備考:
このトピックでは、ポータルで使用できる標準の空間解析ツールについて説明します。ビッグ データ解析ツールについては、「ビッグ データ解析の実行」をご参照ください。各ツールセットの概要については、「ArcGIS Enterprise での解析について」をご参照ください。
新しい倉庫の候補地を評価する任務を引き受けたとします。この評価は、交通アクセス、史跡が近接するなどの特別な制約の有無、従業員が必要とするレストランやその他の施設へのアクセス、従業員が利用する公共交通機関へのアクセス、開発の抑制または強化に影響を与える付近の土地利用に基づいて行います。定量化でき、かつ正当に説明できる方法でこれらの候補地を評価するにはどうしますか? もちろんデータは必要ですが、地理的な関係を解析および評価するツールも必要です。
人はマップを見ながら、パターンを見つけたり、傾向を評価したり、意思決定を下したりすることによって、そのマップを情報に変換します。このプロセスを空間解析と呼び、これは我々がマップを見たときに眼や頭で常に自然に行っていることです。
しかし、パターンや関係はマップを見ただけでは必ずしも明らかにはなりません。データが多すぎるために、必要なデータを選択しマップ上にわかりやすく表示することが困難な場合もよくあります。マップへのデータの表示方法によって表示パターンを変更させることができます。空間解析ツールでは、データ内のパターンと関係を定量化し、結果をマップ、テーブル、チャートとして表示できます。空間解析ツールを利用することで、視覚的な解析だけではわからない疑問に答えたり、重要な意思決定を下したりすることができます。
ツールへのアクセスと実行の詳細については、「解析ツールの使用」をご参照ください。各ツールの概要については、以下をご参照ください。各解析ツールは、複数のカテゴリに分かれています。これらのカテゴリは、論理的にグループ分けされており、タスクのアクセス方法や使用方法にはまったく影響しません。
開発者の場合は、Spatial Analysis Service REST API および ArcGIS API for Python からこれらのツールにアクセスできます。
備考:
[解析] ボタンがMap Viewerに表示されない場合は、ポータル管理者に問い合わせてください。お使いのポータルが [解析] ツールの使用に対応していないか、ユーザーに [解析] ツールを実行する権限がないことが考えられます。ツールに必要な権限がない場合、ツールは表示されません。
データの集約
これらのツールは、範囲内または他のフィーチャの近くにおいて、フィーチャおよびそれらの属性の合計の数、長さ、面積、および基本的な記述統計解析を計算します。
ツール | 説明 |
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このツールは、ポイント フィーチャのレイヤーとエリア フィーチャのレイヤーで動作します。まず、各エリア内にあるポイントを判別します。このエリア内ポイントの空間的な位置関係を判定した後に、エリア内にあるすべてのポイントの統計情報が計算され、そのエリアに割り当てられます。最も基本的な統計情報は、エリア内にあるポイントの総数ですが、他の統計情報も取得できます。 たとえば、喫茶店の場所を示すポイント フィーチャと郡のエリア フィーチャがあり、喫茶店の売上を郡別にまとめるとします。喫茶店の情報に TOTAL_SALES 属性情報があれば、郡ごとにその合計値 TOTAL_SALES、各郡の TOTAL_SALES 最小値または最大値、そのほか各郡における総売上の標準偏差を取得できます。 | |
このツールは、空間および属性リレーションシップに基づいて、一方のレイヤーまたはテーブルから他方のレイヤーまたはテーブルに属性を追加します。結合されたフィーチャに対して、統計情報を計算できます。 例:
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このツールは、解析レイヤーのフィーチャから指定された距離内にあるフィーチャを検索します。距離は、直線距離または選択した移動モードで計測できます。統計情報は、近傍フィーチャに対して計算されます。 例:
備考:このツールで移動モードの距離を使用するには、ポータル管理者はネットワーク ユーティリティ サービスを使用するようポータルを構成し、ユーザーに [ネットワーク解析] 権限を付与する必要があります。 | |
このツールは、解析レイヤーのエリアの境界内にあるフィーチャ (とフィーチャの一部) を検索します。 例:
