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ArcGIS Server のアップグレード

ArcGIS Server 10.7.1 セットアップ パッケージでは、お使いの Linux システムに現在インストールされている 10.2.x 以降のバージョンをアップグレードできます。 そのための手順は次のとおりです。

注意:

アップグレード プロセスにより、すべての ArcGIS Server サービスは再起動されます。 アップグレード中は ArcGIS Server サイトをオフラインにすることを検討してください。

ArcGIS Server のアップグレードの準備

アップグレードを実行する前に、次の情報をよく確認してください。 「ArcGIS Server のアップグレードに関するよくあるご質問」の完全リストをご参照ください。

  • 10.7.1 にアップグレードしている場合は、10.7.1 の新しい認証ファイルを使用してソフトウェアを再認証する必要があります。 My Esri で新しい認証ファイルにアクセスできます。
  • 10.2 以降からアップグレードする場合は、10.7.1 セットアップを実行すると、ArcGIS Server10.7.1 に自動的にアップグレードされます。 以前にリリースされた ArcGIS Server の各バージョンを順に取得してインストールしたり、以前のバージョンをアンインストールしたりする必要はありません。
  • 10.1 からアップグレードする場合、インプレース アップグレードはサポートされていません。 10.1 からアップグレードするには、次の手順を実行する必要があります。
    1. 10.1 ソフトウェアをアンインストールします。
    2. 10.5 などの中間リリースをインストールして、10.1 の構成ストアとサーバー ディレクトリをアップグレードします。
    3. ArcGIS Server 10.7.1 をインストールして、サイトを中間リリースからアップグレードします。
  • ArcGIS Enterprise ポータルが正常に機能するには、ホスティング サーバーと同じバージョンである必要があります。 Web Adaptor インスタンスを再インストールして ArcGIS Server と同じバージョンにする必要もあります。
  • 10.7.1 の配置をアップグレードする場合に推奨される順番は次のとおりです。
    1. Portal for ArcGIS のアップグレード
    2. ArcGIS Web Adaptor (Portal 用) のアップグレード
    3. ポータルのホスティング サーバーとして機能する ArcGIS Server サイトをアップグレードします。
    4. ArcGIS Web Adaptor (Server 用) のアップグレード
    5. ArcGIS Data Store のアップグレード (最初にプライマリをアップグレードし、次にスタンバイをアップグレードします)
    6. 配置内のその他の ArcGIS Server サイトをアップグレードします。
  • ArcGIS Server サイトをアップグレードする場合、アップグレードされたサイトのコンテンツを保存するために、/tmp ディレクトリ内で適切なスペースが使用可能になるようにします。 <install dir>/usr/config-store<install dir>/usr/directories の両方のサイズを十分なスペースに指定します。

  • エンタープライズ ジオデータベースがホスティング サーバーの管理対象データベースとして構成済みで 10.7.1 にアップグレードしている場合は、いくつか追加手順を実行する必要があります。 ArcGIS Server をアップグレードしたら、エンタープライズ ジオデータベースを (管理対象データベースではなく) データベースとして登録する必要があります。 次に、ArcGIS Data Store をインストールして、それをリレーショナル データ ストアとして登録します。 これにより、ArcGIS Data Store はホスティングサーバーの管理対象データベースとして構成されます。
  • ArcGIS Enterprise ポータルのバージョンは、フェデレートされているホスティング サーバー、GeoAnalytics ServerGeoEvent Server、およびラスター解析サーバーのバージョンと一致する必要があります。 他のフェデレーション サーバーのサポートされているバージョンについては、「ArcGIS Server とポータルのフェデレーション」をご参照ください。
  • アップグレードする前に ArcGIS Server サイトのバックアップを作成すると、前のバージョンにロールバックする必要が生じた場合にこのバックアップを使用できます。 アップグレードする前に ArcGIS Server サイトをバックアップする手順については、「ArcGIS Server のサイト構成のバックアップと復元」をご参照ください。
  • 配置をアップグレードする際に、ポータルとフェデレートしているサーバーのフェデレーションを解除しないでください。 解除すると、ポータルの配置に悪影響が出て、ユーザーによるポータルの ArcGIS Server サービスへのアクセス、共有、使用ができなくなります。
  • サイトが読み取り専用モードの場合、サイト モードは、アップグレード時に編集可能に設定されます。 サイトのすべてのコンピューターが正常にアップグレードされた後も、サイトは編集可能モードのままになります。 アップグレードが完了したら、再び読み取り専用モードに切り替えることができます。
  • 10.0 SQL Server ベースのアイデンティティ ストアは 10.5 から廃止されました。 10.7.1 にアップグレードする場合で、これまでは SQL Server ベースのアイデンティティ ストアを使用していた場合、組み込みユーザーとグループ ストアを使用するようにサイトが変更されます。
  • ArcGIS Server サイトをアップグレードする前に、使用しているデータベースが、アップグレード後の ArcGIS Server バージョンでサポートされていることを確認します。 詳細については、下記の関連する「リレーショナル データベース管理システムの要件」トピックをご参照ください。

