ArcGIS 10.4.1 は、保守と品質が改善されたリリースです。10.4.1 で修正された問題の一覧は、「10.4.1 で修正された問題の一覧」をご参照ください。
以下のセクションでは、ArcGIS 10.4 Data Store で導入された変更と新機能について説明します。
用語の変更
ArcGIS Data Store で使用できるデータ ストア タイプの数が増えるにつれ、それぞれを区別するための用語が必要になってきました。ArcGIS Data Store のヘルプ全体で使用される新しい用語は次のとおりです。
- リレーショナル データ ストア: リレーショナル データ ストアにはホスト フィーチャ レイヤー データが含まれています。
ArcGIS Data Store のリレーショナル データ ストアを作成すると、管理されたデータベースが作成され、指定した ArcGIS Server サイトに登録されます。この ArcGIS Server サイトをポータルのホスティング サーバーとして設定し、ポータルのメンバーが、軽量でスケーラブルなホスト フィーチャ レイヤーを公開できるようにします。レイヤーのデータは、公開時にリレーショナル データ ストアにコピーされます。
- キャッシュ データ ストア: タイル キャッシュ データ ストアにはホスト シーン レイヤーのタイル キャッシュが格納されます。
ArcGIS Pro から 3D シーンを公開すると、ホスト シーン レイヤーとホスト フィーチャ レイヤーの両方が作成されます。つまり、3D シーンにはリレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアの両方が必要です。したがって、利便性を図るために、ArcGIS Data Store 構成ウィザードの実行時には、リレーショナル データ ストアとタイル キャッシュ データ ストアの両方が作成されます。
高解像度のタイルを含む多数のホスト シーン レイヤーを公開するポータル メンバーがいる場合は、changenosqldslocation ユーティリティを使用して、同じサーバー上の別のドライブか別のサーバー上の共有場所を、タイル キャッシュ データ ストアの場所として指定できます。
- ビッグ データ ストア: ArcGIS GeoEvent Extension for Server を使用する場合、大容量の観測データをアーカイブするためにビッグ データ ストアを構成できます。詳細については、次のセクションをご参照ください。
ビッグ データ ストア
ArcGIS Data Store が機能拡張され、ビッグ データ ストアを使用して観測データを操作できるようになりました。観測データには、オブジェクト移動または静止センサーの属性変更、あるいはこの両方が含まれます。ビッグ データ ストアを作成すると、大容量の観測データをアーカイブしたり、高速の書き込みスループットの実行を複数ノード間で維持したりできます。観測データにはフィーチャ サービスを介してアクセスし、マップ サービスを使用して可視化します。
ビッグ データ ストアを作成するには、ArcGIS Data Store 構成ウィザードではなく、configuredatastore コマンド ユーティリティを使用する必要があります。ビッグ データ ストアの操作方法の詳細については、ArcGIS GeoEvent Extension for Server のヘルプをご参照ください。
ArcGIS Data Store 構成に対する変更
ArcGIS 10.4 Data Store をインストールする場合は、ArcGIS Data Store アカウントで使用する Windows ログインの認証情報を指定します。. これにより、リレーショナル データ ストアのバックアップ ファイル用に構成した、共有ディレクトリへのアクセスが許可されるネットワーク アカウントを指定できるようになります。
注意:
ArcGIS 10.3 または 10.3.1 Data Store からアップグレードする場合には、ArcGIS Data Store のインストール時に指定するアカウントに、コンテンツ ディレクトリと共有バックアップ ディレクトリに対する権限を付与する必要があります。
スタンバイ データ ストアを構成する場合には、プライマリ データ ストアに使用したのと同じログインをスタンバイにも使用してください。
インストール後に ArcGIS Data Store アカウントに使用する Windows ログインを変更する必要がある場合、または Windows ログインのパスワードを変更する場合は、configureserviceaccount コマンド ユーティリティを使用します。
以前のリリースの ArcGIS Data Store では、データ ストアを作成後すぐに再起動する必要がありましたが、 その必要がなくなりました。
ArcGIS Data Store 管理の機能拡張と変更
スタンバイの ArcGIS Data Store を構成するときに、スタンバイにホスト シーン レイヤー タイル キャッシュ データベース (タイル キャッシュ データ ストア) のコピーが含まれるようになりました。プライマリ データベースを保存するサーバーが使用不能になった場合、ホスト シーン レイヤーはフェイルオーバーによりスタンバイ タイル キャッシュを使用します。
exportmanageddb および importmanageddb コマンド ユーティリティで、タイル キャッシュ データ ストアのエクスポートとインポートができるようになりました。
ほとんどの場合、Portal for ArcGIS 10.4 で使用可能になった新しい webgisdr ツールを使用して、リレーショナルおよびタイル キャッシュ データ ストアのエクスポートとインポートを実行する必要があります。webgisdr ツールは、データだけでなく、データを使用する Web サービスやポータル アイテムのエクスポートとインポートも行います。このツールの概要と、使用方法を示すトピックのリンクについては、Portal for ArcGIS 管理者ガイドの「Portal for ArcGIS 10.4 の新機能」をご覧ください。
デフォルトのバックアップ スケジュールとバックアップ ファイルが保持される日数が変更されました。ArcGIS Data Store は 4 日間隔で完全バックアップを作成し、7 日分に相当する完全および増分バックアップ ファイルを保持します。これらのデフォルトはバージョン10.4 で作成されるデータ ストアに設定されます。既存の ArcGIS Data Store をアップグレードしても、データ ストアにすでに設定済みの値は変更されません。
新しい removemachine ユーティリティでは、データ ストアから spatiotemporal コンピューターを削除するか、スタンバイのリレーショナルまたはタイル キャッシュ コンピューターを ArcGIS Data Store インストールから削除することができます。removestandbymachine ユーティリティが廃止され、代わりに removemachine ユーティリティが使用されるようになりました。