ArcGIS GeoAnalytics Server の操作時に発生した疑問や問題点とそれに対する解決方法を以下に示します。
GeoAnalytics Server のセットアップと構成
- GeoAnalytics Server を設定するには、どうすればよいですか?
- GeoAnalytics Server サイトには何台のコンピューターを使用できますか?
- GeoAnalytics Server をフェデレートするには、どうすればよいですか?
- ビッグ データ ストアをホスティング サーバー、GeoAnalytics Server、または他のアイテムに登録しますか?
- GeoAnalytics Server および ArcGIS GeoEvent Server と同じビッグ データ ストアを使用できますか?
- GeoAnalytics Server サイトを複数のコンピューターで作成したいと思います。複数コンピューターのサイトを作成するにはどうすればよいですか?
- GeoAnalytics Server 解析に使用されるリソース (コアおよびメモリ) の量を変更するにはどうすればよいですか?
- Zookeeper はいつリセットすればよいですか?
データ ソースおよびビッグ データ ファイル共有
- 入力にはどのようなタイプのデータを使用できますか?
- 解析の出力として使用できるのは、どのようなデータ形式と格納場所ですか?
- ビッグ データ ファイル共有をどこに登録すればよいですか?
- ArcGIS Server Manager のビッグ データ ファイル共有を登録するオプションが見当たりません。
- ビッグ データ ファイル共有を生成しようとしていますが、場所にアクセスできないというエラーが表示されます。何が原因ですか?
- ビッグ データ ファイル共有を生成した後、マニフェストにデータセットが見当たりません。何が原因ですか?
- ビッグ データ ファイル共有を生成した後、一部のデータセットが表示されません。データセットが確実に表示されるようにするには、どうしたらよいですか?
- ビッグ データ ファイル共有を生成した後、データセットに有益なフィールド名が見当たりません。どのようにして、この問題を修正できますか?
- 自分が登録したビッグ データ ファイル共有に他のポータルのメンバーがアクセスしたり、解析に使用したりすることができません。
- ビッグ データ ファイル共有を登録し、データ ソースにレコードを追加しています。マニフェストを自分で変更する必要がありますか?
- どのようにして、時間とジオメトリが正しく登録されたことを確認できますか?
- ジオデータベースにデータがあります。GeoAnalytics Server でこのデータを使用できますか?
GeoAnalytics Server の実行
GeoAnalytics Tools の実行に失敗する場合
- 「{toolName} を実行できませんでした。ジョブ ID '{jobID}' に関して管理者にご連絡ください。」というエラーが表示されます。どうすればよいですか?
- GeoAnalytics Server ジョブを実行しているときに、「GeoAnalytics ジョブがリソースの待機中で、まだ開始されていません。10 分経過すると、このジョブは自動的にキャンセルされます。」というエラー メッセージが表示されます。なぜでしょうか?
- GeoAnalytics Server ジョブを実行しているときに、「分散処理プラットフォームを初期化できません。」というエラー メッセージが表示されます。どうしたらよいですか?
- GeoAnalytics Server ジョブを実行しているときに、「Spark 計算プラットフォーム サービスが開始されていません。」というエラー メッセージが表示されます。Compute platform サービスを開始するにはどうすればよいですか?
- GeoAnalytics Server ジョブを実行しているときに、[送信済み]、[実行中]、および [失敗] というエラー メッセージが表示されます。どのようにして、この問題を修正できますか?
- GeoAnalytics Server ジョブを実行しているときに、「ジョブがキャンセルされました。」というエラー メッセージが表示されます。何が原因ですか?
- 複数コンピューターのサイトにおいて、コンピューターの 1 つで ArcGIS Server を削除またはシャット ダウンすると、GeoAnalytics Server が短時間使用できなくなるのはなぜですか?
- 入力として有効であることがわかっているホスト フィーチャ サービスまたはビッグ データ ファイル共有で ArcGIS REST API を使用して解析を実行すると、[パラメーター 'inputLayer' は有効ではありません] というエラー メッセージが表示されて解析が失敗します。何が原因ですか?
- 結果として、メッセージ「解析の結果、フィーチャは返されませんでした。」が返されることがあります。レイヤーは作成されていません。何が原因ですか?
