[類似フィーチャの検索] は、指定する基準に基づいて、1 つ以上の場所に対する検索候補レイヤー内の類似場所を測定します。このツールは、次のような質問に答えることができます。
- 顧客プロファイルに関して、どの店舗が最も成績が優秀な店舗に類似しているか。
- 病気によって最も大きな打撃を受けた村の特性を考慮すると、他のどの村のリスクが高いか。
1 参照場所
以下は、参照場所と候補の検索場所を使用するシナリオ例です。
- 解析レイヤーに、参照場所と候補の検索場所の両方が含まれている場合があります。たとえば、すべての店舗が含まれている単一のレイヤーがあり、最も成績が良い店舗との類似性が最も高いものから最も低いものまで順位を付けたいとします。以下の操作が可能です。
- 店舗レイヤーを解析レイヤーおよび候補の検索場所の両方として使用します。次に、選択ツールの 1 つを使用して、どの店舗が最も成績が良いかを特定します。対話式のクエリを使用するか、クエリを作成して参照場所を選択できます。
- 対話式のクエリを選択した場合、一番左の選択ボタンをクリックして、マップ上の参照場所をクリックします。他の参照場所を選択する場合、もう一度選択ボタンをクリックしてから、他の各参照場所をマップ上で見つけてクリックします。
- クエリを作成するには、一番右の選択ボタンをクリックします。ダイアログ ボックスが開き、クエリを定義することができます。たとえば、各店舗の過去の収益を示すフィールドがある場合に、閾値を上回る収益をあげた店舗を選択することができます。
- または、店舗レイヤーのコピーを作成して、[コンテンツ] ウィンドウに 2 つのバージョンを用意します。最初のコピーの下にあるフィルター ボタンをクリックし、[フィルター] を定義して、最も成績の良い店舗を選択します。次に、2 番目のレイヤーの下にあるフィルター ボタンをクリックし、[フィルター] を定義して、候補の検索場所 (最も成績の良い店舗を除いたすべての店舗) を選択します。最初のレイヤーは解析レイヤーです (レイヤーの下の [解析の実行] またはマップ上部の [解析] ボタンをクリックし、[場所の検索] カテゴリを展開して [類似場所の検索] に移動します)。[類似するフィーチャの検索] パラメーターに 2 番目のレイヤーを指定します。これらが、候補の検索場所です。
- 店舗レイヤーを解析レイヤーおよび候補の検索場所の両方として使用します。次に、選択ツールの 1 つを使用して、どの店舗が最も成績が良いかを特定します。対話式のクエリを使用するか、クエリを作成して参照場所を選択できます。
- 別々の参照と候補の検索レイヤーがある場合もあります。店舗のカスタマー ベースを説明するフィールド (たとえば、平均収入や婚姻状況など) を含む最も成績が良い店舗が含まれている店舗レイヤー、および新しい店舗を構えるのに最適な場所を特定する候補区画から成る 2 番目のレイヤーがあるとします。このケースでは、参照場所レイヤーに自分の参照場所以外の場所が含まれている場合、はじめに上記の選択ツールの 1 つを使用して、参照場所を特定する必要があります。レイヤーに自分の参照場所 (最も成績が良い店舗など) のみが含まれている場合、選択する必要はありません。候補の検索場所として区画レイヤーを指定します (パラメーター 2)。区画および最も成績が良い店舗の両方にカスタマー ベースを説明するフィールドがある場合、[類似フィーチャの検索] を実行すると、最も成績が良い店舗の顧客のような人口統計的な特性を持つ候補の区画を特定することができます。候補の区画に人口統計データがない場合、[レイヤーへの情報付加] を使用すると、解析のデータを取得することができます。
通常、単一の参照場所のみを使用します。
注意:
複数の参照場所がある場合、類似性は指定するフィールドの平均に基づいて決まります。そのため、たとえば、2 つの参照場所があり、人口の一致状況について調べたい場合、ツールは、両方の参照場所の平均人口に最も近い人口を持つ場所を候補の参照場所として探します。たとえば、参照場所の値が 100 と 102 の場合、ツールは、101 に近い人口を持つ場所を候補の検索場所として探します。この結果、類似した値を持つ参照場所のフィールドを選択することができます。たとえば、一方の参照場所の人口値が 100 で、もう一方が 100,000 である場合、ツールは、2 つの値の平均である 50,050 に近い人口値を持つ場所を候補の検索場所として探します。この平均値は、いずれの参照場所の人口にも近くないことに注意してください。
