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ArcGIS Data Store のアップグレード

ArcGIS Data Store は、GIS Server 配置のホスティング サーバーとして設定された ArcGIS Enterprise サイトに登録されます。 この配置のすべてのコンポーネントを同じバージョンにアップグレードする必要があります。

ArcGIS Data Store のアップグレードの準備

ArcGIS Data Store をアップグレードする前に、次の情報をよく確認して、必要な処理を完了させてください。

  • ArcGIS Data Store11.3 のシステム要件を読み、使用しているハードウェアが現在の要件を満たしていることを確認してください。
  • サポートと機能の変更点については、「ArcGIS Data Store 11.3 の新機能」をご参照ください。
  • バージョン 10.6.1 以前から ArcGIS Data Store 11.3 に直接アップグレードする操作はサポートされていません。 ArcGIS Data Store 10.6.1 以前をアップグレードするには、はじめに中間バージョン (10.7.x ~ 10.9.1) にアップグレードしてから、そのバージョンを 11.3 にアップグレードします。 中間バージョンのアップグレードに関するドキュメントを読み、開始する ArcGIS Data Store のバージョンで直接アップグレードする操作がサポートされていることを確認します。
  • リレーショナル データ ストアまたはタイル キャッシュ データ ストアをアップグレードする前に、各コンピューター上で ArcGIS Data Store のディレクトリのサイズを確認します。 コンピューターに ArcGIS Data Store のディレクトリのサイズの 2 倍に対応できる十分な空き容量があることを確認します。
  • リレーショナル データ ストアをアップグレードする前に、各リレーショナル データ ストア コンピューターでポート 50432 が空いていることを確認します。
  • プライマリ/スタンバイ モードで動作するタイル キャッシュ データ ストアがある場合は、アップグレード前にスタンバイ コンピューターがデフォルトのバックアップ場所にアクセスできるかを確認してください。 アクセス権限がないと、アップグレード後にタイル キャッシュ データ ストアのデフォルトのバックアップ場所が存在しなくなるため、デフォルトのバックアップ場所の構成が必要となります。
  • 複数のコンピューターを含むタイル キャッシュ データ ストアがあり、10.7.x、10.8.x、または 10.9 からアップグレードする場合は、ファイアウォールのポート 29079 ~ 29090 およびポート 4369 を開く必要もあります。
  • ArcGIS Data Store 10.9 オブジェクト ストアを 11.3 にアップグレードする場合、ホスティング サーバーがオブジェクト ストアと通信できるよう、オブジェクト ストア コンピューターでポート 29878 (HTTP) と 29879 (HTTPS) を開く必要があります。 10.9 では、ポート 9900 が使用されていましたが、 不要になりました。 オブジェクト ストアがクラスター モードで配置されている場合、オブジェクト ストア コンピューター間で通信できるよう、ポート 9880 (HTTP) およびポート 9820、9830、9840 (TCP) も開く必要があります。
  • アップグレードする前に、リレーショナル データ ストア コンピューター上でポート 25672、44369、45671、および 45672 を利用できるようにする必要があります。 最初の 2 つのポートを利用できる状態にする必要があり、残りの 2 つのポートもホスティング サーバーまたは他のフェデレーション ArcGIS GIS Server サイトと通信できるように開く必要があります。 これらのポートを開いていない場合、ArcGIS Enterprise 配置でサービスの Webhook を作成することはできません。
  • 10.8.1 時空間ビッグ データ ストアをアップグレードする場合、ArcGIS Enterprise 配置に、四角形または六角形の集約を使用する ArcGIS GeoEvent Server マップ サービスが含まれているかどうかを確認してください。 含まれている場合、ビッグ データ ストアをアップグレードした後で、レンダリングの問題を修正する追加の手順を実行する必要があります。
  • クラスター モードで配置されている ArcGIS Data Store 11.3 オブジェクト ストアには、奇数台のコンピューターが含まれている必要があります。 クラスタリングされた 10.9 オブジェクト ストアを 11.3 にアップグレードする場合、アップグレード後にオブジェクト ストアにコンピューターを追加する必要がある場合があります。
  • 配置にすべてのデータ ストアのバックアップを作成し、バックアップ ファイルをリモートの安全な場所に保存します。
  • 最新の ArcGIS Data StorePortal for ArcGISArcGIS Server、および ArcGIS Web Adaptor ソフトウェア インストール ファイルを My Esri からダウンロードします。 さらに、My Esri から Portal for ArcGISArcGIS Server11.3 認証ファイルをダウンロードします。

