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ArcGIS Notebook Server 10.9 のシステム要件

ArcGIS Notebook Server は、ArcGIS Notebooks をホストする目的でライセンス付与および構成された ArcGIS Server ロールです。 このサーバー ロールは Docker コンテナーを使用してノートブックをホストおよび実行し、ホスト オペレーティング システムの処理を妨げずに、隔離およびセキュリティ保護された環境をノートブックに提供します。

ArcGIS Notebook Server での Docker とそのロールの詳細

ArcGIS Notebook Server を実行するためのシステム要件とハードウェア要件を次に示します。 セットアップ時に実行される診断ツールで、お使いのコンピューターがシステム要件を満たしているかどうかを確認できます。

ハードウェア要件

ArcGIS Notebook Server ノードでは 8 GB 以上の RAM が必要です。

運用環境では、このソフトウェアのユーザーおよびビジネス要件が異なる場合があるため、ハードウェア要件が記載されていません。 これらの要件は、パフォーマンスとスケーラビリティの要求を満たすハードウェア要件を決定する際に検討する必要があります。

ArcGIS Notebook ServerDocker コンテナー イメージをローカルに保存する /var ディレクトリに 50 GB 以上の空き容量があることを確認します。 詳細については、「コンテナー エンジンおよび ArcGIS Notebook Server」をご参照ください。

ファイアウォールの設定

ArcGIS Notebook Server はポート 11443 で通信します。 ソフトウェアをインストールする前に、ファイアウォール上でこのポートを開く必要があります。

フェデレート先である ArcGIS Enterprise ポータルと通信するために、ArcGIS Notebook Server はポータル コンピューター上のポート 7443 にアクセスする必要があります。

注意:

このコンポーネントは、ArcGIS Enterprise 配置の一部にすぎません。 ダイアグラムおよび Enterprise ポータル内の他のコンポーネントとの通信に必要なポートに関する情報へのリンクについては、「ArcGIS Enterprise のシステム要件」をご参照ください。

一時的に使用される領域の要件

デフォルトでは、システムの /tmp ディレクトリにリソースが展開されます。 このディレクトリの読み取り権限、書き込み権限、および実行権限を有効にしておく必要があります。 /tmp ディレクトリに必要な空き容量がない場合、セットアップ プログラムはリソースをユーザーの HOME ディレクトリに展開しようとします。 ユーザーの HOME ディレクトリにも必要な空き容量がない場合は、この問題を示すエラー メッセージが表示されます。 必要に応じて、IATEMPDIR 環境変数で一時的な代替領域を指定できます。

ファイル ハンドルとプロセスの制限

ArcGIS Notebook Server はデータ量が多くなるサーバー製品であり、そのデータ形式の多くは数十万のファイルで構成されます。 使用頻度が高いシステムでは、常時数千から数万のファイルが使用されています。 ファイル ハンドルとプロセスが不十分だと、リクエストできない事態がランダムに発生し、システムのダウンタイムに至る可能性があります。 必要になるファイル ハンドルとプロセスの数は、データと、実行されているインスタンス (スレッド/プロセス) の数に応じて変わります。 最小ファイル ハンドル数を 65,535 に、最小プロセス数を 25,059 に設定することにより、システムの持続的な実行が保証されます。

Linux では、ファイル ハンドルとプロセスに対してソフト リミットとハード リミットが設定されています。 ハード リミットを確認するには、ulimit -Hn -Hu コマンド (csh を使用している場合は limit -h 記述子) を使用します。 ソフト リミットを確認するには、ulimit -Sn -Su コマンド (csh を使用している場合は limit 記述子) を使用します。

ソフト リミットとハード リミットを引き上げるには、スーパーユーザーのアクセス権限で、/etc/security/limits.conf ファイルを編集する必要があります。 次の 4 行をファイルに追加して、リミットの値を変更できます。

<ArcGIS Notebook Server installation user> soft nofile <file limit>
<ArcGIS Notebook Server installation user> hard nofile <file limit>
<ArcGIS Notebook Server installation user> soft nproc <process limit>
<ArcGIS Notebook Server installation user> hard nproc <process limit>

