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アップグレード ArcGIS Data Store

ArcGIS Data Store は、ArcGIS Enterprise 配置のホスティング サーバーとして設定された GIS Server サイトに登録されます。このシステムのすべてのコンポーネントを同じバージョンにアップグレードする必要があります。

ArcGIS Data Store のアップグレードの準備

アップグレードを実行する前に、次の情報をよく確認してください。

  • 10.6.1 にアップグレードする前に、まず、My Esri から新しい認証ファイルを取得する必要があります。
  • 10.6.1 のセットアップを実行すると、ArcGIS Data Store は、自動的に 10.6.1 にアップグレードされます。これまでにリリースされた各バージョンを順に入手しインストールする必要はありません。前のバージョンの ArcGIS Data Store をアンインストールしないでください。
  • ArcGIS Enterprise ポータルが正常に機能するには、ホスティング サーバーと同じバージョンである必要があります。Web Adaptor インスタンスを再インストールして ArcGIS Server と同じバージョンにする必要もあります。
  • リレーショナル データ ストアまたはタイル キャッシュ データ ストアをアップグレードする前に、各コンピューター上で ArcGIS Data Store のディレクトリのサイズを確認します。コンピューターに ArcGIS Data Store のディレクトリのサイズの 2 倍に対応できる十分な空き容量があることを確認します。
  • 10.4 からアップグレードし、ストリームされた観測データをフェデレーション ArcGIS GeoEvent Server サイトからビッグ データ ストアにアーカイブする場合は、ArcGIS GeoEvent ServerArcGIS 10.4 GeoEvent Extension Patch 1 を適用する必要があります。パッチの適用後、ArcGIS Enterprise 配置のコンポーネントのアップグレードに取りかかる前に、データを修復する手順に従います
  • フェデレーション ArcGIS GeoEvent Server サイトを使用している場合は、ArcGIS Server をアップグレードする前に、すべてのコンピューターで ArcGIS GeoEvent Server サービスを停止します。
  • 次の順序でアップグレードする必要があります。
    1. Portal for ArcGIS をアップグレードします
    2. ArcGIS Web Adaptor をアップグレードします (ポータル用)
    3. ArcGIS Server サイトをアップグレードしますArcGIS Server をアップグレードする前に、ホスティング サーバーおよび他のすべてのフェデレーション ArcGIS Data Store サイト (ある場合) をアップグレードする必要があります。
    4. ArcGIS Web Adaptor をアップグレードします (ArcGIS Server 用)
    5. ArcGIS Data Store をアップグレードします
    6. 新しいバージョンの ArcGIS GeoEvent Server ソフトウェアをインストールします
  • データ ストアのバックアップを作成します。バックアップの作成方法は、アップグレード元の ArcGIS Data Store のバージョンとアップグレードするデータのタイプによって異なります。
    • 10.5 以降のリリースからアップグレードする場合は、backupdatastore ユーティリティを使用して各データ ストアの完全バックアップを作成します。アップグレードで何か問題が発生し、前のインストールに戻る必要がある場合に、古いバージョンの ArcGIS Data Store ソフトウェアを再インストールし、これらのバックアップ ファイルと restoredatastore ユーティリティを使用して、データを復旧することができます。
    • 10.4.1 以前のリリースのタイル キャッシュ データ ストアをアップグレードする場合は、exportmanageddb ユーティリティを使用して、キャッシュ データ ストアのバックアップ コピーを作成します。アップグレードで何か問題が発生し、前のインストールに戻る必要がある場合に、古いバージョンの ArcGIS Data Store ソフトウェアを再インストールし、importmanagedb ユーティリティを使用してエクスポート ファイルをインポートすることができます。
    • 10.4 または 10.4.1 のビッグ データ ストアをアップグレードする場合は、ビッグ データ ストアの各コンピューターのコンテンツ ディレクトリのバックアップ コピーを作成します。アップグレードで何か問題が発生し、前のインストールに戻る必要がある場合に、古いバージョンの ArcGIS Data Store ソフトウェアを再インストールし、各コンピューターのコンテンツ ディレクトリをディレクトリのバックアップ コピーに置き換えることができます。
  • 10.3 または 10.3.1 からアップグレードする場合は、ArcGIS Data Store コンテンツ ディレクトリに対するフル コントロール権限を ArcGIS Data Store アカウントに付与する必要があります。10.4 以降からアップグレードする場合、権限はすでに設定されています。