GeoAnalytics Server のセットアップと構成
適用されるライセンス以外、GeoAnalytics Server に複数コンピューターのサイトを作成する操作は、ArcGIS Server に複数コンピューターのサイトをセットアップする操作と変わりません。すべてのサーバー コンピューターで使用できる共有構成ストアがあり、すべてのコンピューターが同じ仕様 (コア数と RAM 容量) であることを確認してください。1 台のコンピューターのサイトから 3 台のコンピューターのサイトに拡張する場合は、現在の構成ストアがすべてのコンピューターからアクセスできることを確認してください。
管理者は、GeoAnalytics Server Administrator Directory のシステム プロパティ設定を介して、コンピューター リソース (コアおよびメモリ) の割合を設定します。Spark ヘルス チェックを使用して、リソースの量を確認できます。
データ ソースおよびビッグ データ ファイル共有
接続しているデータをビッグ データ ファイル共有およびポータルのレイヤーとして使用できます。
ビッグ データ ファイル共有として、次のソースに接続できます。
- Apache Hadoop Distributed File System (HDFS) (Kerberos 認証の有無にかかわらず)
- Apache Hive
- フォルダーおよびネットワーク共有
- クラウド ストア - 次のサポートを提供します。
- Amazon S3
- Microsoft Azure Data Lake
- Microsoft Azure Blob ストレージ
入力として、次のレイヤーを使用できます。
- ArcGIS Data Store に格納されたホスト フィーチャ レイヤー (ビューを含む) (ビッグ データ ストアまたはリレーショナル データ ストアとして構成)
- フィーチャ サービス
- ストリーム サービス (現在レイヤーで公開されているデータの解析に適用)
ポータルのホスト レイヤーに書き込むことも、ビッグ データ ファイル共有を使用してテンプレートに書き込むこともできます。
ポータルのホスト レイヤーに書き込む際、ビッグ データ ストア (デフォルト) とリレーショナル データ ストアのどちらに保存するかを指定します。
ビッグ データ ファイル共有テンプレートを構成して、次のデータ ストアに書き込むことができます。
- HDFS
- フォルダーおよびネットワーク共有
- クラウド ストア - 次のサポートを提供します。
- Amazon S3
- Microsoft Azure Data Lake
ビッグ データ ファイル共有を確実に登録できるよう、以下を確認します。
- サーバーがポータルの GeoAnalytics サーバーとして構成されている。
- GeoAnalytics Server で ArcGIS Server Manager を使用している。
- 公開者、管理者、または GeoAnalytics Feature Analysis 権限を持つユーザーである。
GeoAnalytics Server の実行アカウントに、登録先の場所への読み取りアクセス権が付与されていることを確認してください。ビッグ データ ファイル共有の登録について詳しくは、「Manager を使用したデータの ArcGIS Server への登録」をご参照ください。
マニフェストにデータセットが含まれていない場合、次のいずれかが原因である可能性があります。
- ビッグ データ ファイル共有用に選択された場所に、正しいフォルダー構造が含まれていません。正しいフォルダー構造について詳しくは、「Manager を使用したデータの ArcGIS Server への登録」をご参照ください。
- データセットが必要な形式ではありません。ビッグ データ ファイル共有を使用して登録できるデータの種類の詳細については、「ビッグ データ ファイル共有の基本操作」をご参照ください。
- クラウド ストアをビッグ データ ファイル共有として登録する場合は、クラウド ストアの登録時に使用したフォルダーが正しく指定されていることを確認してください。フォルダーが正しく指定されていない場合でも、クラウド ストアの整合チェックが行われます。
ビッグ データ ファイル共有の一部としてデータセットを登録できない場合は、Esri サポートにご連絡ください。ビッグ データ ファイル共有の登録をサポートできます。
予期しない文字が含まれているか、空のファイル (または空の行) であるか、ファイルが破損している場合、マニフェスト生成でデータセットがスキップされることがあります。区切り文字で区切られたファイルを登録しようとしている場合は、ファイルを開いて、各行にエスケープされていない区切り文字などの余分な文字が含まれていないか確認します。マニフェスト生成はサンプルに基づいているため、データセットの最初の 50 行をプレビューするだけで済みます。データセットがシェープファイルで構成されている場合は、すべてのシェープファイルに同じスキーマが含まれ、サイズが 2 GB 以内で、破損していないことを確認します。シェープファイルを ArcGIS Pro で開くことで、破損していないかテストできます。それでもデータセットを登録できない場合は、Esri サポートにご連絡ください。