複数コンピューターのサイトのアップグレード

複数コンピューターの ArcGIS Server サイトを使用している場合は、サイトの各コンピューターをバージョン 10.7.1 にアップグレードする必要があります。 各 ArcGIS Server コンピューターを連続してアップグレードすることをお勧めします。つまり、最初のコンピューターのアップグレードが終了するまで待機してから、次のコンピューターのアップグレードに進みます。 サイト内の各 ArcGIS Server コンピューターのバージョン番号を同じにし、同じライセンスを適用する必要があります。

コンピューターに ArcGIS Web Adaptor を構成している場合、対応する ArcGIS Server コンピューターのアップグレードが完了したら各 ArcGIS Web Adaptor インスタンスをアップグレードします。

複数コンピューターの ArcGIS GeoAnalytics Server サイトを使用している場合、アップグレードの際には、下記の「ArcGIS GeoAnalytics Server のアップグレード」セクションの追加手順を実行します。

ArcGIS Server (Linux 版) のアップグレード

  1. コマンド プロンプトから、前のバージョンをインストールした際に使用したユーザーとして ArcGIS Server 10.7.1 のセットアップ スクリプトを起動します (例: <CD ROOT or untar directory>/Setup)。 このスクリプトを起動する前に、ArcGIS Server を停止する必要はありません。

    ヒント:

    ArcGIS Server 10.7.1 セットアップ メディアからセットアップ スクリプトを起動するには、セットアップ スクリプトをクリックして、[ターミナルで実行] ボタンをクリックします。

  2. セットアップがインストール先のコンピューターで既存の以前のバージョンの ArcGIS Server を検出すると、続行するかアップグレードを終了するかを確認するプロンプトが表示されます。 例を以下に示します。

    =========================================================================
    ArcGIS Server 10.7.1 (Linux)
    =========================================================================
    
    Your ArcGIS Server 10.3 is installed at:
    
    /home/ags/arcgis/server
    
    Confirm Settings
    =========================================================================
    Product to upgrade:             ArcGIS Server 10.3 (Linux)
    Location to upgrade:            /home/ags/arcgis/server
    
    Your ArcGIS Server 10.3 will be stopped when performing the upgrade and 
    ArcGIS Server 10.7.1 will be started after the upgrade completes.
    
      'y' to continue with these settings
      'q' to exit without upgrading this product
    
    Enter choice [y,q] (y):
  3. y」と入力して Enter を押すと、検出された設定を適用してアップデートを続行します。

    備考:

    ArcGIS Server10.7.1 にアップグレードされるまでしばらくお待ちください。 これには、数分かかる場合があります。

  4. インストールが完了したら、authorizeSoftware ツールを使用して、新しいライセンス ファイルで ArcGIS Server を再認証する必要があります。 My Esri で新しい認証ファイルにアクセスできます。 ソフトウェアは後で認証することもできますが、アップグレード プロセスの次の手順に進む前に、このワークフローを完了する必要があります。

    備考:

    ArcGIS Server を複数のライセンス ロールとして認証する場合、コンピューターに適用するライセンス ロールごとに 1 度、authorizeSoftware ツールを実行する必要があります。