可用性の高いデータ ストア

データ ストアのタイプのアップグレード順序が重要なのではなく、可用性の高いデータ ストアの各コンピューターのアップグレード順序が重要です。高可用性のリレーショナル データ ストアまたはタイル キャッシュ データ ストアをアップグレードする場合、プライマリおよびスタンバイ コンピューターに新しいバージョンの ArcGIS Data Store をインストールしてから、プライマリ コンピューターでデータ ストアの構成ウィザードまたは configuredatastore ユーティリティを実行することで、両方のコンピューターを構成できます。これにより、プライマリ コンピューターとスタンバイ コンピューターの両方が構成されます。

ビッグ データ ストアに複数のコンピューターがある場合、すべてのコンピューターに新しいバージョンの ArcGIS Data Store をインストールします。次に、管理者ログインを使用してコンピューターの 1 つにログインし、データ ストアの構成ウィザードまたは configuredatastore ユーティリティを実行することで、ビッグ データ ストアのすべてのコンピューターを構成します。これにより、ビッグ データ ストアのすべてのコンピューターが構成されます。

注意:

ビッグ データ ストアのすべてのコンピューターのアップグレードが完了するまで、ホスト フィーチャレイヤーを作成する GeoAnalytics ツール を実行せず、ArcGIS GeoEvent Server の新しい履歴管理サービスを作成しないでください。ビッグ データ ストアがアップグレードされている間に GeoAnalytics ツール が確実に実行されないようにするために、ArcGIS Server 管理者として ArcGIS Server Manager にログインして、GeoAnalyticsTools システム サービスを停止できます。

アップグレード ArcGIS Data Store

インストール ファイルとバックアップ ファイルを取得し、必要な ArcGIS Server サイトをすべてアップグレードしたら、データ ストアのタイプ別のアップグレード手順を実行します。同一の ArcGIS Server サイトに登録されているすべてのデータ ストアで、同じリリースの ArcGIS Data Store が実行される必要があります。ArcGIS Data Store をアップグレードする際には、次の点に留意してください。

  • 必ず、データ ストアを構成する前に、データ ストア内のすべてのコンピューターに ArcGIS Data Store をインストールしてください。
  • 新しいバージョンをインストールする前に、ArcGIS Data Store をアンインストールしないでください。
  • リレーショナル データ ストアまたはタイル キャッシュ データ ストアにプライマリおよびスタンバイ コンピューターがある場合、プライマリおよびスタンバイ コンピューターに新しいバージョンの ArcGIS Data Store をインストールしてから、プライマリ コンピューターでデータ ストアを再構成します。これにより、スタンバイ コンピューターも構成されます。
  • ArcGIS Server サイトで複数のビッグ データ ストアが構成されている場合は、それぞれのビッグ データ ストア コンピューターに個別に新しいバージョンの ArcGIS Data Store をインストールします。

ヒント:

ArcGIS Data Store 10.5 リリースより前のバージョンでは、データ ストアの構成時にリレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアの両方が作成されていました。ただし、組織内の誰もポータルにホスト シーン レイヤーを公開していない場合、タイル キャッシュ データ ストアは構成されないため、アップグレードする必要はありません。

Setup.exe プログラムの実行による対話型ウィザード方式の操作を利用してアップグレードすることも、コマンド プロンプトまたはスクリプトで Setup.exe および configuredatastore ユーティリティを実行して、ArcGIS Data Store をサイレント アップグレードすることもできます。どちらの方法を使用しても、Setup.exe インストール ファイルによって、既存の ArcGIS Data Store のインストールが検出されてアップグレードされます。

注意:

ArcGIS Data Store をアップグレードすると、ArcGIS Data Store サービスが再起動されます。

対話型ウィザード方式の操作を利用したアップグレード

同じ GIS Server サイトに構成されているデータ ストアのコンピューターごとに ArcGIS Data Store をインストールします。既存の ArcGIS Data Store インストールをアンインストールしないでください。

