ArcGIS Notebook Server では複数コンピューターのサイトがサポートされています。 複数コンピューターのサイトでは、各コンピューターの構成は同じであり、同じ OS、同一の Mirantis Container Runtime 設定、およびワークスペース ディレクトリ用に同じドライブ文字が割り当てられたネットワーク ドライブが使用されます。
複数コンピューターのサイトのインストールおよび構成
複数コンピューターの ArcGIS Notebook Server サイトを設定する場合、このインストール ガイドでいくつかの追加手順を説明しています。
- ArcGIS Notebook Server のシステム要件を確認し、各コンピューターが要件を満たしていることを検証します。 各コンピューターのファイアウォールを調整し、ArcGIS Enterprise 配置内の各コンピューターからの通信で使用するポート 43 を開きます。
各コンピューターにインストールされている ArcGIS Notebook Server のバージョンとそのライセンス ファイルは、同じである必要があります。 各インストールで同じ ArcGIS Notebook Server アカウントを入力します。 ドメインまたはアクティブ ディレクトリ アカウントを使用することをお勧めします。ローカル アカウントを選択した場合は、同じ名前とパスワードの組み合わせが各コンピューターに存在している必要があります。 指定したアカウントは、管理者グループの一員である必要はありませんので注意してください。
- インストール プロセス中に、すでに次の作業が完了しているようにします。
- 各コンピューターに Mirantis Container Runtime をインストールします。 各コンピューターで、Esri が提供する Docker イメージをダウンロードして、システムがアクセスできる場所に保存します。
- 各コンピューターで ArcGIS Notebook Server をインストールおよび認証します。 ソフトウェアをサイレント インストールすることもできます。
- ArcGIS Notebook Server では、Windows コンテナーと Mirantis Container Runtime を使用できます。 インストールに対応するコンテナー イメージを My Esri からダウンロードし、コマンド ライン ポストインストール ユーティリティ (<ArcGIS Notebook Server installation directory>\tools\postInstallUtility に存在) を実行して、ArcGIS Notebook Server 用の Docker コンテナー イメージをインストールします。 すべての ArcGIS Notebook Server コンピューターでこの手順を繰り返します。 手順に従って、インストール後に ArcGIS Notebook Server を構成します。
- ネットワーク上で 2 つのディレクトリを作成し、共有します。 1 つは構成ストア用、もう 1 つはサーバー ディレクトリ用です。 workspace ディレクトリは、 Mirantis Container Runtime の使用時にネットワーク ドライブとしてマッピングされた UNC 共有に残しておく必要があります。 各コンピューターの ArcGIS Notebook Server アカウントに、これら 2 つのディレクトリの読み取り/書き込み権限を付与します (Microsoft File Explorer の [共有] タブと [セキュリティ] タブの両方で必ずこの操作を行ってください)。
注意:
非表示になっているか、特殊文字 (たとえば、「$」) を使用している共有ネットワーク ディレクトリは、ArcGIS Notebook Server ではサポートされません。
- サイトを作成するときに使用するコンピューター上にディレクトリを配置する場合でも、手動でディレクトリを作成して共有し、ネットワーク (UNC) パスを通じて参照しなければなりません。
- ArcGIS Notebook Server アカウントがコンピューター上に存在しない場合 (構成ストアとサーバー ディレクトリをファイル サーバーに配置した場合など) には、配置したその他すべてのコンピューターで使用したものと同じ名前とパスワードを使用して、ArcGIS Notebook Server アカウントを作成する必要があります。
- グループ管理サービス アカウント (gMSA) を ArcGIS Notebook Server アカウントに使用する場合、[共有] タブおよび [セキュリティ] タブで、サービス アカウントがフルコントロール権限を持つことを許可する必要があります。 [権限] エディターで [追加] をクリックしてから、[オブジェクト タイプ] ダイアログ ボックスを開きます。 [サービス アカウント] のチェックボックスをオンにします。
- いずれかのコンピューターから、新しい ArcGIS Notebook Server サイトを作成します。 以前に設定したサーバー ディレクトリと構成ストアのパスを必ず使用してください。
