ArcGIS Mission Server のシステム要件とハードウェア要件を次に示します。 missionserverdiag ツールは、セットアップ時に、要件が ArcGIS Mission Server に対して最新であるかどうかをチェックします。
Linux に ArcGIS Mission Server をインストールする際には、インターネット アクセスが要求されます。 インストーラーは、インストール時に、構成されている Linux 環境の特定の依存関係を取得します。
ハードウェア要件
ArcGIS Mission Server の最小 RAM 要件は、コンピューターあたり 8 GB です。
運用環境では、このソフトウェアのユーザーおよびビジネス要件が異なる場合があるため、最小ハードウェア要件が記載されていません。 これらの要件は、パフォーマンスとスケーラビリティの要求を満たすハードウェア要件を決定する際に検討する必要があります。
ポートの利用可能性
ポート 20443、20300、20301、20302、20158、20159、および 20160 が ArcGIS Mission Server コンピューターで利用可能であることを確認します。 ポート 20443、20301、および 20300 は、ArcGIS Web Adaptor (使用している場合) または外部クライアントからアクセス可能である必要があります。 ファイアウォールが ArcGIS Web Adaptor または外部クライアントの間にある場合、ファイアウォールでポート 20443、20301、および 20300 を開きます。 ArcGIS Mission Server が高可用性になるように構成されている場合は、 ArcGIS Mission Server コンピューター間の通信がポート 20158、20159、20160 を介して可能であることを確認します。
注意:
このコンポーネントは、ArcGIS Enterprise 配置の一部にすぎません。 ダイアグラムおよび Enterprise ポータル内の他のコンポーネントとの通信に必要なポートに関する情報へのリンクについては、「ArcGIS Enterprise のシステム要件」をご参照ください。
一時的に使用される領域の要件
デフォルトでは、システムの /tmp ディレクトリにリソースが展開されます。 このディレクトリの読み取り権限、書き込み権限、および実行権限を有効にしておく必要があります。 /tmp ディレクトリに必要な空き容量がない場合、セットアップ プログラムはリソースをユーザーの HOME ディレクトリに展開しようとします。 ユーザーの HOME ディレクトリにも必要な空き容量がない場合は、この問題を示すエラー メッセージが表示されます。 必要に応じて、IATEMPDIR 環境変数で一時的な代替領域を指定できます。
Linux オペレーティング システム要件
以下で説明する 64 ビット オペレーティング システムは、最低限必要なオペレーティング システム要件を満たしています。 32 ビット オペレーティング システムはサポートされていないため、セットアップが実行されるのは、オペレーティング システムが 64 ビットの場合のみです。 アンダースコアが含まれているコンピューター名はサポートされていません。 コンピューター名にアンダースコアが含まれていることが検出されると、セットアップが実行されません。
ArcGIS Mission Server コンピューターのオペレーティング システムが ArcGIS Enterprise 配置内の他のコンピューターのものと異なる場合があります。 これが発生する最も一般的なシナリオは、 ArcGIS Mission Server を Linux コンピューターに配置する一方で、残りの ArcGIS Enterprise 配置に Microsoft Windows コンピューターを使用した場合です。
root ユーザーとして、このソフトウェアをインストールできません。 インストールしようとしてもインストールは開始されず、root ユーザーではインストールできないことを示すエラー メッセージが、ソフトウェア診断ツールによって表示されます。
このソフトウェアは、変更された OS (バイナリ) にインストールすることができません。 Esri では、開発者向けのバージョンのオペレーティング システムにインストールされている製品のサポートを提供していません。
サポートされているオペレーティング システム | 最新の更新内容またはテスト済みサービス パック |
---|---|
Red Hat Enterprise Linux Server 8 | Update 3 |
Red Hat Enterprise Linux Server 7 | Update 9 |
SUSE Linux Enterprise Server 15 | Service Pack 2 |
SUSE Linux Enterprise Server 12 | Service Pack 5 |
Ubuntu Server 20.04 LTS | 20.04.1 |
Ubuntu Server 18.04 LTS | 18.04.5 |
特に指定がない限り、これらのオペレーティング システムのバージョンに関して過去と今後のアップデートまたはサービス パックはサポートされています。 また、オペレーティング システムのバージョンとアップデートはオペレーティング システムのプロバイダーでもサポートされている必要があります。
注意:
サポート対象の Red Hat Enterprise Linux Server と同じバージョンで完全なバイナリ互換性のある CentOS、Scientific Linux、および Oracle Linux のバージョンに関しては、Esri テクニカル サポートをご利用いただけます。 ソフトウェアの不具合をログに記録するための前提条件として、Esri テクニカル サポートは Red Hat Enterprise Linux Server で問題の再現を試みます。 Oracle Linux の場合、サポートは Red Hat Enterprise Linux Server との互換性があるカーネルの使用を前提とします。