区切り文字で区切られたファイルをビッグ データ ファイル共有のデータセットとして登録すると、GeoAnalytics Server がフィールド名を判定しようとします。データによっては、フィールド名が存在しなかったり、GeoAnalytics Server がフィールド名を判定できなかったりする可能性があります。ここでは、次のオプションがあります。
- データセットの元のデータにヘッダーがない場合は、ヒント ファイルで fieldNames パラメーターを設定して、ヒント ファイルをアップロードし、ArcGIS Server Manager でマニフェストを再生成することでヘッダーを作成できます。
- マニフェストの生成時にデータの区切り文字のタイプが誤って推定され、フィールドを解析できなかった場合は、ヒント ファイルで delimiter パラメーターを設定して、ヒント ファイルをアップロードし、ArcGIS Server Manager でマニフェストを再生成します。
- データにヘッダー行があり、区切り文字が誤って検出された場合は、ヒント ファイルで hasHeaderRow パラメーターを設定して、ヒント ファイルをアップロードし、ArcGIS Server Manager でマニフェストを再生成します。
- マニフェスト エディターでフィールド名を手動で変更します。
ArcGIS Server Manager でデータセット フィールドを目視検査します。問題がなければ、[データセットの記述 (Describe Dataset)] ツールの入力を使用します。このツールを使用すると、入力と同じ時間およびジオメトリを含む入力サンプル、データの空間範囲を表す範囲レイヤー、入力フィールドのサマリー統計情報、および登録済みの時間およびジオメトリの説明を作成できます。
はい。ただし、いくつかの考慮事項があります。
データがフィーチャ サービスとして公開されている場合は、そのデータをツールへの入力として使用できます。ただし、GeoAnalytics Server を使用してポータルにホスト フィーチャ レイヤーを作成したほうが、パフォーマンスは向上します。これは、GeoAnalytics Server がデータ ソースから直接データを読み取るためです。データがフィーチャ サービスに格納されていない場合、次のオプションがあります。
- ArcGIS Pro でツールを実行している状態で、データが小規模かつ複雑ではない場合 (数百個のポイントなど) 、データを ArcGIS Pro で直接ツールへの入力として使用できます。ほとんどの場合、最初にホスト フィーチャ レイヤーとしてデータを共有することをお勧めします。
- ファイル ジオデータベースに格納されているデータを使用する場合、解析を実行する前にデータを GeoAnalytics Server にコピーする必要があります。データのサイズによっては長い時間がかかり、場合によっては完了できない場合があります。
GeoAnalytics Server の実行
GeoAnalytics Server ジョブが実行されているかどうかを判断するには、次のいずれかの操作を実行します。
- GeoAnalytics Server の ArcGIS Server Manager で、[ジョブ] タブを使用してジョブを表示します。
- GeoAnalytics Server Administrator Directory で [admin] > [services] > [System] > [GeoAnalyticsTools.GPServer] > [jobs] をクリックしてジョブを表示します。
- GeoAnalytics Server ヘルス チェックで [activeapps] を表示します。
ArcGIS Pro またはマップ ビューアーで [キャンセル] をクリックする方法のほか、次のいずれかのオプションを使用して GeoAnalytics Server ジョブをキャンセルすることもできます。
- GeoAnalytics Server の ArcGIS Server Manager で、[ジョブ] タブを使用します。
- GeoAnalytics Server Administrator Directory で、[admin] > [services] > [System] > [GeoAnalyticsTools.GPServer] > [jobs] をクリックして、実行中のジョブを検索し、ジョブをキャンセルします。
GeoAnalytics Tools の実行に失敗する場合
別のツールを実行し、同じエラーが発生するかどうかを確認します。ほとんどの場合、Esri サポートに連絡して問題の原因を特定できるようにすることが最善の方法です。使用しているパラメーター、入力レイヤー、または分散処理プラットフォーム サービス エラーに関連している可能性があります。Compute platform サービス エラーの可能性が疑われる場合、管理者は Zookeeper をリセットできます。Esri サポートに連絡する際、使用しているパラメーターと、他の GeoAnalytics Server ツールが正常に実行できたかどうかをメモしておきます。
GeoAnalytics Server ジョブを実行しているときに、「GeoAnalytics ジョブがリソースの待機中で、まだ開始されていません。10 分経過すると、このジョブは自動的にキャンセルされます。」というエラー メッセージが表示されます。なぜでしょうか?