- 前の手順が完了したら、構成ウィザードを使用して作成したサイトに追加の各コンピューターを加えることができます。 コマンド ラインからサイトに加える場合は、ステップ 6 をご参照ください。
- 最初に追加したコンピューターから、ArcGIS Notebook Server 構成ウィザードを開きます。
- ウィザードの手順を確認して実行し、[続行] をクリックします。
- [既存サイトに参加] をクリックします。
- ステップ 4 で作成したとおりに、ArcGIS Notebook Server サイトの URL と認証情報を入力します。
- サイトに加える各コンピューターに対して、サブステップ a から d を繰り返します。
- 構成ウィザードを使用する代わりに、次のようにコマンド ライン ユーティリティを使用してコンピューターをサイトに加えることができます。
- ArcGIS Notebook Server アカウントでコンピューターにサイン インしていることを確認します。
- コマンド プロンプトを開き、<ArcGIS Notebook Server install directory>\tools\JoinSiteUtility\joinsite.bat にあるユーティリティを実行します。 ユーティリティのコマンド ライン パラメーターは次のとおりです。
パラメーター 説明 -u または --username
プライマリ サイト管理者のユーザー名。
ユーザー名にこれらの文字 \/:*?|<> を含めることはできません。
-p または --password
プライマリ サイト管理者のパスワード。
パスワードに次の文字は使用できません: \/:*?|<>
-f または --file
joinsite ユーティリティの構成ストアの接続ファイル。
-s または --siteUrl
参加する既存の ArcGIS Notebook Server サイトの URL (https://notebookserver.domain.com:11443 形式)。
-h または --help
コマンド ライン ヘルプを表示して、終了します。
ユーティリティのコマンド例:
<ArcGIS Notebook Server install directory>\tools\JoinSiteUtility\joinsite.bat -u notebookPSA -p my.Password3 -s https://notebookserver.domain.com:11443
アカウントの認証情報とサイト URL が正しく入力されると、ユーティリティはコンピューターを ArcGIS Notebook Server サイトに加えます。 追加コンピューターごとに、この手順を繰り返します。
ワークスペース ディレクトリ用に割り当てられたネットワーク ドライブの設定
これは、オプションのプロセスであり、複数コンピューターの Notebook Server サイトを設定する予定の場合のみ必要です。
- Notebook Server へアクセス可能な別のコンピューター上に ArcGIS Notebook Server ワークスペース ディレクトリ用の UNC 共有を作成します。
注意:
このディレクトリに、ArcGIS Notebook Server Windows の実行アカウントに対する読み取り/書き込みアクセス権がある必要があります。 ArcGIS Notebook Server ワークスペース ディレクトリ用の UNC 共有は、ArcGIS Notebook Server サイトに参加しているコンピューターとは別のコンピューター上に作成することをお勧めします。 Notebook Server と同じコンピューター上に作成された SMB 共有が、コンピューターの再起動時に切断されるという既知の問題が発生しています。 - Notebook Server コンピューター上で、管理者として PowerShell ウィンドウを開きます。
- 次のコマンドを使用して、後で使用するために ArcGIS Notebook Server ユーザー アカウントのパスワードをセキュリティ保護された文字列として保存します。
$password = ConvertTo-SecureString '<password>' -AsPlainText -Force
- PowerShell 関数に資格情報サポートを追加します。
$credential = New-Object System.Management.Automation.PSCredential('<domain\username>', $password)
- 永続フラグが設定されたフォルダーをマウントします。
New-SmbGlobalMapping -Persistent $true -RemotePath <shared folder path> -Credential $credential -LocalPath <unassigned drive letter>:
- ArcGIS Notebook Server サイトに参加しているすべてのコンピューター上でステップ 2 ~ 5 を繰り返して、すべてのコンピューターの割り当てられたドライブ用に同じドライブ文字を割り当てます。
- ArcGIS Notebook Server サイトを作成するときに、前述のステップで作成された共有ネットワーク ドライブを使用してワークスペース ディレクトリを構成します。