ファイル ハンドルとプロセスの制限
ArcGIS Server はデータ量が多くなるサーバー製品であり、そのデータ形式の多くは数十万のファイルで構成されます。 使用頻度が高いシステムでは、常時数千から数万のファイルが使用されています。 ファイル ハンドルとプロセスが不十分だと、リクエストを起動できない事態がランダムに発生し、システムのダウンタイムに至る可能性があります。 実際に必要になるファイル ハンドルとプロセスの数は、データと、実行されているインスタンス (スレッド/プロセス) の数に応じて変わります。 ファイル ハンドルの制限を 65,535 に、プロセスの制限を 25,059 に設定することにより、システムの持続的な実行が保証されます。
Linux では、ファイル ハンドルとプロセスに対してソフト リミットとハード リミットが設定されています。 ハード リミットを確認するには、ulimit -Hn -Hu (csh を使用している場合は limit -h descriptors) コマンドを使用します。 ソフト リミットを確認するには、ulimit -Sn -Su (csh を使用している場合は limit descriptors) コマンドを使用します。
ソフト リミットとハード リミットを引き上げるには、スーパーユーザーのアクセス権限を使用して /etc/security/limits.conf ファイルを編集する必要があります。 たとえば、次の 4 行をファイルに追加して、リミットの値を変更できます。
<ArcGIS Server installation user> soft nofile <file limit>
<ArcGIS Server installation user> hard nofile <file limit>
<ArcGIS Server installation user> soft nproc <process limit>
<ArcGIS Server installation user> hard nproc <process limit>
この変更を行った後、新しい値を有効にするために、一度ログアウトしてから特定のユーザーとして再ログインする必要があります。 リミットが適切に変更されたことを確認するには、前述の ulimit -Hn -Hu コマンドと ulimit -Sn -Su コマンドを使用します。
クラウドの実装
ArcGIS Mission Server クラウドの実装は、Amazon Web Services (AWS) で現在サポートされています。 詳細については、「ArcGIS Server ロールの拡張サポート」をご参照ください。
SSL 証明書
ArcGIS Mission Server には、自己署名証明書が事前に構成されています。これを使用してサーバーで初期テストを行い、インストールが成功したことをすばやく確認できます。
信頼された認証機関 (CA) からの証明書を要求し、それを使用するように ArcGIS Mission Server を構成する必要があります。 これには、組織が発行したドメイン証明書または CA 署名証明書を使用できます。 証明書は SAN (Subject Alternative Name) を構成する必要があります。構成しない場合、 ArcGIS Mission Server は正常に動作しません。
Portal for ArcGIS には、事前に構成された自己署名証明書も付属しています。 ArcGIS Mission Server サイトをポータルとフェデレートするため、信頼された CA に証明書を要求し、それを使用するようにポータルを構成する必要があります。
ソフトウェアの前提条件
ArcGIS Mission Server は、単独または他の ArcGIS Enterprise 10.9 コンポーネントと組み合わせてインストールできます。
注意:
新しい配置をインストールするのか、旧バージョンからアップグレードするのかにかかわらず、すべてのソフトウェア コンポーネント (ArcGIS Enterprise ポータル、ArcGIS Server サイト、および ArcGIS Data Store) がインストールされ、ArcGIS Enterprise 10.9 を実行していることを確認してください。
基本配置の一部として、ArcGIS Data Store が必要です。 ビッグ データ ストアは、ArcGIS Mission を使用してミッションを作成する場合のデフォルト データ ストアです。 ビッグ データ ストアが検出または構成されていない場合や使用できない場合、ミッションの作成時にメッセージが表示されます。 デフォルトでは、代わりに、リレーショナル データ ストアが使用されます。 ミッションは大量のデータを含み、長期間にまたがる可能性があるため、ビッグ データ ストアの使用を強くお勧めします。 ビッグ データ ストアは大量データのアーカイブを備え、高速の書き込みスループットをサポートするため、データをより効率的に保管できます。
ArcGIS Mission Server のセットアップ中に、新しい ArcGIS Mission Server サイトを Enterprise ポータル 10.9 とフェデレートします。
ドメイン名システムと完全修飾ドメイン名に関する推奨事項
組織のドメイン名システム (DNS) は、 ArcGIS Mission Server サイトの完全修飾ドメイン名 (FQDN) エントリを含むように構成することをお勧めします。 ArcGIS Enterprise ポータルは、フェデレートの際にサーバー サイトの FQDN を要求します。
サポートされる Web ブラウザー
ArcGIS Mission Server インストール ウィザードは、次を含むがこれらに限定されない、すべての Web ブラウザーでサポートされています。
- Google Chrome
- Microsoft Edge
- Mozilla Firefox
- Safari