ArcGIS Enterprise AMI (Amazon Machine Images) を使用して、複数の異なるアーキテクチャを AWS (アマゾン ウェブ サービス) 上で起動することができます。Esri は、サポートされているほとんどのアーキテクチャを起動するための AWS CloudFormation テンプレートを提供しています。Esri は、スタンドアロン ArcGIS Server サイト アーキテクチャ向けのいくつかのオプションを備えている ArcGIS Server Cloud Builder on Amazon Web Services も提供しています。さらに、AWS マネジメント コンソールを使用して手動でこれらのアーキテクチャを配置することもできます。
AWS CloudFormation テンプレートで使用可能なアーキテクチャ
Esri は、次のアーキテクチャを配置するために AWS CloudFormation サンプル テンプレートを提供しています。
- 可用性の高いサイロ型 (単一コンピューター) ArcGIS Server サイト
- 可用性の高い配置 ArcGIS Server サイト
- 単一コンピューター ArcGIS GeoEvent Server サイト
- 1 台のコンピューター上の ArcGIS Enterprise
- 可用性の高い ArcGIS Enterprise の配置
- 障害復旧のための 2 つの異なる領域での ArcGIS Enterprise の配置
これらの各アーキテクチャについては、「AWS CloudFormation および ArcGIS」で説明しています。
Cloud Builder で使用可能な構成
ArcGIS Server Cloud Builder on Amazon Web Services を使用して、1 つの ArcGIS Server コンピューターを含む単純な ArcGIS Server サイトから、多くの ArcGIS Server コンピューターを含む複雑なサイトまで構築できます。また、エンタープライズ ジオデータベースを含めてエンタープライズ ジオデータベースを配置する場所を決定することもできます。
エンタープライズ ジオデータベースを含まない ArcGIS Server サイト
Cloud Builder を使用して、Windows または Linux 上で実行される、エンタープライズ ジオデータベースのない ArcGIS Server サイトを作成できます。このようなサイトは、単一または多数の ArcGIS Server コンピューターを持つことが可能です。連携動作するすべての ArcGIS Server コンピューターは同一のオペレーティング システムを使用する必要があります。すべての場合において、ArcGIS Server コンピューターは Amazon のロード バランサーの下に配置されます。
同じ EC2 インスタンス上のジオデータベースを含む ArcGIS Server サイト
必要に応じて、ArcGIS Server と同じ EC2 インスタンス上に 2 つのジオデータベースを含むサイトを作成することもできます。サイトに複数の ArcGIS Server コンピューターが含まれている場合、ジオデータベースはそれらのコンピューターのうちの 1 つ (SITEHOST) のみで実行されます。
ArcGIS Server サイトを Linux 上で構築する場合は、PostgreSQL のエンタープライズ ジオデータベースを取得します。ArcGIS Server サイトを Windows 上で構築し、エンタープライズ ライセンスを提供する場合は、Microsoft SQL Server Standard のエンタープライズ ジオデータベースを取得します。ArcGIS Server ワークグループ ライセンスを使用する場合は、SQL Server Express のワークグループ ジオデータベースを取得します。
ArcGIS Server と同じ EC2 上でジオデータベースを実行すると、ハードウェア コスト (インスタンスの使用について Amazon に支払う時間あたりの費用) の削減に役立つ可能性があります。この構成はサーバーとデータベース間の待機時間も短縮します。ただし、同一の EC2 インスタンス上でサーバーとデータベースを実行すると、ハードウェア リソースを共有することになり、コンポーネントが過負荷またはオフラインになった場合、サイトがダウンするリスクが高くなります。
ワークグループ ライセンスを使用する場合、ジオデータベースと ArcGIS Server を同じコンピューター上で実行する必要があることに注意してください。
専用の EC2 インスタンス上のエンタープライズ ジオデータベースを含む ArcGIS Server サイト
ArcGIS Server EC2 インスタンスから隔離された専用の EC2 インスタンス上で実行されるエンタープライズ ジオデータベースを含むサイトを作成することができます。ArcGIS Server サイトを Linux 上で構築する場合、エンタープライズ ジオデータベースは PostgreSQL または Amazon RDS (Relational Database Service) for PostgreSQL 内に存在することができます。サイトを Windows 上で構築する場合、エンタープライズ ジオデータベースは SQL Server Standard または Amazon RDS for Microsoft SQL Server 内に存在することができます。
ArcGIS Server から隔離されたインスタンス上でエンタープライズ ジオデータベースを実行すると、インスタンスの使用料が増える可能性があります。ただし、ArcGIS Server 層とデータベース層を分けると、他の層に影響を与えずに 1 つの層を調整または修正するための自由度が増し、ArcGIS Server とデータベースの間のメモリ競合を防ぐことができます。
サイトを手動で構築するときに使用できるアーキテクチャ
AWS マネジメント コンソールを使用すると、オンプレミスで配置する場合と同じアーキテクチャを AWS 上に手動で構築できます。ただし、ユーザーは、ArcGIS Enterprise のコンポーネントの構成および AWS に精通している必要があります。このセクションには、手動配置に関するヒントおよび関連するトピックへのリンクが含まれています。
AWS マネジメント コンソールを使用して手動でサイトを構築するときは、ArcGIS Server を実行する 1 つまたは多数の EC2 インスタンスを起動して、ArcGIS Server サイトを作成できます。複数のインスタンスを起動する場合は、Amazon Elastic Load Balancer を起動してインスタンスを ELB に追加する必要もあります。ロード バランサーの下に追加するすべての ArcGIS Server インスタンスは同じ内容である必要があります。同様に、ArcGIS Enterprise の配置で使用するために、ArcGIS Server を実行する複数のインスタンスを起動する場合は、Amazon のロード バランサーを起動してインスタンスをロード バランサーに追加する必要もあります。
ロード バランサーの下にある各インスタンスは、他のインスタンスとは独立して動作します。つまり、各インスタンスは独自の設定、サーバー ディレクトリ、ログなどを持ちます。これにより、非同期ジオプロセシングや分散マップ キャッシング ジョブなど、配置で実行できる操作の種類が制限されます。
AWS マネジメント コンソールを使用して手動でサイトを構築するときは、ArcGIS Server、Portal for ArcGIS、および ArcGIS Data Store を実行する 1 つの EC2 インスタンスを起動することもできます。
サイトのインスタンスを起動するときに選択できる Esri AMI があります。また、これらの Esri AMI から派生したカスタム AMI を使用することもできます。
ArcGIS Web Adaptor を自分でインストールする必要がありますか？
Esri AMI には、ArcGIS Web Adaptor が含まれています。Esri AMI と CloudFormation テンプレートを使用して ArcGIS Enterprise を配置した場合は、ArcGIS Web Adaptor が構成されて使用されます。
ArcGIS Server Cloud Builder on Amazon Web Services または CloudFormation テンプレートを使用して、ArcGIS Server サイトを配置した場合、ArcGIS Web Adaptor は構成されません。これは、Amazon のロード バランサーが多くの同じ役割を果たし、サイト内の ArcGIS Server インスタンスの間で受信リクエストを分散するためです。ただし、サイトを作成した後、必要に応じてインスタンスにログインし、ArcGIS Web Adaptor を構成できます。これは、Windows インスタンス上で ArcGIS API for JavaScript アプリケーションをホストする場合に必要です。詳細については、「Windows サイトでの Web アプリケーションの配置」をご参照ください。