Skip To Content

ArcGIS GeoAnalytics Server でのビッグ データ解析の実行

ArcGIS GeoAnalytics Server は、ArcGIS Enterprise のビッグ データ処理および解析機能を提供します。 大量のデータを解析するために、解析ツールのコレクションを強化する分散コンピューティング フレームワークがあります。 集約、回帰、検出、クラスタリングなどを実行して、ビッグ データを視覚化して理解し、取り扱うことができます。 GeoAnalytics Server を使用すると、これ以外の方法ではデータに隠されていることがある、パターン、傾向、異常などについての洞察を得ることができます。

ArcGIS GeoAnalytics Server は、ArcGIS Enterprise のビッグ データ処理および解析機能を提供します。 大量のデータを解析するために、解析ツールのコレクションを強化する分散コンピューティング フレームワークがあります。 集約、回帰、検出、クラスタリングなどを実行して、ビッグ データを視覚化して理解し、取り扱うことができます。 GeoAnalytics Server を使用すると、これ以外の方法ではデータに隠されていることがある、パターン、傾向、異常などについての洞察を得ることができます。

GeoAnalytics ツールは、さまざまな業界にわたる多目的なツールです。 次の例は、さまざまな目的を考慮して GeoAnalytics Server を使用できる方法を示しています。

  • 犯罪アナリストとして、自分の州内の犯罪の位置および時間、ならびに対象地域 (イベント、警察署、市の中心など) への犯罪の近接性を理解することができます。 関連するツールは、[ポイントの集約] および [フィーチャの結合] です。
  • 州の運輸局での管理者として、数十年間の交通量および事故のデータを解析し、最もインシデントが多い州間を決定することができます。 特定の車両がいつ加速およびブレーキングを行ったかを解析し、それらを自動車事故の位置と関連付けることもできます。 関連するツールは、[ポイント クラスターの検索] および [トラックの再構築] です。
  • 環境科学者として、数百万個の静的なセンサー読み取り値のデータセット内で、国全体のオゾン濃度が高い時間および位置を識別することができます。 関連するツールは、[インシデントの検出] および [時空間キューブの作成] です。
  • 電気公益事業のエンジニアとして、落雷がどの程度送電線および変電所に近いかを決定することができます。 関連するツールは、[バッファーの作成] および [フィーチャの結合] です。
  • 水道施設の技術者として、漏水に関する作業指示を分類し、それらを土壌タイプのデータセットと結合し、特に腐食性の高い土壌が存在するエリア内で漏水が発生したかどうかを判定することができます。 関連するツールは、[時空間キューブの作成] および [ホット スポットの検索] です。
  • 小売の指導者として、人口統計、過去の売上、または店舗との間の距離に基づいて、商圏の再編成を試みることができます。 製品ライン全体で、店舗の実績がどの程度類似しているか、または類似していないかを確認することもできます。 関連するツールは、[境界のディゾルブ] および [類似フィーチャの検索] です。
  • ある都市の GIS アナリストとして、ArcGIS GeoEvent Server を使用して、公共事業の車両や除雪車などの、都市のすべての車両に関する GPS データを解析することができます。 車両が移動した位置、対象範囲の少ないエリア、および車両が制限速度を超えた事例を確認します。 関連するツールは、[トラックの再構築]、[ポイントの集約]、および [インシデントの検出] です。

GeoAnalytics Tools へのアクセス

ArcGIS GeoAnalytics Server のフィーチャ解析ツールは、Map Viewer ClassicArcGIS ProArcGIS API for Python、および ArcGIS REST API を介して使用できます。 ポータル メンバーは、次に示す手順を使用してこれらのツールにアクセスできます。

ArcGIS REST API を介したツールの実行の詳細については、ArcGIS REST API のドキュメントをご参照ください。 ArcGIS Pro でのツールの実行の詳細については、ArcGIS Pro のドキュメントをご参照ください。

Map Viewer Classic からのツールへのアクセス

次の手順に従い、Map Viewer Classic からツールにアクセスします。

  1. GeoAnalytics フィーチャ解析権限を持つメンバーとしてポータルにサイン インします。
  2. [マップ] をクリックしてMap Viewer Classicを開きます。
  3. [解析] をクリックして、[GeoAnalytics ツール] を選択します。
注意:

