ArcGIS Enterprise のインストールと構成を行う前に、ArcGIS Enterprise 組織を表す組織 URL を決定し、クライアント アクセスを有効にします。
組織 URL を更新するには、ArcGIS Enterprise 組織のすべての URL も更新する必要があります。 ArcGIS Portal Directory で行える次の操作は、組織の URL を検索し、指定した新しい URL に置換します。
- [Update Portal URL] - ポータル URL (組織 URL) を更新すると、ArcGIS Portal Directory、Portal Administrator Directory、組織のアイテム (マップ、レイヤー、アプリ、ツールなど) の URL が更新されます。
URL の形式は https://organization.example.com/enterprise です。
- [Update Federated Server URL] - 組織の各フェデレーション サーバーの URL を更新する必要があります。 そうすることで、組織のサービス、ArcGIS Server Manager、ArcGIS Server Administrator Directory、Services Directory の URL が更新されます。
URL の形式は https://organization.example.com/server です。
ドメイン、サブドメイン、コンテキスト、またはこれらの URL コンポーネントの組み合わせを更新できます。

この URL は、次のようなシナリオで更新が必要となります。
- 組織が買収またはリブランドされたため、すべての URL を更新しなくてはならない場合。 たとえば、現在 https://organization.com/arcgis で使用されている組織を、新しいブランドを表す https://new.organization.com/portal に URL を更新する必要がある場合などです。
- 現在、.com アドレスを使用している都市 (https://cityofsmalltown.com/enterprise など) を、https://cityofsmalltown.gov/enterprise などの .gov アドレスに移行する場合。
- 開発、ステージング、本番環境を移動しており、それぞれの環境におけるコンテンツに変更を加える場合。 たとえば、組織 URL を https://dev.company.com/portal、https://stg.company.com/portal、https://company.com/portal へと変えます。
検討事項
URL を更新した後に必要となりうる追加の手順を理解するには、次の点を考慮します。
- ArcGIS Pro ライセンス、ArcGIS Drone2Map ライセンス、または ArcGIS AllSource ライセンスが割り当てられたユーザーは、新しいライセンス ファイルを取得し、インポートしなければ、これらのアプリケーションにアクセスできません。
- ArcGIS Pro ユーザーは、新しい URL にポータル接続を更新する必要があります。
- 既存の分散コラボレーションはなくなるので、再作成する必要があります。
- SAML または OpenID Connect を使用してログインを構成した組織では、更新を行う必要があります。
- サーバー証明書を新しい URL で更新しなくてはならないことがあります。
詳細については、以下の「更新した後の注意事項」セクションをご参照ください。
次の URL は、提供されるワークフローでは更新されません。
- Web サーバーに配置されたアプリケーションの URL
- サードパーティ アプリケーションの URL
- バイナリ ファイルまたは圧縮ファイルの URL
組織の準備
組織を準備するには、次の手順に従います。
- 組織でオフライン データを使用する場合、オフラインで行ったすべての編集内容がソース フィーチャ サービスに同期されていることを確認し、オフライン データを削除します。
組織の URL を更新する前にオフラインで取得したデータは、フィーチャ サービスに同期されません。 更新後、データを再度オフラインで使用できるようになります。
- 組織にオフラインの Web マップがある場合は、オフライン マップ エリアを削除します。
組織の URL を更新する前に作成されたオフライン マップ エリアは動作しなくなります。 更新後、オフライン マップ エリアを作成できるようになります。
- WebGISDR ツールを使用して、組織のバックアップを作成します。
- Web Adaptor またはそれをホストしているコンピューターの名前を変更する必要がある場合、ポータルとサーバー サイトで Web Adaptor を登録解除し、それぞれに新しい Web Adaptor インスタンスを構成します。
- 組織でリバース プロキシ サーバーを使用するよう構成されている場合は、新しい URL でリバースプロキシ サーバーを更新します。
- ポータルと各フェデレーション サーバーの WebContextURL プロパティを、新しい URL で設定または更新します。
URL の更新
組織の URL を更新するには、サーバー コンピューターがアクセス可能であることを確認し、サーバー ID を取得し、影響を受ける URL を確認および保存するオプションがあることを確認します。 その後、フェデレーション サーバーの URL を更新してから、ポータル URL を更新します。 ポータル URL を更新したら、ポータルが再起動します。
次の手順を実行します。
- プライマリ サイト管理者として、ポート 7443 から Portal Directory にサイン インします。
