ポータルで ArcGIS Server Web レイヤーをデータベース データ ストア アイテムから一括して公開することによって、接続してアクセスしているデータベース内のすべてのフィーチャクラスおよびテーブルのフィーチャ レイヤーおよびマップ イメージ レイヤーを作成します。 この同じデータベース接続を介して新しいデータセットが利用可能になったとき、またはデータセットへのアクセスが削除されたときに、データベースの内容をポータル内のレイヤーと手動で同期させることができます。 各レイヤーを作成するためにどのデータセットが公開されたかを識別できます。 必要に応じて、データ ストア アイテムから一括して公開したすべてのレイヤーを削除することもできます。
データベースの内容とレイヤーの同期
データベースの内容は時間とともに変化します。つまり、フィーチャクラスやテーブルは追加されたり、場合によっては削除されたり、名前が変更されたりします。フィールドは、名前が変更されたり、フィーチャクラスやテーブルに追加されたり、フィーチャクラスやテーブルから削除されたりします。メタデータは更新されます。 既存のデータへのアクセス権も、所有者またはデータベース管理者がデータセットに対する権限を変更した場合に、時間とともに変化する可能性があります。 これらの操作はすべて、データベース データ ストア アイテムおよび一括して公開されたレイヤーがソース データと同期しなくなることにつながります。
データ ストア アイテムの所有者は、レイヤーを同期することにより、ソース データと一括して公開されたレイヤーを同期された状態に戻すことができます。 即時に同期したり、定期的に同期するようスケジュール設定したりできます。
次のセクションでは、同期される変更について説明し、レイヤーを即時に同期するか、同期をスケジュール設定するための手順について説明します。
追加または削除されたフィーチャクラス
データベースの内容に対するアクセス権が変化したときに、レイヤーを同期させることができます。 元になるフィーチャクラスまたはテーブルがデータベースから削除されたか、データベースに接続しているユーザーから権限が取り消された場合、対応するフィーチャおよびマップ イメージ レイヤーがポータルから削除されます。 同様に、データベースに追加されたフィーチャクラスおよびテーブルのレイヤー、またはデータ ストア アイテムを介してデータベースにアクセスするために使用されるログインに新たにアクセス権が付与されたフィーチャクラスおよびテーブルのレイヤーが、ポータルに作成されます。
注意:
削除されたレイヤーを使用していたすべてのマップ、シーン、またはアプリは、そのデータにアクセスできなくなります。 オフライン ワークフローで使用されていた一括公開されたフィーチャ レイヤーが削除されると、オフラインでの編集は同期されずに失われます。
名前が変更されたフィーチャクラス
同期では、データベース内のデータへのアクセスに基づき、レイヤー アイテムの追加または削除が行われます。名前がソース フィーチャクラスまたはテーブル内で変更されていても、更新は行われません。
データベース内の元になるフィーチャクラスおよびテーブルの名前を変更した場合、同期処理は、それらを新しいデータセットとして識別します。 古い名前を持つレイヤーがポータルおよびフェデレーション サーバーから削除され、新しいレイヤーが新しい名前および新しい URL で公開されます。
注意:
すべての削除と同様に、古い名前のレイヤーを使用していたすべてのマップ、シーン、またはアプリは、そのデータにアクセスできなくなります。 オフラインでの編集は、削除されたフィーチャ レイヤーと同期できません。
スキーマの変更
ソース フィーチャクラスまたはテーブルにフィールドが追加される、あるいはソース フィーチャクラスまたはテーブルからフィールドが削除されると、同期は関連付けられたマップ イメージ レイヤー アイテムとフィーチャ レイヤー アイテムを更新して、その変更を反映します。 同期によって、Web レイヤーの属性リストおよび範囲として表示されるソース データ内の一意制約やドメインなど、レイヤーに他のスキーマ変更も適用されます。
更新されたメタデータ
同期すると、デフォルトで、ソース データに加えられたメタデータの変更内容は、Web レイヤーのアイテム ページに相当する情報に加えた変更内容を上書きします。 メタデータと詳細を同期したくない場合は、同期する前にこれを無効にすることができます。
ソース データの次のメタデータを更新し、メタデータを同期できるようにすると、Web レイヤーのアイテム ページに相当する情報に加えた次の変更内容を上書きします。
- タイトル (レイヤー名)
- 説明
- タグ
- 著作権 (帰属)
- 利用規約 (ソース メタデータの利用制限です)
メタデータを同期すると、REST API を通じてレイヤー アイテムの次の詳細に対して行った更新内容も上書きされます。