[解析] ボタンまたは [GeoAnalytics ツール] タブがMap Viewer Classicに表示されない場合は、ポータル管理者に問い合わせてください。 お使いのポータルが ArcGIS GeoAnalytics Server で構成されていないか、ユーザーにツールを実行する権限がないことが考えられます。 ツールに必要な権限がない場合、ツールは表示されません。

ArcGIS API for Python からのツールへのアクセス

ArcGIS API for Python では、GIS アナリストやデータ科学者が組織で利用可能な GeoAnalytics Tools を使用して、各自の空間データの検索、視覚化、解析、変換を実行できます。 この API の解析機能の詳細については、ドキュメント サイトをご参照ください。

これらのビッグ データ解析ツールには、geoanalytics モジュールからアクセスできます。

解析用のデータの準備

GeoAnalytics Tools は、次の場所で実行できます。

  • フィーチャ レイヤー (ホストされている場合、ホスト フィーチャ レイヤー ビューの場合、およびフィーチャ サービスから提供される場合)
  • フィーチャ コレクション
  • ArcGIS GeoAnalytics Server に登録されているビッグ データ ファイル共有

GeoAnalytics Tools 出力

GeoAnalytics Tools の実行からの出力は、次の 2 つのオプションのいずれかになります。

  • ポータルのホスティング サーバーに登録された ArcGIS Data Store に格納されたデータを含むホスト フィーチャ レイヤー。
  • GeoAnalytics Server に登録したビッグ データ ファイル共有 (フォルダー、クラウド ストア、HDFS の場所) に格納されたデータセット。

ツールの概要

各ツールの概要については、以下を参照してください。 各解析ツールは、複数のカテゴリに分かれています。 これらのカテゴリは、論理的にグループ分けされており、ツールのアクセス方法や使用方法にはまったく影響しません。

データの集約

これらのツールは、範囲内または他のフィーチャの近くにおいて、フィーチャおよびそれらの属性の合計の数、長さ、面積、および基本的な説明的統計解析を計算します。

ツール説明

ポイントの集約

ポイントの集約

このツールは、ポイント フィーチャのレイヤーと、エリア フィーチャのレイヤーまたはビンの計算用の距離を使用して、どのポイントがどのエリア内に含まれるのかを特定し、各エリア内の全ポイントの統計情報を算出します。 必要に応じて、時間のスライスをこのツールに適用することもできます。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 犯罪事件のポイント位置を基に、州やその他の行政区域別に犯罪数をカウントします。
  • 100 km のクラスを使用して、フランチャイズ場所の最も高い/低い月間収益を検索します。

多変数グリッドの構築

多変数グリッドの構築

このツールは、四角形または六角形のビンのグリッドを生成し、1 つ以上の入力レイヤーの近接に基づいて各ビンの変数を計算します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 公共交通インフラストラクチャの複数レイヤーがある場合、公共交通が最もアクセスしにくいのは都市のどの場所か?
  • 水路 (湖、川など) のレイヤーの場合、米国の各場所に最も近い水系の名前は何か?
  • 世帯収入のレイヤーの場合、50 マイル圏内で収入のばらつきが最大なのは米国のどこか?

データセットの記述

データセットの記述

このツールは、フィーチャ サンプルおよび範囲レイヤーを出力し、要約統計量を計算し、入力レイヤー プロパティの概要を示します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 20 億個のフィーチャを含むデータセットの場合に、1000 個のフィーチャのサンプル レイヤーを作成して、マップ内のフィーチャを効率的に視覚化して調査します。 要約統計量の出力テーブルを表示することによって、完全なデータセットに関する要約統計量を調査します。
  • 40 の個別の CSV ファイルで構成されるビッグ データ ファイル共有データセットの場合に、すべての入力フィーチャをマップ上に描画せずに、入力フィーチャの空間分散を表す範囲レイヤーを出力します。 出力 JSON の概要を表示して、空間参照、ジオメトリ タイプ、およびレコード数を確認します。

