation による高可用性 Portal for ArcGIS 配置のアップグレード

arcgis-server-ha.template.json

arcgis-server-ha-upgrade.template.json

CloudFormation を使用した、複数コンピューターの ArcGIS Server サイトのアップグレード

arcgis-datastore-primarystandby.template.json

arcgis-datastore-primarystandby-upgrade.template.json

CloudFormation を使用した、プライマリー/スタンバイ モードの ArcGIS Data Store のデプロイメントのアップグレード

arcgis-datastore-cluster.template.json

arcgis-datastore-cluster-upgrade.template.json

CloudFormation を使用した、クラスタリングされた ArcGIS Data Store のデプロイメントのアップグレード