  1. backupdatastore ユーティリティを実行して、それぞれのデータ ストアの完全バックアップまたはスナップショットを作成します。バックアップ ファイルがリモートの安全な場所に保存されていることを確認します。
  2. 最新の ArcGIS Data StorePortal for ArcGISArcGIS Server、および ArcGIS Web Adaptor ソフトウェア インストール ファイルを My Esri からダウンロードします。
  3. ArcGIS Server とその ArcGIS Web Adaptor をアップグレードした後で、ArcGIS Data Store をアップグレードする必要があります。手順については、『ArcGIS Server インストール ガイド』の「ArcGIS Server のアップグレード」をご参照ください。フェデレーション ArcGIS GeoEvent Server または ArcGIS GeoAnalytics Server サイトがある場合、それらもアップグレードします。

    ヒント:

    Portal for ArcGIS は、ArcGIS Server および ArcGIS Data Store をアップグレードする前でも、アップグレードした後でもアップグレードできます。ArcGIS Enterprise 配置の使用を開始する前に、配置のすべてのコンポーネントが同じリリースにアップグレードされていることを確認してください。

  4. ArcGIS GeoEvent Server でビッグ データ ストアを使用している場合、ArcGIS GeoEvent Server Manager にサイン インし、データのアーカイブに使用されるフィーチャ サービスを停止します。
  5. また、アップグレード中に、ユーザーがホスト フィーチャ レイヤーを編集できないようにするには、ArcGIS Server Manager からホスティング サーバー (GIS Server サイト) に接続し、すべてのホスト フィーチャ サービスを停止します。同様に、フェデレーション ArcGIS GeoAnalytics Server サイトがある場合、ArcGIS Server Manager からサイトに接続し、すべてのホスト フィーチャ サービスを停止します。
  6. データ ストア コンピューターごとに ArcGIS Data Store インストールをアップグレードします。高可用性のタイル キャッシュ データ ストアでは、まず、スタンバイ コンピューターで ArcGIS Data Store インストールをアップグレードしてから、プライマリ コンピューターでインストールをアップグレードします。

    インストールを更新するには、同じホスティング サーバーに構成されているデータ ストアに属しているコンピューターごとに ArcGIS Data Store Setup.exe を実行します。

    注意:

    既存の ArcGIS Data Store インストールをアンインストールしないでください。

  7. インストール中に、使用許諾契約書の内容に合意します。合意しない場合は、終了してください。

    使用許諾契約書に同意すると、ArcGIS Data Store セットアップ プログラムによって、インストールされる機能が表示されます。

  8. 既存のインストールが使用するアカウントは、ArcGIS Data Store 入力ボックスに事前入力されています。アカウントのパスワードを入力します。通常、これは、ソフトウェアのインストール時に定義したパスワードです。ソフトウェアをインストールした後に、パスワードを変更した場合、アカウントを変更したときに指定したパスワードを入力する必要があります。パスワードが正常に確認されない場合、パスワードが無効であることを示すエラー メッセージが表示されます。アカウントのパスワードが不明な場合は、システム管理者に問い合わせてください。

    注意:

    以前のバージョンの ArcGIS Data Store では、ArcGIS Data Store サービスを作成するのにローカル システム アカウントが使用されていました。バージョン 10.4 以降では、ローカル ユーザーまたはドメイン ユーザー アカウントを指定して、ArcGIS Data Store サービスを起動します。ArcGIS Data Store 10.3 または 10.3.1 からのアップグレードの場合は、ArcGIS Data Store コンテンツ ディレクトリ (デフォルトの場所は C:\arcgisdatastore) に対するこのアカウントのフル コントロール権限を手動で指定する必要があります。

  9. 注意:

    インストール プログラムが完了すると、デフォルトのブラウザーでデータ ストア構成ウィザードが自動的に開きます。すべてのデータ ストア コンピューターに同じバージョンの ArcGIS Data Store をインストールするまで、構成操作を進めないでください。

  10. すべてのデータ ストア コンピューターで ArcGIS Data Store インストールを更新したら、データ ストア構成ウィザードを実行し、それぞれのタイプのデータ ストアを構成して、アップグレードを完了します。

    データ ストア構成ウィザードの実行場所と実行回数は、構成によって異なります。

    • リレーショナル データ ストアおよびタイル キャッシュ データ ストアでは、データ ストア構成ウィザードからプライマリ コンピューターに接続します。ウィザードの手順を実行すると、プライマリ コンピューターとセカンダリ コンピューターの両方のデータ ストアがアップグレードされます。
    • プライマリのリレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアが同じコンピューター上で実行されている場合、データ ストア構成ウィザードを 1 回実行するだけです。これにより、プライマリとスタンバイのリレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアがアップグレードされます。
    • ビッグ データ ストアでは、データ ストア構成ウィザードからビッグ データ ストア コンピューターのいずれかに接続します。ウィザードの手順を実行すると、ビッグ データ ストアのすべてのコンピューターがアップグレードされます。