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このツールは、ポイント フィーチャの中心フィーチャ、地理的中心、地理的中間地点、または楕円 (分布指向性) を見つけます。 例:
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場所検索
これらのツールは、指定した任意の数の条件を満たすフィーチャを検索します。通常、これらのツールは、場所の選択に使用されます。その目的は、複数の条件を満たす場所を検索することです。
ツール | 説明 |
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このツールは、指定した一連の条件を満たす分析範囲内で、既存のフィーチャを選択します。これらの条件は、属性検索 (空の土地区画など) と空間検索 (河川から 1 マイル以内の土地区画など) に基づきます。 | |
このツールは、指定した一連の条件を満たす分析範囲内で、新しいフィーチャを作成します。これらの条件は、属性検索 (空 (から) の土地区画など) と空間検索 (洪水地域内にある土地区画) に基づきます。 | |
[類似フィーチャの検索 (Find Similar Locations)] ツールは、指定した条件に基づいて、1 つ以上の参照場所に対する検索候補レイヤー内の場所の類似性を測定します。 | |
[テーブルから場所をジオコーディング] ツールは、大規模な住所テーブルおよび住所ファイルをポイントにジオコーディングする便利なツールです。出力は、CSV (カンマ区切り値) ファイル、Excel (XLS) スプレッドシート、またはフィーチャ サービスとして作成できます。 | |
このツールは、周辺地域の需要に最も応える施設を検索します。 施設は、消防署、学校、図書館などのサービスを提供する公共施設であることもあれば、ドラッグ ストアや宅配サービスの流通センターなどの商業施設であることもあります。需要は、施設が満たすことのできるサービスに対するニーズを表します。需要はポイントの位置に関連付けられ、各位置は特定の需要量を表します。 備考:利用可能な移動モードのいずれかを使用して施設を選択するには、ポータル管理者はポータルのネットワーク ユーティリティ サービスを構成し、ユーザーに [ネットワーク解析] 権限を付与する必要があります。 | |
このツールは、観測者が地上でオブジェクトを見ることができるエリアを作成します。入力解析ポイントによって、観測者 (地上にいる人または火の見櫓の監視人など) または観測されるオブジェクト (風力タービン、給水塔、乗り物、またはその他の人など) を表すことができます。生成されるエリアは、観測者から観測対象のオブジェクトを見ることができる、または観測対象オブジェクトから観測者を見ることができるエリアです。生成されるレイヤーは、適地選定分析においてよく使用されます。 備考:このツールを使用できるようにするには、ポータル管理者はポータル向けの標高ユーティリティ サービスを構成する必要があります。 | |
このツールは、指定した位置に基づいて集水域を作成します。 備考:このツールを使用できるようにするには、ポータル管理者はポータル向けの水文ユーティリティ サービスを構成する必要があります。 | |
このツールは、解析レイヤーのポイントから下流方向に向かう経路またはフロー パスを決定します。 備考:このツールを使用できるようにするには、ポータル管理者はポータル向けの水文ユーティリティ サービスを構成する必要があります。 | |
このツールは、マルチポイント、ライン、およびエリア フィーチャから中心のポイント フィーチャを作成します。 |
データへの情報付加
これらのツールを使用すると、エリアの特性を探索できます。選択したエリアについて、詳細な人口統計データと統計情報が返されます。国や州などの拡張されたエリアについて、比較情報を報告することもできます。
ツール | 説明 |
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このツールは、データの場所の周囲にある人、場所、およびビジネスに関する情報を取得して、ポイントまたはエリアのデータに情報を付加します。[レイヤーへの情報付加] を使用すると、地図単独ではわからない特定の場所に関するさまざまな質問に答えることができます。たとえば、次のような質問です。ここにどのような人が住んでいるか? このエリアの人々は何に興味を持っているか。どんな習慣、ライフスタイルなのか。このエリアには、どのようなビジネスがあるか? 出力結果は、指定したデータ コレクションから取得したすべての人口統計および地理情報を含む新しいレイヤーです。この新しい情報は、フィールドとしてテーブルに追加されます。 備考:ポータル管理者は、ポータルにジオエンリッチメント ユーティリティ サービスを構成し、ユーザーがこのツールを実行できるよう [ジオエンリッチメント] 権限を付与する必要があります。さらに、ポータル管理者はネットワーク ユーティリティ サービスを構成する必要があります。移動モードに基づいてレイヤーに情報付加するユーザーには [ネットワーク解析] 権限が必要です。 |