    基本 ArcGIS Enterprise デプロイメントのすべてのコンポーネントは、同じソフトウェア バージョンである必要があります。

  • ArcGIS Data Store は常に ArcGIS Enterprise 配置の一部として使用され、ArcGIS Data Store をアップグレードする前に、配置の特定のコンポーネントをアップグレードする必要があります。 ArcGIS Enterprise をアップグレードする前に、次のセクションを読んで、アップグレードの必要がある ArcGIS Data Store コンポーネントをアップグレードします。

ArcGIS Enterprise のアップグレードの順序

ArcGIS Enterprise の配置でコンポーネントをアップグレードする場合に推奨される順序は次のとおりです。

  1. Portal for ArcGIS をアップグレードします。
  2. ArcGIS Web Adaptor をアップグレードします (Portal for ArcGIS 用)。
  3. ポータルのホスティング サーバーとして機能する ArcGIS Server サイトをアップグレードします。
  4. ArcGIS Web Adaptor をアップグレードします (ArcGIS Server 用)。
  5. ArcGIS Data Store をアップグレードします。
  6. ArcGIS Enterprise 配置にこれらが含まれる場合は、フェデレーション サーバーをアップグレードします。

    ほどんどのフェデレーション サーバーは、ベースの ArcGIS Enterprise 配置のバージョンに一致する必要があります。 フェデレーション サーバーのサポートされているバージョンについては、「ArcGIS Server とポータルのフェデレーション」をご参照ください。

    アップグレードが必要なフェデレーション サーバーのタイプのアップグレード情報をご参照ください。

ArcGIS Data Store のアップグレード

インストール ファイルとバックアップ ファイルを取得し、ホスティング サーバーをアップグレードしたら、データ ストアのタイプ別のアップグレード手順を実行します。 同一の ArcGIS Server サイトに登録されているすべてのデータ ストアで、同じリリースの ArcGIS Data Store が実行される必要があります。 ArcGIS Data Store をアップグレードする際には、次の点に留意してください。

  • 必ず、データ ストアを構成する前に、データ ストア内のすべてのコンピューターに ArcGIS Data Store をインストールしてください。
  • 新しいバージョンをインストールする前に、ArcGIS Data Store をアンインストールしないでください。

    11.3 ArcGIS Data Store のセットアップを実行すると、ArcGIS Data Store 10.7 以降の配置は、自動的に 11.3 にアップグレードされます。 これまでにリリースされた各バージョンを順に入手しインストールする必要はありません。

  • リレーショナル データ ストアまたはタイル キャッシュ データ ストアにプライマリおよびスタンバイ コンピューターがある場合、プライマリおよびスタンバイ コンピューターに新しいバージョンの ArcGIS Data Store をインストールしてから、いずれかのコンピューターでデータ ストアを再構成します。
  • ホスティング サーバー サイトで複数のタイル キャッシュ データ ストア、時空間ビッグ データ ストア、またはオブジェクト ストア コンピューターが構成されている場合は、クラスター内のそれぞれのデータ ストア コンピューターに個別に新しいバージョンの ArcGIS Data Store をインストールします。 クラスター内のすべてのコンピューターに新しいバージョンをインストールしたら、データ ストアを再構成できます。

ArcGIS Data Store のアップグレードの準備」で説明されている手順を完了し、ArcGIS Data Store の前にアップグレードする必要がある ArcGIS Enterprise コンポーネントのアップグレードが完了した後、次の手順に従ってデプロイメントのデータ ストアをアップグレードします。

  1. ArcGIS GeoEvent Server で時空間ビッグ データ ストアを使用している場合、ArcGIS GeoEvent Server Manager にサイン インし、データのアーカイブに使用されるフィーチャ サービスを停止します。
  2. データ ストア コンピューターごとに ArcGIS Data Store インストールをアップグレードします。

    インストールをアップグレードするには、最初に ArcGIS Data Store をインストールしたユーザーと同じユーザーとして、コマンド プロンプトから最新の ArcGIS Data Store 11.3 セットアップ スクリプトを実行します。 既存のインストールをアンインストールしないでください。

    ArcGIS Data Store をインストールして 10.9.1 以前からアップグレードする場合、すべてのデータ ストア タイプ (リレーショナル、タイル キャッシュ、オブジェクト、グラフ、ビッグ データ ストア) がインストールされます。

    コマンドを実行するには、ROOT または untar ディレクトリに変更し、/Setup を実行します。

    ArcGIS Data Store 11.3 セットアップ メディアからセットアップ スクリプトを実行するには、セットアップ スクリプトをクリックして、[ターミナルで実行] をクリックします。