実行中のジョブに、GeoAnalytics Server で利用できる量を超えるリソースが必要です。理由は次のいずれかになります。
- GeoAnalytics Server 上ですでに GeoAnalytics Tools が実行されており、新しいジョブでリソースを利用できないため。この場合、現在のジョブをキャンセルするか、現在のジョブが完了してから新しいジョブを開始してください。
- リソースの量の設定が誤っている可能性があります。コンピューターで利用できる RAM の容量とコア数、およびジョブで要求されている RAM の容量とコア数を確認するには、GeoAnalytics Server 設定 を使用します。
- Spark に問題がある可能性があります。上記のシナリオ以外の場合は、ArcGIS Server Manager から GeoAnalytics Tools を再起動してみてください。
この問題を診断するには、GeoAnalytics Server の Administrator Directory で Spark のステータスを確認します。1 台以上のコンピューターに [UNKNOWN] または [STOPPED] が表示されている場合は、GeoAnalytics Server の Administrator Directory で [machines] > [<コンピューター名>] > [status] の順にクリックしてコンピューターのステータスをチェックします。コンピューターが利用可能な場合は、次の手順を使用して GeoAnalytics Server を再起動します。
- GeoAnalytics Server サイトに属するすべてのコンピューターの ArcGIS Server サービスを停止します。Windows の場合、ArcGIS Server Windows サービスを停止します。Linux の場合、stopserver.sh スクリプトを使用してすべてのコンピューターを停止します。
- 5 分待ちます。
- GeoAnalytics Server サイト内のすべてのコンピューターの ArcGIS Server サービスを開始します。Windows の場合、ArcGIS Server Windows サービスを開始します。Linux の場合、startserver.sh スクリプトを使用してすべてのコンピューターを開始します。
- 5 分待ちます。GeoAnalytics ジョブを実行します。この手順でうまくいかない場合は、ステップ 5 に進みます。
- Compute platform サービスの状態をチェックします。以下のステップをご参照ください。
ステータスをチェックするときに 1 台以上のコンピューターに接続できない場合は、1 台以上のコンピューターが停止しています。この原因には、計画的停止と予定外の停止 (アップグレードや修正プログラムの適用など) が考えられます。この状態で一時的に GeoAnalytics Toolsを実行するには、次の手順を実行します。
- ArcGIS Server の GeoAnalytics Server Administrator Directory に管理者としてサイン インします。
- [system] > [platformservices] > [Zookeeper (Synchronization_Service)] > [reset] の順に移動し、[reset] ボタンをクリックします。
- [system] > [platformservices] > [Spark (Compute_Platform)] > [start] の順に移動し、[start] ボタンをクリックします。
GeoAnalytics Server ジョブを実行しているときに、「Spark 計算プラットフォーム サービスが開始されていません。」というエラー メッセージが表示されます。Compute platform サービスを開始するにはどうすればよいですか?
Compute platform サービスは、GeoAnalytics Server の ArcGIS Server Administrator Directory から開始できます。Compute platform サービスを再開するには、次のステップを実行します。
- ArcGIS Server の GeoAnalytics Server Administrator Directory に管理者としてサイン インします。
- [system] > [platformservices] > [Spark (Compute_Platform)] > [stop] の順に移動し、[stop] ボタンをクリックします。
- [system] > [platformservices] > [Zookeeper (Synchronization_Service)] > [stop] の順に移動し、[stop] ボタンをクリックします。
- 5 分待ちます。
- [system] > [platformservices] > [Zookeeper (Synchronization_Service)] > [start] の順に移動し、[start] ボタンをクリックします。
- [system] > [platformservices] > [Spark (Compute_Platform)] > [start] の順に移動し、[start] ボタンをクリックします。
- 2 分ほど待つとコンピューターが起動します。
- [system] > [platformservices] > [Spark (Compute_Platform)] > [status] の順に移動し、すべてのコンピューターで configuredState および realtimeState 状態が started であることを確認します。
プラットフォーム サービスが開始されない場合は、Esri サポートにご連絡ください。
ArcGIS REST API または ArcGIS Pro でこのジョブを実行すると、「リクエストの処理が、サービス 'System/GeoAnalyticsTools.GPServer' の使用タイムアウト時間を超過しました」という追加メッセージが表示されることもあります。このエラーは、実行中のジョブが GeoAnalytics Server で設定されたタイムアウトよりも時間がかかっているときに発生します。解決するには、タイムアウトを長くします。詳細については、「GeoAnalytics 設定」をご参照ください。
複数コンピューターのサイトにおいて、コンピューターの 1 つで ArcGIS Server を削除またはシャット ダウンすると、GeoAnalytics Server が短時間使用できなくなるのはなぜですか?
GeoAnalytics Server の複数コンピューターのサイトでプライマリ コンピューターが使用不可になったり、サイトから削除された場合、サイトは新しいプライマリ コンピューターを選択するためにリカバリ モードになります。このプロセスには通常 6 ~ 7 分かかるため、この時間では GeoAnalytics Tools を実行できません。プライマリ コンピューターと GeoAnalytics Server コンピューターのステータスの詳細については、ArcGIS Server Administrator Directory の compute platform のヘルス チェック操作を使用します。
入力として有効であることがわかっているホスト フィーチャ サービスまたはビッグ データ ファイル共有で ArcGIS REST API を使用して解析を実行すると、[パラメーター 'inputLayer' は有効ではありません] というエラー メッセージが表示されて解析が失敗します。何が原因ですか?
HTTPS URL を使用するときに、レイヤーへの URL が自己署名証明書を使用していないことを確認してください。
解析は、解析に必要なすべての情報が揃っているビッグ データ ファイル共有でのみ実行できます。ArcGIS Pro では、ビッグ データ ファイル共有のマニフェストにジオメトリおよび空間参照が含まれます。データセットに時間が含まれる場合は、ロールに加えて、時間を表すフィールドも必要です。ビッグ データ ファイル共有の詳細については、「ビッグ データ ファイル共有のマニフェストについて」をご参照ください。