2 候補の検索場所
候補の検索場所レイヤーの場所は、類似性の高いものから低いものへ順位が付けられます。類似性は、候補の各検索場所が指定したフィールドに対してどれだけ参照場所に一致しているかを基準にします。参照場所と候補の検索場所の両方を含む単一のレイヤーがある場合、そのレイヤーに [解析の実行] を実行し、パラメーター 2 ([類似場所の検索先]) にそのレイヤーを使用します。参照場所を特定するには、選択ツールを使用する必要があります。ツールは、結果の参照場所に順位を付けません。解析レイヤーに参照場所と候補の検索場所の両方が含まれている場合の他のソリューションは、別々のレイヤーを作成することです。
類似性を測定するには、[類似性のベース] に選択するフィールドに、参照場所と候補の検索場所の両方が存在する必要があります。解析のデータを取得するには、[レイヤーへの情報付加] ツールの使用を検討してください。
3 類似条件
[類似性の基準] パラメーターでは、類似性の評価に使用する基準を指定するよう求められます。これらの基準は、照合するフィールドを表します。ツールは、参照場所のフィールド値に最も近いフィールド値を持つ候補の検索場所を探します。ドロップダウン リストに表示されるオプションは、解析レイヤーと候補の検索レイヤーの両方で同じ名前を持つ数値フィールドのリストです。リストにフィールドが表示されない場合、これは、解析レイヤーと候補の検索レイヤーの両方に一致する名前を持つ数値フィールドがないことを示します。
4 結果の解釈
表示する結果の数を指定します。デフォルトでは、すべての候補の検索場所は、類似性の高いものから低いものへ順位が付けられます。結果のマップで、最も濃い色は、参照場所に最も類似性が高い場所です。また、参照場所も結果のマップに表示され、濃い赤で示されます。結果レイヤーに関連付けられたテーブルを開くと、選択した各フィールドの順位と値を確認することができます。3 番目または 5 番目に類似性が高い場所のみを確認したい場合、4 番目のパラメーター ([表示]) に数字を指定します。
類似性の判定に使用される手法の詳細については、属性値のマッチング手法の「類似検索 (Similarity Search) の詳細」をご参照ください。
5 適用例
- [類似場所の検索] ツールを使用すると、人口、教育、および特定のレクリエーション活動への近さに関して自分の住んでいる都市によく似た他の都市を特定できます。参照場所 (解析レイヤーまたは解析レイヤー上の選択場所のいずれか) は、自分が住んでいる都市です。類似性の評価に使用される基準は、人口、教育、およびレクリエーション活動への距離に関連付けられたフィールドです。候補の検索場所は、自分が住んでいる都市と比較したい他の都市です。
- ある地方公務員が、税収を増やすために、自分の都市で潜在的な事業を促進したいとします。[類似場所の検索] 解析を使用すると、自分の都市と類似している他の都市を特定して、事業を引き付ける属性 (低い犯罪率、高い成長率など) を観点に比較することができます。
- ある人事マネージャーが、会社の給与範囲が正当であることを説明したいとします。規模、生活費、および環境に関して類似する都市を特定し、対象職種の給与範囲を確認することで、それらが会社の給与に一致しているかどうかを判断することができます。
- 犯罪分析者は、すべての犯罪のデータベースを検索して、最近の犯罪がより大きなパターンまたは傾向に含まれているかどうかを調べることができます。
- 放課後のフィットネス プログラムが、都市 A で非常に成功しました。プロモータは、このプログラムを展開するために、類似する特徴を持つ他の都市を候補として検索できます。
- ある司法当局は、薬物が増加しているか、製造されている地域を発見しました。類似する特徴を持つ地域を特定することによって、今後調査する地域を絞り込むことができます。
- ある大手小売業者は、複数の成功した店舗と、販売実績の低いいくつかの店舗を所有しています。類似する人口統計と背景的な特徴 (交通の便、立地、補完的な事業など) を持つ場所を検索すると、新しい店舗に最適な場所の特定に役立ちます。