    注意:

    アップグレードの際に ArcGIS Data Store サービスを手動で停止する必要はありません。セットアップ スクリプトにより、自動的にサービスが停止されます。

  3. セットアップにより、ターゲット コンピューターの既存バージョンの ArcGIS Data Store が検出されます。 /Setup を実行すると、次の例に示すように、セットアップを続行するか、アップグレードを終了するかの確認を求められます:

    =========================================================================
    ArcGIS Data Store 11.3 (Linux)
    =========================================================================
    
    Your ArcGIS 10.9.1 Data Store is installed at:
    
    /home/ags/arcgis/datastore
    
    Confirm Settings
    =========================================================================
    Product to upgrade:             ArcGIS Data Store 10.9.1 (Linux)
    Location to upgrade:            /home/ags/arcgis/datastore
    
    Your ArcGIS Data Store 10.9.1 will be stopped when performing the upgrade 
    and ArcGIS Data Store 11.3 will be started after the upgrade completes
    
     'y' to continue with these settings
     'q' to exit without upgrading this product
    
    Enter choice [y,q] (y):

    確認が表示されないようにするには、/Setup の代わりに /Setup -l yes -m silent を実行します。

  4. y」と入力して Enter を押すと、検出された設定を適用してアップデートを続行します。

    注意:

    このコンピューターの ArcGIS Data Store インストールが 11.3 にアップデートされるのを待ちます。 これには、数分かかる場合があります。

  5. データ ストアの最初のコンピューターに新しいリリースの ArcGIS Data Store をインストールしたら、同じ GIS Server サイトに構成されている他のすべてのデータ ストア コンピューターに同じリリースの ArcGIS Data Store をインストールします。 たとえば、2 台のコンピューターを持つ高可用性のリレーショナル データ ストアと 3 台のコンピューターを持つ高可用性の時空間ビッグ データ ストアがある場合、残りのコンピューターでインストール手順を繰り返し実行してから、次の手順に進んでください。
  6. すべての ArcGIS Data Store インストールが最新リリースに更新されたら、configuredatastore ユーティリティを使用して、ホスティング GIS Server サイトで各データ ストア タイプを再構成します。

    configuredatastore ユーティリティの実行回数は、構成によって異なります。

    • プライマリ/スタンバイ モードで実行されているデータ ストアでは、ArcGIS Data Store をインストールしたユーザーとしてプライマリまたはスタンバイ コンピューターにサイン インし、configuredatastore ユーティリティを実行します。 これにより、プライマリ コンピューターとスタンバイ コンピューターの両方のデータ ストアがアップグレードされます。
    • リレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアが同じコンピューター上にある場合、configuredatastore ユーティリティを実行すると、両方のデータ ストアがアップグレードされます。
    • クラスター モードで実行されているデータ ストアでは、ArcGIS Data Store をインストールしたユーザーとしていずれかのコンピューターにサイン インし、configuredatastore ユーティリティを実行します。 これにより、クラスター化されたデータ ストアのすべてのコンピューターがアップグレードされます。

    この例では、リレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアの両方が実行されているコンピューターで、configuredatastore ユーティリティが実行されます。 両方のデータ ストアが GIS Server サイト https://myserver.network.com:6443/arcgis に構成されています。

    ./configuredatastore.sh https://myserver.network.com:6443/arcgis serveradmin MyAdminPassword /home/ags/arcgis/datastore/usr/arcgisdatastore --stores relational,tilecache

    この例では、configuredatastore ユーティリティは、GIS Server サイト https://gisserver.mynetwork.com:6443/arcgis に構成されている時空間ビッグ データ ストアのコンピューターの 1 つで実行されます。

    ./configuredatastore.sh https://gisserver.mynetwork.com:6443/arcgis serveradmin MyAdminPassword /home/ags/arcgis/datastore/usr/arcgisdatastore --stores spatiotemporal

    configuredatastore ユーティリティを実行すると、データ ストアのすべてのコンピューターで ArcGIS Data Store が再起動されます。

    アップグレードの前に、ArcGIS Data Store は、データ ストアのすべてのコンピューターに同じバージョンの ArcGIS Data Store がインストールされていて、すべてのコンピューターにアクセス可能であることを確認します。 いずれかのコンピューターが更新されていなかったり、アクセスできない状態であったりすると、ArcGIS Data Store はアップグレードの処理を進めることができません。 インストールまたはネットワークの問題を修正して、configuredatastore ユーティリティをもう一度実行します。

