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データ ストアを作成した後に実行するタスク

ArcGIS Data Store をインストールしてデータ ストアを作成した後で実行できる構成タスクもあります。

バックアップの保存場所の定義

ArcGIS Data Store では、リレーショナル データ ストアのバックアップ ファイルが自動生成されます。バックアップ ファイルのデフォルトの保存場所は、ArcGIS Data Store と同じコンピューター上です。データ ストアで障害が発生した場合の安全を確保するために手動でバックアップ ファイルを別のコンピューターに移動させるか、共有ネットワーク ロケーションを設定し、そのロケーションにバックアップ ファイルを書き込むようにリレーショナル データ ストアを構成します。

リレーショナル データ ストアのバックアップ用の共有ネットワーク ロケーションを設定するには、次の手順に従います。

ドメイン アカウントの作成

ArcGIS Data Store には、バックアップ ディレクトリへの書き込みアクセス権が必要です。バックアップ ディレクトリが ArcGIS Data Store サービスとは異なるコンピューター上にある場合は、ドメイン アカウントを使用してこのサービスを実行します。これは、ドメイン アカウントがネットワーク内の各コンピューター上にあるディレクトリにアクセスできるからです。

インストール時に ArcGIS Data Store アカウントにローカル Windows アカウントを使用した場合、ドメイン アカウントをドメイン管理者に要求し、configureserviceaccount ユーティリティを実行して、このドメイン アカウントで ArcGIS Data Store サービスを実行します。このアカウントでは、ArcGIS Data Store サービスの実行、バックアップ ファイルが保存されるネットワーク ディレクトリからのファイルの読み取り、このネットワーク ディレクトリへのファイルの書き込みが可能でなければなりません。

ArcGIS Data Store アカウントの構成

ArcGIS Data Store をインストールまたはアップグレードするときにドメインの ArcGIS Data Store アカウントを設定しなかった場合は、新しいドメイン アカウントで configureserviceaccount ユーティリティを実行します。このユーティリティは <ArcGIS Data Store installation directory>\datastore\tools ディレクトリにインストールされています。これは、ArcGIS Data Store サービスを実行するためのアカウントを新規に設定し、そのサービスで使用される ArcGIS Data Store ディレクトリに必要な権限を付与します。

この例では、configureserviceaccount によって、mynetwork\datastore アカウントで ArcGIS Data Store サービスを実行するように設定し、ArcGIS Data Store システムのフォルダーやファイルに対して必要とされる権限をこのアカウントに付与します。

configureserviceaccount --username mynetwork\datastore --password SewL0ng

サービスの実行に使用されているアカウントを変更すると、そのサービスが再起動します。

changebackuplocation の実行

changebackuplocation ユーティリティを使用して、リレーショナル データ ストアのバックアップ ファイルの新しい保存場所を指定します。

changebackuplocation ユーティリティは <ArcGIS Data Store installation directory>\datastore\tools ディレクトリにインストールされています。

  1. 共有ネットワーク ドライブ上にディレクトリを作成します。

    ArcGIS Data Store アカウントには、このディレクトリの読み取りアクセス権と書き込みアクセス権が必要です。

  2. [管理者として実行] オプションを使用して、コマンド プロンプトを開きます。
  3. changebackuplocation ユーティリティを実行して、新しいディレクトリを指定します。

    たとえば、次のとおりに入力すると、「sysshare」という名前のコンピューター上の「ds_backup」という名前の共有ディレクトリにバックアップ ファイルが作成され、既存のバックアップ ファイルが保持されるようになります。

    changebackuplocation \\sysshare\ds_backups --is-shared-folder true --keep-old-backups true
    You are going to change the backup location of the data store. Existing backups will be copied to the new location and it could take a few moments. Please do not interrupt the process once it has started.
    Do you want to continue (Yes or No)? Yes

ポータルのホスティング サーバーの設定

ArcGIS Data Store は、Portal for ArcGIS に公開されるホスト フィーチャ レイヤー データやシーン レイヤーのキャッシュの保存に使用されます。ArcGIS GeoEvent Extension for ArcGIS Server 用の観測データを保存するように構成することもできます。まだ ArcGIS Server サイトをポータルとフェデレートしてポータルのホスティング サーバーとして構成していない場合は、ここでそれを行います。

オプションの追加構成タスク

組織の要件に応じて、データ ストアの設定時に実行できる構成手順が他に 2 つあります。

スタンバイ コンピューターの追加

データ ストアの可用性を高めるために、スタンバイ コンピューターを追加できます。作成したプライマリ データ ストア コンピューターが使用不可になった場合は (サーバーが強制終了したか、ネットワーク接続が失われたことが原因)、ホスト フィーチャ レイヤーからスタンバイ コンピューター上のデータにアクセスできます。

データ ストア アカウントの管理

ArcGIS Data Store パスワードは、ArcGIS Data Store のインストール時にランダムに生成されます。サイトで独自のパスワードを設定する必要がある場合は、changepassword ユーティリティを使用してパスワードを変更します。

データ ストアの使用開始

リレーショナルおよびタイル キャッシュ データ ストアの構成が完了したら、ポータルのメンバーは ArcGIS for DesktopArcGIS Pro、またはポータルの Web サイトからホスト フィーチャ レイヤーをポータルに公開し、ArcGIS Pro からホスト シーン レイヤーを公開することができます。これらのホスト フィーチャおよびシーン レイヤーで使用されているデータは ArcGIS Data Store で保持されます。

ホスト フィーチャ レイヤーおよびホスト シーン レイヤーの詳細、これらのレイヤーの公開方法、公開に必要な権限については、Portal for ArcGIS のヘルプに掲載されている次のトピックをご参照ください。

ビッグ データ ストアを作成したら、データ ストアを使用可能にするために ArcGIS GeoEvent Extension for Server を構成する必要があります。ArcGIS GeoEvent Extension for Server の構成方法の詳細については、「GeoEvent Extension チュートリアル」をご参照ください。