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Portal for ArcGIS のアップグレード

Portal for ArcGIS 11.5 セットアップは、Portal for ArcGIS の既存のインストールを検出してアップグレードするように設計されています。

アップグレードの準備

アップグレードを実行する前に、次の情報をよく確認してください。

アップグレードの概念

アップグレードする際には、次の点に留意してください。

  • Portal for ArcGIS11.5 のシステム要件を読み、使用しているハードウェアが現在の要件を満たしていることを確認してください。
  • サポートと機能の変更点については、「ArcGIS Enterprise 11.5 ポータルの新機能」をご参照ください。
  • アップグレードが完了するまでの時間は、ポータルに含まれるコンテンツの量、登録されているアカウントの数、配置するコンポーネントとカスタマイズの数によって異なります。
  • 組織のメンバーがアップグレードにはダウンタイムが必要であることを認識しており、新しいバージョンで導入される新しい機能と変更に対し準備できていることを確認してください。
  • 基本的な ArcGIS Enterprise コンポーネントのバージョンは、すべて同じである必要があります。
  • ArcGIS Enterprise と同時に ArcGIS Pro をアップグレードする必要はありません。
  • ポータルとフェデレートした ArcGIS Server サイトが複数のコンピューターで構成されている場合は、GIS サーバーを連続してアップグレードしてください。
  • 現在ポータルが読み取り専用モードである場合、アップグレードを実行する前にモードをオフにします。
  • 現在の Web Adaptor を更新できない場合、同じコンピューターに旧バージョンと ArcGIS Web Adaptor (IIS) 11.5 をインストールできます。 たとえば、バージョン 10.5 の ArcGIS Web Adaptor (IIS) を残したまま、同じ Web サーバーに 11.5 をインストールできます。 アップグレードの際は、同じ Web Adaptor のコンテキストを維持する必要があります。 これを行うには、現在ポータルで構成されている Web Adaptor をアンインストールしてから、以前使用していたのと同じ名前で 11.5 の Web Adaptor をインストールします。 同じコンテキストを持つ 2 つの Web Adaptor を同一コンピューターにインストールすることはできません。

ライセンス

ライセンスの際には、次の点に留意してください。

  • 11.5 にアップグレードする場合は、My Esri から新しいポータル ライセンス ファイルを取得して、ソフトウェアを再認証する必要があります。
    注意:

    アップグレード時に入力するこのライセンス ファイルは、ポータルのユーザーとアプリにライセンスを割り当てるために使用されます。 新しいライセンス ファイルが現在のユーザーおよびアプリ構成に適していることを確認します。

  • Portal for ArcGIS をアップグレードする前に、組織のメンバーがすべてのオフラインの ArcGIS Pro ライセンスをチェック インしていることを確認します。 ライセンス アクティビティーを確認すると、オフライン使用するよう ArcGIS Pro ライセンスをチェック アウトしたメンバーを確認できます。 オフライン ライセンスをチェック インする方法については、「オフライン ライセンスのチェック イン」をご参照ください。
  • 11.5 以降、Editor、GIS Professional Standard、GIS Professional Advanced ユーザー タイプ名は、それぞれ ContributorProfessionalProfessional Plus に変更されました。 新しい Portal for ArcGIS ライセンス ファイルをインポートする際に、この更新が行われます。
  • アップグレード後、メンバーのユーザー タイプを使用できない場合は、別のユーザー タイプを割り当てる必要があります。 11.5 で使用可能なユーザー タイプのリストについては、「ユーザー タイプ」をご参照ください。
  • アップグレード後、一部のユーザー タイプに、以前はアドオン ライセンスでのみ使用可能であった追加のアプリが含まれる場合があります。 メンバーの割り当て済みのユーザー タイプにアプリが含まれる場合、メンバーにそのアプリのアドオン ライセンスを割り当てる必要はありません。アプリと、それらが含まれるユーザー タイプの詳細については、「アプリのライセンス付与の概要」をご参照ください。
  • アップグレードした後、メンバーに割り当てられた 1 つ以上のアドオン ライセンスがユーザー タイプに含まれている場合、組織ページの [概要] タブに、いずれかのメンバーにライセンスが 2 回割り当てられていることを示すメッセージが表示されます。 該当するすべてのメンバーから重複するアドオン ライセンスを割り当て解除し、ライセンスを解放できます。
  • 11.4 以降、ArcGIS License Manager がなくても、ArcGIS ProArcGIS Pro エクステンション、ArcGIS Drone2Map、および ArcGIS AllSource の指定ユーザー ライセンスを有効化できるようになりました。