フィーチャの結合

[フィーチャの結合] ツール

ポイント/ライン/エリア フィーチャのレイヤーまたはテーブルと、ポイント/ライン/エリア フィーチャのもう 1 つのレイヤーまたはテーブルを使用して、指定されたリレーションシップを示すフィーチャを結合します。 空間、時系列、属性の各リレーションシップを使用して、フィーチャを結合し、必要に応じて要約統計量を計算できます。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 犯罪事件のポイント位置と時間を基に、犯罪の空間リレーションシップを 1 平方キロメートルの範囲内に指定するとともに、犯罪が 1 時間の間隔以内に発生したと指定して犯罪データを 1 つに結合し、一連の犯罪の発生間隔が空間的および時間的に近いかどうかを決定します。
  • 郵便番号と人口統計情報のテーブルおよび住居用の建物を表すエリア フィーチャを基に、人口統計情報を住宅と結合して、住居ごとに情報を保持できるようにします。

トラックの再構築

トラックの再構築

このツールは、時間対応のポイント フィーチャまたはポリゴン フィーチャのレイヤーを使用して、どの入力フィーチャがトラックに属するかを特定し、入力を時系列に並べ替えます。 次に、各トラックに属するすべての入力フィーチャに関する統計情報を計算します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • ハリケーンの計測値であるポイント位置と時間を基に、ハリケーンの平均風速と最大風圧を計算します。

属性の集計

属性の集計

このツールは、フィーチャまたは表形式のデータを使用して、フィールドの統計情報を集約します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 食料雑貨店の場所とフィールド COMPANY_NAME を基に、会社名別に店舗を集約して、それぞれの会社の統計情報を算出します。
  • 食料雑貨店のテーブルとフィールド COMPANY_NAME および COUNTY を基に、会社名別および郡別に店舗を集約して、それぞれの郡におけるそれぞれの会社の統計情報を算出します。

中心と分散の集計

中心と分散の集計

このツールは、中心フィーチャおよび分布指向性を検出します。

以下に例を示します。

  • ポイント データセットの地理的中心はどこか。
  • 他のすべてのフィーチャから最もアクセスしやすいのはどのフィーチャか。
  • フィーチャはどれほど分散しているか、どれほどコンパクトであるか、またはどれほど融合しているか。
  • 方向トレンドがあるか。

注意:

[中心と分散の集計] は、Map Viewer Classic からは実行できません。 [中心と分散の集計] を使用するには、ArcGIS REST API または ArcGIS Pro から実行します。

エリア内での集計

エリア内での集計

このツールは、2 つのレイヤーで重なり合うエリア (とエリアの部分) を検索し、重複部分の統計情報を計算します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 集水域のレイヤーと、土地利用タイプ別土地利用エリアのレイヤーを基に、各集水域の土地利用タイプの総面積を計算します。
  • 郡の土地区画のレイヤーと都市の境界線のレイヤーを基に、各都市内にある空の土地区画の平均値のサマリーを作成します。

場所の検索

これらのツールは、指定した任意の数の条件を満たすフィーチャを検索します。 通常、これらのツールは、場所の選択に使用されます。その目的は、複数の条件を満たす場所を検索することです。

ツール説明

インシデントの検出

インシデントの検出

このツールは、特定時点を表すポイント、ライン、エリア、またはテーブルの時間対応レイヤーを操作します。 このツールでは、トラッキングという順番に並んだフィーチャを使用して、対象となるインシデントのフィーチャを決定します。 インシデントはユーザーの指定する条件によって決まります。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 10 分間隔でのハリケーンの GPS 計測値のレイヤーがあるとします。 GPS 計測値ごとに、ハリケーンの名前、場所、記録時刻、および風速が記録されています。 これらのフィールドを使用してインシデントを作成し、計測値が風速 208 km/時を超えると「Catastrophic」というタイトルのインシデントにすることができます。
  • センサー測定レイヤーの場合に、値が 3 つ前までの値の平均値を超えるたびにインシデントを作成します。

滞在場所の検索 (Find Dwell Locations)

滞在場所の検索 (Find Dwell Locations)

このツールは、時間対応のポイント フィーチャのレイヤーを使用して、指定した距離内に一定期間滞在したトラック フィーチャの場所を特定します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 動物の移動パターンを調査して、動物が滞在する場所に基づいて潜在的な保護区を特定します。
  • 車両がアイドリングに費やす地域での交通規制を改善します。