パターンの解析
これらのツールを使用すると、統計的に有意なクラスターのエリアを識別することで、データ内の空間パターンを識別、定量化、および視覚化できます。
ツール | 説明 |
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[密度の計算] ツールは、ある現象の既知の数量 (ポイントまたはラインの属性として表す) をマップ上に分布することによって、ポイント フィーチャまたはライン フィーチャから密度マップを作成します 結果として出力されるのは、低密度から高密度に分類されたエリア ポリゴンのレイヤーです。 例:
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[ホット スポット分析 (Find Hot Spots)] ツールは、データの空間パターンに、統計的に有意なクラスターが存在するかどうかを判定します。 例:
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[外れ値の検索] ツールは、データの空間パターンに、統計的に有意な外れ値が存在するかどうかを判定します。 例:
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[ポイント クラスターの検索 (Find Point Clusters)] ツールは、空間分布に基づき周辺ノイズ内でポイント フィーチャのクラスターを検索します。 例:
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[ポイントの内挿] ツールを使用すると、一連のポイントからの計測値に基づいて、新しい場所の値を推定できます。このツールは、各ポイントの値を持つポイント データを取得して、推定値で分類したエリアを返します。 例:
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近接エリアの分析
次のツールを使用すると、「何の近くに何があるか?」という空間解析で最も一般的な質問の 1 つに答えることができます。
ツール | 説明 |
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バッファーとは、ポイント、ライン、またはエリア フィーチャから特定の距離をカバーするエリアです。 バッファーは通常、[オーバーレイ (Overlay Layers)] などのツールを使用して詳細に分析できるエリアを作成するために使用されます。たとえば、「学校から 1 マイル以内にある建物」という質問に答える場合、学校の周囲 1 マイルのバッファーを作成し、建物を含むレイヤーとバッファーをオーバーレイします。最終結果は、学校から 1 マイル以内にある建物のレイヤーになります。 | |
[到達圏レイヤーの作成 (Create Drive-Time Areas)] は、指定した運転時間または走行距離内に到達できるエリアを作成します。これは、1 つまたは複数のポイント (最大 1,000) から道路に沿って計測し、次のような質問に答えるのに役立つレイヤーを作成します。
出力エリアを視覚化することで、それらの質問への答えを出すことができます。また、出力エリアを使用して、より詳細な空間解析を実行することができます。たとえば、人口統計データのある運転時間エリアを使用して [ポイントの集約 (Aggregate Points)] を実行すると、どこに店舗を構えれば自社のビジネスに最適な顧客層を獲得できるか判断する際に役立ちます。 備考:このツールを使用するには、ポータル管理者はポータルにネットワーク ユーティリティ サービスを構成し、ユーザーに [ネットワーク解析] 権限を付与する必要があります。 | |
このツールは、最近接フィーチャを検索し、必要に応じて近傍フィーチャまでの距離を報告およびランク付けします。このツールは、近傍のフィーチャを検索するために、直線距離または選択した移動モードを測定します。検索する最近接フィーチャの数や検索範囲を制限するためのオプションがあります。 このツールの結果を利用すると、次のような質問に答えることができます。