バージョンの詳細

バージョンが 10.8.x 以降である場合は、Portal for ArcGIS 11.5 セットアップを実行すると、ポータルが 11.5 に自動的にアップグレードされます。 これまでにリリースされた各バージョンを順に取得してインストールしたり、Portal for ArcGIS の以前のバージョンをアンインストールしたりする必要はありません。

バージョン 10.7.1 以前からアップグレードするには、以下に示すとおりまず中間バージョンにアップグレードしてから、そのバージョンを 11.5 にアップグレードします。 中間アップグレードを行うための中間バージョンについては、アップグレードのドキュメントをご参照ください。

開始バージョン中間バージョン

10.7 または 10.7.1

10.8.0 – 11.3

10.6.1 以前

10.8.0 – 10.9.1

また、次のバージョンの詳細に留意してください。

  • 11.5 より前のバージョンの ArcGIS Enterprise からアップグレードされた組織サイトでは、従来のホーム ページ設定を引き続き使用できます。 ただし、アップグレード プロセスの一部として、ホーム ページは、アイテム ギャラリー、リンク、カスタムの色とフォントを利用できる最新のモバイル対応ホーム ページに自動的に更新されます。 以前のホーム ページを参照用に表示して、最新のホーム ページをカスタマイズできます。
  • Portal for ArcGIS を 10.7 よりも前のバージョンから中間バージョン (10.8.x ~ 11.3) にアップグレードする場合、自動アカウント作成機能は無効になります。 新しいユーザーが自身の組み込みアカウントを作成できるようにするには、新しいメンバーのデフォルトのユーザー タイプとロールを設定して、自動アカウント作成機能を有効にする必要があります。 今後の更新で、これらの設定が維持される予定です。
  • Map Viewer Beta がインストールされている 10.8.1 または 10.9 の配置から Portal for ArcGIS 11.5 にアップグレードする場合、アップグレード中に Map Viewer Beta が自動的にアンインストールされます。 新しい Map Viewer (旧名称 Map Viewer Beta) は、Map Viewer Classic と共に 11.5 に含まれています。
  • 10.8.1 から、組織にメール設定が構成されている場合に自動通知メールを送信するため、管理者の問い合わせ先が使用されます。 管理者の問い合わせ先が設定されていない場合、組織で最も古い管理者アカウントまたは初期管理者アカウントに通知用電子メールが送信されます。
  • 10.8 から 10.8.1 以降にアップグレードし、情報バナーを構成している場合、高度なサイト設定からバナーを有効化して、ArcGIS Enterprise Sites を使用して作成されたサイトに情報バナーを表示する必要があります。 10.8 からのアップグレードとこの設定の有効化を完了したら、設定が将来のアップグレードに備えて保持されます。

コンテンツ

コンテンツを操作する場合、次の点に留意してください。

  • フェデレートされていない ArcGIS Server サイトのアイテムをポータルに登録している場合は、ポータルでサイトのサービスを使用するために、この ArcGIS Server サイトを 11.5 にアップグレードする必要はありません。 以前のバージョンの ArcGIS Server から提供されているサービスは、Portal for ArcGIS 11.5 でも使用できます。
  • カスタム ベースマップまたは構成可能なアプリのグループを作成し、Esri ベースマップまたは ArcGIS Configurable Apps をこのグループと共有した場合は、アップグレード後にこれらのアイテムをグループと再度共有する必要があります。
  • マップやアプリで ArcGIS Living Atlas of the World コンテンツを使用している場合は、アップグレードする前に、使用するアイテムが開発終了サポート期間または非推奨ステータスになっていないことを確認してください。 リリースごとに一部の ArcGIS Living Atlas コンテンツは廃止され、使用できなくなります。 これらのアイテムのいずれかを使用している場合、アップグレードするとアイテムが機能しなくなります。 本リリースで廃止された ArcGIS Living Atlas コンテンツのリストについては、「ArcGIS Living Atlas コンテンツのライフ サイクルと更新」をご参照ください。