この変更を行った後に、新しい値を有効にするには、一度サイン アウトしてから特定のユーザーとして再びサイン インします。 リミットが適切に変更されたことを確認するには、前述の ulimit -Hn -Hu コマンドと ulimit -Sn -Su コマンドを使用します。

オペレーティング システム要件

以下の 64 ビット オペレーティング システムは、必要なオペレーティング システム要件を満たしています。 32 ビット オペレーティング システムはサポートされていないため、セットアップが実行されるのは、オペレーティング システムが 64 ビットの場合のみです。

サポートされているオペレーティング システム最新の更新内容またはテスト済みサービス パック

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) Server 8

Update 3

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) Server 7

Update 9

Ubuntu Server 20.04 LTS

20.04.1

Ubuntu Server 18.04 LTS

18.04.5

注意:

サポート対象の Red Hat Enterprise Linux (RHEL) Server と同じバージョンで完全なバイナリ互換性のある CentOS のバージョンに関しては、Esri テクニカル サポートをご利用いただけます。 ソフトウェアの不具合をログに記録するための前提条件として、Esri テクニカル サポートは Red Hat Enterprise Linux (RHEL) Server で問題の再現を試みます。

サポートされているオペレーティング システム最新の更新内容またはテスト済みサービス パック

CentOS Linux 7

Update 8

ArcGIS Notebook Server は、x86_64 アーキテクチャ (64 ビット) に準拠した CPU を搭載し、サポートされている Linux のリリースを使用した Linux x86_64 上のみでサポートされています。

Tensorflow は ArcGIS API for Python でサポートされており、アドバンスト ベクトル エクステンション (AVX) をサポートしている CPU が必要です。 お使いの CPU が AVX をサポートしているかどうかを確認するには、コマンド lscpu を実行し、フラグに avx がリストされているかどうかを確認します。

アンダースコア (_) が含まれているコンピューター名はサポートされていません。 コンピューター名にアンダースコアが含まれていることが検出されると、セットアップが実行されません。

ArcGIS Notebook Server コンピューターのオペレーティング システムが ArcGIS Enterprise 配置内の他のコンピューターのものと異なる場合があります。 これが発生する最も一般的なシナリオは、ArcGIS Notebook ServerLinux コンピューターに配置する一方で、残りの ArcGIS Enterprise 配置に Microsoft Windows コンピューターを使用した場合です。

root ユーザーとして、このソフトウェアをインストールできません。 インストールしようとしてもインストールは開始されず、root ユーザーではインストールできないことを示すエラー メッセージが、ソフトウェア診断ツールによって表示されます。

特に指定がない限り、これらのオペレーティング システムのバージョンに関して過去と今後のアップデートまたはサービス パックはサポートされています。 また、オペレーティング システムのバージョンとアップデートはオペレーティング システムのプロバイダーでもサポートされている必要があります。

ソフトウェアをインストールするには、オペレーティング システムの GUI を使用して ArcGIS Software Authorization ウィザードを実行するか、[更新の確認] ツールを実行します。これには X Window System パッケージ グループが必要です。

クラウドの実装

クラウド内に ArcGIS Notebook Server を配置できます。 クラウド プラットフォームを利用すると、ArcGIS Notebook Server 配置の機能を増やすことができます。たとえば、コンピューターの処理能力を変更したり、パフォーマンスを上げるために複数のインスタンス間でアプリケーションのネットワーク トラフィックを自動的に分散したりすることが可能になります。

Esri イメージ

Esri が提供する ArcGIS Enterprise Microsoft Azure イメージには、ArcGIS Notebook Server のインストールが含まれています。 ArcGIS Enterprise Cloud Builder for Microsoft Azure を使用することはできますが、手動で Docker をインストールし、インストール後に Docker を構成する必要があります。Cloud Builder ではこれらの手順は実行されません。 現在、単一コンピューターの ArcGIS Notebook Server サイトだけが Microsoft Azure でサポートされています。

注意:

