ArcGIS Web Adaptor をインストールしたら、サーバー サイトで使用できるように構成する必要があります。 これは、ArcGIS Web Adaptor とともにインストールされる構成用の Web ページまたはコマンド ライン ユーティリティで行います。 セキュリティ対策として、構成ページやコマンド ライン ユーティリティには、ArcGIS Web Adaptor をホストしているコンピューターからのみアクセスできます。
構成ページを開くと、ArcGIS Web Adaptor の現在の状態が表示されます。 これには、ArcGIS Web Adaptor が過去に構成されたことがあるかどうかが示されます。 ArcGIS Web Adaptor のプラットフォームのタイプとバージョン番号を表示するには、構成ページの [情報] をクリックします。
ArcGIS Web Adaptor の構成方法の詳細については、以下のセクションをご参照ください。
構成 Web ページを使用した ArcGIS Web Adaptor の構成
ソフトウェアとともにインストールされた構成用の Web ページを使用して ArcGIS Web Adaptor を構成するには、次の手順に従います。
注意:
Mission Server および Notebook Server にはその他の注意事項があり、この時点で確認する必要があります。
- Web ブラウザーで ArcGIS Web Adaptor 構成ページを開きます。 URL の形式は https://webadaptorhost.domain.com/webadaptorname/webadaptor です。
- ArcGIS Web Adaptor と構成するサーバーのタイプを選択します。 [次へ] をクリックします。
- サイトに登録しているいずれかのサーバーのコンピューター名を入力します。 このコンピューター名を使用して、サーバー サイトに属しているコンピューターをすべて検出し、それらを ArcGIS Web Adaptor に登録できます。 コンピューター名の形式は server.domain.com です。
- サーバー サイトに対する管理権限を持つアカウントのユーザー名とパスワードを入力します。 通常は、サイトを作成したときに定義したプライマリ サイト管理者のアカウントのユーザー名とパスワードを使用します。 プライマリ サイト管理者のアカウントを無効にした場合は、サイトに対して管理アクセス権限を持つアカウントを指定する必要があります。
- サーバー サイトを構成している場合、ユーザーが ArcGIS Web Adaptor を通じてサイトを管理できるかどうかを選択できます。 デフォルトでは、ArcGIS Web Adaptor を介したサイトの管理は有効になっています。 このオプションには、次の注意事項があります。
- 管理機能を無効にすると、外部ユーザーは ArcGIS Web Adaptor を通じて ArcGIS Server Manager や ArcGIS Server Administrator Directory にアクセスできません。 また、ArcGIS Pro のユーザーも ArcGIS Server に対して管理者または公開者接続を確立できません。 ただし、このオプションが有効かどうかに関係なく、ArcGIS Pro から ArcGIS Server へのユーザー接続は確立できます。
- ArcGIS Web Adaptor を使用した管理アクセスを無効にした場合でも、サイトのいずれかの ArcGIS Server コンピューターにアクセスするダイレクト URL を次のように使用して、ArcGIS Server Manager と ArcGIS Server Administrator Directory へのアクセスおよび ArcGIS Pro のサーバーへの接続が可能になります。
- ArcGIS Server Manager にアクセスするには、URL 形式 https://server.domain.com:6443/arcgis/manager を使用します。
- ArcGIS Server Administrator Directory にアクセスするには、URL 形式 https://server.domain.com:6443/arcgis/admin を使用します。
- ArcGIS Pro でサーバー接続を作成するには、URL 形式 https://server.domain.com:6443/arcgis を使用します。
- ArcGIS Server が Web 層認証を使用して構成されている場合、ArcGIS Web Adaptor を介した管理機能を有効なままにしておく必要があります。 これによって、公開者権限および管理者権限を持つ組織固有のアイデンティティ ストアのユーザーは、ArcGIS Pro からサービスを公開できるようになります。 これらのロールに含まれるユーザーは、ArcGIS Pro でサーバーに接続する場合、ArcGIS Web Adaptor の URL を指定する必要があります。
- [構成] をクリックして、設定内容を ArcGIS Web Adaptor に適用します。
注意:
ArcGIS Web Adaptor をインストールした Web サーバーがフォワード プロキシを使用するように構成されている場合、ArcGIS Web Adaptor の登録時には無効にします。 フォワード プロキシを使用するように構成されていない場合は、Web Adaptor 構成ページにアクセスできません。
構成が完了すると、ArcGIS Web Adaptor が認識したコンピューターのリストが構成ページの下部に表示されます (緑色でハイライト表示されます)。 いつでもこのページに戻って、認識されているコンピューターのリストを表示し、Web Adaptor の設定を調整することができます。
コマンド ラインを使用した ArcGIS Web Adaptor の構成
<ArcGIS Web Adaptor のインストール ディレクトリ>/webadaptor/11.1/java/tools にあるコマンド ライン ユーティリティ (configurewebadaptor.sh) を使用して、ArcGIS Web Adaptor を構成できます。 これは、ArcGIS Web Adaptor をホストするコンピューターが GUI (グラフィカル ユーザー インターフェイス) を持たない場合に特に便利です。