アプリ

アプリを操作する場合、次の点に留意してください。

  • ArcGIS Configurable Apps テンプレートに基づいてアプリケーションを公開した場合は、そのアプリ テンプレートが廃止されているかどうかを確認してください。 ポータルを 11.0 にアップグレードすると、廃止された構成可能アプリ テンプレートは正常に動作しなくなります。 ArcGIS Instant AppsArcGIS StoryMapsArcGIS Experience BuilderArcGIS Web AppBuilderArcGIS Dashboards を使用してこれらのアプリを再作成する必要があります。 ポータルが数リリース前のものである場合、各リリースで廃止されたテンプレートを「Portal の新機能」トピックで確認する必要があるので注意してください。 たとえば、Portal for ArcGIS 10.7 からアップグレードする場合、10.7 から現在のリリースまでのすべてのリリースで廃止されたテンプレートのリストを確認します。
  • Esri アプリがポータルで構成されている場合は、アップグレード後に 11.5 ポータルと互換性があるバージョンであることを確認します。
  • ArcGIS Insights を構成済みである場合は、ArcGIS Enterprise をアップグレードする前にアンインストールする必要はありません。 ArcGIS EnterpriseArcGIS Insights の両方をアップグレードする場合、ArcGIS Insights をアップグレードする前に、まず ArcGIS Enterprise のアップグレード (アップグレード後の手順を含む) を実行することをおすすめします。
  • ポータルで ArcGIS Navigator モバイル マップ パッケージを構成済みの場合は、Portal for ArcGIS11.5 にアップグレードした後で、それらを再構成する必要があります。

可能性の高い、複製された環境

アップグレード中のダウンタイムを最小限に抑えるために、複製環境を設定して、コンテンツをその環境に複製してから、一次環境をアップグレードできます。 このアップグレード戦略と、可用性の高い環境または複製された環境をアップグレードする方法の詳細については、「可用性の高い環境と複製された環境のアップグレード」をご参照ください。

注意:

10.6 以降では、可用性の高い配置のコンピューター間の通信に、ポート 5701、7005、7099、7654、7120、および 7220 が使用されます。 これらのポート上でのローカル通信がファイアウォールによって許可されていて、これらのポートが別のアプリケーションによって現在使用されていないことを、確認する必要があります。

コンテンツのバックアップ

アップグレードする前に、組織のホスティング サーバーを使用して構成された各タイプの ArcGIS Data Store の完全バックアップを作成します。

config.js ファイルでプロパティを変更して高度なポータル オプションを構成した場合は、ファイルのバックアップも作成する必要があります。 11.0 にアップグレード後に、このバックアップ ファイルを参照として使用して、ArcGIS Portal Directory (Sharing API) を通じてポータルの動作をカスタマイズできます。

レガシー:

これまでは、ポータルにインポートした証明書を含む証明書キーストア (portal.ks) をバックアップする必要がありました。 これは 10.4.1 から必要なくなり、ポータル キーストアはアップグレード中に自動的に移行されるようになりました。

  • 以前のバージョンのポータルを大幅にカスタマイズしている場合、別のコンピューターに 11.5 をインストールして、Portal for ArcGIS のアップグレードのプロトタイプを作成することをおすすめします。
  • ArcGIS Web AppBuilder のエクステンションもバックアップする必要があります。 配置したエクステンションはいずれも、アップグレード時に維持されません。 アップグレードが完了したら、ユーザーがエクステンションを再配置する必要があります。
  • 一方で、コンテンツ、サービス、サイト情報、およびセキュリティー設定は、アップグレード時にすべて自動的にバックアップされ、保存されます。 ポータルで編集した一般設定 (Web サイトへの組織のロゴや名前の追加など) も、アップグレード時に維持されます。 アップグレードの前にこれらの情報を手動でバックアップする必要はありません。
  • アップグレード中に作成される自動バックアップに十分に対応できる空き容量があるかどうかを確認するには、ポータルの contentindexdb、および temp ディレクトリに割り当てられた空き容量を調べます。 最初の Portal for ArcGIS コンピューターをアップグレードする際は、ディスクの空き領域が、この量の少なくとも 2.5 倍であることを確認します。 不足している場合は、ディスク上に 2.5 倍以上の領域を割り当てます。 Portal for ArcGIS のアップグレードでは、ポータルのコンテンツ、サイト情報、セキュリティー情報を正常にバックアップしてアップグレードするため、Portal for ArcGIS コンピューターのローカル ファイル システムにこの空き領域が必要です。 これらのディレクトリのデフォルトの場所は <Portal for ArcGIS installation directory>/arcgisportal です。
  • Web GIS 障害復旧 (WebGISDR) ツールを使用して、デプロイメントの定期的バックアップを作成することも推奨されます。 アップグレード時に問題が発生し、以前のデプロイメントに戻す必要がある場合、バックアップがあれば、作成時点で存在していたポータルのアイテム、サービス、データを復元できます。