類似フィーチャの検索

類似フィーチャの検索

[類似フィーチャの検索] ツールは、指定する基準に基づいて、1 つ以上の場所に対する検索候補レイヤー内の類似場所を測定します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 従業員数と年間売上を調べて、最も類似している 10 か所の店舗を検索します。
  • 人口、年間人口増加率、税収間のリレーションシップを調べて、最も類似している 100 の都市を検索します。

テーブルから場所をジオコーディング

テーブルから場所をジオコーディング

このツールは、住所を座標に変換します。 このツールは、ビッグ データ ファイル共有テーブルに対して使用します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 犯罪の位置の住所を表す複数の CSV をジオコーディングして、犯罪のホットスポットを調査します。
  • オンライン小売業者の配送の位置を表すテキスト ファイルをジオコーディングして、マーケティング努力が最も効果的だった位置を決定します。

データへの情報付加

これらのツールを使用すると、データの特性を調査できます。 別のデータ ソースから情報を付加することによって、情報を入力データに追加します。

モーションの統計情報を計算

モーションの統計情報を計算

このツールは、時間タイプが「インスタント」の時間対応が有効なフィーチャのモーションの統計情報と測定値のグループを計算します。 統計情報と測定値は、一意の識別子によって決定されたトラックに基づきます。 計算グループは、指定された時間の値およびポイントベースのイベントのジオメトリに基づく距離、速度、加速度、期間、標高、傾斜、アイドル、方位を含みます。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • ある都市が、除雪作業を監視しており、車両の移動をより良く理解しようとしています。 このツールを使用して、アイドルの位置およびアイドリングに費やされた時間、平均速度および最大速度、対象となる合計距離、その他の統計情報を決定できます。

多変数グリッドから情報付加 (Enrich From Multi-Variable Grid)

多変数グリッドから情報付加 (Enrich From Multi-Variable Grid)

このツールは、多変数グリッドから取得した属性をポイント レイヤーに結合し、多様で大規模な情報のコレクションをポイント データに簡単に追加して、以降の空間解析で使用することができます。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • レイヤーに数百万もの停電インシデントが含まれていることを考慮すると、標準的な電力消費量、環境リスク、インフラの状態に関する情報をインシデント フィーチャに付加し、それらの要因と停電頻度とのリレーションシップを調査できます。

パターンの解析

これらのツールを使用すると、データ内の空間パターンを識別、定量化、および視覚化できます。

ツール説明

密度の計算 (Calculate Density)

密度の計算 (Calculate Density)

このツールは、ある現象の既知の数量 (ポイントの属性として表す) をマップ上に展開することによって、ポイント フィーチャから密度マップを作成します。 結果として、密度を表すエリアのレイヤーが生成されます。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • ある地域内の病院の密度を計算します。 結果レイヤーは、病院までのアクセスの良し悪しを示し、この情報を使用して、新しい病院を建設する場所を決定することができます。
  • 過去に森林火災があった場所に基づいて、森林火災のリスクの高いエリアを特定します。
  • 新しい道路を建設する場所を計画するために、主要道路から遠い地域を特定します。

ホット スポットの検索 (Find Hot Spots)

ホット スポットの検索 (Find Hot Spots)

このツールは、データの空間パターンに、統計的に有意なクラスターが存在するかどうかを判定します。

このツールを使用して答えることができる質問の例として、次のようなものがあります。

  • ポイント データ (犯罪事件、樹木、交通事故) はクラスター化されているか。 どのようにすれば確認できるか。
  • 統計的に有意なホット スポット (消費、乳児死亡率、一貫して高いテスト スコア) を発見したか?あるいは、シンボルを変更したら、マップから得られる情報は変化するか?

ポイント クラスターの検索

ポイント クラスターの検索

このツールは、空間分布に基づき周辺ノイズ内でポイント フィーチャのクラスターを検索します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 駆除作業を支援するために、害虫が蔓延する世帯群を検索します。
  • 自然災害またはテロ攻撃をフォローする、ジオロケートされたツイートを使用し、世帯群の規模と位置に基づいて、救助と避難のニーズを知らせ、行動します。

フォレストベースの分類と回帰分析

フォレストベースの分類と回帰分析 (Forest-based Classification and Regression)