クラウド プラットフォーム上の Esri ソフトウェアにつきましては、Esri テクニカル サポートをご利用いただけます。 ただし、Microsoft Azure コンピューター イメージが標準の Esri またはオペレーティング システムの更新に関係なく変更された場合、サポートが提供されないことがあります。 Esri でリリースされたソフトウェアは変更しないことをお勧めします。

異なる構成が必要な場合は、次のセクションをご参照ください。

その他のイメージ

Esri が提供したものとは異なるオペレーティング システム、異なるコンピューター タイプ、または異なるクラウド プラットフォーム上に ArcGIS Notebook Server を配置するには、ご使用のクラウド プロバイダーから提供されるインスタンス上にソフトウェアをインストールして構成する必要があります。 そのインスタンスは、このページに記載されているハードウェア、ソフトウェア、ファイアウォール、一時領域、ファイル ハンドルとプロセスの制限、SSL 証明書、およびドメイン名の各要件を満たしていなければなりません。 ArcGIS Notebook Server 用に独自のクラウド インスタンスをインストールして構成する場合は、次の点に注意してください。

  • サポートされている Windows または Linux プラットフォームを実行している Azure 仮想マシン上に ArcGIS Notebook Server を配置できます。 Linux を使用する場合は、Ubuntu Server LTS をお勧めします。
  • 単一コンピューターの ArcGIS Notebook Server サイトだけが Microsoft Azure でサポートされています。

SSL 証明書

ArcGIS Notebook Server には、自己署名証明書が事前に構成されています。これを使用してサーバーで初期テストを行い、インストールが成功したことをすばやく確認できます。

信頼された認証機関 (CA) からの証明書を要求し、それを使用するように ArcGIS Notebook Server を構成する必要があります。 これには、組織が発行したドメイン証明書または CA 署名証明書を使用できます。 証明書は SAN (Subject Alternative Name) を構成する必要があります。構成しない場合、ArcGIS Notebook Server は正常に動作しません。

Portal for ArcGIS には、事前に構成された自己署名証明書も付属しています。 ArcGIS Notebook Server サイトをポータルとフェデレートするため、信頼された CA に証明書を要求し、それを使用するようにポータルを構成する必要があります。

ソフトウェアの前提条件

ArcGIS Notebook Server をインストールする前に、少なくとも ArcGIS Enterprise の基本配置を準備する必要があります。 セットアップ プロセス中に、新しい ArcGIS Notebook Server サイトを ArcGIS Enterprise ポータルとフェデレートします。 ArcGIS Notebook Server は、(同じバージョンの) 他の ArcGIS Enterprise ソフトウェアがインストールされているコンピューター上にインストールできます。

  • ArcGIS Notebook Server では、Docker ランタイム (17.0 以降) をインストールする必要があります。 適切なエディションの Docker をインストールするには、「ArcGIS Notebook ServerDocker のインストール」の手順に従います。
  • ArcGIS Notebook Server では、オペレーティング システムに応じて次のパッケージ グループをインストールする必要があります。
    • RHEL Server: acl および gettext
    • Ubuntu Server: acl および gettext-base
これらのパッケージ グループをインストールするには、お使いのオペレーティング システムに関する次のコマンドをターミナルで実行します。

RHEL Server コンピューター

sudo yum install acl
sudo yum install gettext

Ubuntu Server コンピューター

sudo apt-get install acl
sudo apt-get install gettext-base

ドメイン名システム ホスト名エントリ

ArcGIS Notebook Server は、ドメイン名システム (DNS) ホスト名エントリのあるコンピューターにインストールする必要があります。 このためには、サイトのシステム管理者がネットワーク内のネーム サーバーにエントリを追加し、このネーム サーバーがシステム上の /etc/resolv.conf 構成ファイルにリストされる必要がある場合があります。

サイトをポータルとフェデレートするため、完全修飾ドメイン名 (FQDN) エントリを含めるように組織の DNS を構成することをお勧めします。 ポータルは、フェデレートの際に各サイトの FQDN を要求します。

サポートされる Web ブラウザー

ArcGIS Notebook Server 構成ウィザードおよびノートブック エディターを使用する場合、以下の Web ブラウザーがサポートされています。

  • Google Chrome
  • Mozilla Firefox
  • Microsoft Edge