  5. 認証したら、ArcGIS Server Manager を開きます。 [サーバーのアップグレードの継続] をクリックして、最初のコンピューターでアップグレードを完了します。 この手順を完了するには、アップグレードを実行しているローカル コンピューター上で ArcGIS Server Manager を使用する必要があります。また、アップグレードは一度に 1 台のコンピューターで実行する必要があります。 ArcGIS Web Adaptor またはロード バランサーで [サーバーのアップグレードの継続] を使用することはできません。

    バージョン 10.6 以降では、upgradeserver のコマンド ライン ユーティリティを使用して、アップグレードとアップグレード後の操作をサイレントに完了することもできます。 コマンド ラインで、<Server install directory>/tools/upgradeserver フォルダーに移動して、upgradeserver.sh -s を実行します。 ヘルプが必要な場合は、-h または --help を使用してコマンドを実行します。

    注意:

    [サーバーのアップグレードの継続] を使用するとエラーが返される場合は、続行する前にエラーに対処する必要があります。 たとえば、無効なライセンスに関するエラーが発生した場合、有効なライセンスを使用してソフトウェアを再認証する必要があります。 その後、[サーバーのアップグレードの継続] をもう一度クリックして再試行します。

  6. アップグレードされた ArcGIS ServerArcGIS GeoAnalytics Server として使用するか、ArcGIS Image Server とともにラスター解析に使用する際に、これらのロールをこれまで使用したことがない場合は、次の手順に従って、アップグレードされた ArcGIS Server サイトをこれらの目的に使用します。
    1. ArcGIS GeoAnalytics Server または ArcGIS Image Server のライセンス ロールを使用してサイトを認証したことを確認します。
    2. サイトとフェデレートされたポータルにサイン インします。 デフォルト管理者ロールのメンバーとしてサイン インします。 ポータル URL の形式は https://webadaptorhost.domain.com/<webadaptorname>/home です。
    3. [組織] > [サイト設定] > [サーバー] の順にクリックします。
    4. [サーバー] ページで、[サーバーの整合チェック] をクリックして、ArcGIS GeoAnalytics Server またはラスター解析サーバーとして使用するフェデレーション サーバーがポータルと通信できることを確認します。 有効な各フェデレーション サーバーの横に緑色のチェックマークが表示されます。
    5. サーバーが有効であることを確認したら、[フィーチャ解析 - GeoAnalytics ツール] または [ラスター解析] ドロップダウン リストからフェデレーション サーバーを選択して、このサーバーをポータルの ArcGIS GeoAnalytics Server またはラスター解析サーバーとして構成します。
  7. 10.4.1 以前のバージョンからアップグレードする場合、ポータルのホスティング サーバーのコンピューター上と、ArcGIS GeoAnalytics Server として使用されるフェデレーション サーバーのコンピューターまたは ArcGIS Image Server によるラスター解析のコンピューター上で ArcGIS Server サービスを再起動します。

複数コンピューターの ArcGIS Server サイトを使用している場合は、サイトの残りのコンピューターで上記の手順を繰り返します。

ArcGIS Web Adaptor をサイトと連携するように構成した場合は、10.7.1 もインストールする必要があります。 詳細な手順については、該当する ArcGIS Web Adaptor をご参照ください。

既存のサービスで使用されている登録済みデータベース接続と管理されたデータベース接続のパスワードを更新できるようにする場合は、次のセクションの記載に従って externalizeconnectionstrings.sh コマンド ユーティリティを実行します。

サーバー オブジェクト エクステンション (SOE) またはサーバー オブジェクト インターセプター (SOI) を使用してサービスをカスタマイズした場合は、ArcGIS Server のアップグレード後にサービスを再起動してください。

