構成ファイルを使用して、Portal for ArcGIS の動作をカスタマイズすることができます。設定できるプロパティには、特定のリンクやボタン (匿名ユーザーがポータル アカウントを作成できるようにするメディア リンクやボタンなど) を Web サイトで表示するかどうかなどがあります。この方法は、オフラインで配置を構成する場合や、組織の要件に合わせてポータルの動作を変更する場合にお勧めです。この方法でポータルを構成した組織サイトの例を次に示します。
- 防衛分野/連邦政府 - ローカル リソースを使用するようにポータル全体を構成し、セキュリティ バナーを追加し、匿名ユーザーによるアカウントの作成を無効化し、ブログとソーシャル メディアでの共有を無効化します。
- 地方自治体 - セキュリティ バナーを追加し、ローカル投影を使用するように範囲サービスを設定します。
- 商業 - ブログやソーシャル メディアでの共有を有効化します。
構成ファイルは、<Portal for ArcGIS installation directory>\customizations\<version number>\webapps\arcgis#home\js\arcgisonline\config.js にあります。このファイルを変更する前に、バックアップ コピーを作成します。
ファイルのプロパティを変更したら、編集内容を適用するためにポータルを再起動し、ブラウザーのキャッシュ (cookie など) を消去して、ポータル Web サイトの変更を確認します。
注意:
パッチのインストール、システムの更新、または、より新しいバージョンへのポータルのアップグレードを行うときに、config.js ファイルがカスタマイズ ディレクトリに保存され、ファイル内で変更したプロパティが維持されます。組織サイトのメンバーがカスタマイズ ディレクトリを誤って削除した場合の予防策として、config.js ファイルのコピーを保持します。
構成ファイルには、変更してはいけないその他のコードも含まれています。構成ファイルを開いた場合は、ファイルの変更可能なプロパティが含まれているセクションに移動します。ポータル構成ファイルの一部のプロパティは、わかりやすいため説明する必要がありません。以下ではいくつかのプロパティについて詳細に説明します。プロパティはアルファベット順に示しています。
構成ファイル内のプロパティ
addContentSecurityText - NULL でない場合、GIS サーバーを検索してレイヤーをマップに追加するときに、指定したテキストが [レイヤーの検索] ダイアログ ボックスに表示されます。このダイアログ ボックスは、GIS サーバーで検索を実行するときに必ず表示されます。このテキストを使用して、「社外秘、配布禁止」などのコンテンツに関連したセキュリティ制約について、ユーザーに警告することができます。デフォルトは NULL です。
bitlyUrl - NULL でない場合、Facebook、Twitter、および URL マップ リンクの短縮 URL がアイテム詳細ダイアログ ボックスに表示されます。NULL の場合、Twitter および Facebook のリンクは使用できません。このプロパティを使用するには、Bitly の完全な URL ログインおよび API キー (http://api.bit.ly/v3/shorten?login=<ログイン名>&apiKey=<キー> など) を指定します。デフォルトは NULL です。また、Bitly URL を使用するには、showSocialMediaLinks を true に設定する必要があります。
bitlyUrlSSL - HTTPS が必要な場合、このプロパティで Bitly の完全な URL ログインおよび API キー (http://api.bit.ly/v3/shorten?login=<ログイン名>&apiKey=<キー> など) を指定します。デフォルトは NULL です。
classificationBanner - アプリケーションの全ページの上部および下部にセキュリティ バナーを表示するかどうかを示します。デフォルトは false です。セキュリティ バナーを表示するには、バナーを定義するコードを classificationBanner:false の行で置き換えます。例を以下に示します。
classificationBanner : { text : "UNCLASSIFIED", color:[255,255,255], font:{ decoration:"none", family:"Portable User Interface", size:16, style:"normal", weight:"bold" }, height : 5, backgroundColor:[0,128,0] },
extentService - ポータル Web サイトの [範囲の設定] ダイアログ ボックスで、Web マップ アイテムの範囲を更新または設定するために使用されるサービスです。デフォルトは、「http://services.arcgisonline.com/ArcGIS/rest/services/World_Street_Map/MapServer」です。
footerLinks - このプロパティを使用して、すべてのページ フッターに表示されるリンクを定義できます。次の例では、複数のページ (組織、利用規約、個人情報保護方針、お問い合わせ、不正使用の報告) へのリンクが表示されます。