ArcGIS Enterprise のアップグレードの順序

ArcGIS Enterprise の配置でコンポーネントをアップグレードする場合に推奨される順序は次のとおりです。

  1. Portal for ArcGIS をアップグレードします。
  2. ArcGIS Web Adaptor をアップグレードします (Portal for ArcGIS 用)。
  3. ポータルのホスティング サーバーとして機能する ArcGIS Server サイトをアップグレードします。
  4. ArcGIS Web Adaptor をアップグレードします (ArcGIS Server 用)。
  5. ArcGIS Data Store をアップグレードします。
  6. ArcGIS Enterprise 配置にこれらが含まれる場合は、フェデレーション サーバーをアップグレードします。

    ほどんどのフェデレーション サーバーは、ベースの ArcGIS Enterprise 配置のバージョンに一致する必要があります。 フェデレーション サーバーのサポートされているバージョンについては、「ArcGIS Server とポータルのフェデレーション」をご参照ください。

    アップグレードが必要なフェデレーション サーバーのタイプのアップグレード情報をご参照ください。

ポータルの配置のアップグレード

注意:

ポータルの配置、ポータルとフェデレートしているすべての ArcGIS Server サイト、ArcGIS Data StoreArcGIS Pro (ポータルを通じてライセンスされている場合) は、アップグレード中にオフラインになります。

注意:

Portal for ArcGIS をアップグレードする前に、各 Portal for ArcGIS コンピューターでポート 50432 が使用可能 (空きポート) であることを確認します。

  1. 次の情報をバックアップします。

    ヒント:
    以下の手順に従ってサイトをバックアップするか、WebGISDR ツールを使用して ArcGIS Enterprise デプロイメントのバックアップを作成できます。 これを実行するには、手順に従って ArcGIS Enterprise をエクスポートします。

    • ファイルのプロパティを変更して高度なポータル オプションを構成した場合は、config.js ファイル。 アップグレード後に、このバックアップ ファイルを参照として使用して、ArcGIS Portal Directory (Sharing API) を通じてポータルの動作をカスタマイズできます。 以前のバージョンのポータルを大幅にカスタマイズしている場合、別のコンピューターに 11.5 をインストールして、ポータルのアップグレードのプロトタイプを作成することをおすすめします。 構成ファイルは <Portal for ArcGIS installation directory>/customizations/<version number>/framework/webapps/arcgis#home/js/arcgisonline/config.js にあります。
    • ArcGIS Data Store を通じて配置されたすべてのデータ ストア。 バックアップの実行の詳細については、「ArcGIS Data Store のアップグレード」をご参照ください。
    • Web AppBuilder 用に配置したすべてのエクステンション。 これらは、アップグレード時に維持されないため、アップグレードの完了後に再配置する必要があります。
    • ArcGIS Server サイトをバックアップしておけば、以前のバージョンにサイトを戻す必要がある場合に、サイトをインポートして復元できます。
  2. ポータルの contentindexdb、および temp ディレクトリに割り当てられた空き容量を確認します。 ディスクの空き領域が、この量の少なくとも 2.5 倍であることを確認します。 不足している場合は、ディスク上に 2.5 倍以上の領域を割り当てます。

    Portal for ArcGIS のアップグレードでは、ポータルのコンテンツ、サイト情報、セキュリティー情報を正常にバックアップしてアップグレードするために、この空き領域が必要です。 これらのディレクトリのデフォルトの場所は <Portal for ArcGIS installation directory>/arcgisportal です。 コンテンツ ディレクトリが別のコンピューターにある場合も、推奨事項は同じです。