このツールは、教師付きコンピューター ラーニング手法である Leo Breiman のランダム フォレスト アルゴリズムを転用してモデルを作成し、予測を生成します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 海草の存在に関するデータ、および多数の環境説明変数 (上流の工場まで、および主要な港内の距離を計算するために、多変数グリッドを使用して情報付加されている) を考慮して、このツールを使用し、それらの同じ環境説明変数の予測に基づいて、将来の海草の存在を予測します。
  • 全国の数百軒の農場の作物収穫量に関するデータと各農場のその他の属性 (従業員数、農業面積など) が収集されました。 このデータを使用して、(他のすべての変数はあるが) 作物の収穫がない農場を表す一連のフィーチャを提供したり、収穫量を予測したりします。
  • 今年販売された住宅の価格に基づいて、住宅の価格を予測できます。 住宅の販売価格と、寝室数、学校までの距離、主要な高速道路までの距離、平均収入、犯罪数などの情報を使用して、同様の住宅の販売価格を予測できます。

一般化線形回帰分析 (Generalized Linear Regression)

レイヤーのクリップ (Clip Layer)

このツールは、予測したり、一連の説明変数との関係から従属変数をモデル化したりします。 このツールを使用して、連続 (OLS)、バイナリ (論理)、およびカウント (ポワソン分布) のモデルに適合させることができます。

このツールを使用して答えることができる質問の例として、次のようなものがあります。

  • どのような人口学的特性が公共交通機関の高い利用率の一因となっているか。
  • 公共物破壊と空き巣の間に正のリレーションシップがあるか。
  • どの変数が効果的に緊急通報量を予測するか。 将来の予測に基づき、予想される緊急応答リソースに対する要求はどのようなものか。
  • どの変数が低い出生率に影響を与えるか。

地理空間加重回帰分析 (Geographically Weighted Regression)

地理空間加重回帰分析 (Geographically Weighted Regression)

このツールは、空間的に変化する関係をモデリングするときに適用される局所形の線形回帰を使用してモデルを作成します。

このツールを使用して答えることができる質問の例として、次のようなものがあります。

  • 学歴と所得の間のリレーションシップは、分析範囲全体にわたって一貫性があるか。
  • 森林火災の高い頻度を説明する主要な変数はどれか。
  • 生徒が試験で高成績をあげている学校の地域はどこか。 どのような特性が関連付けられているか。 各特性が最も重要なのはどこか。

時空間キューブの作成 (Create Space Time Cube)

時空間キューブの作成 (Create Space Time Cube)

このツールは、一連の時間対応ポイントを時空間ビンに集約することで、これらのポイントを netCDF データ構造に集計します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • ある都市内のすべての犯罪を月ごとに 1 km のクラスに集約します。
  • 過去 50 年間にわたって郡内で発生したすべての緊急通報を、年間の時系列クラスを備えた 100 km のクラスに集約します。
注意:

[時空間キューブの作成] は、Map Viewer Classic では実行できません。 [時空間キューブの作成] を使用するには、ArcGIS REST API または ArcGIS Pro で実行してください。

近接解析

次のツールを使用すると、「近くにあるのは何か」という空間解析で最も一般的な質問の 1 つに答えることができます。

ツール説明

バッファーの作成 (Create Buffers)

バッファーの作成 (Create Buffers)

バッファーとは、ポイント、ライン、またはエリア フィーチャから特定の距離をカバーするポリゴンです。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 線形の河川フィーチャを使用して、それぞれの河川を 50 倍の川幅でバッファー処理し、提案された流域境界を決定します。
  • 各国を表すエリアを基に、それぞれの国を 200 海里でバッファー処理し、海上国境線を決定します。

近接イベントのトレース

近接イベントのトレース

このツールは、移動するエンティティを表す時間対応ポイント フィーチャを解析します。 タスクでは、対象エンティティを空間 (位置) および時間で追跡し、対象エンティティが相互作用した他のエンティティを確認します。 トレースはエンティティからエンティティへと行われ、元の対象エンティティからの離れ具合が構成可能な最大値になるまで続行します。

以下に例を示します。

  • ある組織で、労働者が携帯する会社支給のデバイスを監視しているとします。 この企業は、COVID-19 に罹患していることが判明している個人の近くにどの従業員がいたかを特定したいと考えています。 デバイスの位置と時間を表すポイント レイヤーを使用して、感染者と感染の可能性のある他の従業員から 6 メートルおよび 5 分以内に位置していたデバイスを特定しています。
  • ある NGO は GPS を使ってサケの個体数を監視しており、逃げた養殖サケと野生の個体群の間でのサケジラミの広がりを追跡したいと考えています。 GPS でタグ付けされた養殖サケの一部が、タグ付けされた野生の個体群と近接しているかどうかを追跡して、野生の個体群がどのようにして病気をさらに広める可能性があるかを確認しています。