  11. データ ストア構成ウィザードの手順を以下に示します。
  12. データ ストア構成ウィザードで、ホスティング サーバーの URL と、ホスティング サーバーの ArcGIS Server 管理者のユーザー名とパスワードを指定し、[次へ] をクリックします。
  13. ArcGIS Data Store は、各コンピューターをチェックして、このホスティング サーバーに登録されている各データ ストアが次の前提条件を満たしているかどうかを確認します。
    • このホスティング サーバーに関連付けられているデータ ストアのすべてのコンピューターに、同じバージョンの ArcGIS Data Store がインストールされていること。
    • このホスティング サーバーに関連付けられているデータ ストアのすべてのコンピューターにアクセス可能であること。
    • ホスティング サーバーにアクセス可能であること。

    いずれかの前提条件が満たされない場合は、各データ ストア タイプのステータスの [前提条件のチェック] ページに表示されます。この場合、アップグレードの手順を進める前に、問題を修正する必要があります。

  14. すべての前提条件が満たされたら、[前提条件のチェック] ページにアップグレードされる各データ ストアが表示されます。[次へ] をクリックして、ホスティング サーバーでこれらのデータ ストアを再構成し、アップグレードを完了します。
  15. 構成が完了すると、[アップグレード ステータス] ページが表示されます。
    • アップグレードが正常に完了した各データ ストアの [ステータス] フィールドに、[成功] と表示されます。高可用性のリレーショナル データ ストアまたはタイル キャッシュ データ ストアでは、プライマリ コンピューターとスタンバイ コンピューターの両方のステータスが表示されます。すべてのデータ ストア コンピューターが正常にアップグレードされたら、[次へ] をクリックして、[構成の状態] ページに進みます。この時点で、データ ストア構成ウィザードを閉じることができます。
    • いずれかのアップグレードが成功しなかった場合、そのデータ ストアまたはコンピューターのステータスに [失敗] と表示され、問題解決に役立つメッセージが表示されます。問題を修正し、データ ストア構成ウィザードをもう一度実行して、先ほど失敗したコンピューターをアップグレードします。
  16. 構成が完了し、ビッグ データ ストアのステータスが healthy と表示されると (ビッグ データ ストアがある場合)、ArcGIS GeoEvent Server および ArcGIS GeoAnalytics Server サイトで実行されるサービスを再起動できます。

    データ ストアのステータスを確認するには、ホスティング サーバーの ArcGIS Server Administrator Directory にログインし、validate REST コマンドを実行します。

コマンドを使用したサイレント アップグレード

セットアップ プログラムを実行するのではなく、コマンド プロンプトまたはバッチ スクリプトで Setup.exe ファイルを実行して、ArcGIS Data Store を更新することができます。データ ストアの各コンピューターでファイルを実行します。

  1. backupdatastore ユーティリティを実行して、それぞれのデータ ストアの完全バックアップまたはスナップショットを作成します。バックアップ ファイルがリモートの安全な場所に保存されていることを確認します。
  2. 最新の ArcGIS Data StorePortal for ArcGISArcGIS Server、および ArcGIS Web Adaptor ソフトウェア インストール ファイルを My Esri からダウンロードします。
  3. ホスティング サーバー上の ArcGIS Server とその ArcGIS Web Adaptor をアップグレードした後で、ArcGIS Data Store をアップグレードする必要があります。手順については、『ArcGIS Server インストール ガイド』の「ArcGIS Server のアップグレード」をご参照ください。フェデレーション ArcGIS GeoEvent Server または ArcGIS GeoAnalytics Server サイトがある場合、それらもアップグレードします。

    ヒント:

    Portal for ArcGIS は、ArcGIS Server および ArcGIS Data Store をアップグレードする前でも、アップグレードした後でもアップグレードできます。ArcGIS Enterprise 配置の使用を開始する前に、配置のすべてのコンポーネントが同じリリースにアップグレードされていることを確認してください。

