ArcGIS Notebook Server は、ノートブックをホストする目的でライセンス付与および構成された ArcGIS Server ロールです。 このサーバー ロールはコンテナーを使用して ArcGIS Notebooks をホストおよび実行し、ホスト オペレーティング システムの処理を妨げずに、隔離およびセキュリティ保護された環境をノートブックに提供します。
ArcGIS Notebook Server サイトの設定が完了している場合は、ソフトウェア ユーザー ガイドか管理者ガイドをご参照ください。
複数のコンピューターを ArcGIS Notebook Server サイトに追加すると、ノートブックのホスティングと実行のためにコンピューター リソースを拡張できるようになります。 複数コンピューター サイトを配置する場合は、「ArcGIS Notebook Server サイトへのコンピューターの追加 (Windows コンテナー)」および「ArcGIS Notebook Server サイトへのコンピューターの追加 (Linux コンテナー)」に記載されている追加の手順を実行する必要があります。
このガイドを使用して、ソフトウェアをインストールおよび構成します。 ArcGIS Notebook Server のインストール プロセスは他の ArcGIS Server ロールのプロセスとは異なります。 インストール ガイドを注意深く読み、記載されている順番通りにインストール手順を実行します。
ArcGIS Notebook Server および Windows コンテナー
ArcGIS Notebook Server では、Windows 上で Windows コンテナーと Mirantis Container Runtime を使用できます。
注意:
Windows Server 2022 に ArcGIS Notebook Server を配置した場合は、デフォルトで Windows コンテナーが使用されます。
詳細については、「 Mirantis Container Runtime および ArcGIS Notebook Server (Windows コンテナー)」をご参照ください。
Windows システムの前提条件と制約
Windows コンピューターに ArcGIS Notebook Server を配置する場合、考慮すべき前提条件と制約がいくつかあります。 これらの前提条件と制約は、ArcGIS Notebook Server を Linux コンピューターに配置する場合には適用されません。
- ArcGIS Notebook Server では、サードパーティ コンポーネントである Mirantis Container Runtime (Windows コンテナー) および Docker (Linux コンテナー) がコンテナーの管理に使用されます。 ArcGIS Notebook Server を Windows コンピューターに配置する場合は、 Mirantis Container Runtime を使用するか、Docker の Docker Desktop エディションを使用する必要があります。このエディションでは、Docker からサポートとメンテナンスが提供されませんが、フィーチャコンプリートと見なされています。
- ArcGIS Notebook Server の本番環境で Windows Server 2022 または Windows Server 2019 コンピューターを使用することをお勧めします。Windows 10 コンピューターは開発環境でのみサポートされています。
注意:
Windows Server 2022 に ArcGIS Notebook Server 11.1 以降を配置した場合は、デフォルトで Windows コンテナーが使用されます。 Linux コンテナーを Windows Server 2022 で使用するには、[システム] > [プロパティ] で useWindowsContainers システム プロパティを false に設定し、Notebook Server 管理ディレクトリの [ノートブック] > [ランタイム] で初期状態のランタイムを false にリセットする必要があります。
Windows コンテナーの前提条件と制約
Windows コンテナーを使用する場合は、次の点を考慮してください。
- Windows コンテナーを使用する ArcGIS Notebook Server では、現在 Windows Server 2022 にしか対応していない Mirantis Container Runtime が使用されます。
- ArcGIS Notebook Server と Mirantis Container Runtime を複数のコンピューター上に配置する場合、ワークスペース ディレクトリ用にレプリケーション (DFS) を構成する必要がなくなりました。 ワークスペース ディレクトリは、 Mirantis Container Runtime でドライブにマウントされるパスとして共有できます。
Linux コンテナーの前提条件と制約
Linux コンテナーを使用する場合は、次の点を考慮してください。
- Linux コンテナーを使用する ArcGIS Notebook Server を Windows Server 2022 または Windows Server 2019 に配置する場合は、Docker Desktop (バージョン 4.4.4 以降) を使用できます。 最新バージョンの Docker のドキュメントでは、システム要件に Windows Server 2022 または Windows Server 2019 について記載されていません。
注意:
Linux コンテナーを Windows Server 2022 で使用するには、[システム] > [プロパティ] で useWindowsContainers システム プロパティを false に設定し、Notebook Server 管理ディレクトリの [ノートブック] > [ランタイム] で初期状態のランタイムを false にリセットする必要があります。
