ArcGIS Enterprise はマッピング、視覚化、データ管理、解析用のシステムを提供するだけでなく、オンプレミス、クラウド、仮想コンピューターでの使用を可能にする柔軟な配置モデルを備えています。
ArcGIS Enterprise の基本配置には、連携して動作するように設計された複数のコンポーネントが含まれています。 これらのコンポーネントに加え、1 つ以上の ArcGIS Server ライセンス ロールや他の ArcGIS Server タイプを ArcGIS Enterprise 配置に追加して、組織の特定のワークフロー要件を満たすことができます。
このページには、クラウドおよび仮想化サポート ポリシーなど、ArcGIS Enterprise 配置の大部分に共通するサポート情報が含まれています。また、ArcGIS Enterprise 配置内の各コンポーネントおよびサイトの要件を理解できる他のページへのリンクも用意されています。
システム要件のページ
各 ArcGIS Enterprise コンポーネントには、そのコンポーネントに固有な特定の要件があります。 配置する各コンポーネント、サイト、アプリのシステム要件ページと、ArcGIS Enterprise Builder や ArcGIS Enterprise SDK などのツールの要件ページをお読みください。 次のリンクを使用して、各ページにアクセスします
- ArcGIS Server
- Portal for ArcGIS
- ArcGIS Data Store
- ArcGIS Web Adaptor
- ArcGIS Enterprise Builder
- ArcGIS GeoEvent Server
- ArcGIS Mission Server
- ArcGIS Notebook Server
- ArcGIS Workflow Manager (Classic)
- ArcGIS Workflow Manager Server
- ArcGIS Knowledge Server
- ArcGIS Enterprise SDK
- ArcGIS Enterprise でサポートされているアプリ
ArcGIS GeoAnalytics Server の要件については、「GeoAnalytics Server サイトに関するベスト プラクティス」をご参照ください。
Linux オペレーティング システム要件
次の Linux オペレーティング システムは、ほとんどの ArcGIS Enterprise コンポーネントとサイトでサポートされています。 現時点での例外には、ArcGIS Notebook Server および ArcGIS Mission Server が含まれます。
このソフトウェアは、変更された OS (バイナリ) にインストールすることができません。 Esri では、開発者向けのバージョンのオペレーティング システムにインストールされている製品のサポートを提供していません。
サポートされているオペレーティング システム | 最新の更新内容またはテスト済みサービス パック |
---|---|
Red Hat Enterprise Linux Server 8 | Update 6 |
SUSE Linux Enterprise Server 15 | Service Pack 4 |
SUSE Linux Enterprise Server 12 | Service Pack 5 |
Ubuntu Server 22.04 LTS | 22.04.1 |
Ubuntu Server 20.04 LTS | 20.04.4 |
Ubuntu Server 18.04 LTS | 18.04.6 |
Oracle Linux 8 | Update 4 |
Rocky Linux 8 | Update 6 |
特に指定がない限り、これらのオペレーティング システムのバージョンに関して過去と今後のアップデートまたはサービス パックはサポートされています。 また、オペレーティング システムのバージョンとアップデートはオペレーティング システムのプロバイダーでもサポートされている必要があります。
その他のオペレーティング システム要件については、インストールする各コンポーネントのページをご参照ください。 Linux で ArcGIS を使用する際の制限については、「オペレーティング システムの制限 - Linux」をご参照ください。
ファイアウォールの設定
ArcGIS Enterprise 配置内の各コンポーネントは、特定のポート群を経由して通信します。 コンピューター間の通信にポートが使用される場合、コンピューターのファイアウォールでそのポートを開く必要があります。 ポートが内部通信に使用される場合、そのポートがコンピューターで実行されている別のアプリケーションによって使用されていないことを確認してください。
次のリストとリンクを参照して、ArcGIS Enterprise に配置する可能性のある各コンポーネントで使用されるすべてのポートを確認します。
- Portal for ArcGIS
- ArcGIS Server - すべての ArcGIS Server ロールとエクステンション タイプは、これらのポートを使用します。 一部のロールでは、通信に追加のポートを使用します。 追加のポート要件については、次のリンクをご参照ください。
- ArcGIS Web Adaptor は、コンピューター間でポート 443 および 80 を経由して通信します。
- ArcGIS Data Store
- ArcGIS Notebook Server
- ArcGIS Mission Server
サポートされる Web ブラウザー
ほとんどの ArcGIS Enterprise コンポーネントには、Web ブラウザーからアクセスするウィザードまたはインターフェイスが含まれています。 次のブラウザーは、ほとんどのコンポーネントでサポートされています。
- Google Chrome バージョン 107 以降
- Microsoft Edge バージョン 107 以降
- Mozilla Firefox バージョン 109 以降
- Mozilla Firefox バージョン 102 (ESR)
- Safari バージョン 15 以降