- スニペット
- 最小縮尺
- 最大縮尺
- レイヤー アイテムのデータ範囲
日付フィールドと時間フィールド
ArcGIS Enterprise 11.1 より前のバージョンでは、一括公開されたレイヤーの日付値と時間値は参照されるデータベースのタイム ゾーンを使用し、そのレイヤーの日付値と時間値は常に ArcGIS Enterprise で UTC 形式でレンダリングされました。
一括して公開されたレイヤーを同期する際に、関連するマップ イメージ レイヤー アイテムおよびフィーチャ レイヤー アイテムと一緒に格納される日付フィールドと時間フィールドのタイム ゾーンを定義でき、ArcGIS Pro で日付データと時間データを表示するときに使用するタイム ゾーンを定義できます。
レイヤーの即時同期
対話型オプションを使用してレイヤーを同期すると、同期が即時に開始されます。 日付フィールドおよび時間フィールドとメタデータ オプションにもアクセスできます。
以下の手順に従って、ソース データベースの内容を、ポータル内の Web レイヤー アイテムと同期させます。
- データ ストア アイテムを含んでいるポータルにサイン インします。
データ ストア アイテムの所有者である必要があります。
- データ ストア アイテムの詳細ページを開き、[レイヤー] タブをクリックします。
- [レイヤーの同期] をクリックします。
- ソース データのメタデータの情報を使用してすべてのレイヤーの詳細を更新するには、[ソース データセットのメタデータを使用してレイヤー アイテムを更新します] オプションを有効のままにします。
- UTC 以外のタイム ゾーンにデータを格納する日付フィールドと時間フィールドがデータに含まれている場合、[高度な設定] セクションを開き、[データのタイム ゾーン] ドロップダウン メニューからタイム ゾーンを選択します。 そのタイム ゾーンでサマー タイムを考慮に入れるには、[サマータイムを適用] チェックボックスをオンにします。
このタイム ゾーンは公開されたすべてのレイヤーに適用されます。 デフォルトでは、日付値と時間値は UTC と見なされます。
- UTC 以外のタイム ゾーンを使用して ArcGIS の公開済みレイヤーに日付値と時間値を表示するには、[表示の優先タイム ゾーン] ドロップダウン メニューからそのタイム ゾーンを選択します。 表示タイム ゾーンでサマー タイムを考慮に入れるには、[サマータイムを適用] チェックボックスをオンにします。
[表示の優先タイム ゾーン] ドロップダウン メニューから選択したタイム ゾーンは、各マップ イメージ レイヤー アイテムおよびフィーチャ レイヤー アイテムと一緒に保存されます。 ユーザーが ArcGIS Pro または Map Viewer でこれらのレイヤーの内容を表示すると、日付値と時間値がこのタイム ゾーンで表示されます。 この表示タイム ゾーンは公開されたすべてのレイヤーに適用されます。
デフォルトでは、ArcGIS Pro は日付値と時間値を UTC で表示します。
- レイヤーを元になるデータベースの内容と同期させることを続行する場合は、[レイヤーの同期] をクリックします。
これにかかる時間は、データベースの内容に対して行われた変更の数によって変わります。
レイヤーを一括で公開したときに日付データと時間データのタイム ゾーンを設定しなかった場合、またはこれらの値を設定したときに間違いがあった場合、手順 5 に進みます。 それ以外の場合は、手順 7 に進みます。
レイヤーの同期のスケジュール設定
一括して公開されたレイヤー アイテムをスケジュール設定して、ソース データベースから内容を同期できます。 これにより、週末や就業時間後など、レイヤーにアクセスする必要があるユーザー数が少ないときに同期を行うことができます。
同期のスケジュールを設定すると、メタデータと日付の設定が使用できなくなります。
以下の手順に従って、ソース データベースの内容を、ポータル内の Web レイヤー アイテムと同期するスケジュールを設定します。
- データ ストア アイテムを含んでいるポータルにサイン インします。
データ ストア アイテムの所有者である必要があります。
- データ ストア アイテムの詳細ページを開き、[レイヤー] タブをクリックします。
- [同期のスケジュール] をクリックします。
[同期タスクの追加] ウィンドウが表示されます。
- 一括して公開されたレイヤーとそのデータ ソースを同期するスケジュールを定義します。
- 同期タスクのタイトルを入力します。
- 自動化された同期を開始する日付を [開始日] メニューから選択します。
- [繰り返しタイプ] メニューから、次のいずれかの値を選択します。
- [日] - このオプションを使用すると、同期タスクを実行する間隔を日単位で設定できます。 [繰り返し間隔] ドロップダウン メニューから間隔を選択します。