  7. 時空間ビッグ データ ストアがある場合、その時空間ビッグ データ ストアのステータスが healthy と表示されることを確認します。

    データ ストアのステータスを確認するには、ホスティング サーバーの ArcGIS Server Administrator Directory にサイン インし、validate REST コマンドを実行します。

  8. ArcGIS GeoEvent ServerArcGIS GeoAnalytics ServerArcGIS Mission Server、または ArcGIS Knowledge Server サイトが ArcGIS Enterprise ポータルにフェデレートされている場合、これらのサイトをアップグレードしてください。

    フェデレートされたサイトがアップグレードされたら、サイトで実行されているサービスが正常に機能することを確認します。

ArcGIS Data Store をアップグレードした後の注意事項

アップグレードした後に、データ ストアがアクセス可能であることを確認します。 これは、ArcGIS Server Manager または ArcGIS Server Administrator Directory から確認できます。 また、ホスト フィーチャ レイヤーとホスト シーン レイヤーが引き続き正常に動作することも確認します。

以下に、データ ストアを整合チェックし、ArcGIS Server Manager からレイヤーが実行されていることを確認する手順を示します。

アップグレードが有効であることを確認したら、すべてのデータ ストアの完全バックアップを作成します。 これを行うと、スケジュールされた次のバックアップまでに何らかの問題が発生した場合に、完全バックアップを利用できるようになります。

以下の最後のセクションは、ArcGIS Enterprise 配置に四角形または六角形の集約を使用する ArcGIS GeoEvent Server マップ サービスが含まれている場合に、ビッグ データ ストアを 10.8.1 からアップグレードした後に実施する必要がある手順を示しています。

アップグレードが正常に実行されたことを確認し、必要に応じて、時空間ビッグ データ ストアのアップグレード後の手順を完了したら、diskcleanup ユーティリティを実行して、不要なテンポラリ ファイルを削除することができます。

データ ストアの整合チェック

ArcGIS Server Manager にサイン インして、GIS Server サイトが引き続きそれぞれのデータ ストアと通信できることを検証できます。

ArcGIS Server Manager からデータ ストアを検証するには、以下の手順を実行します。

  1. ArcGIS Server Manager にサイン インします。
  2. [サイト] > [データ ストア] の順に選択します。
  3. 整合チェックするデータ ストアの横にあるチェックボックスをオンにします。 (ArcGIS_Data_Store)。
  4. [整合チェック] をクリックします。

データ ストアが実行中で、GIS Server サイトがそのデータ ストアと通信できる場合は、[ステータス] 列に緑のチェック マークが表示されます。

レイヤーが正常に動作することの確認

さらに、サービスが、アップグレード後も正常に動作していることも確認する必要があります。

  1. ArcGIS Server Manager にサイン インします。
  2. [サービス] > [ホスト] の順に選択します。
  3. すべてのサービスが実行されていることを確認します。

ArcGIS GeoEvent Server マップ サービスのレンダリングに関する問題の修正

BUG-000139639 が原因で発生したレンダリングの問題を修正するには、upgradedatasource マップ サービスが四角形または六角形の集合を使用するように構成されている場合、10.8.1 からのアップグレード後に時空間ビッグ データ ストアで ArcGIS GeoEvent Server ユーティリティを実行する必要があります。

  1. コマンド ライン ウィンドウから、ビッグ データ ストアの任意のコンピューターで ArcGIS Data Store ツール ディレクトリを開きます。
  2. listdatasources ユーティリティを実行して、GeoEvent Server マップ サービスのリストを表示します。

    ./listdatasources

  3. upgradedatasource ユーティリティを実行します。

    ソースがアップグレードされている間は、誰もマップ サービスにアクセスできません。 upgradedatasource ユーティリティを実行する際にマップ サービスの名前を指定して、一度に 1 つのサービスだけが対象になるようにすることができます。 また、名前を指定せずに upgradedatasource ユーティリティを実行して、すべてのサービスをアップグレードすることもできます。 ただし、この方法では、すべてのサービスがアップグレードされるまで、誰もサービスにアクセスできなくなります。

    この例では、すべての GeoEvent Server マップ サービスがアップグレードされます。

    ./upgradedatasource

    この例では、1 つのサービス deliveryroutes のみがアップグレードされます。

    ./upgradedatasource deliveryroutes

これらの手順を完了したら、時空間ビッグ データ ストアの整合チェックを行います。 必要な場合は、backupdatastore ユーティリティを使用して、更新した時空間ビッグ データ ストアのバックアップを作成します。