使用できるパラメーターは次のとおりです。
configurewebadaptor.sh -m <Mode> -w <WebAdaptorURL> -g <MachineName|URL> -u <Username> -a <AdminAccessEnabled>
<Mode> - ArcGIS Web Adaptor と構成するコンポーネント。 デフォルトでは、このパラメーターは server に設定され、ArcGIS Web Adaptor はサーバー サイトとともに使用するように構成されます。 以下は、さまざまな ArcGIS Server ロールの構成に使用できるパラメーターです。
- Notebook Server—notebook
- Mission Server - mission
<WebAdaptorURL> - コマンド ラインから構成する ArcGIS Web Adaptor の URL。 これは、Web ブラウザーから ArcGIS Web Adaptor の構成ページにアクセスする場合に使用する URL と同じです。 ArcGIS Web Adaptor がデフォルト ポートの 80 以外でインストールされている場合、URL にポートを指定します。
<MachineName|URL> - サーバー サイト内にあるいずれかのコンピューターのコンピューター名 (例: server.domain.com)。 コンピューター名の代わりにサーバー コンピューターの URL を使用することもできます。 ArcGIS Server とともに使用するように ArcGIS Web Adaptor を構成している場合、サイトに属しているすべてのコンピューターを検出するために、コンピューター名または URL が使用されます。
<Username> - サーバー サイトに対する管理者権限を持つアカウントのユーザー名。 ArcGIS Server の場合、このアカウントは、サイトが最初に作成されたときに入力されたプライマリ サイト管理者のアカウント、または管理者権限を割り当てられているアカウントです。 Notebook Server および Mission Server の場合、サイトが作成されたときに使用されたプライマリ サイト管理者アカウントのユーザー名を入力します。
<Password> - サーバー サイトに対する管理者権限を持つアカウントのパスワード。
<AdminAccessEnabled> - 管理アクセスを有効化するオプションは、ArcGIS Server にのみ適用されます。 管理アクセスを有効化すると (true)、ArcGIS Web Adaptor を通じて ArcGIS Server Manager および ArcGIS Server Administrator Directory アプリケーションにアクセスできるようになります。 管理アクセスが許可されていない場合 (false)、サイト内にあるいずれかのサーバーへのダイレクト URL を使用して、これらのアプリケーションにアクセスできます。 たとえば、ArcGIS Server Manager には http://machine:6443/arcgis/manager、ArcGIS Server Administrator Directory には http://machine:6443/arcgis/admin を使用してアクセスできます。 Portal for ArcGIS、Notebook Server、Mission Server を構成している場合、管理アクセスが必要で、デフォルトで有効化されています。
例: $ ./configurewebadaptor.sh -m server -w https://webadaptorhost.domain.com/webadaptorname/webadaptor -g server.domain.com -u siteadmin -p secret -a false
注意:
コマンド ライン ユーティリティを実行するには、ArcGIS Web Adaptor をホストするコンピューター上に JRE (Java Runtime Environment) が必要です。 JRE がコンピューター上に存在しない場合、ユーティリティを実行するとエラーが発生します。 コンピューター上に JRE をダウンロードおよびインストールする方法については、Java SE Downloads サイトをご参照ください。
ArcGIS Web Adaptor の構成後
ArcGIS Web Adaptor の構成が終了して使用できる状態になったら、以下の項目を検討してください。
サーバー コンピューターの追加または削除
サーバー コンピューターをサイトに追加または削除した場合、ArcGIS Web Adaptor がサイトの変更を認識するまで 1 分ほどかかります。 追加または削除されたコンピューターを ArcGIS Web Adaptor に即座に認識させるには、上記の手順を実行します。
複数の ArcGIS Web Adaptor のインストール
複数の ArcGIS Web Adaptor をインストールすると、サーバー サイトに複数の Web エントリ ポイントを用意できます。 この処理を行うと、クライアントに対するサイトの可用性を高めたり、レガシー アプリケーションをサポートしたり、セキュリティ レベルの高い環境で特定ユーザーに公開アクセスと管理アクセスを許可したりできます。 詳細については、「配置シナリオ」をご参照ください。
複数の ArcGIS Web Adaptor を同じコンピューター上に同時にインストールしたり、複数のコンピューターにインストールしたりすることができます。 複数の ArcGIS Web Adaptor を同じ Web サイト (ポート) にインストールするには、別々の名前を使用します。 たとえば、arcgis という 2 つの ArcGIS Web Adaptor は、同じ Web サイト上に存在できません。 複数の ArcGIS Web Adaptor を同じ名前にしたい場合は、異なる Web サイト (ポート) 上にインストールする必要があります。