  4. ArcGIS GeoEvent Server でビッグ データ ストアを使用している場合、ArcGIS GeoEvent Server Manager にサイン インし、データのアーカイブに使用されるフィーチャ サービスを停止します。
  5. また、アップグレード中に、ユーザーがホスト フィーチャ レイヤーを編集できないようにするには、ArcGIS Server Manager からホスティング サーバー (GIS Server サイト) に接続し、すべてのホスト フィーチャ サービスを停止します。同様に、フェデレーション ArcGIS GeoAnalytics Server サイトがある場合、ArcGIS Server Manager からサイトに接続し、すべてのホスト フィーチャ サービスを停止します。
  6. データ ストア コンピューターごとに ArcGIS Data Store インストールをアップグレードします。高可用性のタイル キャッシュ データ ストアでは、まず、スタンバイ コンピューターで ArcGIS Data Store インストールをアップグレードしてから、プライマリ コンピューターでインストールをアップグレードします。

    データ ストアのそれぞれのコンピューターに対して、コマンド プロンプトまたはスクリプトで Setup.exe ファイルを実行します。たとえば、2 台のコンピューターを持つ高可用性のリレーショナル データ ストアと 3 台のコンピューターを持つ高可用性のビッグ データ ストアがある場合、5 台すべてのコンピューターで Setup.exe ファイルを実行してから、構成手順に進んでください。

    注意:

    既存の ArcGIS Data Store インストールをアンインストールしないでください。

    Setup.exe を使用してサイレント アップグレードするときは、ArcGIS Data Store アカウントを指定する必要があります。通常、これは、ソフトウェアのインストール時に定義したアカウントです。インストールした後にアカウントを変更した場合は、ArcGIS Data Store アカウントを変更したときに指定したユーザー名とパスワードを入力する必要があります。

    以前のバージョンの ArcGIS Data Store では、ArcGIS Data Store サービスを作成するのにローカル システム アカウントが使用されていました。バージョン 10.4 以降では、ローカル ユーザーまたはドメイン ユーザー アカウントを指定して、ArcGIS Data Store サービスを起動します。ArcGIS Data Store 10.3 または 10.3.1 からのアップグレードの場合は、ArcGIS Data Store コンテンツ ディレクトリ (デフォルトの場所は C:\arcgisdatastore) に対するこのアカウントのフル コントロール権限を手動で指定する必要があります。

    ArcGIS Data Store アカウントを指定しなかった場合や、現在のインストールで使用されているアカウントと一致しなかった場合、認証情報を確認できなかったことを示すメッセージが表示されます。その結果として、インストールが終了します。

    次の例では、ソフトウェアで使用されているアカウントは myaccount です。

    <path to ArcGIS Data Store setup download folder>\Setup.exe /qb USER_NAME=myaccount PASSWORD=mypassword

    たとえば、「mydomain\myaccount」などのドメイン アカウントとパスワード「4myI.s0nly」を使用してコマンドを実行する場合は、次のように入力します。

    \\machinename\mydownloadfolder\Setup.exe /qb USER_NAME=mydomain\myaccount PASSWORD=4myI.s0nly

    注意:

    コマンド ライン パラメーターでは、大文字と小文字が区別されます。アップグレードが正常に機能しない場合は、大文字と小文字の使い方が、例に示されたプロパティと同じになっていることを確認してください。

  7. データ ストアのすべてのコンピューターに新しいバージョンの ArcGIS Data Store をインストールしたら、それぞれのタイプのデータ ストアを構成して、アップグレードを完了します。
  8. configuredatastore コマンド ユーティリティを使用し、アップグレード前に使用していたのと同じ GIS Server サイトでデータ ストアを再構成します。コマンド プロンプトは、ArcGIS Data Store がインストールされているコンピューター上で管理者として実行する必要があります。

    configuredatastore ユーティリティの実行場所と実行回数は、構成によって異なります。

    • リレーショナル データ ストアおよびタイル キャッシュ データ ストアでは、Windows 管理者としてプライマリ コンピューターにログインし、configuredatastore ユーティリティを実行します。これにより、プライマリ コンピューターとセカンダリ コンピューターの両方のデータ ストアがアップグレードされます。
    • プライマリのリレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアが同じコンピューター上で実行されている場合、プライマリ コンピューターで configuredatastore ユーティリティを 1 回実行するだけです。これにより、プライマリとスタンバイのリレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアがアップグレードされます。
    • ビッグ データ ストアでは、ArcGIS Data Store をインストールしたユーザーとしてビッグ データ ストア コンピューターのいずれかにログインし、configuredatastore ユーティリティを実行します。これにより、ビッグ データ ストアのすべてのコンピューターがアップグレードされます。

