Amazon Web Services (AWS) Management Console を使用して ArcGIS Server サイトを構築する場合、Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) インスタンス上で ArcGIS Server を実行するために何が必要かを知っておく必要があります。
Amazon Web Servicesの機能の具体的な手順と説明、および AWS Management Console の使用方法については、Amazon Web Services ドキュメントをご参照ください。スタンドアロン ArcGIS Server サイトを実行する EC2 インスタンスの起動に固有の情報を次に示します。
インスタンスの起動前
Amazon への AWS アカウントのアクセスを有効化する必要があります。また、AWS上の ArcGIS Server インスタンスで使用するために Elastic IP アドレスを作成する必要があります。
- Web ブラウザーを開き、AWS のユーザー名とパスワードを使用して Amazon Management Console にサイン インします。
Amazon アカウントは AWS にアクセスできるよう有効化されている必要があります。有効化は、AWS Web サイト上で手順を一度実行するだけで済みます。使用するアカウントについて不明な点がある場合は、システム管理者または Amazon にお問い合わせください。
- EC2 Management Console の AWS セクションに移動し、作業を行うリージョンを選択します。
リージョンは、世界中で利用可能な AWS データ センターを表しています。リージョンを使用して、顧客に近い所に配置したり、法的要件を満たすことができます。価格はリージョン間で異なります。
- インスタンスで使用する新しい Elastic IP アドレスを割り当てます。作成した IP アドレスは、後で使用するので必ず記録しておいてください。
Esri AMI からのインスタンスの起動
新しい Esri AMI (Amazon Machine Image) を初めて使用する前に、AWS Marketplace で利用条件に同意する必要があります。利用条件に同意したら、この AMI を使用して、EC2 Management Console の AWS セクションからインスタンスを起動します。この AMI を見つけるには、「ArcGIS」または「Esri」を検索します。
Linux 用の AMI と Microsoft Windows 用の AMI が提供されています。
インスタンスの種類と詳細
EC2 インスタンスを起動する際に、そのインスタンスの種類を選択する必要があります。少なくとも、最小限の ArcGIS Server のシステム要件を満たすインスタンスの種類を選択してください。
インスタンスの種類によって Amazon での課金が変わりますので、注意してください。
格納オプション
AWS Management Console からインスタンスを起動するときに、格納オプションを変更できます。ただし、インスタンスの起動時に格納設定を変更しないでください。AMI にはデバイス マッピングを構成する設定があり、格納オプションを変更すると、これらのマッピングが無効になる可能性があります。
アタッチされた EBS ボリュームのサイズを変更する場合は、インスタンスの起動後に行います。詳細については、「EBS ボリュームの操作」をご参照ください。
タグ
インスタンスの識別に必要なキーと値を作成します。
セキュリティ グループ
インスタンスの起動時にセキュリティ グループを作成し、インスタンスにアクセスできる受信トラフィックを定義します。
下記のルールは、AWS を実行している ArcGIS Server インスタンスへのログインを許可し、サービスが稼働中であることをテストするための基本的ルールです。別のシナリオで適用できるセキュリティ グループ ルールのリストについては、「一般的なセキュリティ グループ構成」をご参照ください。
| プロトコル | ポート範囲 (コード) | ソース |
|---|---|---|
RDP (Windows インスタンス専用) | 3389 | リモート デスクトップを介したインスタンスへの接続が許可されたコンピューターの IP アドレスまたは IP アドレスの範囲を指定します。 |
SSH (Linux インスタンス専用) | 22 | SSH クライアントを介したインスタンスへの接続が許可されたコンピューターの IP アドレスまたは IP アドレスの範囲を指定します。 |
Custom TCP rule | 6080 | Elastic Load Balancer を使用していない場合、「0.0.0.0/0」を入力します。Elastic Load Balancer を使用している場合、Elastic Load Balancer のセキュリティ グループ名を入力します。これは、amazon-elb/amazon-elb-sg などの値です。 |
キー ペアの作成
インスタンスを起動したら、キー ペアを作成して、EC2 インスタンスへのログインを許可する必要があります。Windows インスタンスの管理者パスワードを取得するために、キー ペアが必要です。Linux インスタンスへの SSL 接続を作成する場合にも、キー ペアが必要となります。
*.pem 拡張子付きのキー ペア ファイルをダウンロードします。このファイルを安全な場所に保存します。
インスタンスの起動後
インスタンスが起動するまで数分かかります。インスタンスが起動している間、インスタンスのステータスが AWS Management Console に pending と表示されます。インスタンスの起動が完了すると、インスタンスのステータスは started と表示され、ユーザーは、保持している実行中の AWS インスタンスに対して課金されることになります。インスタンスの起動が完了したかどうかを判別するために [更新] をクリックする必要がある場合があります。
AWS インスタンスが起動してから数分間は、インスタンスのステータスが AWS Management Console に started と表示されていてもログインできないことに注意してください。インスタンスおよび ArcGIS が完全に構成されるまでに数分かかります。
インスタンスが接続を受け入れることができる状態であるかどうかを判別するには、AWS Management Console でそのインスタンスを右クリックして [システム ログの取得] をクリックします。インスタンスを初めて起動した場合にこの操作を行うと、空白のログ画面が表示されます。正常な Windows AWS インスタンスについては、数分後にログを確認すると、「Windows is ready to use」というメッセージが表示されます。ArcGIS が自動構成される時間を見越して、システム ログにメッセージ「AWS is ready to use」が報告されてから最低 5 分間は Windows インスタンスに接続しないでください。ただし、この時間はAmazon Web Servicesの健全性によって異なる場合があります。
インスタンスへのログインと操作に関するその他の手順については、「Amazon リモート デスクトップ接続を使用した EC2 Windows インスタンスの管理」、「Ubuntu Linux へのリモート アクセスによる Amazon EC2 インスタンスの管理」、または「Amazon から Ubuntu Linux へのリモート アクセスによる EC2 Windows インスタンスの管理」をご参照ください。
ヒント:
EC2 インスタンスが不要になったら、それらのインスタンスを停止するか終了して、不必要なコストを避けてください。インスタンスを終了すると、そのインスタンスに関するすべてのデータおよびソフトウェアが復旧不可能になりますが、 インスタンスを停止してから起動しても、データが失われることはありません (停止した時点でインスタンスを終了するオプションを選択していない場合に限ります)。インスタンスのステータスを右クリックすると、そのインスタンスを停止、起動、または終了するためのメニューを表示できます。
他の ArcGIS コンポーネントの配置
Esri AMI には Portal for ArcGIS、ArcGIS Data Store、および ArcGIS Pro も含まれています。
ArcGIS Enterprise ライセンスを所有している場合は、AWS インスタンス上に ArcGIS Enterprise ポータルと ArcGIS Data Store を配置し、(最小限の) リレーショナル データ ストアを作成して AWS 上の ArcGIS GIS Server サイトで構成し、そのサイトをポータルのホスティング サーバーとして設定することができます。
ArcGIS Enterprise ライセンスに ArcGIS Pro が含まれている場合は、ArcGIS Pro をライセンス認証するようにポータルを構成し、それらのライセンスをポータル メンバーに割り当てます。