- [週] - このオプションを使用すると、同期タスクを実行する曜日を選択できます。 タスクを実行する各曜日の横にあるチェックボックスをオンにします。
- [月] - このオプションを使用すると、同期タスクを実行する各月の特定の 1 日を指定し、タスクを実行する間隔を月単位で設定できます。 [日付] に 1 ~ 31 の整数を入力し、[繰り返し間隔] ドロップダウン メニューから間隔を選択します。
- [時刻] モーダルを使用して、同期タスクを開始する時刻を設定します。
時刻は、ブラウザーを実行してポータルにアクセスするコンピューターに対してローカルです。
- [終了日] ドロップダウン メニューから次のいずれかの値を選択し、自動化された同期タスクの繰り返しを停止する日付を指定します。
- [指定なし] - タスクを編集、一時停止、削除するまで、同期タスクは実行を継続します。
- [数] - 設定した回数だけタスクを実行するには、このオプションを選択し、[数] フィールドに整数を入力して、タスクを実行する回数を指定します。
- [日付] - 特定の日付でタスクの実行を停止するには、このオプションを選択し、[終了日] モーダルで自動化されたタスクの実行を停止する日付を定義します。
- 同期スケジュールを実装するには、[作成] をクリックします。
スケジュール設定されたタスクがデータ ストアに保存されます。
スケジュール設定されたタスクを表示、変更、一時停止、削除するには、データ ストア アイテムの [レイヤー] タブで [同期のスケジュール] をクリックし、[アクション] ボタン メニューからオプションを選択します。
レイヤーおよびソース データの識別
データ ストア アイテムの所有者は、データ ストア アイテムの詳細ページの [レイヤー] タブで提供された情報を使用して、各フィーチャおよびマップ イメージ レイヤーに入力されているソース データセットを識別できます。 データ ストアの所有者のみが、[レイヤー] タブおよびこの情報にアクセスできます。 [レイヤー] タブの [データセット] 列に、フィーチャクラスまたはテーブルの完全修飾名が、[<データベース名>.<データセット所有者>.<テーブル名>] の形式で表示されます。
特定の一括して公開されたレイヤーを見つけるのに役立てるために、[レイヤー] タブで次のいずれかを実行できます。
- [レイヤー] タブで、リスト内のレイヤーの順序を変更します。 デフォルトでは、このリストは、レイヤーが作成された日付で並べ替えられます。 リストを並べ替える方法を変更するには、並べ替えボタン をクリックして、新しい並べ替え方法を選択します。
- レイヤー名またはレイヤー名の一部が分かっている場合は、それを検索ボックスに入力します。 これによって、そのテキストを含んでいる名前を持つレイヤーのみが返されます。 検索を消去するには、検索ボックスの X をクリックします。
- レイヤーの詳細を表示または更新するには、リスト内のレイヤー名をクリックします。
他のレイヤーと同様に、ユーザー (およびユーザーがレイヤーを共有している他のポータル メンバー) は、[コンテンツ] ページで使用できるフィルターおよび検索機能を使用して、特定の一括して公開されたレイヤーを見つけることができます。
一括公開されたすべてのレイヤーの削除
まれに、データ ストア アイテムを削除できるように、すべてのレイヤーの削除が必要になることがあります。 データベース データ ストア アイテムの [レイヤー] タブに、これを実行できるオプションがあります。
レイヤーを削除する前に、自分または他のユーザーが使用しているそれらのレイヤーを含んでいるすべてのマップから、必ずそれらのレイヤーを除去しておいてください。 そうしなければ、マップ内で使用されているそれらのレイヤーは利用できない状態になります。 すべてのレイヤーを削除するには、データベース データ ストア アイテムの [レイヤー] タブで [作成したすべてのレイヤーを削除] をクリックします。
注意:
[マイ コンテンツ] から個別のレイヤーを削除することもできます。
マップ イメージ レイヤーとフィーチャ レイヤーを削除するには、まずフィーチャ レイヤーを削除してからマップ イメージ レイヤーを削除する必要があります。 ただし、データベース内のソース フィーチャクラスが利用できなくなった場合を除き、次回データベースと同期すると、両方のレイヤーが再作成されます。 たとえば、データ所有者がソース フィーチャクラスまたはテーブルへのアクセスを取り消した場合や、データ所有者がデータベースからフィーチャクラスまたはテーブルを削除した場合、データベースと同期しても、マップ イメージ レイヤーとフィーチャ レイヤーは再作成されません。
フィーチャ レイヤーのみを削除する場合は削除できます。 ただし、同期してもフィーチャ レイヤーは再作成されないので注意してください。