ArcGIS GeoAnalytics Server のアップグレード

複数コンピューターの GeoAnalytics Server サイトを使用している場合は、配置をアップグレードする際に次の追加手順を実行する必要があります。

  1. stopserver.sh コマンドを使用して GeoAnalytics Server サイトのすべてのコンピューターで ArcGIS Server サービスを停止します。
  2. 次の手順に従って、アップグレード処理を妨げていることがわかっている、参照されなくなった ArcGIS Server プロセスを確認します。
    1. ps -ef | grep arcgis/server コマンドを使用して、参照されなくなったプロセスを特定します。
    2. パスの先頭が <ArcGIS Server install location>/arcgis/server のプロセスを探します。 kill -9 コマンドを使用して、該当するプロセスを停止します。
    3. GeoAnalytics Server サイトにあるすべてのコンピューターについて、この手順を繰り返します。
  3. 孤立した ArcGIS Server プロセスが動いていないことが確認できたら、前のセクションの手順 1 ~ 5 に従って、GeoAnalytics Server サイトのプライマリ コンピューターをアップグレードします。
  4. サイト内にあるコンピューターごとに、これらの手順を繰り返します。
  5. すべてのコンピューターがアップグレードされたら、もう一度 stopserver.sh を実行して、すべてのコンピューターで ArcGIS Server サービスを停止します。 システムが必要な調整を行うまでに 5 分以上かかります。
  6. 5 分以上経過したら、startserver.sh コマンド ユーティリティを実行して、サイトのすべてのコンピューターで ArcGIS Server サービスを再開します。 操作の実行後、もう一度 5 分以上待ちます。
  7. ArcGIS Server Administrator Directory の [Compute Platform のヘルス チェックの実行] 操作を使用して、GeoAnalytics Server サイトの使用の準備が整っているかどうかを確認します。

サービスを更新してパスワードの変更を可能にする

GIS サービスでは、データにアクセスする際に、ArcGIS Server の登録済みデータベースと管理されたデータベースの認証情報が使用されます。 GIS サービスでデータベース ユーザーを使用して登録済みデータベースと管理されたデータベースに接続している場合に、そのユーザーのパスワードが変更されると、GIS サービスからデータにアクセスできなくなります。 ArcGIS 10.4 から、新規に公開するサービスで、データベースのパスワードを更新できるようになりました。 ただし、ArcGIS Server 10.3.1 以前のバージョンを 10.7.1 にアップグレードした際に、データベースへのアクセスにデータベース ユーザーが使用される既存のマップ、フィーチャ、またはイメージ サービスが含まれている場合は、externalizeconnectionstrings.sh コマンド ユーティリティを実行して、これらのサービスを更新する必要があります (パスワードを更新できるようにする場合)。

備考:

externalizeconnectionstrings.sh コマンド ユーティリティを実行すると、データベース接続は更新されますが、パスワードのリセットは既存のジオプロセシング サービスや関連する結果マップ サービスには適用されません。 ただし、アップグレードされた ArcGIS Server にジオプロセシング サービスを再公開し、該当するタイプの接続を取得して、新しいパスワードを使用するように更新することができます。

  1. ArcGIS Server サイト内のすべてのコンピューターで ArcGIS Server をアップグレードしたら、ArcGIS Server 管理者として ArcGIS Server Manager にサイン インし、すべての登録済みデータベースの整合チェックを行います。 [サイト] > [データ ストア] の順に進み、[すべてを整合チェック] をクリックします。
  2. 無効な登録済みデータベース接続が存在する場合は、すべて修正します。
  3. ArcGIS Server インストールの所有者として ArcGIS Server コンピューターのいずれかにログインします。
  4. コマンド シェルを開き、ディレクトリを <ArcGIS Server installation>/tools/externalizeconnectionstrings に変更します。
  5. externalizeconnectionstrings.sh を実行します。 例を以下に示します。

    /usr/arcgis/tools/externalizeconnectionstrings>./externalizeconnectionstrings.sh

    これにより、ArcGIS Server サイトで実行されているすべてのサービスのリストが返され、該当するサービスに使用されている接続が更新されたかどうかを示すメッセージが表示されます。

セキュリティのベスト プラクティスを実現するためのスキャン

インストール後の ArcGIS Server でのセキュリティのベスト プラクティスとして、serverScan.py スクリプトを使用してチェックすることをお勧めします。