URL の形式は https://organization.example.com:7443/arcgis/sharing/rest です。
注意:
プライマリ サイト管理者のアカウントが無効化されている場合、パスワード リセット ユーティリティを使用してアカウントを再有効化できます。
- [Home] > [Portals] > [Self] の順にクリックします。
- [Self] リソース ページの下部の [URLs] をクリックします。
- [Generate Organization URL Map] > [Generate Map] の順にクリックし、次の手順に従います。
- 各フェデレーション サーバーに対して ID が指定されており、エラーがないことを確認します。
フェデレーション サーバーにエラーがある場合は、サーバー コンピューターはオフになっているか、使用できません。 このワークフローを続行するには、エラーに対処するか、サーバーを削除する必要があります。 詳細については、フェデレーション サーバーを検証するか、ログを確認します。
- 最初にリストされたサーバーの ID をコピーします。
- 各フェデレーション サーバーに対して ID が指定されており、エラーがないことを確認します。
- 必要に応じ、次の手順に従って、サーバー URL の更新時に影響を受けるアイテムを確認します。
- [URLs] ページに戻り、[Generate URL Report] をクリックします。
- [Server Id] テキスト ボックスに ID を貼り付けます。
- [Generate Report] をクリックします。
- レポートの出力を確認し、保存します。
URL を更新した後も参照できるよう、レポートを保存しておくことをおすすめします。
- [URLs] ページに戻り、[Update Federated Server URL] をクリックして、次の手順に従います。
- [Server Id] テキスト ボックスに ID を貼り付けます。
- サーバー URL を指定します。
URL は https:/new.organization.com/server 形式にする必要があります。
- [Update URL] をクリックします。
- jobs id ハイパーリンクをクリックし、ステータスが「完了」であることを確認してから、次の手順に進みます。
- 各フェデレーション サーバーについて、手順 4 ~ 6 を繰り返します。
- 必要に応じ、次の手順に従って、ポータル URL の更新時に影響を受けるアイテムを確認します。
- [URLs] ページに戻り、[Generate URL Report] をクリックします。
- レポート タイプとして [Portal] を選択します。
- [Generate Report] をクリックします。
- レポートの出力を確認し、保存します。
URL を更新した後も参照できるよう、レポートを保存しておくことをおすすめします。
- [URLs] ページに戻り、[Update Portal URL] をクリックし、次の手順に従います。
- ポータル URL を指定します。
URL は https://new.organization.com/enterprise 形式にする必要があります。
- [Update URL] をクリックします。
- jobs id ハイパーリンクをクリックし、ステータスが「完了」であることを確認します。
ポータルが再起動します。
- ポータル URL を指定します。
更新した後の注意事項
URL の更新後に組織が円滑に実行されるよう、次の事項を考慮し、組織に関連する手順を実行します。
- 組織のメンバーが指定ユーザー ライセンスを使用して ArcGIS Pro、ArcGIS Drone2Map、ArcGIS AllSource にアクセスする必要がある場合は、My Esri からポータルの新しいライセンス ファイルを取得します。 新しい組織 URL を指定し、ライセンス ファイルをインポートします。
- ArcGIS Pro ユーザーに、新しい URL にポータル接続を更新する必要があることを知らせます。
- 組織がコラボレーションの一部である場合、コラボレーションを再作成する必要があります。 ホストはコラボレーションからゲストを削除し、再度参加するよう招待できます。
- 組織に OpenID Connect ログインが構成されている場合、セキュリティ設定から新しいログイン リダイレクト URL とログアウト リダイレクト URL をコピーし、OIDC IDP の構成に入力します。
- 組織に SAML が構成されている場合、ポータル メタデータ ファイルは新しい URL で更新されているので、メタデータ ファイルをダウンロードし、SAML IDP 側に再インポートする必要があります。 詳細については、「SAML ID プロバイダーでのポータルの構成」の手順 5 をご参照ください。
- 組織のサーバー証明書で指定されている URL が新しい URL と一致しない場合は、証明書を更新します。
- オフライン データまたはオフライン マップ エリアを削除したら、オフラインで使用するフィーチャ サービスを準備して、オフライン マップ エリアを作成できます。
- 組織のアイテムがバイナリ ファイルまたは圧縮ファイルで作成されている場合、それらのファイルの URL は更新されていません。 ファイルを更新し、組織にもう一度追加する必要があります。 次のファイル タイプが影響を受ける可能性があります。
- ArcGIS Pro プロジェクト (.aprx)
- ArcMap マップ ドキュメント (.mxd)
- パッケージ
- .zip ファイル
- ArcGIS Pro アドイン (.esriaddinx)
- コード添付
ArcGIS Enterprise のサポートされているファイル タイプをご参照ください。