[最寄りの検索 (Find Nearest)] は、最近接フィーチャを含むレイヤーと、必要に応じて、開始位置から最も近い場所までを繋ぐライン レイヤーを返します。オプションのライン レイヤーには、開始位置と最も近い場所、およびそれらの間の距離に関する情報が含まれています。 備考:ほとんどの利用可能な移動モードを使用して近接フィーチャを検索するには、入力はポイント フィーチャでなければならず、ポータル管理者はポータルのネットワーク ユーティリティ サービスを構成し、ユーザーに [ネットワーク解析] 権限を付与する必要があります。ただし、この権限がない場合でも、[直線距離] によって計測できます。 | |
[ルートの計画 (Plan Routes)] は、配送や移送タスクを効率的に分配する方法を決定します。 一連の訪問先と利用する車両の数を指定します。このツールは、車両に訪問先を割り当て、各車両が最短時間で割り当てられた訪問先に到着できる方法を示すルートを返します。 [ルートの計画 (Plan Routes)] を使用すると、移動を伴う人員は、少ない時間でより多くの現場に到着することができ、生産性を高めて顧客サービスを向上することができます。
[ルートの計画 (Plan Routes)] の出力には、訪問先が割り当てられているルートでコーディングされている訪問先のレイヤー、割り当てられた訪問先を訪問するための最短パスを示すルートのレイヤー、および (到達できない訪問先があったかどうかによっては) 割り当てられていない訪問先のレイヤーが含まれます。 備考:このツールを使用するには、ポータル管理者はポータルにネットワーク ユーティリティ サービスを構成し、ユーザーに [ネットワーク解析] 権限を付与する必要があります。 | |
このツールは、ペアとなるポイント間の移動時間または距離を測定します。このツールでは、直線距離、道路距離、または移動時間を算出することができます。始点と終点を指定すると、ツールは、ペアとなった起点と終点の間の測定値およびルートを含むレイヤーを返します。多数の起点が 1 つの終点に集まっている場合、終点までの複数の移動を集計した表が出力に含まれます。 備考:このツールを使用するには、ポータル管理者はポータルにネットワーク ユーティリティ サービスを構成し、ユーザーに [ネットワーク解析] 権限を付与する必要があります。 |
データ管理
これらのツールは、地理データの日常的な管理と、解析前のデータの結合のために使用されます。
ツール | 説明 |
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このツールを使用すると、指定した対象エリアのデータを選択およびダウンロードできます。選択したレイヤーは、Zip ファイルまたはレイヤー パッケージに追加されます。 | |
重なり合うエリアや共通の境界を共有するエリアはマージされ、1 つのエリアが形成されます。 フィールドを指定して、どの境界線をマージするか設定できます。たとえば、郡のレイヤーがあり、各郡に State_Name 属性がある場合、State_Name 属性を使用して境界をディゾルブできます。隣接する郡は、State_Name の値が同じ場合にマージされます。最終結果は、州の境界線のレイヤーです。 | |
このツールは、調査区域の指定形状およびサイズのビンを作成します。 正方形、六角形、六角形 (縦)、三角形、ひし形のビンを作成できます。 | |
このツールは、2 つのレイヤーのフィーチャを 1 つの新しいレイヤーにコピーします。マージされるすべてのレイヤは、同じフィーチャ タイプ (ポイント、ライン、エリア) を含んでいる必要があります。入力レイヤーのフィールドを結合およびコピーする方法を制御できます。 例:
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[オーバーレイ (Overlay Layers)] は、複数のレイヤーを 1 つのレイヤーに結合します。オーバーレイは、積み重ねたマップを透過して、中にあるすべての情報を含む 1 つのマップを作成することと考えることができます。実際、GIS が登場するまで、地図制作者は透明なフィルムの上にマップをそのままコピーして、これらのシートをライト テーブルの上に重ねて、オーバーレイされたデータから新しいマップを手書きしていました。オーバーレイは、線画の重ね合わせではなく、オーバーレイの一部となるフィーチャの属性はすべて最終的なレイヤーに付加されます。オーバーレイは、「何の上には何があるか?」という地理で最も基本的な質問の 1 つに答えるために使用されます。 例:
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