分散コラボレーションを使用すると、参加者 (ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise のメンバーシップを所有する参加者など) のネットワーク全体で GIS を統合し、その GIS に接続することができます。分散コラボレーションを設定する利点は、個人、組織、コミュニティ間でコンテンツを配信、管理、共有できる点です。分散コラボレーション (または単にコラボレーション) は、信頼の基盤とし、共通の目標または構想によって支持されます。コラボレーション参加者間で信頼性のあるコラボレーションを設定することで、単一の GIS を展開するときと同様に、コンテンツを共有すれば、ネットワーク経由で参加者に配布することができます。コラボレーションに参加している組織ごとに共有コンテンツが検出可能になります。
配置パターン例
組織のニーズに合わせて分散コラボレーションを活用する方法を考える際には、次に示す一般的な配置パターンを検討してください。
- 中央の組織がそれ以外の組織からのコンテンツを集める集中型のハブ パターン
- 2 つの組織間のコラボレーション
- ArcGIS Online 組織と ArcGIS Enterprise 組織の統合。このパターンは、フィールド コレクションやパブリック参加/契約者参加などのワークフローに適しています。
使用例
シナリオ: 集中型のハブを使用してコラボレーションを設定する
ある中規模都市では、集中型のハブを構築して、現地の警察庁、消防庁、レクリエーション部門、運輸部門が関与する複数のプロジェクト用に信頼性のあるデータを管理しています。
この例では、次のいくつかの注意すべき事項があります。
- 都市とこのコラボレーションに参加する各部門では、それぞれが独自の ArcGIS Enterprise 実装を使用しています。
- 都市はこのコラボレーションを開始しました。
- 都市と 4 件の各参加者は、同期されたアイテムを一定の間隔で送受信することに合意しています。
シナリオ: 2 つのポータル間でコラボレーションを設定する
上記のシナリオでは、複数の省庁または部門がコンテンツを提供するプロジェクトを管理するために集中型のハブが構築されました。また、わずか 2 名の参加者だけでコラボレーションを設定することもできます。
この例では、次のいくつかの注意すべき事項があります。
- このコラボレーションに関与するいずれの部門でも、それぞれが独自の ArcGIS Enterprise 実装を使用しています。
- 企画部門がこのコラボレーションを開始しました (ただし、設定された条件が異なれば、地域開発部門がコラボレーションを開始した可能性もあります)。
- このシナリオでは、どちらの部門も、同期されたデータを組織全体で参照として共有しています (データのコピーは作成されません)。
シナリオ: ArcGIS Online と ArcGIS Enterprise の組み合わせを使用してコラボレーションを設定する
ある中規模都市の公共事業部門は、落書き、犯罪、公共設備の問題 (水漏れなど) の監視と報告を目的として、公安部門および地域住民とコラボレーションしています。この活動では、各グループが協力し合いながら、発生した事態を見つけて報告し、データにパターンが存在するかどうかを確認し、必要に応じて適切なリソースを増やすこともあります。この例では、次のいくつかの注意すべき事項があります。
- このパターンでは、地域住民は 1 つの ArcGIS Online 組織を介して分散コラボレーションに参加しており、都市の各部門は ArcGIS Enterprise ポータルを介して参加しています。
- 公共事業部門が所有している ArcGIS Online 組織がコラボレーションを開始しました。公安部門がコラボレーション参加者の 1 つになりました。
- 地域住民は、公共事業部門と公安部門の両方に対してリアルタイムで共有コンテンツを送受信します。
- 公共事業部門は、事態を入力できるモバイル アプリを地域住民に提供しており、ダッシュボード アプリを使って所内で活動を追跡して対処します。
- 公安部門は、活動が報告された時点で更新情報を受信します。
コラボレーションの使用
コンテンツを他の共同作業者と共有するには、コラボレーションのワークスペースと関連付けられたグループとそのコンテンツを共有します。詳細については、「コラボレーショングループでのコンテンツの共有」をご参照ください。