    この例では、リレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアの両方が実行されているプライマリ コンピューターで、configuredatastore ユーティリティが実行されます。両方のデータ ストアが GIS Server サイト https://myserver.network.com:6443/arcgis に構成されています。

    configuredatastore https://myserver.network.com:6443/arcgis serveradmin MyAdminPassword C:\arcgisdatastore --stores relational,tilecache

    この例では、configuredatastore ユーティリティは、GIS Server サイト https://gisserver.mynetwork.com:6443/arcgis に構成されているビッグ データ ストアのコンピューターの 1 つで実行されます。

    configuredatastore https://gisserver.mynetwork.com:6443/arcgis serveradmin MyAdminPassword C:\arcgisdatastore --stores spatiotemporal

    configuredatastore ユーティリティを実行すると、データ ストアのすべてのコンピューターで ArcGIS Data Store が再起動されます。

    アップグレードの前に、ArcGIS Data Store は、データ ストアのすべてのコンピューターに同じバージョンの ArcGIS Data Store がインストールされていて、すべてのコンピューターにアクセス可能であることを確認します。いずれかのコンピューターが更新されていなかったり、アクセスできない状態であったりすると、ArcGIS Data Store はアップグレードの処理を進めることができません。インストールまたはネットワークの問題を修正して、configuredatastore ユーティリティをもう一度実行します。

  9. 構成が完了し、ビッグ データ ストアのステータスが healthy と表示されると (ビッグ データ ストアがある場合)、ArcGIS GeoEvent Server および ArcGIS GeoAnalytics Server サイトで実行されるサービスを再起動できます。

    データ ストアのステータスを確認するには、ホスティング サーバーの ArcGIS Server Administrator Directory にログインし、validate REST コマンドを実行します。

ArcGIS Data Store をアップグレードした後の注意事項

アップグレード手順により、既存の 10.5 以前のリレーショナル データ ストアのバックアップ ファイルおよびビッグ データ ストアのバックアップ ファイルのすべてが、バックアップ ディレクトリの新しいサブディレクトリに移動されます。ディレクトリ名には ArcGIS Data Store リリース番号が含まれています。これらのファイルを誤って使用して、アップグレードされたリレーショナル データ ストアを復元しようとすることがないよう、ArcGIS Data Store はこれらのファイルを移動します (このような復元はサポートされていません)。

アップグレードした後に、データ ストアがアクセス可能であることを確認する必要があります。これは、ArcGIS Server Manager または ArcGIS Server Administrator Directory から確認できます。また、ホスト フィーチャ レイヤーとホスト シーン レイヤーが引き続き正常に動作することも確認します。

データ ストアの整合チェック

ArcGIS Server Manager にサイン インして、GIS Server サイトが引き続きリレーショナル データ ストアと通信できることを検証できます。ArcGIS Server Manager からタイル キャッシュまたはビッグ データ ストアを検証することはできません。

ArcGIS Server Manager からリレーショナル データ ストアを検証するには、以下の手順を実行します。

  1. ArcGIS Server Manager にサイン インします。
  2. [サイト] > [データ ストア] の順に選択します。
  3. リレーショナル データ ストア ([ArcGIS_Data_Store]) の横にあるボックスをオンにします。
  4. [整合チェック] をクリックします。

データ ストアが実行中で、GIS Server サイトがそのデータ ストアと通信できる場合は、[ステータス] 列に緑のチェックボックスが表示されます。

アップグレード後にタイル キャッシュ データ ストアまたはビッグ データ ストアを整合チェックするには、ArcGIS Server Administrator Directory (URL の形式は https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/admin) にログインして、validate コマンドを使用します。

ヒント:

また、リレーショナル データ ストアを ArcGIS Server Administrator Directory から整合チェックすることもできます。したがって、サイトで複数のタイプのデータ ストアが実行されている場合は、ArcGIS Server Administrator Directory からすべてのタイプのデータ ストアを整合チェックできます。

レイヤーが正常に動作することの確認

さらに、サービスが、アップグレード後も正常に動作していることも確認する必要があります。

  1. ArcGIS Server Manager にサイン インします。
  2. [サービス] > [ホスト] の順に選択します。
  3. すべてのサービスが実行されていることを確認します。