  3. コマンド プロンプトから、既存のポータルをインストールしたときと同じユーザーで Portal for ArcGIS のセットアップ スクリプトを起動します (例: <CD ROOT or untar directory>/Setup など)。

    このスクリプトを起動する前に、Portal for ArcGIS を停止する必要はありません。

    ヒント:

    Portal for ArcGIS セットアップ メディアからセットアップ スクリプトを起動するには、セットアップ スクリプトをクリックして、[ターミナルで実行] ボタンを選択します。

  4. セットアップが対象のコンピューターで既存のバージョンの Portal for ArcGIS を検出した場合、アップグレードを続行するか終了するかを選択します。 以下の例をご参照ください。
    =========================================================================
    Portal for ArcGIS 11.5 (Linux)
    =========================================================================
    
    Your Portal for ArcGIS 10.7 is installed at:
    
    /home/ags/arcgis/portal
    
    Confirm Settings
    =========================================================================
    Product to upgrade:             Portal for ArcGIS 10.7 (Linux)
    Location to upgrade:            /home/ags/arcgis/portal
    
    Your Portal for ArcGIS 10.7 will be stopped when performing the 
    upgrade and Portal for ArcGIS 11.5 
    will be started after the upgrade completes.
    
      'y' to continue with these settings
      'q' to exit without upgrading this product
    
    Enter choice [y,q] (y):
  5. y」と入力して Enter キーを押すと、検出された設定をそのまま使用してアップグレードが続行されます。

    新しい .json 認証ファイルでソフトウェアを認証する必要があります。 Portal for ArcGIS のアップグレードが完了すると、ポータル Web サイトがブラウザー ウィンドウで開きます。

  6. ブラウザーのキャッシュを cookie を含めて消去します。

    以前のバージョンの Web サイトのキャッシュに残っている情報により、アップグレードした Web サイトが正しく表示されず、サイン インできない場合があります。 アップグレードしたポータル Web サイトを表示するすべてのブラウザーで、キャッシュを (cookie を含めて) 消去することをおすすめします。

  7. [ライセンス ファイルのインポート] ページで、ポータル ライセンス ファイル (.json) を参照します。このファイルは My Esri から取得され、ポータルのユーザーとアプリのライセンス情報を含んでいます。 [ポータルのアップグレードの継続] をクリックします。

    アップグレードが起動し、ポータルのコンテンツ、サイト情報、およびセキュリティー設定のバックアップが作成されます。 この手順は、完了するまでに数分かかります。

    注意:

    アップグレード時に入力するこのライセンス ファイルは、ポータルのユーザーとアプリにライセンスを割り当てるために使用されます。 新しいライセンス ファイルが現在のユーザーおよびアプリ構成に適していることを確認します。

  8. 注意:
    upgradeportal コマンド ライン ユーティリティを使用して、アップグレード操作とアップグレード後の操作をサイレント実行することができます。 コマンド ラインで、<Portal install directory>/tools/upgradeportal フォルダーを参照して、upgradeportal.sh -lf <path to portal json file> -s を実行します。 ヘルプが必要な場合は、-h または --help を使用してコマンドを実行します。 ArcGIS Portal Administrator API のアップグレード操作を使用して、Portal for ArcGIS をアップグレードすることもできます。 このアップグレード操作の詳細については、ArcGIS Portal Admin API ヘルプの「アップグレード」ドキュメントをご参照ください。
  9. ポータルで使用している ArcGIS Web Adaptor をホストしているコンピューターにサイン インし、ArcGIS Web Adaptor をアンインストールします。 手順の詳細については、Java (Linux) のアンインストールに関するトピックをご参照ください。 Web Adaptor をアンインストールする前に、その名前を必ずメモしてください。
  10. ポータルで使用する Web Adaptor をインストールします。 詳細な手順については、Java (Linux) のインストールに関するトピックをご参照ください。 以前のバージョンで使用した Web Adaptor の名前を使用してください。
  11. ポータルに ArcGIS Web Adaptor を構成します。 詳細な手順については、Java (Linux) の構成に関するトピックをご参照ください。
    注意:

    [システム プロパティ] で WebContextURL が設定されていない場合、ポータルへの再登録時に Web Adaptor へアクセスするには DNS エイリアスを使用する必要があります (存在する場合)。

  12. 組織の管理者として ArcGIS Web Adaptor の URL を使用してポータルにサイン インできることを確認します。

    URL の形式は、https://webadaptorhost.example.com/webadaptorname/home です。

    注意:

    • アップグレード後の手順が必要であることを示す通知を受信した場合は、メッセージ ダイアログ ボックスの [OK] をクリックし、必要なアップグレード後の手順を完了します。 これらの手順には、インデックスの再構築中のコンテンツのアップグレード (コンテンツが Amazon S3 バケットか Azure Blob Storage 内にある場合、アップグレードのたびに手動でのインデックスの再構築が必要)、高可用性ポータルでの Portal for ArcGIS コンピューター間の関連付けの更新などがあります。
    • アップグレード後にポータルにサイン インしたときにライセンスに関する通知を受信した場合は、現在のライセンス構成に適合するライセンス ファイルをインポートしていないか、ユーザーにテンポラリ ユーザー タイプが割り当てられている可能性があります。 詳細については、「Portal for ArcGIS をアップグレードした後の注意事項」をご参照ください。

  13. ArcGIS Server サイトをポータルとフェデレートしている場合は、各 ArcGIS Server サイトを 11.5 にアップグレードします。 ArcGIS Server サイトを連続してアップグレードします。

    アンインストールおよび再インストールする必要ありません。 各サイトの ArcGIS Server コンピューターごとに、セットアップを実行する必要があります。 詳細な手順については、「以前のバージョンの ArcGIS Server のアップグレード」をご参照ください。

    組織に複数のフェデレーション サーバー サイトがある場合、まずホスティング サーバーをアップグレードし、次に配置内の追加サーバー サイトをアップグレードします。

  14. サーバーのアップグレードが完了したら、ArcGIS REST Services Directory のローカル URL にアクセスできることを確認します。

    ローカル URL の形式は、https://gisserver.example.com:6443/arcgis/rest/services です。

  15. サーバーで使用している ArcGIS Web Adaptor をホストしているコンピューターにサイン インし、ArcGIS Web Adaptor をアンインストールします。 手順の詳細については、Java (Linux) のアンインストールに関するトピックをご参照ください。 Web Adaptor をアンインストールする前に、その名前を必ずメモしてください。
  16. サーバーで使用する Web Adaptor をインストールします。 詳細な手順については、Java (Linux) のインストールに関するトピックをご参照ください。 以前のバージョンで使用した Web Adaptor の名前を使用してください。
  17. サーバーに ArcGIS Web Adaptor を構成します。 詳細な手順については、Java (Linux) の構成に関するトピックをご参照ください。
  18. ArcGIS Web Adaptor の URL を使用して ArcGIS REST Services Directory にアクセスできることを確認します。

    URL の形式は、https://webadaptorhost.example.com/webadaptorname/rest/services です。

  19. 組織のホスティング サーバーが ArcGIS Data Store を使用している場合は、データ ストアのバックアップを作成し、ArcGIS Data Store をアップグレードして、ArcGIS Server で動作するようにデータ ストアを再構成します。 具体的な手順については、「ArcGIS Data Store のアップグレード」をご参照ください。
  20. 以前に構成したカスタマイズをポータルに復元します。 ポータルのカスタマイズを 11.5 で復元するときに、以前のバージョンで変更したファイルを 11.5 のファイルに置き換えないようにしてください。

    置き換えると、11.5 の配置に悪影響があります。 この場合、各ファイルを 11.5 で開き、以前のバージョンのカスタム動作を手動でもう一度追加する必要があります。

    ヒント:

    アップグレードされたポータルでのセキュリティーのベスト プラクティスとして、portalScan.py スクリプトを使用してチェックすることをおすすめします。

  21. Scene Viewer の完全な 3D シンボル セットを使用する場合は、Web スタイル セットアップをインストールします。 詳細については、「Scene Viewer の要件」をご参照ください。

アップグレード後の注意事項

アップグレードを実行した後は、次の情報と、一般的な問題への解決策をよく確認してください。

注意:

なお、アップグレード後に発生する問題が必ずしもアップグレードが失敗したことを示すとは限りません。

アップグレードの後、ポータルが正しく表示されなかったり、サイン インできなかったりすることがあります

ブラウザーのキャッシュを cookie を含めて消去します。 一般的に、これらのエラーの原因は、ブラウザーにキャッシュされた以前のバージョンの Web サイトの情報が残っていることです。 キャッシュを消去してもサイン インできない場合は、初期管理者アカウントまたはポータルの管理権限を持つアカウントを使用していることを確認してください。 [組織の概要] タブにあるカードが読み込まれない場合は、ポータル ライセンス ファイル (.json) をインポートします。 このライセンス ファイルは、URL https://portal.example.com:7443/arcgis/portaladmin/license/importLicense を使用して Portal Administrator Directory からインポートできます。 これがポータルに適したライセンス ファイルであることを確認します。 新しいライセンス ファイルをインポートすると、組織内のすべてのユーザー タイプまたはアプリ ライセンスが新しいライセンス ファイルで上書きされます。

アップグレードの後、ポータルにアイテム、グループ、およびユーザーが表示されません

ソフトウェアをインストールして初期管理者アカウントを指定した後に、ポータルのインデックスの再構築が初期化されます。 初期状態ではインデックスの再構築が完了していないため、アイテム、グループ、およびユーザーの一部が表示されない場合があります。 組織のユーザー数およびコンテンツのボリュームによって、インデックスの再構築が完了するまでにかかる時間は異なります。 たとえば、Portal for ArcGIS を 8 コアのコンピューターで実行している小規模な組織 (数百のユーザーとコンテンツ アイテム) の場合は、インデックスの再構築に 15 分程度かかります。 一方、Portal for ArcGIS を 8 コアのコンピューターで実行している大規模な組織 (数万のユーザーとコンテンツ アイテム) の場合は、インデックスの再構築に 3 時間以上かかります。

インデックスの再構築の状態の確認

インデックスの再構築の状態は、次の手順で確認できます。 [store][index] のカウントが同じであれば、インデックスの再構築とアップグレードは完了しています。

  1. Portal Administrator API を開き、初期管理者アカウントでサイン インします。

    URL の形式は、https://portal.example.com:7443/arcgis/portaladmin です。

  2. [System] > [Indexer] > [Index Status] の順にクリックします。
  3. ページを更新して、最新の状態を確認します。

11.5 にアップグレードすると、ポータルから ArcGIS Living Atlas コンテンツにアクセスできなくなります

アップグレード後にポータルから ArcGIS Living Atlas レイヤーにアクセスできない場合は、そのアイテムが今回のリリースで廃止された可能性があります。 「ArcGIS Living Atlas コンテンツのライフ サイクルと更新」で、廃止されたアイテムの最新のリストを確認してください。

アップグレード後に、登録者のコンテンツまたはプレミアム コンテンツのアイテムを開くことができない場合は、このコンテンツにアクセスするようにポータルを構成したときに使用した ArcGIS Online アカウントがまだ有効であることを確認します。 このアカウントが有効でない場合は、このアカウントと ArcGIS Living Atlas コンテンツを更新する追加の手順を完了します。

アップグレード後に、ソフトウェア認証エラーを伴って自動アカウント作成が失敗します

10.7 よりも前のバージョンから中間バージョン (10.7.x ~ 10.9.x) にアップグレードする場合、自動アカウント作成機能は無効になります。 アップグレードの完了後に、ArcGIS Portal Administrator Directory で、デフォルトのユーザー タイプとロールを新しいメンバーに割り当ててから、アカウントの自動作成を有効にする必要があります。 10.8 以降、新しいメンバーのデフォルトのユーザー タイプとロールは、ポータルの組織設定で設定するか、ArcGIS Portal Directory 内のポータル自体のリソースにある setUserDefaultSettings 操作を使用して設定することができます。

割り当てられたライセンスが利用可能なライセンスの数を超えています

[割り当てられたライセンスの数が利用可能なライセンスの数を超えています。 これらのライセンスが割り当てられたメンバーは、ポータルにアクセスできない場合があります。 詳細については、ライセンス タブでご確認ください。] という通知は、管理者がポータルにサイン インしたときに、ポータルのライセンスが超過して割り当てられている場合に表示されます。 ユーザー タイプまたはアドオン ライセンスが割り当てられたユーザーの数が利用可能なライセンスの数を超えています。