データ管理

これらのツールは、地理データと表形式データの日常的な管理に使用されます。

ツール説明

データのアペンド

データのアペンド

このツールは、ポイント、ライン、エリア、または表形式データセットを、同じジオメトリ タイプの既存のホスト フィーチャ レイヤーに追加します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 毎月生成されている複数のデータセットを前提として、データセットをホスト フィーチャ レイヤーに追加して、データを年次報告書に結合します。
  • さまざまなソースからの気候測定値を含んでいる 10 個のデータセットを前提として、データセットを追加して、気候測定値の単一のレイヤーを作成します。 フィールドの割り当てを使用して、ソースごとのスキーマの差異を修正します。

フィールド演算

フィールド演算

このツールは、新規または既存のフィールドの値を計算して、ArcGIS Enterprise 上のコンテンツ内にレイヤーを作成します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • total という名前の既存のフィールドを、total_2016total_2017、および total_2018 の各フィールドの収益の合計になるように変更します。
  • フィールドを作成して、windspeedpollutant などのフィールド値に基づいてハザード レベルを分類します。

レイヤーのクリップ (Clip Layer)

レイヤーのクリップ (Clip Layer)

このツールは、指定されたエリアから入力レイヤーのフィーチャのサブセットを抽出し、そのサブセットを含んでいるレイヤーを作成します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 全国の地震発生データを含んでいるフィーチャ レイヤーを前提として、カリフォルニア州の境界レイヤーを使用して、カリフォルニア州と重なる地震のみを抽出します。
  • 高速道路から 50 フィート広がるバッファー レイヤーを前提として、高速道路の拡張による影響を受ける森林フィーチャをクリップします。

データ ストアにコピー

データ ストアにコピー

このツールは、入力フィーチャ レイヤーまたはテーブルを ArcGIS Data Store にコピーして、ユーザーの Web GIS 内にレイヤーを作成します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • ビッグ データ ファイル共有に含まれる CSV ファイルのコレクションを視覚化のために時空間データ ストアにコピーします。
  • 現在のマップ範囲内にあるフィーチャのうち、時空間データ ストアに格納されているフィーチャをリレーショナル データ ストアにコピーします。

境界のディゾルブ (Dissolve Boundaries)

境界のディゾルブ (Dissolve Boundaries)

このツールは、空間的に交差しているか、同じフィールド値を共有しているエリア フィーチャを検出してマージします。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • 分析範囲のフィーチャ レイヤーを前提として、同じ土壌タイプ値を持っているすべてのフィーチャを結合して、土壌タイプ別にエリアを表すレイヤーを作成します。
  • 制限範囲およびバッファー ゾーンを前提として、すべてのフィーチャを一緒にディゾルブして、開発が禁止されている位置を集計します。

レイヤーのマージ (Merge Layers)

[レイヤーのマージ] のワークフロー図

このツールは 2 つのデータセットを結合して 1 つの出力レイヤーを作成します。 マージ属性を使用して、生成されるスキーマを決定します。

このツールを使用するシナリオの例として、次のようなものがあります。

  • イングランド、ウェールズ、およびスコットランドのフィーチャ レイヤーを前提として、各レイヤーをマージして、英国の単一のフィーチャ レイヤーを作成します。
  • 2 つのフィーチャ レイヤーは、それぞれ異なるフィールド名を含んでいる隣接するタウンシップを表します。 属性ルールを使用してフィールドを照合してレイヤーを結合し、目的のスキーマを持つ単一のレイヤーを出力します。

オーバーレイ (Overlay Layers)

オーバーレイ (Overlay Layers)

このツールは、複数のレイヤーを 1 つのレイヤーに結合します。

このツールを使用して答えることができる質問の例として、次のようなものがあります。

  • 100 年の氾濫原内にどのような土地区画があるか (ここでいう「内」は「上」と同じ意味です)。
  • どのような土壌タイプの上にどのような土地利用があるか。
  • 軍用基地の跡地にどのような井戸があるか。