footerLinks: [{ title: "My Organization", url: "http://www.myorganiz.com" }, { title: "Terms of Use", url: "http://www.myorganiz.com/legal/licensing/termsofuse.html" }, { title: "Privacy", url: "http://www.myorganiz.com/legal/privacy.html" }, { title: "Contact Us", email: "feedback@myorganiz.com", type: "contactUs" }, { title: "Report Abuse", email: "feedback@myorganiz.com", type: "reportAbuse" }],
gcsBasemapService - Web メルカトル座標系をサポートしない OGC WMS サービスのベースマップとして使用されるサービスです。デフォルトは、http://services.arcgisonline.com/ArcGIS/rest/services/ESRI_Imagery_World_2D/MapServer です。
httpsDomains - このプロパティにリストされたフェデレーション サーバーのサービスは、マップ ビューアーが Web マップ内で HTTP から HTTPS に切り替えて使用できるようになります。これは、マップ ビューアーでの混在コンテンツの問題を回避するのに役立ちます。形式 ["arcgis.com","arcgisonline.com","server.domain.com"] を使用します。
longTokenExpiration - ユーザーがポータル Web サイトにサイン インするときに [サイン インを保持する] を選択している場合、デフォルトの有効期限が 20,160 分 (14 日) のトークンが生成されます。サイン インするときに [サイン インを保持する] オプションを選択しなかった場合、tokenExpiration の時間の方が、このプロパティで定義された時間より優先されます。
restrictOrganizationPageToAdmin - [組織] ページを、ポータル Web サイトのユーザー権限および公開者権限を持つメンバーに表示するかどうかを指定します。デフォルトは、false です。つまり、[組織] ページは、ポータルのすべてのメンバーに表示されます。[組織] ページをユーザーと公開者から見えないようにするには、true を指定します。
searchArcGISOnlineEnabled - このプロパティを使用して、ポータルのマップ ビューアーから ArcGIS Online 内のレイヤーを検索するオプションを有効にできます。デフォルト値は true です。これを無効にすると、マップ ビューアーの [レイヤーの検索] ダイアログで、ArcGIS Online 内のレイヤーを検索するオプションが非表示になります。ポータルから ArcGIS Online 内のレイヤーを検索するオプションを無効にするには、「false」と指定します。
showSocialMediaLinks - Facebook および Twitter のリンクをアイテム詳細ダイアログ ボックスに表示するかどうかを示します。デフォルトは false で、リンクは表示されません。リンクを有効化するには、このプロパティを true に指定し、bitlyURL および bitlyURLSSL プロパティを Bitly の完全な URL ログインおよび API キーを使って指定します (例: http://api.bit.ly/v3/shorten?login=<ログイン名>&apiKey=<キー>)。
signInHelp - このプロパティを使用すると、[サイン インのヘルプが必要ですか?] リンクで開くページを無効化できます。このリンクはサイン イン ページ (signin.html) にあります。デフォルトは NULL で、リンクからデフォルト ページ (troubleshoot.html) が表示されます。独自のページを指定するには、リンクで開くページの URL を定義します (例: signInHelp: "http://machine.domain.com/mysignin.html")。
tokenExpiration - ユーザーがポータル Web サイトにサイン インするとき、デフォルトの有効期限が 120 分 (2 時間) のトークンが生成されます。サイン インするときに [サイン インを保持する] オプションを選択した場合、longTokenExpiration の時間の方が、このプロパティで定義された時間より優先されます。
webSearchEnabled - Web での検索 (Google 検索など) をポータル内のコンテンツに対して許可するかどうかを示します。デフォルト値は true です。ポータルのコンテンツに対する Web 検索を無効化するには、false に指定します。
webAppBuilderEnabled - ポータルで Web AppBuilder にアクセスできるかどうかを示します。デフォルト値は true です。無効化されていると、Web AppBuilder は、マップ ビューアーの [共有] ダイアログおよび [マイ コンテンツ] の [アプリの作成] オプションに表示されなくなります。ポータルで Web AppBuilder を無効化するには、false に指定します。