管理者は [ライセンス] タブを参照し、超過して割り当てられたライセンスを表示できます。 超過して割り当てられたライセンスには、利用可能な数よりも大きな割り当て数が示されます。 組織のニーズに応じて、ライセンスを再割り当てするか、ライセンスの正しい割り当てを含む新しいポータル ライセンス ファイルを取得できます。

メンバーにライセンスが 2 度割り当てられています

[一部のメンバーにライセンスが 2 度割り当てられています。 これらのメンバーはユーザー タイプとアドオン ライセンスを通じて同じライセンスにアクセスできます。] という通知は、メンバーに割り当てられた 1 つ以上のアドオン ライセンスが、ポータルをアップグレードした後にユーザー タイプに含まれている場合に表示されます。 管理者は、該当するすべてのメンバーから重複するアドオン ライセンスを割り当て解除できます。

最初の管理者アカウントの作成中にエラーが発生しました

初期管理者アカウントの作成中にこのエラーが発生した場合は、ポータルのログに記録されている情報が問題の解決に役立ちます。 一般的に、このエラーは、アカウントの作成時にネットワーク接続が一時的に失われた場合に発生します。 ログにアクセスするには、ログ ディレクトリを参照して、最新のログ ファイル (たとえば、<Portal for ArcGIS installation directory>/arcgisportal/logs/<machine name>/portal/portal-20141201.095803-8596-0.0.log) を開きます。 必要な場合は、この情報を Esri Support と共有できます。

以前のデプロイメントに戻す場合は、サポート インシデントのトラブルシューティングが行いやすくなるよう、すべてのログ ファイルをコピーしてから戻してください。 ログにアクセスするには、ログ ディレクトリ (例: <Portal for ArcGIS installation directory>/arcgisportal/logs/) をご参照ください。

アップグレード後にユーティリティ サービスを手動で更新します

OfflinePackaging、RasterUtilities、または GeocodingTools ユーティリティ サービスを使用している場合、アップグレード後にそれらを手動で更新する必要があります。

  1. アップグレードが完了したら、ユーティリティ サービスを所有するユーザーとして ArcGIS Server Manager にサイン インします。
  2. [サービス] タブの [サービスの管理] セクションで、[ユーティリティ] フォルダーをクリックします。
  3. [共有プロパティ] ボタン 共有 をクリックします。
  4. 表示されたダイアログ ボックスで [保存] をクリックします。

    ポータルのサービスが更新されます。

  5. 管理者としてポータルにサイン インします。 [コンテンツ] タブで、更新したサービスを見つけます。 [共有] をクリックします。 必要に応じて共有設定を更新してから、[OK] をクリックします。

    共有している各グループでサービスが更新されます。

  6. 該当するサービスごとに、これらの手順を繰り返します。

アップグレード後のルート検索サービスの構成

ネットワーク データセットを使用してルート検索サービスを公開することでルート検索サービスを構成する場合、最新の機能を使用できるよう、サーバーのアップグレード後にルート検索サービスを再構成することをおすすめします。 ジオプロセシング ベースのルート検索サービスの場合、新しいサービス パラメーターと新しいサービス機能は、サーバーのアップグレード後にルート検索サービスを再公開しなければ使用できません。

ネットワーク データセットを使用してルート サービスを再公開するには、次の手順を実行します。

  1. デフォルト管理者か、ポータルの設定を管理するための適切な権限を持つカスタム ロールとしてサイン インします。
  2. サイトの上部にある [組織] をクリックして、[設定] をクリックします。
  3. ページの左側にある [ユーティリティ サービス] をクリックします。
  4. ページの右側にある [ルート案内とルート検索] をクリックします。
  5. [ルート検索サービスの更新] をクリックし、[公開するネットワーク データセット] を選択します。
  6. ルート検索サービスの構成」の手順を実行し、ネットワーク データセットを使用してルート検索サービスを構成します。

正常に実行されたら、ArcGIS Server Manager を使用し、以前に公開したルート検索サービスを含むフォルダーを削除します。