*Scene Viewer とシーンベースのアプリには、独自のブラウザー要件があります。 また、一部の ArcGIS アプリにも、独自の要件があります。 詳細については、各アプリのドキュメントをご参照ください。
最高のパフォーマンスとフル機能を実現するには、上記の最新バージョンのブラウザーを使用します。 WebGL が有効になっている 64 ビット ブラウザーのみがサポートされています。 Web サイトでは、ブラウザーのローカル ストレージ機能 (cookie (クッキー) と似た機能) が活用されています。 このストレージが無効になっていると、サイトが正常に機能しません。 ローカル ストレージを有効にする方法については、ブラウザーのドキュメントをご参照ください。
クラウド プラットフォーム上の ArcGIS Enterprise
多くのクラウド プラットフォーム上で ArcGIS Enterprise をデプロイできます。 仮想コンピューターを提供するクラウド プラットフォームはどれも、仮想コンピューターがオペレーティング システムとシステムの仕様に対する基本的なシステム要件を満たす場合、ArcGIS Enterprise での使用がサポートされています。
Esri では、基本的なサポートに加えて、一般的な 2 つのクラウド プラットフォームの Amazon Web Services (AWS) と Microsoft Azure で、デプロイメント ツールとあらかじめ作成された仮想コンピューター イメージを提供しています。 これら 2 つのクラウド プラットフォーム上にデプロイする場合は、これらの専用のツールとイメージを使用して、デプロイメントを簡略化することをお勧めします。
Esri は、ArcGIS Enterprise デプロイメント ツールがその通常動作の一環として作成および管理するもの以外については、クラウド インフラストラクチャのプロビジョニングおよび構成のテクニカル サポートを提供しません。 AWS と Azure 以外の、Esri が専用のデプロイメント ツールを提供しないクラウド プラットフォームでは、サポートはソフトウェア固有の問題のトラブルシューティングに限られます。
ArcGIS Enterprise は、いくつかのクラウド プラットフォーム上のストレージやデータベースなど、ネイティブなクラウド機能もサポートします。 たとえば、Amazon Simple Storage Service (S3) や Microsoft Azure SQL Database などです。 サポートされているネイティブ クラウド機能については、各 ArcGIS コンポーネントのドキュメントをご参照ください。
注意:
クラウド プラットフォームに ArcGIS Notebook Server を実装するには、追加の要件があります。 詳細については、「ArcGIS Notebook Server のシステム要件」をご参照ください。
サポートされている仮想化環境
ArcGIS Enterprise のすべてのコンポーネントは、サポートされているオペレーティング システムで実行する限り、仮想化環境上の動作がサポートされています。 リレーショナルデータベースなど、ArcGIS Enterprise でサードパーティのアプリケーションを実行する場合は、そのアプリケーションが仮想環境でもサポートしている必要があります。 仮想化のサポートについては、サードパーティ ベンダーに確認してください。
次の仮想化環境は、ArcGIS Enterprise およびそのコンポーネントで正常に機能することが確認されています。
- VMware vSphere 7.0、8.0
- Microsoft Hyper-V
上記のリストに含まれていても、保証やサポート レベルの向上を意味するものではありません。 上記のリストに含まれていなくても、環境や特定のバージョンがサポートされていないことを意味するのではなく、Esri またはそのパートナーが明示的にテストした環境またはバージョンではないことを意味しています。
詳細については、「仮想ハードウェアへの ArcGIS Server の配置」をご参照ください。
ArcGIS Enterprise アーキテクチャ
各コンポーネント間で低遅延の接続を実現するためには、1 つのデータ センターまたはそれに相当するクラウド リージョンやネットワーク内に、単一配置のすべての ArcGIS Enterprise コンポーネントをインストールする必要があります。
以下に例を示します。
- 3 台のコンピューターを含む ArcGIS Server サイトがある場合、3 台のコンピューターすべてが同じデータ センターに存在する必要があります。コンピューターを複数のデータ センターに分割することはできません。
- フェデレートされた ArcGIS Server サイト、サイトがフェデレートされたポータル、ポータルのホスティング サーバー、ArcGIS Enterprise 配置内の各タイプの ArcGIS Data Store は、同じデータ センターに存在する必要があります。
- 可用性の高い ArcGIS Enterprise 配置内の Portal for ArcGIS、ArcGIS Data Store、および ArcGIS Server コンピューターはすべて同じデータ センターに存在する必要があります。プライマリおよびスタンバイ コンピューターを別々のデータ センターに分割することはできません。
単一のデータ センターによるデータの損失を防ぐには、別のデータ センターにセカンダリ配置を作成します。 詳細については、「障害復旧とレプリケーション」をご参照ください。
- 参照している Web サービスおよびデータは、パフォーマンスの問題を回避するために、同じデータ センターまたはクラウドにある必要があります。 したがって、データ ソースおよびサービス実行中の ArcGIS Server サイトは同じデータ センターになければなりません。
また、Web レイヤーを公開する際の遅延やパフォーマンスの問題を回避するには、ArcGIS Enterprise に公開する ArcGIS クライアント (ArcGIS Pro など) を、ArcGIS Enterprise と同じクラウドまたはネットワークに配置する必要があります。 これは、ホスト レイヤーを公開し、データ ソースから ArcGIS Enterprise 配置内のコンピューターにデータがコピーされる際には特に重要です。