- Linux コンテナーを使用する ArcGIS Notebook Server では、Hyper-V 環境に含まれている MobyLinuxVM という Linux エミュレーターがコンテナーの管理に使用されます。
- Linux コンテナーを使用する ArcGIS Notebook Server では、Windows Server および Windows 10 に Hyper-V ロールがすでにインストールされている必要があります。
- 特定の仮想化環境では、Windows で Hyper-V を有効にして処理することができません。 その結果、その環境では ArcGIS Notebook Server をインストールして処理することはできません。 ArcGIS Notebook Server では、ゲスト OS でハードウェア支援仮想化 (入れ子になった仮想化) が有効になった VMware vSphere 6.7 以降でホストされている仮想化環境をサポートしています。 ArcGIS Notebook Server をインストールする前に、Docker がコンピューター上にインストールされ、Linux コンテナーをサポートしていることを確認します。
- ArcGIS Notebook Server では複数コンピューターのサイトがサポートされています。 Docker では、Windows システムでのコンテナーへの共有ドライブのマウントをサポートしていないため、ワークスペース ディレクトリは各コンピューター上でローカルのままにしておく必要があります。 ユーザーは複数コンピューターのサイトの各コンピューターでコンテナーを起動してノートブックを開くことができるため、ワークスペース ディレクトリの内容を複数のコンピューター間で同期させる必要があります。 レプリケーション方法を 1 つ構成する手順については、「ArcGIS Notebook Server における DFS レプリケーションの構成」をご参照ください。
ソフトウェアのインストール
ArcGIS Notebook Server をインストールする手順の概要は以下のとおりです。 順番通りに各手順を実行して、作業を進めながらインストール ガイドのすべてのセクションを確認してください。
- このガイドの以下の入門資料を読んでソフトウェアについてよく理解します。
- ArcGIS Enterprise の基本配置を完了します。 以前のバージョンからアップグレードする場合でも、新しい配置をインストールする場合でも、すべてのソフトウェア コンポーネント (ArcGIS Enterprise ポータル、ホスティング サーバーとして指定された ArcGIS Server サイト、および ArcGIS Data Store のインスタンス) をインストールし、11.2 ソフトウェアを実行する必要があります。
- システム要件を確認し、使用するコンピューターで必要な調整を行います。 システム要件のトピックをすべて読みます。
- ライセンス レベルに対応するソフトウェア インストーラーとコンテナー イメージを My Esri Web サイトから取得します。
注意:
ArcGIS Notebook Server Standard ライセンスは、ArcGIS Enterprise Standard および Advanced ライセンスの両方に付属しています。 ArcGIS Notebook Server Advanced ライセンスは、追加の購入が必要です。
注意:
Standard ライセンスのユーザーは Standard コンテナー イメージをダウンロードします。 Advanced ライセンスのユーザーは Standard と Advanced 両方のコンテナー イメージをダウンロードします。
- ArcGIS Notebook Server ソフトウェアをコンピューターにインストールします。 用意されたインストーラーを使ってインストールすることも、サイレント インストールを実行することもできます。 これら 2 つのオプションについてはヘルプ トピックが別に用意されています。
- インストール後の ArcGIS Notebook Server サイトの構成 (Windows コンテナー)
- ArcGIS Notebook Server サイトの構成 (Linux コンテナー) 主な 3 つの手順は以下のとおりです。
- ArcGIS Notebook Server コンピューターにサイトを作成します。
- OS アカウントを Docker グループに追加します。
- ポストインストール ユーティリティを実行して、ArcGIS Notebook Server を使用する Docker を構成します。
- 新しいサイトにコンピューター (Windows コンテナー) を追加します。
- 新しいサイトにコンピューター (Linux コンテナー) を追加します。 このヘルプ トピックでは複数コンピューター サイトの設定に関する他の要件についても説明しています。
- 複数コンピューター サイトを設定する場合、ワークスペース ディレクトリにレプリケーション方法を構成する必要があります。 このプロセスの説明と特定のレプリケーション方法の手順については、「ArcGIS Notebook Server における DFS レプリケーションの構成」をご参照ください。
- ArcGIS Notebook Server サイトで ArcGIS Web Adaptor インスタンスをインストールして構成します。 サイトでリバース プロキシ サーバーを使用するには、そのための指示も用意されています。
- ArcGIS Enterprise ポータルでサイトを構成します。 サーバー サイトをポータルとフェデレートし、そのサイトをポータルのノートブック サーバーとして指定します。 これにより、ArcGIS Notebook Server サイトで実行する ArcGIS Notebooks を作成できるようになります。 最後に、カスタム ポータル メンバー ロールを 1 つ以上作成してノートブック作成者に必要な権限を付与します。